貞操観念逆転で男女比率1:9とかどんな罰ゲームですかね   作:annwfn666

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なんかえらく長くなってしまったが、此れで分けるとすごく中途半端になるのでご了承ください。

やっとラン指揮官の誕生です、後はリクエストの人形を見ながら出すキャラを決定していく所存です。あ、この話で一人確定、二人保留となっております。確定はリクのあった人形です、出した人おめでとう御座います。

それから余りに自然で流してしまってたんですが、感想で全裸待機の紳士様、せめてネクタイ着用をよろしくお願い致します。

しかし最近は筆が進みます、前のを書いてから2日で何とかなったよ…ところで此れは「勘違い」モノの部類に入るのでしょうか?


「おっさんと契約して指揮官になってよ」

-同日午後、グリフィン本部-

 

それから彼を含めAR,404小隊はヘリで本部へと到着した、どうやらCAPCOM製ではなかったらしい。機内では特にイベント的なことは大して起こらなかった、精々が風に煽られて揺れたせいで彼がバランスを崩し、HK416のご立派な胸部装甲に顔面ダイブしたくらいだ。咄嗟に支え、キチンと座ってなかったことを叱ろうとしたが物凄くすまなそうな顔で謝る彼に強く出れず、顔を赤くしながら「次から気をつけなさい」とだけで許していた。彼?見えないように新世界のGODみたいな顔して(計画通り!)なんて内心ウハウハでしたよ?揺れは偶然だがダイブ先にHK416を選んだのは必然だし。

 

その様を見て、若干2名が自身の胸をペタペタと押さえ、同時に「「くっ」」とか漏らしていたが大丈夫だ、彼は博愛主義者()だから…うん。さて、そんな典型的ラッキースケベを堪能した所でヘリは本部屋上ヘリポートへと着陸、彼は遂に辿り着いた、楽園へ。

 

(楽園フォーーー!!!!!!!!腰は振らないけどな!!ネタが古い?こまけぇことは良いんだよ!!)

 

内心はウザいほどテンションフォルテッシモ、上手く立ち回らなければ保護施設直行なのを忘れているのだろうか?そんな彼を中心に左右を2小隊全員で固め、廊下を進む。戒厳令は如かれているだろうが男子が来ることは職員に漏れていたのだろう、かなりの人数(当然、全員女性だ)がその姿を見ようと詰めかけていた、流石に彼等の歩みを妨げるほどではなかったが。彼に向けられる視線は奇異、驚愕、親愛、そして…欲望。ネットリとした、ギラついた視線が彼を舐める。それに気付いている人形たち、AR小隊は顔を僅かにしかめ、逆に404小隊は顔には出さないが、警戒を強める。

 

人形の彼女達と違い、人間の女性には倫理コードなぞという枷はない、気を抜き少しでも彼から目を離せば欲望のままに襲われてしまうかもしれないのだ。そんな彼女らの緊張を知ってか知らずか、当の本人はと言うと…

 

(ん~?いやぁ人気者は辛いですな~そんなに見たけりゃ見ても良いのよ?可愛くってゴメンね?しっかし、前世では「女性は男性の視線に敏感」って言うけどガチだな、男女逆にすりゃァ今のこの状態にピッタリだわ。でもな~顔は分かるが胸ってなんだ、胸って、揉むの?うなじとかマニアックですね、ええ。尻もま~分かるわ、え?ヒザ裏?…はぇ~すっごいフェチだわ)

 

超余裕だった、視線はまっすぐ前を見据えて固定しているがまたぞろナノマシン散布によりグリフィン職員らから受ける視線を解析、何処を見てるか、また一番視線集中が多い部位は何処か、グラフ化するほどに。中々フェチ道も深いなぁと感心している所で

 

(ん?へぇ~?)

