不定期更新でクソ文章の筆者ですが、どうかこれからも筆者を見捨てずに見守って下さい。
無料単発を引いたら乙倉悠貴ちゃんが来て下さいました!有難や有難や……!
「……んんっ。先程は紛らわしい言い方をしてしまってすまない。」
「あ、いえ、こちらこそすいません。みっともないところをお見せしてしまって……。」
あれから10数分後、なんとか今日2度目の大ダメージから復帰した。出来ればこんな羞恥は二度と味わいたくない。だから美城さん。お願いだからもうその話はやめてください。無かったことにしてください。お願いします……!
「取り敢えず、そろそろ話を戻そうか。大分逸れてしまったからな。」
「はい。えっと、俺はバイトとして、雇っていただけるんですよね?」
「あぁ。そうだ。と言っても、あまり社員と変わりない時間、働いてもらうがな。」
まぁ、今俺は学生じゃなくなって無職な訳だし、年中空いてるんだから当たり前だろう。
「そうだな……比企谷。君はもう住む家は確保しているか?」
「いえ、家を追い出されてからはずっと野宿でした。」
「そうか。まぁ、家があるなら、雨に濡れてぶっ倒れるなんてことほとんどないだろうからな。」
「ゔっ!……本当に迷惑かけてすいません……。」
「構わん。倒れている者を放っておく程うちは落ちぶれてはいない。
……そうだな。住居はこちらが用意しよう。就業時間は、午前9時から昼休憩を挟んで午後7時まで。残業や休日出勤の際は、その分の手当を出そう。仕事の内容は主に重要度の低い事務処理とアイドルのメンタル、健康のケア。あとは雑務だな。家賃諸々を引いて月給は25万円程でどうだ?」
「住居を?社宅があるんですか?」
「まぁそうだな。アイドル寮がまだまだガラガラでな。そこに入ってくれ。」
「は?」
何言ってんだこの人。
「何だその顔は。バカにしてるのか?
……まぁ、確かに男が女子の寮に泊まるのは、少し非常識だしな。訝しむのも仕方ないか。」
それなら何で……?
「まぁ理由は2つある。1つは社員寮にもう空きが無いからだ。プロデューサー業は中々激務だからな。特にライブ前後などの忙しい時期に複数の芸能人を抱える者は、連日徹夜もザラだ。だから皆が通勤時間を減らしたがって寮に入る。その点、アイドル寮は最近出来たばかりで、増やしているとはいえ、今のところは入寮者が比較的少ない。だからだ。」
「そしてもう1つ。これが最大の理由だ。君のコミュ障の改善とアイドルとの会話練習。静さんから聞いたが、君は高校生の頃は所謂ボッチだったらしいからな。当然、アイドルは愚か外の人達ともまともに会話など出来ないだろう?」
「……まぁ、そうですね。ところで、静さんって……?」
「あぁ。君も知っているだろうが、平塚静さんのことだ。あの人は高校時代の先輩でな。10年程たった今でも偶に飲んだり遊んだりと仲良くして貰っている。」
おぉ、マジか。あの人美城さんとも知り合いだったのか。っていうか10年前高校生って、そうだとしたらあの人にじゅ–––––
『……おい、比企谷。これ以上は……わかってるな?』
–––––ゾゾゾッッ‼︎–––––
「ヒッ⁉︎」
背後に殺気。思わず後ろを振り返る。そこには、誰もいなかった。
「お、おい?ってどうした⁉︎」
いきなり振り返った俺に、美城さんは驚き訝しみ、俺の顔を見て更に驚いた。きっと今、俺の顔はこれまでにない程で引きつっているのだろう。
「い、いえ。少し殺気が……。」
「……何を言ってるんだ君は。」
「だ、だから殺気が……すいません。なんでもないです。」
なんでもない。なんでもないからその可哀想なものを見る様な冷たい目でこっち見ないでください美城さん。
取り敢えず、謎の殺気の事については置いておこう。
「んんっ。とにかく、君にはアイドル寮に入って貰う。いいな?」
アイドル寮か……。
「あの、納得はしたし、それが仕事に繋がるなら、俺は構わないんですけど、大丈夫なんですか?俺みたいな奴が寮を出入りしてたら。ほら、マスコミとか。それに俺も立派な男ですし、もしかしたらそういう事もあるかもですし、アイドルからの反発もあるんじゃ……。あと小さい子達が怖がりませんか?それで仕事に影響が出たらマズイと思うんですけど……。」
「あぁ。それは大丈夫だ。まず芸能人の寮は、『部屋にいる時くらい気を緩めて貰いたい』という社長の方針で、ここの敷地の内側に建ててあってな。周りから寮を見えない様にしてある。だから寮を出入りして何かを騒がれる事はほぼ確実に無い。」
……ここ確か渋谷だよな?地価めっちゃ高いんじゃ?そこに会社だけじゃなく寮まで建てる346って……やめよう。世の中知らない方がいい事もあるからな。
「次は……痴情のもつれとアイドル達からの反発か。確かに妥当な疑問だが、それも大丈夫だ。ウチのアイドルは節度を持って付き合えば恋愛は自由だしな。」
「そうなんですか。てっきり恋愛禁止だと思ってました。」
「あ、だからと言っても行為にまでは至るなよ?まぁ、君は女子と行為に至れる程の度胸など無いだろうが。まぁ、最悪責任は取れ。」
テッキトーだな!それでいいのか常務として!
