ファイアーエムブレム 草原の狼   作:ミカりん

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王様の過去はあまりにも長すぎて1万文字は超えるわ掘り下げたらもれなく短編で数話くらいかけてしまうわそもそもまた数回書いたものが消えてしまうわで遅くなった上に過去話は後ほど短編で書こうと思いました。
代わりに新・紋章の謎の前日譚シナリオをベースに序章を追加しました。
そのため、今回よりタイトルも新・紋章の謎基準になります。
アリティア騎士団の第7小隊がそのままオレルアンズになったイメージになりましたがこれからもよろしくおねがいします。


前日譚1 カダイン編入試験

「実は、わしには死んだ妻との間に子供がおったのだ。」

 

 は?マジで?あのオレルアン王にか?

 そんな話ゲームになかったぞ?

 どうなってるんだマジで、いやほんともう既に何か変な歴史改変おこしてない?

 ターバンが闇堕ちして王も子供が出来ないからマルスに国を託したとか言ってなかった?バカなの?死ぬの?

 まさに青天の霹靂である、そもそも妻がいた話もゲームにないし今どんなことになってるんだ?

 思わずリアルに茶を吹き出してしまった俺に対して王はそのまま話を続けた。

 

「驚くのも無理はない、最近来た兵士たちは知りもすまい。ハーディンを始めとした側近しか知らぬ事実だからな。では何故今まで隠してきたか……」

 

 俺はまさに固唾を呑んで話を聞いている。

 冷や汗が止まらない。

 口の中は緊張で今まさに茶を口にしていたにも関わらず既にカラカラになっている。

 王はそのまま話を続けた。

 

「あれは、アカネイア暦579年の時の話だ……」

 

 静かに、淡々と、まるで国会におけるかつての総理大臣のように語り始めた。

 

 

 ……話が長いんだよ小○純○郎。

 王様の話がクソみたいに長かったから要約すると、『オレルアン王には2人子供がいて、ちょうど俺がザガロたちと出会った時期に息子が拐われ母共々行方不明からの生死不明。

 そして、今から5年前に妻として貴族連中が勝手にくっつけた女との間に娘が出来るがハーディンの存在から政争に使われるのがオチだったために存在を秘匿させていた』という内容であった。

 ……どこのクリミア王国なんですかねぇこれ。

 でもヒゲが似合うダンディズムな王弟という共通点あるんだよなターバンとレニング様。

 まぁターバンはまだ王位継承権ないからレニング様とは違うんだけどさ。

 

「しかし最近になって離宮で匿うのも限界が来てな、誘拐されたことにして信頼出来る傭兵に預けたのだがアリティアに向かう途中にアドリア峠で消息を絶ったので探しに行ってほしいのだ……」

 

 王の願いはわかった。

 ターバンの兄だし仮にも自国の王からの願いは無下には出来ない。

 

「わかりました、私におまかせください。ただし、何があるかわかりません。数名の兵をお借りしてもよろしいでしょうか?」

「構わない、明日ハーディンにもその旨を伝えておこう。人員はどうするつもりかね?」

「はい、気心の知れた特に信頼のおける兵士が4名います。王にもおわかりいただけるかと。」

 

 こうなったらあいつらも道連れだ。

 特にザガロとビラクはアカネイア戦記のエピソードがない分ここで実戦経験を積んでもらう。

 

「おぉ、彼らなら安心出来るな。聞けば先の遠征でもサトシの采配の下、彼らは獅子奮迅の活躍で山賊の首領を仕留めたとか。うむ、よろしく頼むぞ。」

 

 こうして俺は開放された。

 ターバンには明日伝えるらしい。

 俺は王様がやたら話が長いせいで眠くてたまらないため自室に急ぎ、ベッドに入るなりグッスリと眠っていった。

 

 

 

 翌朝。

 朝の日差しを受けて目が覚めた俺はゆっくりと朝食を取っていた。

 そこにいつもの仲良し4人組が現れる。

 

「サトシか、おはよう。」

「おはようサトシ。」

「サトシ、おはよう。」

「おはようサトシ。」

 

