目の腐った青年はシンデレラ城に迷い込む   作:なめ!

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あけましておめでとう御座います!!!未だお正月特番を観終えていない筆者です。今年もよろしくお願いいたします!

ところで、皆さん今年の新年ガチャはどうでしたか?筆者は久しぶりの大漁で、なんと13人ものアイドルを迎え入れることができました!ありがたい!茄子さんも来たので今年はいい年になりそうです!

不死蓬莱さん。誤字報告いつもいつもほんとありがとうございます……。


21話

「すみません。見苦しいところをお見せしました……。」

 

現在土下座中。比企谷八幡です。いやぁ今日もいい天気ですね!首筋や背中に突き刺さるみんなの憐む視線が痛い!絶好の土下座日和ですね‼︎

 

「あ、あはは……まぁ、次から気をつけてくれれば大丈夫だよ。…………にしても、ちょっとうわぁってなったからこれからはやめたほうがいいと思うな。アレ。うん。小さい子たちは愚か普通の人もドン引きしちゃうと思う。というか怖い。凄く怖い。」

 

「ドン引き。」

 

「……えっ、みたいなリアクションしてるけど逆にアレを見てドン引きする人がいないとでも思った?」

 

「…………ソウデスネ。」

 

そうでした。前回のお話でかくかくあってしかじかしてたんだった。いや、我ながらアレは気持ち悪かった。今思い出すだけでも客観的に見ても主観的に見てもキモチワルイ。自分の行動を主観的に見てキモチワルイって相当だぞ。材木なんとかより酷い。いや、ごめん嘘ついた。あいつが同人誌を買い漁る為にコミケに付き添ってやった時、にわかでハマってた美人絵師を見つけた時の鼻息の荒さと、商品もらう時に手が触れ合って絵師の人が生理的に無理みたいな顔して手をバッて離された時のあいつの砂になりそうな顔と反応の方がやばかった。

 

ふと、11行程度の若干長い回想と思考を止め前を向くと、ぴたりと会話が止まっていた。みんなが少し気まずそうに黙る中、いつもなら何も感じない筈の静かな時間がとても長く、重たく感じる。

 

何故こんな感覚を感じるのか、それは、俺が盛大にミスをやらかしたから、なんだろうな。だって多分この状況作ってるの俺だもん。俺内輪揉めを遠くで見たり自分の関係無いところで気まずくなってるのを見るのは好きだけど、これ元凶俺だもん。ガッツリ内輪の中入っちゃってるもんチクショウ。

 

多分、自己紹介やってる内に武内さんが帰ってくるだろうと予想してたが来ず、特に話すことが無くなっちゃったのに加えて俺が奇行に走ったせいで気まずさが超倍してるってとこだろう。こんな時みりあちゃんとかアナスタシアとかがいればいいんだろうが、生憎狙ったかの様に2人揃ってお花を摘みに出かけた。これは詰んでいる。自信満々に一般人は理解できない言語を使うが、多分それ無しだと途端にコミュ障を発症するであろう神崎と、さっきからウサギよろしくずっとビクビクしてる緒方と、目の前の笑顔だけどなんか怖い新田さん。だぁれも喋らない。目の前からの威圧がヤバい。やっぱ詰んでる。2人とも早く帰ってきて!僕の胃がストレスマッハ‼︎

 

「…………あ、あー、えっと……プロデューサー来ないです、ね?」

 

重い沈黙が漂う中、それを破ったのは意外にも緒方だった。しかも助け舟出してくれるだなんて⁉︎ありがてぇ!ありがてぇ!

 

「……ん、あぁ。そうだな。」

 

しかしそれを顔に出してはいけない。緒方に目で感謝を訴えつつも、あくまで平静を装って返事をする。せっかく緒方がくれたチャンスを俺がなくすわけn

あっ!こっち見た!赤くなってにまにましてる!かわいい!かーわーいーいー‼︎

 

「そうだね、ちょっと遅いかも。」

 

どうも。出された助け舟を一瞬で台無しにする男。比企谷八幡でございます。ただ今棒読み気味の大きな声と共に目の前からの更に圧が非常に高まってまいりました。罪悪感と恐怖が臨界突破しそうでございます。目の前、満面の笑みでございます。死にそう。あっ待って待って新田さんこっち見ないで怖い怖い怖い。

 

また部屋に静寂が戻り、ピリピリとした緊張感がその場を支配する。出会って初めての俺に、温厚な新田さんの雷が落ちるのかと、ここにいた全員が生唾を飲み、その時を待った。

 

 

 

 

––––––全員が息を飲み、果たしてその雷は、落ちなかった。

 

やれやれと、仕方なさそうに。本当に仕方なさそうに息を吐く新田さんを見て、流石にふざけすぎたかと少し覚悟をしていた俺は、まさかのリアクションに目が点になる。

 

「……え?」

 

「まぁ、今回は許してあげるよ。比企谷君の変な行動に凄い怖くてビックリしちゃって、私思わず怒っちゃうとこだったけど、次にまた気をつけてくれればいいし、初対面で怒っちゃうのは流石に私も気がひけるからね。次からは反省してちゃんと直すんだよ?」

 

「は、はい……。」

 

「美波さんのが怖い……」

 

「………………蘭子ちゃん。ちょっとこっち、来ようか。」

 

「ひっ⁉︎」

 

「「あっ……。…………。」」

 

「大丈夫大丈夫!少しだけお話するだけ。お話を、ね。」

 

 

 

––––––やっぱり雷は、落ちた。南無三。

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

「ごめんなさいでした。」

 

