魔法少女リリカルなのは 〜オーロラ姫の凍りついた涙は誰のために〜   作:わんたんめん

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みなさん、お久しぶりです。

今作でいえば二か月。わたくしわんたんめんの作品全体を通して一か月以上投稿がなく本当に申し訳ありませんでした。
更新する気はありましたが、リアル事情の建て込み、そしてゲームに明け暮れてしまったためここまで新しい話の投稿が遅れてしまいました。

この度、ようやく落ち着き、こうして投稿することができました。

なんとか更新速度は挙げていく所存でありますので、またよろしくお願いします。






第72話 ゼロVS機動六課

ミッドチルダの都市区画から外れた沿岸地域。表向きは試験用の部隊として編成され、その本質はスカリエッティの陰謀を阻止するための砦、機動六課。

その機動六課の隊舎から少し沖合に出たところに建造されたシミュレーション用の超巨大投影島になのはを始めとした前衛メンバーの総勢が集合していた。

 

既に面々の表情を引き締まったものに変わっており、これから行われることへの緊張のようなものが感じられる。

 

『訓練プランは予め伝えていたが、改めて説明する。』

 

なのは達の持つデバイスを介してヒイロの声が通信として届いてくる。その彼は投影島から遠く離れたコンソールの前に立っており、その隣には部隊長であり、今回の訓練からはその使用する魔法の関係上、外されてしまったはやてがいた。そしてヒイロの傍には若干自分の定位置にしかけているヴィヴィオの姿もあった。

 

『大まかな内容としてはお前たちにはこれから投影されるモビルスーツ相手に目標を中心に防衛網を構築し、これを迎撃してもらう。ようするにホテルアグスタでの戦闘のようなものだ。お前たちの勝利条件は一定時間目標を防衛するか、逆にモビルスーツ群に突っ込んで指定された目標を破壊する。どちらをとるかはお前たちの判断に任せる。』

 

「あの、そのあたし達が倒す方の目標について何かないんですか?」

 

ヒイロが説明を行なっている中、ティアナが選択肢の一つである破壊目標について、その詳細を求めた。それに対しヒイロは少し間を空ける。

 

『……………お前たちに見せたことないモビルスーツだ。だが、全くの新型というわけではない。戦闘中に類似するタイプを見抜いて対応して見せろ。俺から言えるのはそれだけだ。』

 

「………………わかりました。」

 

ティアナからの返事を聞いたヒイロは他にも何か質問を待つ意味合いで無言で待ったが、それ以降質問が飛んでこなかったため、話を進めることにした。

 

『質問がなければ訓練に入るが、始めるまでには五分ほど時間を設ける。その間にお前たちで防衛網を構築するなり、準備をしておけ。』

 

そこでヒイロからの通信は切れ、なのは達は集合して話し合いを始める。

 

「えっと、ホテルアグスタの時と同じ状況なら、私が戦闘指揮を取った方がいいかしら?」

 

まずシャマルがおずおずとした様子で手をあげながら自分が戦闘指揮を取ることを名乗り出るとなのは達は無言で頷くことで肯定の意思を示す。

 

「それなら、次に陣形なんだけど…………アグスタの時のものになのはちゃんとフェイトちゃんを加えたものにしましょうか。フェイトちゃんはシグナムとヴィータと一緒に前線へ。なのはちゃんは………私の隣で砲撃魔法での前線への援護を。」

 

「私は前でなくていいんですか?」

 

シャマルが陣形の内容を説明している中、なのはは自身が前衛に出ずに後方支援に努めることに首をかしげる。

 

「なのはちゃんはほかの人達には対応が難しい相手に専念してほしいの。」

 

「ビルゴ…………ですね。」

 

「そう。アレに出てこられると経験に乏しい私たちじゃ対処がしづらいからヒイロの君のいう火力での押し切りにしか頼れないの。」

 

「わかりました。ビルゴの出現が確認できるまではシャマルさんの隣で援護に徹しますね。」

 

なのはがシャマルの提案に納得したところで全員で最終確認に入る。シグナム、ヴィータ、フェイトをはじめとした近接戦闘を得意とした人員で最前線の防衛ラインを構築。スバル達フォワードには第二防衛ラインを担当してもらい、最前線の撃ち漏らしを担当し、残ったシャマルとなのはは防衛目標の近辺で状況を見守り、場合によってはシャマルを観測手とした狙撃を行う三段構えの陣形だ。