 

職員の一人が何処かに通信機器で連絡しているのを見、またそれを読唇術でなんと言っているか知った所で微かに笑みを浮かべる。

 

(んまぁ~クルーガーのオッサンがいかに優秀でも職員全員にマトモな奴用意するのは無理よね、ウンウン。ま、皆が対応してくれれば良し、万が一にも失敗した場合は…)

 

-ククッ-

 

「…どうかした?」

 

彼が薄く笑ったのに唯一気付いたUMP45がそっと声を掛ける。

 

「いえ、これからどうなるのかなと色々考えていたら…ちょっと、大丈夫ですよ?」

 

「そう、心配はいらないと思うわ、今から会うこのPMCの社長、やり手だから悪いようにはしないはずだから」

 

「迅速な対応を考えればそこは心配してませんよ、有難うございます」

 

淡く笑み、それにUMP45が微笑み返す。だが内心、彼女は不安を覚えていた、彼の今後ではなく浮かべた、自身だけが気付いた彼の笑みに。

 

(…戦争に使われる駒として生み出された…ならさっきの笑みもそういう事なの?)

 

彼は気付いているのか…自身が浮かべた笑みが

 

冷酷に満ちたそれだったことに。

 

・・・

・・

 

動物園のパンダと似たような扱いを受け、彼はグリフィンの代表者がいるという部屋に着いた。此処からは彼一人、2小隊は隣の部屋で待機となる。心配そうだったり、笑顔だったり「あ、アンタのことなんか別に心配してないんだからね!」なツンデレ顔だったりと様々だが基本、好意的な表情に見送られ、彼はそれに手を振り返し。

 

コンコン

 

ドアをノックし、「入りなさい」との渋い声を聞き(おお、これがクルーガーさんの声かな?CV柴田さんっぽいな…サーベル一本で鉄血本拠地にカチコミかけそう♪)などとお気楽なことを想像しつつ「失礼します」と室内へと入った。中には人が二人に人形が二人、万が一の護衛代わりだろう。因みにSMGのトンプソンとARの95式、前者はニヒルな笑みを口元に浮かべ、後者は優しく微笑みながらも彼の一挙一動に注意を払っている。流石に彼の見た目に流されることはない、護衛を仰せつかるだけはある訳だ。誰とは言わないが見習うべきだと思う、誰とは言わないけど。

 

彼と言えば注視されるも特に気にすることなく(★5の2体を護衛とは、流石ですなぁ…製造ガチャいくら回したん?)くらいなものだ。ゆっくりと机へ近づき「かけなさい」とのクルーガーの言葉を聞いた後で静かに椅子へと座った。対面にクルーガー、その横にはもうひとりの人間、まぁ予測はしていたがやはりヘリアントスであった。表面上は平静を保っているが心拍数やら汗のかき方を数値化して見れる彼にしてみれば内心、緊張しているであろうことは明白だ。その緊張が今後の彼の扱いへか、男子を見たことによるそれかまでは分からないが。

 

(クルーガーさんを見習いなさいよ、俺みたいな爆弾目の前にして心拍数とか平常値だぜ?そんなんだからヘリポンコツさんとか呼ばれるんですよゴウコントスさん)

 

コイツの酷さも大概である。チラリとテーブルの上に視線を奔らせるが水差しにコップ、後は紙資料とタブレットくらいのものだ。資料については彼について現状わかっていることが書かれていた、タブレット内の情報も盗み見たがそちらには例の地下施設で彼が抜き取ったデータが整理されて入っていた、急遽、前線基地でM4辺りが送ったデータを解析したのだろう。(仕事してたのねぇ)そういう事考えるの、良くない。彼の視線が落ち着いたのを見て取ったのか、クルーガーが口を開く。

 

「まずは自己紹介と行こうか、人形たちから聞いているかもしれないが私はクルーガー、ベレゾヴィッチ・クルーガーと言う。この民間軍事会社グリフィン&クルーガーの社長をやっている、よろしく頼む。そして…」

 

視線を横へやり、それに頷いたヘリアンが続く。

 

