「秘密組織黒十字団に栄光あれ! 我らが真の首領に栄光あれ!」
クライン博士が高らかに叫ぶと戦闘員たちが一斉に唱和する。戦闘員たちは仮面の奥から憧れの視線で壇上を見上げている。壇上に立っているのはクライン博士と黒十字団が誇る最強の四天王──すなわち、
鋼のブラック。
土のベルヴァ。
毒のホワイトローズ。
炎のアルキオネ。
触れるものみな薙ぎ払う地獄の四天王を筆頭に黒十字団の戦闘員たちは世界を恐怖に染め上げるべく邪悪な活動を日夜たゆまず行っているのだ!
◇
光刃英雄アルカール第三十八話『出会い! 美しき女性を狙う悪いヤツ!』
強敵ネオアブラーとの戦いを辛くも切り抜けた
悩む怜次だったがその時海岸に一人の女性が流れ着く。彼女の名はさゆり。聞けば自分の名前以外は何も覚えていないのだという。
さゆり「わかりません……何も思い出せないの……ああっ、頭が、割れるように痛い……。……ただ、私は何かに追われていたような気がする……何かに追われて、襲われていたような……」
怜次「まさか、ブラッククロスの仕業か!」
さゆり「わからない……本当にわからないの……。自分が誰なのか……これからどうすればいいのか……怖い……」
怜次(これからどうすればいいのかわからない……。俺だってそうだ。このまま戦い続けて死ぬことが俺の運命なのか……。この人と俺は同じだ……俺は、この人を守る!)
さゆりを保護し、働いているバイク屋へと連れ帰った怜次。しかし次々に謎の怪異がさゆりを襲う。荒れ狂う粉砂糖。溶けだすザラメ。膨らませた筈のスポンジケーキはいつの間にかに萎んでいる!
怜次「何故だ……なぜこんなことが……」
怪奇・鳩コック男「コックック……恐れ戦くがいい! それらはすべてこの鳩コック男様の仕業なのだ! 大人しくその女を渡せ!」
怜次「さゆりさんを? 何が狙いだ!」
鳩コック男「それは言えん! 色々あってな!」
怜次「ならば……、さゆりさん、下がっていてくれ!」
鳩男「ま、まさかその構えは!? キサマは先の戦闘で瀕死の重傷を負ったはずだ!」
怜次「自らの死に脅えるいまの俺はヒーローではない……! だが俺は一人の男として、俺の守りたいものを守る! 変身!」
傷だらけの体をおしてなんとか鳩コック男との死闘を制したアルカール。しかしそれは悲しみの始まりに過ぎなかった……。
光刃英雄アルカール第四十二話『真実! いま明かされるさゆりの過去!』
触れ合う内に互いを意識するようになった怜次とさゆり。だがさゆりの頭痛は日増しにひどくなり、ふとしたことから凶暴な一面を覗かせるようになる。
さゆり「自分が別の誰かになってしまいそうで怖いの……。怜次さん、お願い、私を守って」
怜次「約束するよ。俺は君を守る」
さゆり「ありがとう……」
ついに結ばれる二人だったがその晩、バイク屋「てつわん」を謎の毒々植物、蔦ん絡めんが襲う。蔦ん絡めんを見て突然苦しみだしたさゆりは戸惑いながらも自らの内に秘めた残虐性に目覚めていく。
さゆり「私はこの植物を知っている……? なぜ……? 私は……私は……!」
かっと目を見開いて叫び、封印されていた記憶をとうとう取り戻すさゆり。そう、彼女は悪の秘密組織黒十字団の怖ろしい四天王の一角、毒のホワイトローズだったのだ!
怜次「嘘だ! 君がホワイトローズであるわけがない!」
ホワイトローズ「ほほほ、何が嘘なものかアルカール。私はお前の敵ホワイトローズ!」
光刃英雄アルカール第四十六話『悲劇! さらば愛した人よ! 涙のブライトナックル!』
猛攻撃を仕掛けてきたホワイトローズの毒々軍団。傷つき倒れていく仲間たちの姿についに立ち上がった悠木怜次はアルカールへと変身する!
怜次「さゆりさん……例え君が相手だとしても、俺は……!」
ホワイトローズ「あなたに私が倒せるかしらアルカール。優しいあなたに!」
怜次「ブライトナックル!」
ホワイトローズ「ぐふっ」
怜次「すまない……さゆりさん……」
さゆり「いいえ……これでいいのよ……怜次さん……」
怜次「さゆりさん?」
さゆり「黒十字団の一員である私の体にはクロス爆弾が埋め込まれている……組織に逆らえば命はないの……。だから、だから……これで良かったのよ……。さよなら、怜次さん……あなたのこと……愛し……ぐふっ」
怜次「さ……さゆりさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
■次回予告
愛するさゆりを失い悲嘆に暮れるアルカールこと悠木怜次。しかし非道な黒十字団は次なる四天王、炎のアルキオネを繰り出してくる。
激しい炎を操り波状攻撃を仕掛けるアルキオネに怜次は禁断の兵器アルブラストを装着する!
真っ赤な夕日、燃え上がる採石場に怜次は何を思うのか。次回『業火! 四天王アルキオネの破壊作戦!』見てくれよな!