 

『五分が経過した。これよりシミュレーションを開始する。』

 

投影されたビル群にいる全員にヒイロの声が通信として届くと同時に最前線、フェイト達のいるエリアにホログラムが投影される。地上にはモスグリーンの装甲に左肩にラウンドシールドを装備し、テレビ画面のような黄色のカメラアイを点滅させながらリーオーが列を組んで行進を行い、その後ろからキャタピラの音を響かせながら両肩のキャノン砲をトラゴスが光らせる。

 

さらには空にもバーニアを蒸しながらエアリーズが飛び回りはじめ、その数は三機のモビルスーツを合わせて優に70は数としては超えていた。

 

「……………結構な数いきなり出してきやがったな。」

 

「だが、実際はガジェットも戦線に組み込んでくるのだから、ヒイロにとってはこれでも慣らしの範疇なのだろう。」

 

出だしから50を越す数を出してきたことに地上に立っているヴィータは面倒くさそうに自身の得物であるグラーフアイゼンを肩に担ぐが、シグナムはレヴァンティンを構え、臨戦態勢を即座に整える。

 

そのシグナムの闘志を察したわけではないのだろうが、シグナムが構えたと同時にリーオーの壁の向こう側にいるトラゴス達は両肩二門のキャノン砲を二人に向けると一斉砲火を行う。

 

「ちっ、攻撃自体は見えっから避けられるけど、火力・爆発はとんでもねえな!!これが魔力もなんもなしに誰でも引き金弾けば撃てるってのは末恐ろしいな!!」

 

「だからこそ、我々はこういう存在を許すわけにいかない。あのような代物を捨て去ったのが、今の世界!!」

 

砲弾が地面に着弾し、爆炎を巻き起こすが、ヴィータは爆炎の範囲から逃れるように後退し、シグナムは爆炎の中を突っ切りながらリーオーに肉薄する。

 

「ハァッ!!!」

 

シグナムが上段に構えたレヴァンティンを目の前のリーオーに向けて振り下ろす。その鋭い剣の軌道にモビルドール化されているリーオーは機敏に反応し、左肩のラウンドシールドを構えるが、レヴァンティンの刃はシールドごとリーオーを両断する。本来のリーオーに使われているチタニュウム合金ならばいくらか防げただろうが、装甲をガジェットのそれと設定されている代物では無理があったようだ。

 

「………………」

 

一機やられたことにリーオー達はほかの機体がやられたことに動揺のようなものを見せず怪しげに手にしていたマシンガンをシグナムに向けるとためらいのようすを一切感じない無機質な挙動でその引き金を引く。

 

「ッ………………」

 

本来であれば禁忌とされている実弾兵器による攻撃、魔力を扱ったものとは一味違う鉄臭い弾幕にシグナムは銃口から放たれた弾丸を近距離で数発撃ち落とすも複数のリーオーの弾幕全てを捌くことは不可能とすぐさま悟ったのか、瞬時にパンツァーガイストで自らの体に魔力の幕を纏わせながら一度距離を離す。

 

「チッ、普通は味方がやられれば少しは動揺の色が現れるというのに………ガジェットで経験済みと思っていたが、人型の機械を相手にするだけでこうも奇怪に感じるものか。」

 

リーオーやトラゴスと言ったモビルドールから感じる機械特有の独特の薄気味の悪いモノにシグナムは渋い表情を見せるも、それに怖気付くような雰囲気を一切感じさせずにレヴァンティンからカートリッジの薬莢を吐き出させるとシュランゲフォルムの蛇腹のような連結刃をリーオーとトラゴスの群へ振るう。

 

 

 

 

「シグナムもよくやってるなー…………マシンガンの実弾叩き落とすなんてそうそうできることではないよな?」

 

シグナム、ヴィータ、そしてフェイトが交戦を始めた中、遠く離れた投影装置のコンソールの側ではやては映っているリアルタイムの映像を見ながらそんな言葉を溢す。

 

「リーオー、トラゴス、エアリーズの三種類ならば奴らでも余裕を持って対応は可能だろう。クロノが率いている部隊も似たような結果を出しているからな。」

 