「私はヘリアントス、ヘリアンと呼んでもらって構わない。ここで上級代行官…まぁ人形を指揮する立場にある指揮官と会社上層部をつなぐ仕事に携わっている」

 

「クルーガーさんとヘリアンさんですね、はじめまして、宜しくおねがいします。僕は…ラン、と今は名乗っています。小隊の皆さんの報告にあると思いますが自分に関する記憶は一切残っていませんから。それで…」

 

ペコリ、と頭を下げた後でちらりと視線を彼等の後ろへ移す、流石に無視は出来ないので。それに頷きクルーガーが答える。

 

「君から見て左がトンプソン、右が95式、どちらも人形だ。いる理由は…説明しなくても構わんだろう?」

 

分かっているようだしな?ニィと笑うクルーガーに「はい」とだけ返し、人形へ向け、ペコリと頭だけ下げておく。それに対しトンプソンは帽子を軽く持ち上げ95式は軽く会釈を返してきた。その後は十数分間、彼の能力についてや、施設で何か思い出したことはないか、といったAR小隊らから受けているであろう報告の補足や、それ以外のことについて色々と質問された。「彼女達、人形についてどう思うか?」とも聞かれたので「(ペロペロしたいです)好き、なんでしょうか、一緒にいて安心します。人間の女性には別に不快感、とまでは行きませんが残っている施設での記憶が…その当時はそれが普通と思ってましたが、「モノ」として扱われたんだと、気付いて余り、その…(美人のお姉さんなら良いのよ?)」と、やんわり人形と離れたくないアピール。

 

それに対し、クルーガーは目を瞑り、フムと頷き、ヘリアンは微かに顔を顰めていた。彼の扱いに思うところがあったのか、その辺りはやはり優しいのだろう、原作でも結構プレイヤーを気遣ってくれたりしたし。此処でクルーガーが姿勢を正し、真っ直ぐに彼を見てくる。彼も(ん、正念場、かな?)と内心思いつつその視線を逸らすことなく受け止めた。

 

「さて、色々と話を聞いてきたわけだが…君の今後について話そうと思う」

 

彼が頷き、聞く姿勢になったのを確認し、続ける。

 

「まずこのまま何もしなかった場合、通常の手続きを取るとしたらから話そう。知っての通り、この世界での男性は貴重だ、間違いなく男性保護施設での預かりとなる。衣食住は保証されるのでその辺りは問題ない、だが…」

 

其処まで言って珍しく、顔をしかめる。彼が首を傾げるのを見て、クルーガーはその重い口を開いた。

 

「見ての通り、私も男だ。成人するまでは其処で暮らしていたよ、だから、先入観を与えるのは不味いと思うが正直に話そう、あそこは…地獄だった。確かに大事にはされたのだろう、それは理解できる。だが男性に傷を負わせることはそれだけで罪に問われる、そうなると腫れ物に触るような扱いを受けるわけだ。此方もそれを理解してるから強くは言えないが…辛かったよ。そして、他にも…いや、此れは君が知るには早いか、兎に角、あそこでは人としては扱われない、『貴重品』か何かのように扱われるのだ。正直、同じ男として君にあそこでの暮らしをさせたくはない」

 

「つまり…僕が施設で受けたような、そしてそれ以上の何かをされる、そういうことですね?(フム、言い淀んだ内容は…まぁオッサンも若い頃はおそらく顔が鋭い感じのイケメンだったんだろうし?深く聞かないでおくのが武士の情けという奴かな、てか頼まれても聞きたくねぇ)」

 

「察しが良いな、内容は話せんがそういうことだ。だがそれでも良いと言うならば、私は止めんよ」

 

「内容は分かりました、では次の選択肢の説明をお願いします。多分、ですが…そちらが僕が望む方だと思います(指揮官やろ?そうだと言ってよバーニィー!!)」

 

