貞操観念逆転で男女比率1:9とかどんな罰ゲームですかね   作:annwfn666

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低体温症、終わりましたね。指揮官諸氏におかれましてはクリアや目当ての家具、人形はゲットできましたか?私は時間とモチベの関係からE3-3でストップでした、一応、57の二人目をお迎えしたり小隊飾りも揃えられたので良しとします。

そして新人形追加+製造率up始まりました。HGだけはお迎えできたんですが後は爆死でしたね、チケットも吹っ飛びました。皆さんも製造は計画的に!


で今回はペルシカに会いに行くと言ってましたがすいません、其処まで行きませんでした。書いてる内にどんどん増えて字数が今回1万超えちゃいましたよ、私の悪い癖ですね、ハイ。

代わりに少しタガの外れてるM4をお楽しみください。


「この息苦しい世界でどう生きていくか考えよう」

-彼とグリフィントップとの会談中、近場の廊下の影-

 

「で、何を企んでいる」

 

「ご挨拶ねぇ、仕方ないと言えば仕方ないのだろうけど?」

 

「分かっているなら誤魔化すな、返答次第では…」

 

低体温症イベ中でも仲の良い所を見せていた二人は、やはり此処でも仲良し()だった。M16がUMP45に前線基地でのことを問いただしている最中。

 

「大体、お姉ちゃんと呼ばれて抱きつくなんて、お前のキャラじゃな…」

 

探り合いでは埒が明かない、とストレートに切り込むM16、それに対するUMP45の答えは。

 

「…」

 

無言で頬を赤らめフィとそっぽを向く事だった、これにはM16も絶句する。

 

「…え?…まさか、本気、で?」

 

「…悪い?私にだって…まぁ戸惑っているところも未だあるけど、そういう感情はあるわよ」

 

それに、とジト目でM16を見返す。

 

「貴女も人のこと言える?」

 

「なに?…」

 

「貴女が人間相手にあんな無防備な姿を晒すなんて…しかもあんな可愛い寝顔でね♪」

 

「な、なななななな」

 

半ば忘れていた病院での一夜のことをいきなり突きつけらる、しかも最も最悪な相手にというオマケ付きで。此方も顔を赤く染め吃るM16。

 

「なんで知っている、かしら?私の得意分野、知らないわけじゃないでしょうに。SOPMODには感謝しておかないとね」

 

「ぐぐぐぐ…」

 

若干ドヤ顔になるUMP45、唸るM16、何とも情けない竜虎相打つの図である。数秒そうやって睨み合い、フッとため息をつき同時に目をそらす。

 

「止めよう、このネタは互いにダメージを負うばかりだ」

 

「そうね、其処には賛成だわ」

 

「で?」

 

それは置いておいても、とM16は追求は止めない。彼女が知っているUMP45の過去、作戦時の行動、それと同じことを彼の下でされては困るのだ。そう、M16は予想している、恐らくは自分達は彼の指揮下に入る、そして404も同じく、完全ではないがともに作戦行動をとることになる可能性が出てくるわけだ。そうなった時に…そう考えればM16がUMP45を問い詰めるのも当然と言える。それに対し、UMP45は視線をそらしたまま口を開いた。

 

「私達が合流する際、彼が取った行動、覚えてるわよね?」

 

「あぁ、嫌というほどな」

 

顔をしかめるM16、例のエクスキューショナーの前に躍り出て、自身を餌に誘ったことを思い出している、同時に未だ彼を叱る必要があったことも。この時、彼の背筋に悪寒が走ったかは本人だけが知ることだろう。全くアイツは…と思いだしているM16の顔を下から見上げつつ、UMP45が続ける。

 

「貴女はそれに何を見た?」

 

一瞬、何を聞かれているか分からなかった、何を?質問の意図が読めないままにM16は素直に答える。

 

「『危うさ』、だな。普段は本当に感情が薄いだけ、それだけの良い子だ。だが戦闘となると豹変する、別に戦闘を楽しむ戦闘狂、という訳じゃない。『勝利』という達成目的のためには手段を選ばなくなる、飛び出していったのも恐らくそれだ。あのままAR小隊の残り少ない火力で銃撃戦をこなすか、自身が出ていき意識を逸らした上でお前達404小隊の火力で一気に潰す。どちらのほうが『勝率が高かったか』、そう判断した結果があれだったんだろうさ」

 

情けない限りだがな、と呟きそれよりも、と続ける。

 