 ビラクとザガロの挨拶が一字一句同じなのに笑いながら俺は挨拶を返す。

 まだターバンからの辞令はないらしく話題はいつもの訓練の話になっていた。

 さて、俺はネタバレをするのは嫌いではない。

 というわけで俺からも話題にしようと思う。

 

「ところでみんな、実戦経験を積みたくはないか?」

 

 いきなり言うのも不自然なので遠回しに聞いてみる。

 

「ハーディン様を守ることに繋がるならば、俺はどんな戦もこなしてみせる。そうだろ、ザガロ?」

「もちろんだ、俺もハーディン様を守れる力は欲しいからな。」

「戦いは好きじゃないけど……僕もみんなと一緒に力になりたい。ビラクもそうだろ?」

「そうだねロシェ、俺たち4人はハーディン様の剣となり盾となる。そう誓ったじゃないか。」

 

 約1名バカの一つ覚えみたいに原作セリフ改変しかしないようなホモが一人いるが構わず話を続ける。

 

「みんな、俺についてきてくれ。俺たち5人の武者修行の旅、しかもオレルアン王自らのたっての願いであり勅命だ!」

「「「「な、なんだって!?」」」」

 

 全員驚きを隠さず声を上げた。

 ちなみにターバンから改めて辞令が出ると王様は約束している。

 原作18章の峠の戦いのことがあるから若干賭けではあったが……やはりターバンの威光は強かった。

 ウルフとか俺は死んでもハーディン様と共にあるんだ!とか叫ばれてもおかしくないからな。

 

「既にハーディン様にも許可を得ている。後ほどハーディン様自ら指令を下されるだろう。ここらで、俺と共にハーディン様を守れる力を身に着けてほしい」

 

 実際、荒療治ながらこのまま平和にオレルアンで暮らしていてもいずれアリティア軍に遅れを取り、ターバンならまだしもビラクなどはただの足手まといになる。

 そういやリメイク仕様なら心配ないザガロとウルフはいいがビラクの技とロシェの速さは成長率が悪かったな。

 そこも今回の遠征できちんと仕上げておこう。

 目指すはカミュ率いるグルニア黒騎士団だ。

 そういや部下のロベルトだかライデンだかベルフだかはゲームでも成長率悪くなかったしな、あいつらに負けないくらい鍛えてやる。

 

「……やろうみんな。俺たちはハーディン様の為なら死んでもいいと誓ったはずだ。ビラク、ザガロ、ロシェ、いいな?」

「あぁ、そして俺たちがハーディン様を支えられるようになろう。」

「俺はハーディン様のことが好きだ、そんなハーディン様を支えられるように俺たちも頑張ろう。」

「戦いは好きにはなれない……けど、オレルアンの皆が笑って過ごせるよう、守る力を僕もつけるよ。」

 

 皆、決意を固めてくれたようで何よりだ。

 未来を知ってる俺がいるんだ、ここまで来たら影の軍師としてターバンも死なせやしないし出来るならアカネイアの暗黒皇帝としてではなくもう一人の英雄王としてクロムやリズたちの時代まで語り継がせてやる!

 

「次にウェンデル先生が来るのは4日後だ。訓練は休む訳には行かないが支度もあるしウェンデル先生自身も数日は滞在される。その間に支度は済ませてくれ。ルートはウェンデル先生に打診するつもりだから気にしないでほしい。カダインには1年滞在予定だからその間はカダインで訓練と行こう。」

 

 俺はカダインでの予定を予め決めていたのでウルフたちに適切な訓練日程を伝えた。

 砂漠での行軍訓練や各自の弱点の克服、それとDSなら闘技場も確かあったので闘技場での実戦も視野に入れてメニューを組んでみた。

 そういやマリクは主力だったから当然として、三井……エルレーンも守備が強かったな。

 俺ははっきり言って受けたら死にかねないし、課題として考えておくか……

 

 そんな話をしていたら兵士が一人部屋にやってきた。

 ターバンの指示で皆を迎えに来たらしい。

 そういやだいぶ長く話し込んでしまったな、俺も魔法の訓練くらいしないとな。

 

「悪いなみんな、さぁ行ってくれ。俺は魔法の訓練をして来るから。」

 

