魔法少女リリカルなのは 〜オーロラ姫の凍りついた涙は誰のために〜   作:わんたんめん

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最近時間経つのが早すぎるんじゃ!!もう一月以上空けてしまったぞ!?

あ、それはそれとして、書き終える直前で気づいたのですが、今回ギンガの存在がマジで消しとんでます。忘れてました。




第73話 乙女座の真髄

「前線のシグナムさんから連絡!!例のビルゴが現れたわ!!それとフェイトさんが足止めしていたトーラスが5体やってくる!!迎撃するわよ!!」

 

「フェ、フェイトさんが止められない性能って、わたしたちで大丈夫なの!?」

 

「つべこべ言わない!!そりゃあフェイトさんだって人間なんだし偶然の取りこぼしの一つや二つあるでしょうよ!!でも相手はその偶然を自力でやってのけてくる!!これぐらいやんなきゃ、この先誰かを守るどころか、あたしたちが生き残ることすら厳しいわよ!!」

 

まだまだ続くモビルドールを相手とした演習。最前線のフェイトを突破したトーラスが第二防衛ラインを務めるFW組に接近を続ける中、冗談かどうか定かではないが、泣き言をいうスバルの尻を叩くようにティアナが叱咤激励を行う。

 

「でもティアナさん、相手は上空を常に飛んでいます。陸戦魔導士の僕たちには中々きつい相手かと………」

 

「そうよね………まずは向こうの土俵からたたき落とす必要がある。だけどそれ以前にそれだけの時間を作ることも必要………」

 

「ならフリードで足止めをします。多分フリードの巨体なら足止め程度ならできると思います。」

 

「それしかないわよね……フリードにはいろいろ大変だと思うけど、お願いするわ。」

 

ティアナがそう頼むとキャロは祈りを捧げるように両手を組むと近くを浮遊しているフリードリヒの足元からピンク色の魔法陣が現れ、小さかったフリードリヒの姿が巨大化するとまさしくドラゴンのような白龍に姿が変わる。

 

「エリオはキャロに同行して足止めに参加して!!でも自分から仕掛けるようなことはしないでフリードの死角からの攻撃に対応!!スバルとアタシは物陰に隠れてトーラスの隙を狙うわよ!!」

 

「了解っと!!」

 

エリオがフリードの背中に跨り、それを確認したキャロが手にしているフリードの手綱を奮い、翼を羽ばたかせると空へと向けて飛び上がる。ティアナとスバルも近くのビルにウィングロードを架けることでなるべく高い位置での対応を試みる。

 

「キャロッ!!来るよ!!気をつけて!!」

 

フリードリヒに飛び乗り、大空へ飛び上がった二人だが、エリオが即座に警告を発し、一瞬それに驚いたキャロだが、すぐに落ち着いた様子でエリオが見据える方向に視線を向けると、黒い機体を日光で反射させた五機のトーラスが隊列を組んで迫りくるのが視界に映る。

 

「フリード!!ブラストレイッ!!!」

 

すぐさまフリードリヒにそう命じると、白銀の竜の姿となったフリードリヒの顎が大きく開かれ、そこに赤い魔法陣が現れると灼熱の業火が放射される。

そこら辺の火炎放射器など目でもないのがはっきりわかるほどのレベルで圧倒的な熱量が向かっていくが、トーラスは組んでいた編隊を解いて、散開するだけでフリードリヒのブラストレイの範囲から逃れることに成功する。

 

「ッ………………!!」

 

避けられたと認識するや否や、キャロはフリードリヒの手綱を引っ張り、もう一度攻撃を仕掛ける猶予を稼ぐためにトーラスから距離を取ろうとする。

しかし、トーラスのスピードはフリードリヒが出せる速度を優に上回っており、瞬く間に二人を乗せたフリードリヒはビームライフルを構えたトーラスに包囲され、その白銀の鱗皮にビームが撃ち込まれ始める。

 

(ごめんねフリード…………痛いだろうけど今回ばかりは耐えて…………!!)