新田さんと神崎がお話を終え、お花摘みから帰還したのであろうアナスタシアとみりあちゃんも引き連れ帰ってくると、神崎が新田さんに向かってポソポソと何度も謝っていた。目が虚ろだ。新田さんはニコニコしている。当事者2人以外は全員ドン引きしてた。怖い。

 

「いいんだよ。次から気を付けてね!……ところで比企谷君。」

 

「はははいなんでしょう?」

 

「途中で抜けて悪いんだけど、蘭子ちゃんと2人でプロデューサーを待っててくれないかな?一緒に最後までって思ってたんだけど、プロデューサーさんが戻って来るのが予想より遅くて。私達これから外せない用事があるんだ。」

 

「え、今の状態の神崎と2人ですか?目が死んでてちょっと怖いんですけど。」

 

「同じ死んだ目同士いいんじゃない?」

 

「……なんかもう俺の扱い雑になってません?まぁそれはそれとして、部外者をアイドルと2人きりにしていいんすかね?しかも男の。」

 

「雑だとか思うのは気のせいだよ。あと君はもうこの会社の社員だしょ?……それにさ?アイドルに勝手に手を出したら、比企谷君。どうなるかは、わかるよね?

 

「あっはい。」

 

こっわこの人こっわ。なんでそんな微笑む笑顔でそんな冷たい声出せるの?こっわ。

 

「因みに用事ってのは、聞いても?」

 

「ああ。うん。私とアーニャちゃんは今度の仕事に臨時で付き添ってくれるプロデューサーさんとのミーティングで、みりあちゃんと智絵里ちゃんは……確かインタビューのお仕事だっけ?」

 

「そうだよーっ!」

 

新田さんの確認に元気よくそれを肯定するみりあちゃん。後ろでは緒方もこくこくと何度も頷いている。

 

「なるほど。そしたらわかりました。もう少しだけ待ってみます。」

 

「うん。ほんとにごめんね?よろしくお願い。」

 

「はい。なんていうか、何もせずにこれを言うのは少し無責任な気がしますが、その、頑張ってきてください。」

 

「うん!ありがとう!それじゃ!」

 

「頑張り、ます!」

 

「さよぅ、なら。えへへ……。」

 

「はーい!みりあもお仕事がんばるねー!」

 

4人は口々にそう言うと、こちらに向かって手を振りながら廊下を歩いて行った。やっぱりアナスタシエルはかわいい。あと語呂もいい。アナスタシエル。全員がいなくなるのを確認してから、またプロジェクトルームに入り、そこにあった椅子にどっかり……とはいかず、ちょこんと座った。や、一応初めて入った部屋だからなんとなく居心地が、ね?

 

しかし、今一緒にいるのは虚ろな目をして何やらブツブツ呟いている神崎だけ。もちろん会話に発展するどころかお互いに声を掛けることすらできず、たらたらと時間が流れていく。

 

…………暇だから窓のシミでも数えてみようかn「あっ、あの……。」

 

俺がなんだと返すと、神崎はえとあのとまごついてから、なにかを決した様にキッとこちらを向き、こう言った。

 

「ひ、比企谷さん。……わ、私のこと、覚えてますか……?」

 

「は?」

 

しまった返し方が悪かった。この目でこういうリアクションとると殆どの奴らが怯えるんだった。マズいな。怖がらせたかもしれない。

 

「ひぅっ⁉︎…………えと、その、こ、コミケ!1年前のコミケに比企谷さん行きましたよね⁉︎」

 

「ごめ……え、まぁ夏コミは去年行ったけど、なんでそんなことをお前が知ってんの?」

 

もともと芯が強いのか、それともアイドル業の賜物か。予想外にすぐ立ち上がった神崎は、去年のコミケに行ったか、とかいうストーカー並みに怪しさMAXの謎確認の後、困惑気味の俺の答えにほっと満足すると、次の瞬間、とんでもないセリフをぶちまけて来た。

 

「人間誰でもどっかしら変なところはあんだよ。だから自分の好きなことくらい、曲げずに素直に好きって言えばいいんじゃねぇの?知らんけど。まぁ少なくとも俺は、こんな自分が大好きだけどな。」

 

「なんで知ってんの⁉︎」

 

そう。このセリフは皆さんお察しの通り、俺のセリフだと思われる。確かにそんなことを去年材木座の付き添いで行ったコミケのどこかで言って、帰ってからベッドで恒例のイベントを済ませた覚えがある。コミケでの材木座の反応をからかって寝るまでなんとか凌いでたっけ。だが、思い出せない。なんでこいつが知っているのか。俺はなんであんなことを言っていたのか。

 

「えと、その、私に言ってくれましたよね?今の。」

 

…………あ。

 

あの時コミケで迷子になってた子供がいて、そいつに言った。筈。もしかしたら、このセリフを知っていて、しかも言われたってことは、あの時の子供、なんだろうか。だとしたら、確か最後に名前を言ってた気がする。覚えておいてくださいと。いつかまた会いにいくから、と。そんなことも言っていたっけ。確か、名前は……

 

「ま、まさか、お前…………」

 

『神崎蘭子です!あ、お、お礼、今度、絶対します!』

 

「–––––ぁ。」

 

思いついたのは、あの時の光景。焼けつく様な日差しと熱気の下、顔を真っ赤に火照らせながら、確かに、あの少女はそう言っていた。

 

「あの時の…………神崎、蘭子……?」

 

呆然と、そう放った言葉に、神崎は–––––

 

「–––––はい。お久しぶりです。比企谷さん。」

 

嬉しそうにはにかんで、そう答えた。




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筆者「誰この人達」
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