そんなはやての言葉にさも当然と言うようにヒイロは視線を虚空に映し出されている映像から目線を逸らすことなく語る。

映像の中ではフェイトがエアリーズの編隊を相手取ってドックファイトを繰り広げていたが、一度戦ったことのある相手なのが大きかったのか、さほど苦戦を感じさせない動きでエアリーズを落としていく光景が映る。

 

「問題はここから……………一番のネックなところ、トーラスとビルゴ相手に現状でどこまでやれるかやな。」

 

「ああ。もっとも難易度は格段に上げさせてもらう。今後のこともある以上、加減を考慮するわけにはいかないからな。」

 

そう言うとヒイロは待機状態のウイングゼロとケーブルが繋がれたコンソールの操作を行うと演習を次の段階に進める。

 

 

 

 

「あれは………………!!!」

 

それらの出現、および接近に最初に気付いたのはフェイトだった。エアリーズの数をあらかた減らしたタイミング。まさに余裕が出てきたところに休む暇など与えないとでも言っているようなものであった。

 

エアリーズよりも数段早いスピードで迫り来るのは、フェイトが過去に一度だけ見たことのある機体、かつてのナハトヴァールと呼ばれた闇の書との戦闘の際に取り込まれた夢の世界の中で目にしたトーラスだった。その数、五機で一つの編隊を組んで15機ほどであった。

 

「トーラス!!あの時はヒイロさんのウイングガンダムに一緒に乗っていたからあんまり気にしていなかったけど……………!!」

 

フェイトはその時のヒイロとの相乗りを思い返しながらも猛烈なスピードで飛来するトーラスの編隊へ向けてフォトンランサーを発射する。

その飛んでくる雷槍をトーラスはそれぞれが編隊を散開させる形でばらけることで射線から外れる。

すかさずフェイトはフォトンランサーに纏わせた環状魔法陣を発動させ、一度外れたフォトンランサーの標準を再調整してトーラスを追い回す。しかし     

 

「やっぱり追いつけない……………早いッ!!!」

 

トーラスのスピードはフェイトの操るフォトンランサーのスピードを優に越し、その上で手にしていたビームカノンの砲口を向け、テレビの形をしたカメラアイを怪しく明滅させながら高出力のビームを放つ。

 

 

(ッ…………射撃の精度も正確…………結構なスピードで動き回っているはずなのに…………!!)

 

空を駆けるフェイト。彼女の持つスピードは管理局内でもかなり上位に入るほどのものである。しかし、トーラスの射撃はそのフェイトを正確無比とも取れるような精度で捉え、彼女に弾幕を浴びせる。

 

(これじゃあ足止めなんてとてもじゃないけど……………)

 

ビームカノンの攻撃を避けながらも、その正確さに苦々しい表情をしながらトーラスの編隊に目線を送る。そこにはフェイトが予見した通り、15機の内5機が防衛ラインを越え、スバル達のいる第二防衛ラインへ向かい、残りの10機のトーラスがフェイトに迫りくる。足止めを行うはずが逆に足止めを受けている。今のフェイトはそんな状況であった。

 

「こちらライトニング01!!ごめんなさい!!トーラス5機が抜けていった!!わかっていたつもりだったけど、ガジェットとかより桁違いに早い!!気をつけて!!」

 

 

 

 

「こちらシャマル、了解したわ。フォワードのみんな、聞いての通りよ。相手の数は少数だとしても十二分に警戒をしながら対応して。」

 

『了解!!』

 

フェイトからの報告に即座に指示を飛ばすシャマルにスバル達フォワード組が応答する。そのシャマルの隣でなのはが神妙な顔を彼女に向けて見せていた。ティアナ達も以前比べれば格段に強くはなった。それは少し足りない部分があったとはいえ、彼女たちを一番よく見てきたなのは自身が知っている。しかし、それでもフェイトが抑えきれなかった相手ともなってくるとどうにも不安が前に出てくるようだ。

 

その不安を押し殺すようになのはは手にしているレイジングハートの柄を握りしめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギガント…………シュラァァァァァクッ!!!!」

 

雄々しい雄叫びと共にヘッドを巨大化させ、そこから振り下ろすと同時に蒸されたジェットで加速をかけたグラーフアイゼンをリーオー、トラゴスもろとも叩き潰すヴィータ。その圧倒的な質量攻撃の前に巻き込まれた機体は耐えきれず爆散する。

