ファイアーエムブレム 草原の狼   作:ミカりん

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もはや年に一度の更新。
エタってないよ……作者が引っ越しや転職で忙しかったんだよ……あと合作始めていた。

今回かなりテイルズオブデスティニー2のネタが含まれるためクロスオーバーが苦手な方は注意してください。


前日譚3 峠の急襲

 

「旦那ァ、もうすぐアドリア峠の麓に差し掛かりやすぜ。」

「ありがとう、近くに村があるはずだからそこに寄ってくれ、今夜はそこで休んで明朝に改めて峠を越えよう。」

「わかりやした、んじゃあ行きますか!」

 

 ロニの村を経ってから数日が経過した。

 俺たちオレルアン視察隊はカダインに向かうべくアカネイア王国領を通過している。

 なんで視察隊かって?ビラクたちは入学しないからだよ!

 そんなわけで俺はアカネイアのレフカンディを経由してアドリア領までやってきていた。

 

「しかし、本当にこれが近道なのか?」

「ザガロ、俺を信じてほしい。特にこの峠道は後に使う日が来る気がするんだ。」

「また、例の予知夢か?」

「あぁ、俺たちオレルアン騎兵隊はとある軍を滅ぼすためアドリア峠で敵軍を横から奇襲するんだ。まぁ、いざというときに向けた模擬訓練みたいなもんと思ってアドリア峠に行こう。」

 

 原作知識を実はこのように予知夢という形で最近ザガロたちに話をしていた俺は原作知識を使ってアドリア峠へと向かった。

 ウェンデル先生のカダイン行きルートとしても、覚醒の時代と違ってオレルアンから直接西側に行くことが出来ないために最短ルートの1つなのでそのようになっている。

 

「最近は物騒な噂も聞く、何かあってからじゃ遅いし俺はサトシを信じるよ。」

「ビラク……ありがとうな。」

「気にするなよ、俺はハーディン様のためになりたいだけなんだから。」

 

 ビラクから温かい言葉を聞いたところで村へと馬を走らせ……いや、俺やロニ、ウェンデル先生は馬車だから身を任せていった、かな。

 そんなこんなで日没までには村へと辿り着いたのであった。

 その間にロニの身の上を聞いていたんだが、村の名前がクレスタだったり育ての母親が元盗賊だったり育ての父が超がつく寝坊助な剣士だったり村の近くに原作ではオレルアンにあると言われなかったであろう遺跡があったりしたんだが……

 まさかタリスの北くらいにダイクロフトが墜落してたりしないよな?

 そんなことしたらゲームがファイアーエムブレムじゃなくなるからないと信じたい。

 しかもガーネフなら悪用しかねん、アカネイアで天地戦争とかやられたら困るぞ。

 よし!ここはファイアーエムブレム紋章の謎の世界だ!

 

 

 

 そうして迎えた夜の村。

 ザガロとウルフは警備、ビラクはなんか公園に行ったらしいが紋章のビラクルートなのか?

 ロシェは日記を書いているらしい、たまたまロシェの部屋に行ったら日記らしき書物を隠されてしまった。

 そしてウェンデル先生は俺の前世知識という名前の告げ口をしたため、ロニに以前俺が受けたのと同じ魔法適正検査をしていた。

 後から聞いたが案の定ライブの杖が使えたらしい、やはりヒールを使うのか。

 覚醒の時代にはバトルモンクなる斧と杖を使うクラスがあるし、2000年くらい先駆けてしまうかもしれないな。

 

 そんな感じで俺はというと暇なので酒場で情報を集めることにした。

 まだ子供とはいえそこまで夜更けでもない、現実時間にしたら季節も考慮するなら夜7時程度である。

 そんなわけで酒場に入り、酒を飲む年齢ではないためミルクを頼みながら店主と話すことにした。

 

 

 

 酒場でマスターに金を支払い最近のアカネイア大陸の情報を集めているとやはり闇の魔導師の話が出てきた。

 あくまでも噂話だからと笑っているがやはり原作同様ガーネフが闇のオーブで闇堕ちしてドルーア建国のために暗躍しているらしいな。

 2年後にはドルーア建国だ、ガーネフもカダインにいないし今はミロア大司教の時代か。

 リンダを抱き込めるなら抱き込みたいが抱き込んだ結果オーラが手に入らなくなるのはまずいか。

 

「しかし兄ちゃん、どこに行くんだ?」

「アリティアに行くんだよ、アリティアからカダインに向かう。」

「アリティアかぁ、気をつけなよ?最近アリティアへの峠道に盗賊が出てくるらしい。中々手練でなんでも『紅の剣士』って用心棒が……」

 

 ブ〜!!!