「そして君の部屋の周りは比較的そういうことに寛容な者で固めるつもりだ。それでも苦情が来たら言ってくれ。私がどうにかしよう。大丈夫だ。私だぞ?ゆすりのネタなら沢山ある。」
そう言って美城さんはニヤリと笑う。なんだろう。全然違和感が無い。というか怖い。仕事して違和感さん。
「そして最後だが、それも大丈夫だ。何せ武内で鍛えられているからな。」
「あぁ。なるほど。……ってあっ……。」
「……私は、怖がられていたのでしょうか……。」
横を向くと武内さんが幾らか困った様に、首筋に手を当てていた。どうしよう。さっきから何も話して無かったから完全に忘れてた。訂正をしようにも実際その通りなので何も言えない。心なしか、頭を少し俯けた武内さんが小さく見えた。ごめんなさい。ほんとすいません……。
「それに、君程度の顔で怖がっていたらアイドルなんて出来ないからな。」
それは確かに。世の中もっと怖い顔の人もいる訳だし。俺で怯えてたらそれこそアイドルとしての営業なんてできないだろう。そう考えると俺や武内さんで慣れておいた方がいいのかもしれない。
「そういえば、あまり嫌がらないんだな。もう少し渋ると思っていたんだが。」
「俺はここで働かせて貰う訳ですし、今はそれを言える立場では無いので。俺の心臓に悪いことと、これから負うであろう心の傷から目を背ければ、ちょっととんでもないくらいな高待遇ですし、断る理由がありませんよ。」
「まぁ、それもそうか。」
美城さんが納得したところで、一旦一呼吸置く。
「ではもう1度、仕事の内容を確認しよう。就業時間は、午前9時から昼休憩を挟んで午後7時まで。残業や休日出勤の際は、その分の手当を出す。仕事の内容は主に重要度の低い事務処理とアイドルのメンタル、健康のケア。そしてその他雑務。寮は貸し出し、その代金は給料から10万円差し引いて、月額制で基本給は25万円程。これでいいか?」
「……はい。」
俺はここで初めて、仕事をする。まぁ、バイトだけど。それでも溢れてしまう緊張と恐怖を払い除ける為、しっかりと、もう1度覚悟を決めてから、返事をする。
「では、歓迎をする前に私から1つ、伝えたいことがある。ここから先、辛くなる事も、嫌になる事もたくさんあるだろう。だが、どうか、最後まで投げ出さずに頑張ってほしい。」
「君は、その年にして、物事の本質を見抜く目を持っている。そして、君は優しすぎる程、他者に優しい。でなければ、自分を顧みず、あんな事をすることはできない。」
「–––––君には、人を見る才能がある。他所で野放しにしておくには勿体ない程に。」
「え……?」
俺に、才能……?
「何を不思議そうな顔をしている?誰1人として見ていない中、誰よりも早く高垣を見つけ出して彼女のファンになったのは君だろう?」
「それは高垣さんが凄かっただけで……」
「誰も見向きもしない中、その凄さを見つけるのは中々難しいと思うがな。」
「そう、なんでしょうか?」
「あぁ。そこは私と武内が認めている。自信を持っていい。」
やっぱり褒められるのは慣れないな……。小っ恥ずかしい。
恥ずかしくて、視線を外す。すると美城さんは、仕方ないと言うように、フッと笑った。俺を見るその目は優しくて、その仕草にちらりと、
「君はここで頑張れば、必ずいいプロデューサーになるだろう。だから、そんなに自分を卑下するな。君は君が思っているよりも価値のある人間だ。少なくとも私達はそう思っているし、君がここに必要だと、思っている。だから、自信を持って、一歩一歩、焦らずに進んでいってくれ。」
「346プロダクションアイドル部門は、君のことを以下の条件でアルバイトとして雇う。これからよろしく頼む。期待しているよ。比企谷。」
……ここの事務所の人は本当に、なんでこんなに優しいんだよ……本当に、ずるい。
そして俺は、目の前の美城常務に、勢いよく頭を下げた。
「よろしく、お願いしま–––––」
「比企谷ぁぁぁぁぁあああああ‼︎‼︎」
……なんでこうなるかなー……。
最後の方が適当になったけど気にしない気にしない。
給料の話は筆者は浅く調べただけなので、もし不自然な点があればご報告をお願いします。