彼の瞳に強い意志を感じ、ホゥと感嘆の声を上げるクルーガー、報告や今までの会話から感じたのはその感情の薄さ、自身のことすらまるで他人の履歴書を諳んじているかのように見えたくらいだ。だがどうして、その奥底には何か持っているらしい、そう思ったクルーガーは説明を再開する。確かに持っていますね、ええ、主にエロ方面への情熱を。それをクルーガーに読み解けと言うのは酷というものか。

 

「良いだろう、単刀直入に言おう、この会社に就職し指揮官としてその能力を奮って欲しい。君の特殊能力、いや、それが無かったとしても指揮能力は飛び抜けている。近々、鉄血との境界線を押し上げる作戦を実行する手筈だ、君にその一角を担って貰いたい」

 

前半は置いといても後半は未だどうするか決めていない者に話すものではない、ヘリアンは流石に声を上げようとしたがクルーガーはそちらを見ずに、手を上げて制す。彼は(そりゃあ未だ部外者なのにそんな話するのは止めるわな、後クルーガーの旦那、後ろの人形もキッチリと止めといてくださいよ?)と心の中でぼやく、彼は気付かぬふりをしていたが、クルーガーが作戦について話し始めた途端、何時でも彼を取り押さえられるよう、そっと体勢を整えたのを確認していた。拒否した場合、拘束する手筈なのだろう。(オイオイ、断る気はないけど秘密保持を理由に指揮官なれって言うの?流石に引くわ~)等と彼は思っていたが。

 

「落ち着け、後ろのお前達もだ。彼は断らんよ、と、いうか指揮官になる、という事だけは決めていたのだろう?おそらく、此処に来るだいぶ前からだ…違うかな?」

 

「(脅す気はないのね、てかバレバレやん、流石は元ロシアの国家警察的な部署所属の軍人、だったよな?プーさんと同業?あっちはKGBだっけか、この世界線ではどうかは知らんが…それともカマかけかな?どっちにしても好都合だが)違いません、その通りです。最初はAR小隊の皆さんと会ってから、決めたのは彼女達とエクスキューショナー率いる部隊と戦っている最中です」

 

言葉を切り、そっと上げた両の手の平を見つめる風を装う。

 

「やはり、そう調整されていることもあるでしょう、彼女らと戦場を駆けている時はこう、なんと言って良いのか…『生きている実感』?そういうものがあった気がします。どれが好きとか、そんな事未だよく分かりません、でもただ静かに生きることと彼女達と共に戦うこと。どちらを選ぶと言われれば僕は、えぇ、後者を取ります、躊躇なく」

 

無論、言っていることはなんとなくその場のフィーリングで、まぁ子供に前線指揮を執る事を強いるのだからそのくらいの事されていて当然だろうし。そんな事を知ってか知らずか…知らないか、クルーガーは最終確認だ、とばかりに言葉を返す。

 

「私としてはそれは有り難いが…良いんだな?状況次第では前線付近まで出る必要もあるかもしれない。危険と隣り合わせな仕事だ」

 

それに対し、彼はお得意の首傾げポーズで応えた、口元を僅かに歪めながら。

 

「質問に質問でお返しして申し訳ありませんが(減点されちゃうね!!吉良さん!)…逆にお尋ねします、今、この世界に、安全と言える場所が存在するのですか?」

 

彼の前世の祖国は既に滅び、無数の化物が生活圏を脅かし、更には世界シェアを二分していた軍需企業がまるごと人類に敵対している。そんな世界で安全圏とは一体…寧ろ、人形たちの側にいたほうが兆倍もマシだというのが彼の考えだ。そう問われ、流石のクルーガーもどう答えて良いか戸惑う、ヘリアンも同じだ。そんな沈黙を破ったのは呵々ッ、とばかりに響いた笑い声、発信元は後ろで警戒しつつ佇んでいたトンプソンだ。全員の視線を受けても何のその、ククッと笑いながら机を回り、彼の横に近づき机に手を付き、彼の顔を覗き込む。彼はそれを正面から受け止め、見返す。(大胆な姐御、イィ…)考えていることは大概と言うか正常運転です。