「通常の指揮官なら、躊躇はするかもしれないが、あの場面なら人形を犠牲にする選択を取る、バックアップがあれば多少の記憶の誤差は出るが復活は可能だがらな。彼にもそう伝えてあった、だが…実際に彼が危険に晒したのは自分自身だ、感情の薄い彼が情で動くとは未だ考えにくい、つまりは『勝つためなら自身すら駒として扱う』、そう思考する、するように調整されてる、そう考えるのが妥当だろう」

 

なんだか彼がノリと勢いでやった行動がとんでもない誤解を生んでいる気がする、やりすぎ良くない。M16の話を聞き、UMP45は一つ頷き私は、と口を開いた。

 

「『救い』を見た」

 

一瞬何を言われたか分からず、理解した後も「お前は何を言ってるんだ」という顔をしたM16に「勿論、貴女の言うことも理解してる」と付け加えた上で続けた。

 

「人間は人形を都合のいい駒としてしか見ていない、勿論、クルーガーがそうでないことは知っているしそれに賛同する指揮官もいることも。でも…大半は何かあれば見限るわ、そんな人間たちの下で私達、404は色々とやってきた、貴女も知っての通りね」

 

そう言い、顔を両手で覆う。

 

「9には薄々気付かれていたけど、限界が近かったのよ、私。任務で受けたストレスが消しても消しても薄っすらと残り、消えやしない。上層部でも一部で私のメンタルモデルを再構築する案も出ていたらしいわ。正直、それも良いかなって私も思うくらいに追い詰められてたんだと思う。その時…」

 

彼を見た、平然と鉄血ハイエンドモテルの前に立つ姿を。何か言った後、相手に気づかれないようそっと視線を此方に寄越し、目が合った。それだけ、すぐに視線をエクスキューショナーに戻した。そうするだけで大丈夫という信頼を感じた気がした。実際、そうなのだろう。彼女らがギリギリまで接近し、一斉射撃を始める寸前に彼が「終わりです」と呟くのを見ている。その時は其処まで深く思うことはなかったが、その後、軽く会話し前線基地に戻った後、彼から『姉』と呼ばれた瞬間に全てが爆発した。

 

その見た目に全く惹かれていないと言えば嘘になるだろう、だがそれよりもその行動に惹かれた。人形よりも自分を危険に晒す、その行動原理、そう、彼は。

 

「私を、私達を見限らない、使い捨てない、そして…裏切らない指揮官になってくれるかもしれない、どうしようもないこともあるかもしれないけど、あの彼がそう判断したのなら…他にどうしようもないという事でしょう?まぁ、未だ見極める必要はあるけどね」

 

だから彼につい構ってしまった、と微笑みながら付け加えた。クルーガーに彼の護衛として就けて欲しいと具申したとも。それは置いといて、とUMP45は軽くM16を睨む。

 

「情で動かないなんて、本気で言ってるの?薄いだけで感情はあるし、私との会話を聞いていたでしょう?あの時の行動は『貴方達を守るため』との可能性を認めたくない?」

 

「それは…」

 

目をそらすM16、半分は当たりで半分は外れだ。人形が人に庇われるなど、その存在意義的にあってはならない。外れの方は…言えるはずもない、特にUMP45には。

 

「そうだな、あの子にも感情はある、分かってはいたんだが…軽率な発言だったな、取り消そう」

 

彼のことだからか、UMP45相手にも素直に非を認められる。

 

「良いけど、彼にそんな事を思ってるなんて勘付かれないようにね、他人の感情には敏いわよ、彼。兎に角、私が彼に構う理由はわかったかしら?少なくとも彼にとって損になることはしないわ。する筈もない」

 

そういう彼女の顔にはいつも浮かべている薄笑いはない、真剣そのものだ。取り敢えずこの場は収めておいても問題ないだろう、M16はそう考える。無言で頷き返し、理解した旨を伝えておく。後は互いの行動で示せば良いことだろう。そうしている内にUMP45がボソリと「終わったみたい、出てくるわ」と口の中で呟く。本部内での盗聴行為は厳罰じゃなかったか、と思いもするが今更だろう、突っ込むだけ野暮だ。彼が出てくるであろう扉と自分達、その間にいる例の職員に注意を払いつつ、そちらへ視線を向ける。

 

(言えるわけ無いだろう…底が見えない彼のことを…『■■』と感じてしまったなんて…)

 

 

-深夜、グフリフィン本部宿舎内-

 

 

それからは特に特筆することもなく、普通に100まで数えて上がり髪をUMP9に乾かしてもらい(無論、鏡に写るその姿はバッチリ)備え付けのパジャマに着替えて部屋に戻る。何やらドタバタとドアから離れる音がしたがまぁ、突っ込まない優しさが彼にもあった。後は喉を潤し、歯を磨き寝るだけだ。ちょっと暑かったのでパジャマの襟元をパタパタする、なんてサービスをしつつ、寝る時間になったので404小隊は隣の宿舎へ移っていった。ガン見していた完璧さんはさぞいい夢…は見ないか、トンプソンはそのまま残り、隅を借りるぜとさっさと寝てしまった。