巻き込まれなかった残りのリーオーやトラゴスも仕返しと言わんばかりにその銃口、砲口をヴィータに向けるも       

 

 

「やらせん!!」

 

即座にシグナムが割り込み、蛇腹剣と化したレヴァンティンの刀身がリーオーとトラゴスの体を食い破り、その撃鉄が起こされる前に撃破する。

 

「数が減ってきたな………」

 

「ああ。だが本命はここから………ヴィータ!!」

 

互いに互いの背中を守るように背中合わせで会話する二人。目に見えて数が減ってきたことに息をつくヴィータに気を引き締めるような言葉を投げかけようとしたシグナムだったが、唐突に驚いたように目を見開くと同時にはじけたような勢いで上空へ飛ぶ。

そのシグナムの行動と言葉から瞬時に自分たちに攻撃が飛んできたことを察したヴィータは同じように上空へ移動する。

 

「うおッ………………!?」

 

思わずヴィータは声を漏らした。なぜなら先ほどまでの攻撃はリーオー、トラゴスによる実弾攻撃がほとんど。しかし、今ヴィータ達二人の眼下を通り過ぎていったのは何本もの太いビームの軸だった。その攻撃は残っていたリーオーとトラゴスに命中するとその装甲をやすやすと貫き、残存していた機体すべてが爆散していった。

 

「ついに現れたか!!」

 

ビームが飛んできた方角にシグナムが目線を向ける。戦闘の余波で辺りには爆煙が立ち込めていたが一つ、煙の中で怪しく紫色の光が映るとそれが一つ、また一つとどんどん数を増やしていく。そしてその爆煙を押し流すように黒い装甲に右手に巨大なビームキャノンを携えたビルゴが姿を現す。そのビルゴが横一列に並んで一糸乱れぬ様子で行進する姿はシグナムたちに二人に、それらがプログラムによって動かされている印象をうけさせる。

 

「来やがったな、ビルゴとかいうやつ!!」

 

行軍を始めるビルゴに向けてヴィータが鋭い目つきを見せると手にしていた鉄球をグラーフアイゼンで打ち出し、誘導制御型の魔法、シュワルベフリーゲンとしてビルゴ群に襲い掛かる。するとビルゴは肩から外れたパッドのようなものを自身の周囲を取り囲むように浮遊させるとパッドとパッドの間を埋めるように電磁波のようなものが発生する。

そのビルゴを取り囲んでいる電磁波にシュワルベフリーゲンが着弾すると、炸裂、爆破しビルゴを爆煙で包み込む。しかし、晴れた爆煙から出てきたのは光弾が着撃したにも関わらず、その本来の代物より薄いはずの装甲に傷一つすらついていないビルゴの姿だった。さらにお返しと言わんばかりに空を飛ぶ二人にビルゴはビームキャノンを向けるとその銃口から反撃のビームをお見舞いする。

 

「ちッ……………傷一つすらついてねぇ。あれが例のプラネイトディフェンサーってやつか。」

 

「ならば接近戦で……………!!」

 

その弾幕はビルゴ自体の数は少ないながらも、銃口から発射されるビームは絶え間なく、なおかつ断続的なものであるがゆえに濃密な弾幕を形成する。モビルドールによる射撃はまさに正確無比な精度であるが、悪く言えば射線が素直すぎて読まれやすい。その性質を理解しているのか、はたまた長く戦闘に身を置いてきた皮肉なのか、ヴィータを差し置いてその弾幕に突っ込んだシグナムは弾幕の一射一射を紙一重で潜り抜けるようにビルゴに接近すると、レヴァンティンを手近なビルゴに向けて振り下ろす。

 

「ハァァァァァッ!!!」

 

振り下ろされたレヴァンティンの刃はビルゴの胴体を斜めに切り落とす……………ことはなく、 あらかじめビルゴを取り囲んでいたプラネイトディフェンサーに阻まれ、周囲に稲光をまき散らすのみに抑えらてしまう。

 

「ッ……………固いというより見えない何かに阻まれている気分だ!!!」

 

自信の刃が完全に止められたことにシグナムは驚きを隠せないが、前もってヒイロからビルゴやプラネイトディフェンサーの性能に関して聞いていたのが功を奏し、その後のビルゴからの反撃からは瞬時に反応し、身をひるがえすことでそれを回避する。