 

「指揮に特化しただけの感情が薄い男子と聞いていたが…中々どうして、覚悟が決まってる良い男じゃないか」

 

「(おや、意外と好印象?薄気味悪いガキ位に思われてると思ったけど)それは、有難うございます?」

 

「どういたしまして、だ。ふむ…」

 

彼の返事に律儀に返し、空いた手で顎をさすり、何か考えるトンプソン。「良し」と呟きクルーガーへ視線を向ける。

 

「決めたぜクルーガーさん、なかなか面白そうだ、コイツが指揮官となるならアタシはコイツをボスと呼ぶぜ、良いだろ?」

 

行き成りの部下になります宣言である、流石の彼も此れには驚いた。とは言え、護衛を仰せつかるのだからそれなりの部署にいるはずなのだが…彼もクルーガーに(良いの?)的なニュアンスを含ませながら視線を送る。二人の視線を受け、クルーガーはため息を一つ、その割には余り困っている風ではないようだ。

 

「彼女は優秀なSMGだ」

 

(知ってます、無敵になるバリヤー持ちの高HP、回避は低いがボス相手に有効なタンクですしおすし)

 

「だがまぁその奔放な性格から女性指揮官と反りが合わないことが多くてな、それで上層陣の警護をする部署にやむなく配置しているわけだ。そうだな、君の下で働きたいと彼女が言うのなら此れも縁というやつだろう、君さえ良ければ君の人形として登録していい」

 

どうするね?と無言で聞いてくるが行き成りの高レア人形ゲットのチャンスを彼が逃すはずがない、と、いうかレアだのスキルだの彼は気にしない。大事なのはセクハライチャコラ出来るかだ!!そういう意味ではトンプソンの好感度は低いだろう、だが焦る必要はない、彼はそう思う。だから答えは決まっている。

 

「願ったり、ですね。僕の指揮官登録と同時にお願いします」

 

視線をトンプソンへ向け

 

「いきなり決まりましたが、今後とも宜しくお願いしますトンプソンさん」

 

「さん、はいらないよボス、呼び捨てでいい」

 

「分かりました、トンプソン」

 

彼女が差し出したてを握り、握手。トンプソンは満足げに笑い、一緒に入ってきた人形、95式に声を掛ける。

 

「と、言うことになったわけで警護職は廃業だな、元々アタシの性に合わなかったから丁度いいや。なんならお前も一緒にどうだ?95式」

 

それに対し95式は少し困った顔をして答える。

 

「いきなり二人も抜ける訳にはいかないでしょう?貴方が抜けるなら私も、というわけには行きません」

 

(ウム、残念。おっぱいとか攻撃バフが長くかかるおっぱいARも一緒にとはいかんか。おっぱい)

 

おっぱいがゲシュタルト、確かにご立派さまであることは認めるが。

 

「でも、そうですね…引き継ぎが上手く行った場合は私もお願いするかもしれませんね、妹ともども…」

 

その時は…と続ける

 

「よろしくおねがいしますね、未来の指揮官さん」

 

優しく微笑む彼女に「宜しくおねがいします」と頭を下げる(嫌われてはなかったのね~、良かった)とホッとしながら。何時かは分からないがARが2体、仲間になるのは心強い。

 

「では指揮官となってもらうことで話を進めていこう、幾つか条件があり、それを話しながら決めてもらおうと思っていたがなる覚悟だけは決まっていたとはな…その場合は私が直属の上司となるだろうがよろしく頼む」

 

ヘリアンが口を開き、事務的な話が始まった。まず戦力的な話でAR小隊はそのまま彼の下に就けるということ、此れは彼女らを生み出したペルシカも賛同、と言うか是非ともお願いしたいと言ってきたくらいらしい。(後でお礼に行かなきゃ)なんて彼は考えている。そして404小隊も限定的であるが指揮権を与えるという事になった、汚れ仕事をする際の上層部からの命令のほうが上だが、普段は彼の指揮下で運用して良いらしい。これは彼も驚いた、下手すれば他の人形達から記憶を消してまた何処かに行くと思っていたから。ただ、此れはそれこそ彼を薄汚い暗部から守るという意味合いもあるらしい。