 

放たれたビームがフリードリヒに直撃する度に小さな爆発が起こり、呻き声のような声を発しながら身をよじらせる。

そのフリードリヒに申し訳ない気持ちを浮かばせながら手綱から手を離し、ケリュケイオンのグローブをはめた手を掲げると空中にピンク色の魔法陣が二つ展開される。当然空を飛び回っているトーラスもその突然出現した魔法陣にカメラアイを向けるというわずかな反応を見せたが、そこから何の変化も起きなかったことからすぐに脅威ではないとシステムが判断するとフリードリヒに向けて攻撃を再開する。

 

「我が求めるは戒める物、捕らえる物。言の葉に答えよ、鋼鉄の縛鎖!!アルケミックチェーンッ!!!」

 

その直後にタイミングを見計らっていたキャロが詠唱を行うと、空中に固定化されていた魔法陣が輝きを発し、そこから鋼鉄の鎖が飛び出る。キャロの錬鉄召喚によって生成された鎖はちょうど近くを通りがかった二体のトーラスの片足に絡みつく。突然の拘束に捕らえられたトーラスは動きを止めるも機械的にその絡みついた鎖を推力で外すには時間がかかると判断するとビームライフルの銃口を鎖に向ける。

 

「逃がさないッ!!!」

 

せっかく捕らえたトーラスを逃がすまいとして、エリオがストラーダの槍を構えながら立ち上げると、そのままフリードリヒの胴体を滑走路替がわりにしながら大きく跳躍する。

 

「でやぁぁぁぁぁぁッ!!!」

 

狙いをつけた一機のトーラスに向けてエリオは上段からストラーダを真上から振り下ろす。エリオの魔力変換素質である雷光をまとわせた一撃。食らえば相手がダメージは免れない上、機械なのも相まって電気系になんらかの以上が起きるのは目に見えているだろう。されどトーラスは機械だ。さらには今のところエリオたちは知る由もないがゼロシステムとリンクしている。まざまざと自身に仕掛けられた攻撃を目の前で茫然と見つめているわけもないし、対応を導き出すまでの時間もほとんどないだろう。

 

「ッ     !?」

 

結論から言えばエリオの攻撃をトーラスを寸でのところでわずかに後退したことで回避した。かわりにビームライフルを犠牲にしたことで、行き場を失ったエネルギーが暴走し、決して小さくない爆発を起こし、エリオの視界とトーラスのカメラアイからの映像を覆う。拘束された状態からでも回避されたことにエリオは仕留められなかったことに対する自身の不甲斐なさを痛感したのか歯がみするような表情をみせる。そのまま何もしないままでは空戦魔導士ではないエリオは地上へと真っ逆さまになるだろう。

 

「エリオ君ッ!!」

 

背後から聞こえてくるキャロの声。それに鼓膜を揺らされたエリオは振り下ろしたストラーダを自然と突きをするように構えなおす。

 

「我が乞うは疾風の翼。若き槍騎士に駆け抜ける力を!!ブーストアップ!!アクセラレイション!!!」

 

祈るように両手を結んだキャロのケリュケイオンから光がストラーダに溶け込むように送り込まれるとストラーダの形状が変化し、ブースターのような形となった部分に火がともる。

 

「ありがとう、キャロ!!これでッ!!」

 

前へと進む力。推進力が生まれるのであれば、まだ自分は前へ進むことができる。エリオはキャロに礼を述べながら攻撃を加えようとする。ほかのトーラスはフリードリヒが雄たけびをあげながらしっぽや剛腕を振りまわし、自身にくぎ付けにすることでエリオに攻撃を向かわせんと奮闘する。しかし、それでもエリオに攻撃を仕掛けられるトーラスがいる。もう一機鎖に動きを制限されたトーラスだ。攻撃しようとしているエリオにビームライフルを向ける。

 

「ま、いくら反応がよくたってバックアタックからはさすがに厳しいか。」

 

トーラスがビームライフルのトリガーが引くより先にトーラスの後方のビルに立っていたティアナがその装甲を撃ち抜いたことで爆散した。得意げにクロスミラージュの銃口から出る煙に息を吹きかけることで消しているティアナの姿が何もないところから姿を現しているように見えることから、彼女の十八番である幻影魔法で姿を透明にしてトーラスたちの後ろに回り込んでいたのだろう。

ともかく、これでエリオの攻撃に横やりをいれる存在はなくなった。

 

「貫け、ストラーダ!!」

 