 勢いよくミルクを吹き出してしまった。

 ナバールがいるのかよ!いくらなんでもナバールのキルソードとか一撃必殺でビラクの首が吹き飛ぶ未来しか見えねぇ。

 てかナバールこんときここにいたのかよ!

 まぁでもアイツサムシアンにいる前はパレスでレナさんと……いやそれならサムトーの可能性もあるのか、アカネイア戦記のナバール弱かったし……

 しかし年齢的にサムトーはまだ剣闘士時代のはずだしよくわからなくなってきたな……

 

 

 

 こうして翌朝村を出た俺たちは、昼過ぎにアドリア峠へと差し掛かった。

 アドリア峠。

 時系列的に今から12年から13年後に俺たち……いや原作の話だから俺とロニはいないしウェンデル先生がアリティア側になるんだが、狼騎士団がパレスに向かうアリティア軍を強襲し敗北する戦いが始まる。

 一応うちの王様が峠の小さな村にどうやったか先回りしていて、マルスが村に行くと退去命令下してくれるんだが……

 人によってはスーファミ版だとロシェ以外全滅させちまうんだよな。

 いずれにせよ、そんな峠を直接訪れる機会ができて良かった。

 アリティア軍を全滅させたら暗黒竜メディウス復活でどの道ゲームオーバーだし、ターバン闇堕ちが防げなかったということで目的自体が達成出来ないバッドエンドだから英雄戦争自体起こすわけにはいかないんだが。

 

「峠は険しい。もう昼も過ぎやしたし、今日はこの先にある村で休みやしょう。砦はアカネイアの連中がいやすし、何よりここはあの悪名高いアドリア侯爵領。身分が知れれば何を言われるかわかったもんじゃあありやせんよ。」

 

 案内役も務める御者のウィンドルの提案に乗り、ちょうどアリティアへの道のりにある村へと向かうことになった。

 ちょうど今は原作紋章の謎で狼騎士団が布陣しているあの場所である。

 

「……金目のものを置いていって貰おうか?」

 

 そこで謎の一団が現れたのであった。

 当然俺たちは敵襲だと知りビラクたちも戦闘態勢に入る。

 

「噂に聞く盗賊団か!」

「グヘヘヘ……俺たちを甘く見るなよ?」

 

 やけに余裕綽々とした盗賊たち。

 ふと俺は仲間になったばかりのロニを見る。

 

「初陣か、やれるか?」

「わかってますよサトシさん。男を磨くなら強くなりてぇからな!」

「それなら心配いらないね、だけどまだ子供だから俺から離れないでくれよ!」

 

 こうして俺はロニを守るように立ち、ビラクとロシェが前線にいてザガロとウルフがカバー出来るように距離を取って警戒している。

 後ろの馬車はウェンデル先生が控えているから心配はいらないだろう。

 最悪ウェンデル先生ならファイアーの書やブリザーの書が馬車にあるしウィンドルがやられることはない。

 てかあの馬車完全に扱いが封印の剣にいたマリナスだよな……

 

「グヘヘヘ……野郎ども!女はいねぇ!全員皆殺しにして金目のものは全部奪ってしまえ!」

「油断するなよ、オレルアンの山賊みたいにはいかない!」

 

 山賊も俺たちも布陣し、戦いが始まった。

 敵はおよそ20くらいだろうか。

 しかし敵のあの余裕と村の噂が気になる。

 

「まず俺が行く!」

「ビラク、援護するよ!」

 

 まずはビラクが先陣を切り敵にてつのやりを突き刺し、一度逃げてはロシェが反撃を受けないよう追撃をしてまた逃げる。

 原作会話で話していたやり方を予め訓練していたので慣れた動きである。

 なんだかんだで理に適った動きなのでそれを徹底している。

 その動きをサポートするのがウルフにザガロだ。

 やはり弓は強い。

 ビラクとロシェだけでは弱くなる複数戦に対して牽制をする弓の一撃で上手に一撃離脱戦法を手助けしている。

 

「スキあり!」

「させるか!ファイアー!」

 

 ザガロたちの弓を掻い潜った山賊の一人はまだ子供のロニを狙って突撃してきたのでファイアーで足止めしてロニの実戦経験にしてやる。

 

「喰らいな、双打鐘!」

 