 

後はトンプソンが来てくれたことは棚ボタだが人形の数が圧倒的に足りない、原作でも状況次第では4部隊運用することもあったくらいだ、支援部隊もマシマシで。この世界で支援部隊があるかどうかという疑問もあるし、そうなると自前で用意だ、単純に20だがローテーションや不測の事態を考えればそれ以上は欲しい。何やら大きい作戦もあるようだしそれまでに最低でも3部隊は同時運用できるようお願いした、最優先は全くいないHGとRF、そして少ないSMGだ。ARは指揮権を貰った部隊をバラしたりすれば何とかなるが、それでもある程度は希望しておく。可能ならMGやSGだが序盤から高望みするわけにも行くまい。それとなく聞いてみたが矢張り、原作に近いのかSGは現在IOPにて開発中で現存しないということ、仕方ないね。ただ、MGは一体だけならと回して貰えることになった、後は戦場で拾うしかあるまい。

 

そしてそれを使って彼がなすべきことだが、S09地区、つまりはプレイヤーのデビューする戦域だが此処を彼が単独戦力で占拠せよと上層部から言われたらしい、そんなに優秀ならそのくらい出来るよね?と。此れには彼以外は苦い顔をしていた、彼にしてみれば(ほーん、まぁいきなりぽっと出の怪しい子供を指揮官にするとか、しかも男を、そりゃぁ拒否されるわな。そう考えればクルーガーのオッサンもよく俺を指揮官にすると決定したわ、真似できないクソ度胸ね~、可能かな?ま、最初から戦力揃ってるし俺のスキルあるし、原作知識もあるし何とかなるっしょ)と、凄く温度差を感じることを考えていた、無論、承諾。

 

更に上層部は一つ、条件をつけていたようだが…あのクルーガーが更に苦虫を噛み潰した顔をしている、ヘリアンなぞ目がメッチャ怖い、キレッキレである。だが彼は即座に了承した、そうなることは絶対させないと言い切って。ただ

 

「彼女達には悪いですね、発動はさせる気ありませんが…」

 

とだけ呟いた。トンプソンが彼の肩を叩き、任せておけと笑う。それに頷く彼、それを見てクルーガーは唸り、ヘリアンは一言「すまない」とだけ。

 

その他、まぁ細かい衣食住の話やらが済み、此れにてお開きかと思いきや妙にソワソワしだすクルーガー、此れには彼も戸惑う。人形達も「この人が?」的な目で見てるし。ただ事情を知っているらしいヘリアンだけが「まぁ、そうなるな」的な顔で見ていたが。

 

「それで、だ…うむ、最後の条件が、その、だ」

 

彼にしてはえらく歯切れが悪い。上層部は色々と無茶を通して条件付きで認めさせたがもう一つの方、男性保護団体がある条件を出してきたらしい。政府機能が低下してから此方、保護団体も発言権をかなり失った、其処に富裕層が入り込み、クルーガーが言葉を濁したような部分につながるわけだが。さて、そんな団体だから少々、鼻薬でも利かせれば良かろうと思っていたが意外とある意味ではまともな条件を出してきたのだ。それは…

 

「結局君は国籍も分からず、両親もわからない孤児、という扱いになる」

 

「はい(更には中身は異世界産となっておりま~す、ハハッ、ワロス)」

 

「指揮官として活動する際に、何かしらの後ろ盾がなければ支障をきたすのではないか、と言われてな…」

 

「成る程、確かに(誰の子とも分からん奴が生意気な、とか言われるわけか。何処のラノベ貴族だよ)」

 