一度体制を立て直すためにビルゴから距離をとった二人だが、そのような時間を取らせるつもりがないというようにビルゴが自身のカメラアイを明滅させると整った歩幅でビームキャノンを断続的に発射しながら行進を再び始める。

 

「シグナム!!少し時間稼いでくれ!!」

 

自身の名前を叫ぶヴィータにシグナムが視線を向けると、グラーフアイゼンを高々と掲げた彼女の姿が目に映る。それを見たシグナムはヴィータがギガントシュラークによる大質量攻撃をもって、ビルゴを叩き潰そうとしていることを察知し、ビルゴからの横やりが入らないように吶喊を行うことでビルゴの注目を集めようとする。

 

「……………」

 

ビルゴは再びカメラアイを明滅させ、ビームキャノンを悠然と構え、狙いを定める。そこになんらおかしい点が存在することはない。相手はいくら性能がこれまでのガジェットの数倍だろうとしょせんは機械。シグナムがそうしてビルゴの注目を仰げば、ますは目の前の敵を排除しようと動くはず。

 

(……………?)

 

しかし、ビルゴに再度距離を詰めるシグナムはほのかに違和感を感じとる。ビルゴからは人間特有の殺意といった感情を肌で感じることはできない。だが、シグナムは戦闘の手練れ。かつて闇の書の守護騎士として稼働していた時のように記憶の欠落こそあれど、その経験までなくなることはない。それがゆえに感じた違和感。

 

「ヴィータ!!()()()()()()()()()!!回避しろ!!」

 

「んなッ!?」

 

ビルゴが持つビームキャノンの銃口の向きがわずかに上に向けられていることから、それが自身に向けられたものではないと悟ったシグナムはヴィータにせかすようにそう声を張り上げ、両足をブレーキがわりとし、地面から土煙を巻き上げながら上半身を折り曲げ、思い切り態勢を低くする。そのタイミングでちょうどその上をビームキャノンの光がとおりすぎる。

そのビームが飛んだ先にはグラーフアイゼンを巨大化させている最中のヴィータの姿があった。

 

「くそったれが!!」

 

思わず悪態をつくヴィータだったが、シグナムと同じようにだてに守護騎士として戦闘の経験を重ねていない。中途半端ながらもそれなりに巨大化させたグラーフアイゼンを振るい、そのヘッドをぶつけることでビームの相殺を行う。急襲をかろうじてしのいだヴィータだが、その表情に安堵はなく、むしろ険しいの一言そのものだった。

 

「あっぶねぇなッ!!!先に自分に迫る危険に反応すると思ったのにシグナムを無視して本命のこっちに攻撃を入れやがった!!どうなってんだよ!!」

 

「今、確実にあのビルゴは確実に大局的に物事を見極めて攻撃を加えた……………私の攻撃が効きずらいのを見越した上での行動か?」

 

 

 

 

 

 

 

「……………なんか妙に再現したモビルスーツの動きがいいような気がするのは私の気のせいなんか?ヒイロさん。フェイトちゃんが抑えるどころか逆に抑えられとるって大分まずい気がするんやけど……………」

 

演習場のコンソールに表示される訓練の様子を映す映像を見ながらはやてはそのビルゴやトーラスの動きに軽く慄いているようにヒイロに視線を向ける。

 

「安心しろ。戦場でそこまでの動きを見せてくるモビルドールが出てくることはないだろう。」

 

「……………なしてそう言えるん?」

 

そう言い切ったヒイロにはやては少しの間思案にふけるが答えが出てくることはなかったため、その答えを求めるように首をかしげると、ヒイロはコンソールから表示される映像から目線だけを彼女に向ける。

 

「再現したトーラスとビルゴはゼロシステムとリンクさせている。」

 

さも当然というように、淡々とした口調であの未来を予測する、場合によってはパイロットが死ぬゼロシステムとリンクさせていると言い張るヒイロにはやてはあいた口がふさがらないというようにコンソールから伸びたケーブルにつなげられているウイングゼロに目線を合わせるのだった。

 

 

 

 




感想等、気軽にしてもらえると作者の励みになりますので、どうぞ。

PS.石斛花とくろうさぎを同時に出してもストーリーのキャパがぶっ壊れなさそうなアニメってありませんかね?
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