そして点火したブースター部から膨大な推進力を得たエリオは爆炎を突っ切って、その先にいたトーラスに文字通りの風穴を開け、トーラスを撃破する。一瞬撃破したことによる高揚感が湧き出たエリオだったが、まだ5機いるうちの2機を撃破しただけであることをおもいだすと、気持ちを瞬時に切りかえ、勢いをそのまま使って適当なビルの屋上に降り立つ。キャロの方に視線を送ると、フリードリヒをうまくコントロールし、トーラスが振り切れないながらも持ち前の巨体を生かしてブラストレイによる広範囲の炎ブレスなどをまき散らすことで耐え忍んでいた。

 

その火炎放射器のように灼熱の炎がばらまかれているなかにエリオは対照的に空に浮かぶ薄青い帯のような道を見つける。視線で追っていくと、ウイングロードを展開しながら空を駆けるスバルの姿が目に映る。リボルバーナックルを装着した右手で握りこぶしを構えるとフリードリヒに攻撃を加え続けるトーラスに向けて放つ。しかし、放たれた拳は万全の状態のトーラスを捉えることはかなわず、逆にビームライフルをウイングロードに撃ち込まれ、たまらずスバルは近くのビルに逃げるように飛び乗った。そこはエリオがたまたま降り立ったビルでもあり、スバルが来たのを見るや否やすぐさま彼女の元へ駆け寄る。

 

「スバルさん!!大丈夫ですかッ!?」

 

「大丈夫!!逃げまわればともかく、当たりはしないから。でもね……こっちの攻撃も当たらないのはダメだよね………………」

 

スバルが見せる乾いた笑みの表情にエリオはそんなことはないといいたかったが、お世辞にもキャロのアルケミックチェーンによる拘束がうまいこと引っかかってくれた二機以外に攻撃を当てれているわけでないため、難しい表情を浮かべざるを得なかった。さらにそれによりトーラスの警戒度が上がったのかキャロの魔法陣を見かけ次第、即座に破壊する行動パターンに変わったのもそれに拍車をかけていた。

 

 

「速度が早ければ反応速度も速い。序盤に二機撃破できたのはまだ運のいいほうだったかも…………」

 

「それでもこれ相手に慣れていかないと、この先、生き残ることすら難しいってヒイロさんが言ってます…………それにまだ例のビルゴとも会敵してませんし…………」

 

「じゃあ………これくらいでへこたれてはいられないね。」

 

「……………ですね。」

 

要するにやるだけやるしかない。そう結論づけた二人は無理矢理引っ張り出したような笑みを見せると互いの得物である拳と槍を構え、空を駆け巡るトーラス(おうし座)に向かってもう一度追いすがる。

スバルが先行し、ウイングロードを形成し、その上をエリオが足場にして大きく跳躍を行う。

トーラスはその二人の行動を見て、足場を形成しているスバルに狙いを定め、攻撃を開始する。幸いしたのは、ティアナの指向性を有した誘導弾とキャロの駆るフリードリヒが飛び回っているおかげで一機しか反応を見せていなかったことだろう。それでもそれも長くはもたないだろう。特にティアナの誘導弾は徐々にトーラスに撃ち落とされてその数を少なくしている。

 

「相手が素早くても、わたしにあるのはこの拳と助けを求めるこの手だけ!!だから、わたしは全力全開で伸ばすだけ!!最短で、最速に、ただひたすらまっすぐにッ!!!」

 

己の拳を叩き込むためにマッハキャリバーにフルスロットルを命じ、最大加速を掛けるスバル。しかし、それでもトーラスの速度には及ばないのかその距離が縮まるようには見えず、トーラスから反撃の砲火に遭う。

そんな時、スバルの体に異変が起こる。異変といってもそれは些細なものであり、ほんのりとピンク色の光が彼女の体を包んだかと思えば、すぐにそれは消えてしまう。

 

「ッ………………いっけぇぇぇぇ!!!」

 

その正体をスバルはすぐに見当をつけることができた。なぜならその証拠に今度のスバルの速度は先ほどまでとは段違いに変わったからだ。要するに先ほどのスバルをほんのりと包んだ光は補助魔法。その使い手はキャロ以外に他ならない。

 

さらにはスバルが追うトーラスの周囲に複数の魔法陣が展開され、そこから猛烈な勢いで成長する樹木が生い茂り、トーラスの進行を妨害するという至れりつくせりにスバルは申し訳なさを抱くと同時に確実にここでトーラスを仕留める決意を固め、突撃のスピードをさらに上昇させる。