そういえば未だ自分ではやっていなかったが、何処かの夜戦のストーリーではジュピターに食料吹っ飛ばされ、残りを人形が守るが実はそれは富裕層の高級食材で、それを知った人形達が不満爆発して…なんて話があると聞いて「ラノベだそれ!!」と爆笑した記憶がある。いやはや、切羽詰まると人間は何処までも退化するのだなぁと。

 

「ならば、それなりに立場ある人間の、だな、ウム。養子に入れば良いということで、団体とは決着したのだが…」

 

其処まで言って、ちらりと彼を見るクルーガー。此処まで言われたら誰でも気づくだろう、つまりはそういうことだ。

 

「ではその親に、その、クルーガーさんが?」

 

「う、うむ。此れでも会社社長だ、元の職業柄、各方面にも顔が利くのでな、私なら良かろうと啖呵を切って来たのだが…」

 

どうかな?と聞いてくるクルーガー、先程の指揮官への誘い云々よりも比べるまでもなく緊張している、その事に彼は何か可笑しくなって思わず笑う所だった。その提案自体は悪くないだろう、確かに後ろ盾というやつは大事だ、グリフィンと一蓮托生となる訳だが今更だ、人形達と離れる気なぞ、毛頭ない。だがじゃあどう返答すべきか…まぁ深く考える必要もあるまい、ハイと答えるのは決まっているのだから此処は一つ…

 

「一つ、質問があるのですが」

 

「な、何かな」

 

なんだか済まなく感じるほどに緊張しているクルーガー、止めようかなともチラッと思ったが残念ながら彼に搭載されたブレーキは不良品、「問題ない、行け」と心の中の悪の帝王様も仰っておられるので行くことにする。

 

「はい、その場合はパパとお呼びすれば良いのでしょうか?」

 

その時のクルーガーの表情を彼は一生、忘れることはないだろう、どんな顔をしていたかはこの場にいた者達だけの秘密だ。

 

「ダメですか?ではお義父さんと…様をつけたほうが良いでしょうか?」

 

何時もの首傾げポーズで追撃、此処でトンプソンが耐えられなくなり吹き出し、爆笑しだす。ヘリアンも横を向いて口を抑えているがまぁ、何をしているかはお察しだろう。後ろの95式も同様だ。此処でやっとクルーガーが我を取り戻す、だいぶ決まりが悪そうだが。ゴホン、と咳払い一つ。

 

「そ、そうか、うむ、承諾してくれて何よりだ。呼び方はまぁ…好きにしなさい」

 

そう言って不器用に笑う。それに彼は少し、口角を上げて答えた。

 

「はい、では宜しくおねがいします、義父さん」




クルーガー「I'm your father...」

主人公「Oh,yes!!」

はい主人公、オッサンの息子になる。

そして回収するか分からん不穏フラグを立てておくスタイル、主人公の精神状態とかも。

そして今回もまたキャラが独り歩きしました、ええ、トンプソンの姐御です。初期案なら普通に他の追加人形と一緒に来るはずでしたが気づけば主人公に歩み寄ってた、姐御パネェ。トンプソン推しの紳士の皆様、おめでとう御座います。

今回も説明多め、すいませんね、貞操観念や人口比率をネタに絡めてるとこの辺りは避けて通れません、「優秀?じゃあ指揮官ね」とはならない世界。クルーガーも必死で努力して軍での地位を手に入れました。原作では知りませんがこの世界で辞めた理由は「男のくせに」とやっかみ買ったせいです。

クルーガーさんの声優は文中の通りでイメージしてます、大塚さんとの意見を某所で聞きましたが私は大塚さんはもうちっと若め、30~40代のイメージです。それ以上だと大総統の声の方で、ま、この辺りは好みですか。ヘリアンさんはインフィニット・ストラトスの千冬姉と同じかな?残念美人なところがソック…なんでもないです。

あ、そうそう。大したことじゃないんですが…次回、お風呂回です。

人形主観によるお話はあった方が良い?無くても良い?

  • あった方が良い
  • 無くて良い
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