 斧を振るいながらロニが勢いよく裏拳をかまして敵を倒している。

 他と違い格闘術を織り交ぜた戦いをしているロニに対して子供と嘗めていたこともあり、敵は対応出来ず気絶していく。

 やっぱりテイルズオブデスティニー2だなぁ……

 経験を積ませるため所謂削り役に徹しているが一人だけリニアモーションバトルシステムの世界に生きているのはやはり内心笑ってしまう。

 こうしてどんどん数を減らしながらやがて左手に砦、右手に村がある場所まで突き進んできた。

 進んできた視点の都合で左右が逆だが位置的にはマルスたちの初期配置の辺りである。

 

「どけ。オレがやる。」

 

 やがてビラクの前に一人の剣士が立ちはだかった。

 黒くて長い髪、手には必殺のキルソード、ふてぶてしい態度。

 背丈はまだ小さく俺たちと同年代。

 

「あ、あれはナバール!?」

「ほう、オレの名前を知るか……奴等は気に食わんがオレは強いヤツと戦い強くなりたい。一手手合わせ願おうか。」

 

 そこまで言えば少年ナバールが剣を構える。

 オレは指示を飛ばしてビラクを下がらせ守備に長けたロシェに出てきてもらう。

 

「ロシェ、お前はビラクより実戦経験が高くてしかも攻撃を受け流す戦いに長けている。そして馬上ではナバールの速さについていけない、馬から降りて戦うんだ!」

「わかった、『任せた』よ?」

「貴様が相手か……」

 

 そこまで言えばウルフたちには周りの雑魚をお願いし、一騎打ちの形にさせる。

 とはいえファイアーは構えているしロニに危害が加わらないよう警戒もしている。

 厳密な一騎打ちでもないためロシェも信じてついてきてくれた。

 

「僕が相手になるよ」

「構わん、オレは強いヤツと戦えればいい。」

 

 二人が剣を構え少年ナバールが先に動き出した。

 ロシェは受け流しやすいようじっと構え、ナバールの素早さに目を慣らすべく今は耐え忍んでいる。

 ナバールの剣戟はすべてロシェの剣によってギリギリのところで防がれている。

 

「防戦一方では勝てん、消えろ!」

 

 遂にロシェの後ろをついたナバールがキルソードの一撃を叩き込む。

 キルソードの剣筋が光り輝いており、ナバールの剣筋がロシェの鎧の隙間を綺麗に通り抜け、ロシェの身体から血飛沫が飛ぶ。

 幸い右肩部分であり急所は避けているのはロシェの成長とまだナバール自身も成熟しきってない未熟さだろう。

 

「くっ、流石だ……」

「終わりか、つまら……」

「蒼破刃!」

 

 ロシェにとどめを刺すナバールに対してシェイバーを解禁して助けに入った。

 腰のてつの剣にシェイバーの魔力を込めて振り抜いて擬似的にかぜの剣を再現することで出力を下げる。

 即興でやってみたけど上手く行ったみたいでナバールのキルソードだけを弾き飛ばしロシェは窮地を脱した。

 掛け声は……まぁ、ロニが近くにいるからテキトーだよ。

 

「……つまらぬ横やりが入ったが飛ぶ斬撃は見たことがない。……名前は?」

「サトシ、オレルアン騎士団の軍師見習いだ。」

「サトシか……覚えたぞ。次は貴様と戦いたいものだ。」

 

 ナバールはそう言ってキルソードを拾い姿を消した。

 砦の方に逃げたので目的地はノルダ辺りか、案外オグマとニアミスするかもしれないな。

 シーダはちょうど俺たちがターバンに拾われていた時期に生まれていたはずだし、ノルダの奴隷剣闘士が群れをなして逃げ出した話はまだ酒場などで聞けなかったのでもしかしたら間に合うかもしれないな。

 そんな事件が起きたら流石にアカネイア領内なら噂が広がるはずだ。

 

「いたた……ありがとうサトシ。」

「惜しかったなロシェ、でもお前の戦い方は凄かったし俺も参考になったよ。」

 

 そうしてロシェにきずぐすりを渡してやり、戦況を改めて確認してみることにした。

 今更ながらルフレな見た目が幸いしたのか、それともただのチート転生なのか。

 最近ゲームのように全体を見れるようになりつつあった。

 ゲームのように逐一兵士たちのステータスを確認したりは出来ないしあくまでも近く……マップに当たる中範囲の人数把握くらいしか出来ないが、軍師らしくなってきたじゃないか面白い。