 俺は軍師なので通常訓練には参加はしない。

 参加するのは行軍訓練くらいなんだが、正直オレルアン兵のホースメン部隊が中々練度低いんだよな。

 グルニアも五十歩百歩とはいえやはりオレルアンといえばの強みが欲しいし、暗黒戦争に間に合えば付け焼き刃でも強化訓練くらいするか……

 そんな感じで時は流れ、あっという間に4日間が経過した。

 

 

 

「こんにちは、サトシ。では今日は……」

「ウェンデル先生、まずはお話が。」

 

 俺はここ数日の動きをまずはウェンデル先生に伝えた。

 カダイン留学と護衛のザガロたち、オレルアン王のことまですべてを伝えた。

 それとウェンデル先生なら大丈夫だと未来予知という体で暗黒戦争がこれから起きる旨も伝えてみた。

 これは、未来予知の力をカダインでなら伸ばせないかとウェンデル先生に判断させるためなのとあわよくば事情を把握するガトーが接触して来ないかを期待しての発言である。

 

「なるほど……では、試験をしましょう。合格したらカダインへと連れて行きます。だが、行くからには私も今までと違い一生徒として扱います、いいですね?」

「はい、よろしくおねがいします!」

 

 こうして俺はウェンデル先生の試験を受けるために城の外へと出ていった。

 ちなみに行きすがら説明を受けたが筆記試験は今晩作るので先に実技試験となった。

 いつの時代でも学校のテストはだるくてめんどくさいがやむを得ない。

 ちなみにウェンデル先生が滞在なさるのは5日間。

 初日の今日は実技試験だが筆記試験は2日後。

 採点と合否判定に1日費やして4日目の夜が結果発表、最終日が準備と出発という流れだ。

 ちなみにオレルアン城はいつも昼間に出発しその日はオレルアン領の村で夜を明かすらしい。

 これは、アカネイア領内の国勢が原因だ。

 レフカンディ侯は暗黒戦争時にお家騒動で動けないままアカネイアが敗戦したことを考えると今時期はもうキナ臭い何かがある。

 サムスーフ侯はデビルマウンテンのサムシアンを放置するような身分な上にドルーアに与した時点で黒。

 アドリア侯はあのラングが侯爵の時点で色々お察しである。

 ディール、メニディはそれぞれミディアとジョルジュの実家で比較的マシではあるがオレルアンからは程遠い場所なためぶっちゃけ地理的にアカネイア入りに関してだけなら俺たちには関係ない。

 というか、メニディはまだグラとの国境付近だからまだしもディールはアカネイア王国南部、ワーレンよりも遠いしパレスには行かないから方角的に真逆に近い。

 また、地図を見るだけならオレルアンとカダインは隣り合っているが2つを隔てる険しい山岳地帯がある。

 2000年程未来に当たるクロムたちの時代ではフェリア王国としてあの辺りを自由に行き来も出来ていたが少なくともマルス王子の時代にはその直通ルートはまだ開拓されていない、このルートは除外になる。

 つまり、必ずレフカンディ領を通るし最短ルートだとアドリア峠を抜けてグラとアリティアを経由することになる。

 そういやアリティアといえばマリクもそろそろ留学していてもおかしくないな。

 マリクと同期とかありそうだから怖い。

 

 閑話休題。

 色々考え事をしていたら実技試験の会場になる城外の平原についた。

 本当に何もない平原にオレルアン兵と思しきソルジャーが2人いた。

 狼騎士団は確かにソシアルナイトとホースメンが主力だが城内警備のアーマーナイトやソルジャーの部隊もきちんとある。

 ユグドラル大陸に行けばレンスター王国が誇るランスリッターにだってゼーベイアとか言う仲間にするのがクソみたいに難しいオッサンだっているんだから当然である。

 とにかく、そいつらがてつの槍を握って待ち構えている。

 

「城の警備兵をお借りしました。今からあなたには彼らと一人で戦ってもらいます。試験とはいえ気を抜くと怪我ではすみませんからね?」

 