 

「ううっ……………キッツ……………!!」

 

自分一人では出せない速度、文字通りの限界を超えた高速機動からかかる加速度的Gに苦しげな呻き声を溢すスバル。だがその甲斐もあり、トーラスとの距離は徐々に縮まっていく。無論、距離を取ろうとするトーラスもスバルに向けてビームライフルを撃つも、スバルが展開したプロテクションに阻まれ、その勢いを押しとどめることも許されない。

 

「だぁりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

ようやく射程距離に捉え、それまで焦らされた分も込められた渾身の一撃をトーラスに向けて振り抜く。その込められた力は並の相手なら身体が強張ってろくな回避も取れないだろう。しかし、相手は機械、典型的なパターンしか取れないという弱点はあるものの、逆を言えばそれはインプットされた行動はどこまでも冷静に、無感情に揺れ幅なく対応できるということだ。

スバルの攻撃は一般的に近接攻撃、それも右手のリボルバーナックルによる格闘に限定される。例外として砲撃魔法であるディバインバスターも撃てるが、それも使用方法はほとんどゼロ距離からの接射である。それ故に相手の行動パターンを解析し、その者の未来を導き出すゼロシステムとは相性が悪かった。

 

結果、スバルの戦法やクセを解析したゼロシステムの指示に従い、直前でトーラスは大きく旋回しながらスバルのリボルバーナックルの一撃から逃れるという顛末をもたらす。

 

「標的確認、投擲角度-0.3に修正      

 

だが、大きく旋回に難を逃れたトーラスに不審な稲光が奔る次の瞬間      

 

 

「ストラーダ!!いっけぇぇぇぇ!!!」

 

超音速での速度を持った際に物体を中心に錐状の雲が瞬間的に生まれる現象、ベイパーコーンを発し、エリオがぶん投げたストラーダが周囲に雷光を撒き散らしながらトーラスの胴体を装甲ごとえぐりとり、演習場の空へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

「な、なにごとぉ!?」

 

そのエリオがぶん投げた物体は離れた場所にいたヒイロ達のところまで届き、びっくりしたリアクションを見せながらはやてが後ずさる。

 

「………………」

 

そのはやてのリアクションとは対照的にヒイロは落ち着いた様子で近くに墜落してきたことによるできた煙幕に近づく。

 

「自身の武器を自分から放り投げてどうする…………デッドウエイトになるのであればまだ理解の範囲内だが……………」

 

呆れた物言いをしながら着弾してきた時の煙幕からヒイロが引っこ抜いたのはエリオのデバイスであるストラーダだった。

 

「なーんかエリオ君ぶん投げたって思ってはいたけど…………エリオ君何したん?」

 

「映像からでしか判断がつかんが、ストラーダにキャロの補助魔法をかけた状態から筋力の増加魔法を施した腕で投擲したのだろう。威力は申し分なさそうだが、欠点はこの通りだ。」

 

はやてに手短に説明したヒイロはその欠点である武器の一時的な損失を見せつけるようにストラーダを振りかざすとウイングゼロの主翼を展開し、演習場に向けて飛翔する。

 

 

 

 

「で、どうしようかこの後。倒したのはいいけどまだ二機残ってるよ?」

 

「い、一応ボクだってフェイトさんみたいにフォトンランサー使えますのでそれでいいですか?」

 

ストラーダをぶん投げたことによって丸腰になってしまったエリオは苦笑いを見せながらフォトンランサーを出現させる。いくら相手が機械で想定にない使い方や戦法を使うと動きが鈍るとヒイロから言われたが、取った手法である自身の武器を投擲物として活用するというのはまさに後先考えない手法であるだろう。

 

「……………戻ってくるの?ストラーダ。」

 

「どうですかね……………あ………………。」

 

スバルの質問に遠い空を見つめようとして視線を上に向けたエリオは何か見つけたような反応を見せる。それに釣られてスバルも同じように空を見上げる。

何か、上空を飛んでいる光景が見える。始めは点でしか見えなかったソレが徐々に大きくなり、ちょうど二人の真上にあたる位置にくると、日の光に反射したのか光るものが空を飛んでいた存在から落とされたのが見えた。