 

「さて……ビラクたちも一通り終わりそうだな、俺たちは一度先生がいる馬車に戻ろう。ロシェの手当をしなきゃ。」

「ありがとう、でもあの技凄かったなぁ……蒼破刃、だっけ。」

 

 馬車に戻る道すがら、俺とロシェは先程の技の話をしながら引き返していく。

 馬はきちんとついてきてくれている、馬は無事で良かった。

 思えば、いつもより剣の刃こぼれが強い気がした。

 もしかしたら……いや、アカネイアだし流石にないか。

 

 

  

「先生!ロシェを!」

「酷い怪我ですね……わかりました、すぐ手当しましょう。」

「よろしくお願いします、ウェンデル様……」

「様付けなど……サトシのように気軽にウェンデル先生で構いませんよ。教え子の友人なのですから。」

 

 馬車に戻った俺たちは早速先生の手当を受けた。

 リライブの杖はやはり偉大である、城から持ち出した荷物の中に1本だけ紛れていたらしくウィンドルが先生に渡したらしい。

 しかしあの御者マジで何者なんだ。

 ロシェの手当が終わるとザガロたちも戻って来た。

 盗賊団のリーダーはウルフが仕留めたらしい、ナバールにかかりきりで攻略は任せきりだったからなぁ。

 

「大丈夫かロシェ?」

「怪我はないかいロシェ」

「大丈夫だよザガロ、ビラク。しかしあの剣士は強かったなぁ。」

 

 ザガロたちに目立った怪我はなく、やはりナバール以外は雑魚だったらしい。

 ナバールを追ってノルダに行きたいがそんなことをしたら先生を裏切るしオレルアンから亡命に近くなる。

 暗黒戦争には参加できようが原作紋章の謎ルートは避けられないしそれではターバンは救えない。

 今は記憶に留めておくべきだな。

 

「さぁ、無駄な時間を過ごしたから日が暮れて来やした。この先の村へ急ぎやすよ!」

 

 こうしてアドリア峠の戦いが終わった俺たちは原作で王様が待ち構えていたあの村へ急いだ。

 村へやって来たあとは書き記すことも何もなかった。

 無事に朝を迎えた俺たちはアリティアへ向けて旅立つのであった。




・久しぶりの更新
作者の時間リアルがようやく落ち着きました。
今連載開始した合作と交互に更新します。

・アンケート設置しました。
これからの展望で少しオリジナル職業(厳密には暗黒竜・紋章に存在しない他のFEシリーズのクラス)をつけていいかどうか考えてますので是非アンケートにご協力ください。

・ナバールについて
本編でナバールの過去はあまり語られてないため妄想が捗る捗る……作者の中ではナバールは紋章の謎終了時に20後半くらいのイメージでいます。
つまりサトシやオレルアンズと同世代くらいで描いてます。

・ノルダの街
シーダが幼少期にオグマの事件があったのでこの時期にサムトーたちが自由になったことにします。
サトシやオレルアンズと関わりがないため描写はしませんがこの時期にニアミスだけした……という独自設定です。
一般的によく使われがちな暗黒竜キャラではナバールがやや優遇気味な小説です。

・サトシのシェイバー
蒼破刃などのテイルズオブシリーズの技は風花雪月の戦技の扱いで描いてます。
今回はサトシのてつの剣が蒼破刃で一度に3消耗+シェイバーも1消費です。
風花雪月でもそんなタイプの戦技はない?残念ながら以降も耐久設定でいきます。
Echoesの戦技システム、面白いけど体力減るからあまり好きじゃなくアルムの獅子連斬と覇王断竜剣しか使ったことないんですよね……

・ロニのあれこれ。
アイツだけテイルズオブシリーズの戦い方。
技はサトシが入れ知恵しました。サトシくんはテイルズオブシリーズも大好きだったのです。
ちなみに故郷関連は意外とそのままです。
神の眼がアカネイアにあったらガーネフが絶対悪用するしマルス王子を洞窟内で溺死させたくなるな……(中の人ネタ)

・サトシの能力
最近たまにFE二次創作で見るゲーム画面風に全体を見れる力を採用してみました。
まだ不完全なのでマップを脳内で表示するだけ、ステータスなどはまだ見れません
ルフレな見た目にしたのはこの伏線。

他のFEシリーズのクラスを出してもいいですか?

  • 出してもいいよロシェ
  • だめだよロシェ
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