 まぁウェンデル先生と戦わないだけマシか。

 ウェンデル先生が相手だと手加減込みでも勝てる自信はない。

 それに、槍歩兵程度に遅れをとっていてはとてもこの先長い暗黒戦争を戦い抜ける気がしない。

 

 

「わかりました、ではよろしくおねがいします!」

 

 こうして試験は始まった。

 少し距離はあるか、ファイアーの書を装備して距離を詰めていく。

 当然ゲームじゃないので敵もこちらに向かってきている。

 そしてお互いに距離を詰めていったがこちらは魔法のファイアー、初動はやはり攻撃範囲の差で俺の方が早かった。

 ファイアーの書で発動した火の玉は的確に命中するし怯みもした。

 そのまま俺は追撃を仕掛ける。

 速さはこちらが上、ソルジャーの動きから察した俺は続けてファイアーを使う。

 伊達に今まで訓練してきたわけじゃない、俺は戦える!

 ファイアーを2回も食らったソルジャーは沈黙し戦闘不能の意を示した。

 しかし俺は油断せずもう一人を向いた。

 もう一人はじっと動かずカウンターを狙っているのか隙がない構えをして立ち尽くしている。

 恐らくゲーム的には動かない敵将タイプなのだろうか。

 このまま待っていても埒があかない、俺は意を決して攻撃範囲まで近づいていった。

 

「俺はオレルアン城守備部隊のビッグスだ。今やられたウェッジの分までサトシ、貴様の実力を試してやる!」

 

 どこのフ○イナルファ○タジーだよ!

 敵の名前に心の中でツッコミを入れながらもファイアーを喰らわせた。

 しかし、いくらソルジャーとて上官らしい。

 一発目は躱されてしまった。

 

「こちらから行くぞ!」

 

 ビッグスはそのまま槍を投げてきた。

 手槍か!何とか回避するがそのまま追撃を喰らわせる。

 ウェッジよりは強いらしい、肩で息をするも戦闘不能には出来なかった。

 

「ぬぅん!!」

 

 ビッグスが手槍を更に勢いよく投げてきた。

 交わしきれず手傷は負うがターバンのシゴキが効いた!

 そのまま顧みずファイアーを再び発動させる。

 火の玉はビッグスの身体を包み込み、彼もまた地に伏した。

 そのまま彼から『参った』と降参宣言が出され実技試験は終了した。

 

「2人共ありがとうございました。」

 

 ウェンデル先生がリライブの杖を振ると2人の傷が癒えていく。

 ちなみにビッグスの方が重症だったためビッグスから手当をしている。

 

「サトシ、成長しましたね。魔法は上手くコントロール出来ているみたいだ。このように魔法は上手くコントロール出来れば戦いでも……」

 

 また先生の長い説教が始まった。

 戦いの術を教えはするがウェンデル先生はガトーの教えに従い争いの為に使うなだのなんだのとまた説教を受けてしまった。

 

 それから先生はオレルアン城での仕事があるため自由時間になった。

 俺は再び机に向かい、何年かぶりの試験勉強に取り掛かるのであった。

 試験勉強、頑張るぞ。

 元が学生だったので懐かしさを感じつつも俺はアカネイアの歴史を再び、今度は試験勉強のために自主的に学び直すのであった。




ビッグス
ソルジャー Lv:3
最大HP:20
力:5
魔力:0
技:3
速さ:3
幸運:0
守備:6
魔防:0
武器レベル:槍D

武器
てつの槍
手槍

オレルアン守備部隊所属のソルジャー、部下はウェッジ。
名前の元ネタはご存知ファイナルファンタジーシリーズから。
今回は新・紋章の謎の前日譚1のオマージュとしてジェイガンのポジションとして参戦。
オレルアン王の近衛兵で一応暗黒戦争の際にオレルアン王を守っている設定。
今後サトシたちの能力のまとめ方については、支援会話をメインとした上で別小説にまとめようと思います(設定メインだと規約違反の可能性が出てくるので。)
また、オレルアン王の過去は前書きにもチラッと書きましたが別途小説を投稿しようと思いますので気になる方はよろしくね。

他のFEシリーズのクラスを出してもいいですか?

  • 出してもいいよロシェ
  • だめだよロシェ
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