自然と二人の目線が落ちてくる物体に集中すると、その落ちてくる物体が徐々に鮮明に見え始め、それが槍のような形状をし始めたところでエリオがそれがストラーダであることに気づく。

 

「……………もしかして、持ってきてくれた?」

 

「………………すみません、流石にお手数をかけすぎました…………」

 

 

驚いたように目を見開いているスバルを尻目に落ちてきたストラーダを掴んだエリオはバツが悪そうにしながら謝罪の言葉を述べる。それが聞こえたのか定かではないが、エリオがストラーダを掴んだことを確認したところで、その存在はどこかへ飛び去っていった。

 

しかし、今彼女たちが身を置いているのは日常ではなく戦場だ。そんな気を緩められるような時間は当然長くは続かず、事態はさらに急転を迎える。

 

 

『ッ!?』

 

視界に山吹色のビームが何本も映り込む。幸い二人に向けられたものではなかったらしく、ビームはあらぬ方向へと飛んでいくが、その一体の方向から飛んでくるビームを攻撃だと感じた二人はすぐに身構える。そしてすぐに通信機にヴィータからやかましいほどの声で報告が挙げられる。

 

ビルゴの進軍がティアナたちの担当する第二防衛ラインまで迫っているとのことだ。

 

それを聞いたすぐさまティアナたちと合流を図り、移動を開始する。彼女たちが移動するにつれてビームの直撃で爆発を起こして倒壊を起こすビルの数が増えていることに気づくと例のビルゴと距離が縮まっていることを否応にも感じさせる。

 

「こんな被害…………ガジェットじゃ絶対出てこないよ……………!!」

 

街が火の海に包まれている光景にスバルは見ている状況がシミュレーション上のものであると分かっているにも関わらず悲痛といった表情を見せる。

 

「急いで合流しましょう!!このままだと混戦状態になります!!」

 

「そう、だね………しっちゃかめっちゃかだと統制どころじゃなくなっちゃうからね…………!!」

 

エリオの言葉にスバルは不安を振り払うように大きく頷くと逸る足をさらに速めながら移動を行う。少ししてティアナとフリードリヒに跨ったキャロの姿が見えてくるが、まだ二機いたはずのトーラスの姿は見えず、代わりに二人以外の特徴的な白いバリアジャケットに身を包んだ人物がそこにいることに気づく。

 

「な、なのはさん!?後方で待機しているじゃなかったんですか!?」

 

「ビルゴは元々私が担当する相手だよ。それがかなり近づいてきているのなら、私が前に出ない訳にはいかないよ。」

 

その人物であるなのはがここにいることにスバルは驚きを隠せない様子で詰め寄ると、なのはは困った笑みを浮かべながらも決意の硬い目を見せながらそう答えた。

 

「そういえば、確かまだトーラスが二機残っていたはずですけど…………なのは部隊長が倒したんですか?」

 

「一応ね…………二人がトーラスの気を引いてくれたから、そこでなんとか。」

 

「それができるだけ流石なものだと思いますけどねー……………あの機体、追いかけるだけでも相当骨が折れるのに……………」

 

謙遜するようにしているなのはだが、その光景にティアナが軽くため息のように言葉を溢す。しかし、以前のようにどこか羨んでいるようなものはなく、純粋になのはの技量に舌を巻いているような言葉ぶりであった。キャロも似たような乾いた笑いを見せていた。

 

「みんな!!大丈夫!?」

 

そんなところに身体に静電気のようなスパークをパリパリと放出しているフェイトがやってくる。スパークのようなものを放出していたのは高速移動魔法であるソニックムーブを使用した時の魔力の残滓のようなものなのだろう。

 

「フェイトちゃん!?トーラスはどうしたの?」

 

「五機くらいまで減らしたところでシグナムたちが押し込まれている連絡が来たから戦線を下げることも兼ねてみんなとの合流を最優先にしたの。でも、多分そろそろ来るかも……………。」

 

なのはとやってきたフェイトがやりとりを行なっている間に先ほどまでシミュレーション上の戦場で無作為に建物を破壊していたビームの弾幕がより一層濃いレベルになって流れ弾としてなのはたちに襲いかかる。

 

「ダァーーーーー!!!!!マッジで硬すぎんだろアイツらァ!!!!!いや、実体があるわけじゃねえから硬いっていう表現は違うのか!?ともかく攻撃が通らなすぎてイライラする!!!」

 

「喧しいぞヴィータ!!少しは静かにしてくれないか!!お前のいう苛立ちがこっちまで伝搬する!!」

 

「んなこと言ってもあれだけやってまだ二機くらいしか潰せてねぇってのは精神的にクるもんがあるってんだろぉ!!こうでもしねぇとやってらんねぇよ!!」

 

「むぅ…………それは確かにそうだが…………」

 

それと同時に苛立ちが頂点に達したヴィータが怒りをまき散らしている声とヴィータと同じ苛立ちを感じながらもヴィータを宥めるシグナムのやりとりが聞こえてくる。

 

「シグナムさん!!ヴィータちゃん!!射線を開けて!!」

 

言葉に怒りの孕んだ状態で捲し立てる二人だったが、なのはがレイジングハートを構えながら声を張り上げると根っこの部分では互いに冷静だったのか瞬時に反応し、その意図を理解し、行進を続けるビルゴから離れる。

 

「ディバイン     バスターーーーーーー!!!!」

 

杖状のレイジングハートの先端から桜色の魔力を収縮させ、それを一気に解放してディバインバスターを放つなのは。いつもなら非殺傷設定で放つものだが、実体のあるものに対してはそれを解除して放たなければならないため、その桜色の砲撃は道路に着弾すると爆炎を起こしながらなぎはらうようにビルゴを飲み込んだ。

 

「やったッ!?」

 

「ちょっとスバル!!それはフラグでしょ!?」

 

ビルゴにディバインバスターが通じたと感じたスバルは思わず声を上げるが、ティアナがそれを咎めるようにスバルの口を黙らせる。一同も揃ってビルゴが飲み込まれた爆炎を見つめる。やがて徐々に爆炎が収まってくると、その中に倒れ伏したビルゴが数機ほど見えてくる。それに一瞬湧き立つが     

 

グシャンッ!!!

 

 

その見えていたビルゴの残骸を無機質に踏みしめる無骨な脚部が見えてくる。そしてその爆炎の中から五体満足な様子でビルゴが行進を続ける。

 

「う、ウソ…………ヒイロさん、ディバインバスターくらいの砲撃魔法なら倒せるって言ってなかったっけ…………?」

 

「多分それは、相手が一機とか少数だったりと本当にプラネイトディフェンサーを抜くだけだったら、それくらい出力が必要ってことなんだろうね。」

 

呆然としているスバルになのはは淡々と言葉を述べているように見えて、額から焦りから汗が軽く滲んでいた。理由は至極簡単。ビルゴは隊列を組んで、複数の壁となってディバインバスターを防いだのだ。一枚の壁が破られてもまだ複数の壁が残っている。実弾ならともかくエネルギー体のビームならそうするだけでいずれはビームは減衰して霧散する。そうすることでビルゴは被害を最小限に抑えたのだ。

 

 

「………………これ、面倒ってレベルじゃないよ。ホントに。」

 

静かに呟いたはずのなのはの呟きだが、各々が集まっていたのも相まって妙に耳に残り、思わず同意せざるを得なかった。

 




なんとなくやってみたかった小ネタ

カッコ内は服装


なのは「/////////」(足をふとももまで露出したスリット 脇はもちろん場合によっては横から見えるレベルまで肌露出の激しい邪馬台国すたいる)

フェイト「なのは…………際どいね、その格好」(鎧のようなものをつけた和風の戦装束 軍神を自称してそう)

はやて「ちょ、ちょっと待って…………これ、もしかしたら中身が出てきてまう//////」(服装は金の装飾が施されているが、ぶっちゃけると水着のハイレグである。しかも胸の部分が本人よりあるため張りまくってパッツパツ)

ヒイロ「…………………………」(三人揃って何をやっているんだという疑いの目)

ヴィヴィオ「パパー、お馬さんのマネやってー。」(黒いドレス それ以外の表現しか自分には服の知識がない)

ヒイロ「!?」


ようやく揃いましたね。誰か描いて☆無理にヒイロまで描く必要はないから三人娘だけ描いてください☆

お願いします!!なんでもしますから!!(なんでもするとは言ってない)
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