 

彼としてももうすることもないので寝ることにした、のだが諸事情から眠れなくなったので今後の行動方針、to do list的なものを脳内でまとめることにした。まず最初だが…

 

(AR小隊の死亡フラグをバッキバキに折ることやなぁ…此処まで分かりやすいと逆に有り難いレベル)

 

今、同室で就寝しているAR小隊に立っているフラグを何とかすることだ。基本的にバックアップがあり破壊されたとしても、ほぼ同じ記憶を持った同じ人形が復活できるこの世界で「バックアップなし、死の可能性を手に入れた人形」とかあったらもうシナリオの何処かで死亡、乃至それに似た状況になることは容易に想像できる。最終ミッション辺りで「彼女いるんすよ」「基地に帰ったらプロポーズ」「花も買ってる」なんて数十秒の間にフラグを立ててその後、ラスボスの攻撃でフラグ回収とまでこなした僚機パイロットと同レベルの分かりやすいフラグだ。

 

実際、彼が持つ原作知識の中でも既にAR-15がラスボス巻き込んで自爆、で死亡(次の戦役でラスボス復活してきたけど)。M16も正直怪しい、緊急マップでもそんな描写があったし何より低体温症イベでもM4らしき夢(?)を見るわ、ROから異常があると突っ込まれたり、ヘリアンから「M4か?」とか通信で言われるし…ヘリアンはよく分からんが。恐らくはAR-15と同じく、『傘』に感染してというところか、他の原因か。SOPMODやROとて今の所はわからないがフラグ立ってると考えたほうが懸命だろう。M4?彼女は不幸主人公枠だから…

 

まぁ、鉄血との戦争中だ、犠牲が出ることは仕方ないだろうが回避できるなら回避したいのが人情というやつだろう。彼とてナノマシンの恩恵でチートを所持しているとは言えメンタルは一般人だ。「人形が死んだ?フーン他にいるから良いや」等という外道思考は持てるはずもない、間違いなく心折れる。悲しみに包まれて不思議な事が起こってしまうかもしれない、ならば回避する方向でやっていくべきだ。

 

先ずは彼女らのバックアップだろう、それさえ取っておけば最悪、復活は可能だ、編成拡大で増えるダミー人形もあることだし。当然ながら彼女らのメンタルモデル含めた電脳データにはロックが掛かっていたが…皆まで言わなくても分かるだろう。バックアップを置いておく場所は今から向かうS09地区に適当な場所を探しておけば良い、機材その他はどうとでもなるだろうし。

 

次はアレだ、『傘』だ。なんかもう「ぼくのかんがえたさいきょうのうぃるす」かなんかですかって言いたいくらいにどうにもならん、原作でも解決の糸口すら見つかってなかったし、描写無いだけだったのか?確実に感染したとわかっているのが第0戦役後に分散した際のAR-15とキューブ作戦後のUMP45だ。ただ、AR-15の方は0戦役時に分散さえさせなければなんとかなる訳だが、不測の事態が起こるとも限らないし、UMP45に至っては止めようがない。取り敢えず、ナノマシンに命じ、プログラム解析AIを立ち上げさせた、結果生み出されたのが3つのAI、名前をどうしますかと聞かれたので技の1号とかでよくね?等と思ったがあんまりなので「人形使い」「笑い男」「少佐」としておいた、最後のは「傀儡回し」と迷ったが、分かる人には分かるだろう。『傘』自体は本部には保管されておらず、恐らくは16labで解析中であろうから、明日出向いた際にこっそりコピーさせて貰えばよい。

 

因みに彼とナノマシンの関係は「オーケーグ○グル」「ヘイ○リ」のようなものだ、彼が大まかな指示を出すとそれに準じてナノマシンを統括するメインAIが他のAIに仕事を割り振り結果が返ってくる。戦術AIやら開発AIやら、なにやら結構な数が存在するらしいが詳しくは分からない、聞いてもそういったナノマシン達自身のことなどは一切回答が返ってこないのだ。メインフレームは何処にあるか、とか非常に気になるのだが…どう考えても彼の脳のキャパを超えているから外部にあると思うのだが。正直、不気味だなと思うことはある、だがそれがなければ彼などただ見てくれの良い子供、今頃は目覚めた病院近辺で野垂れ死んでいるか、鉄血に殺されてるかの二択だろう。使い続けるしかない訳だが、まぁこんなガキ一人だました所でどうなるというのか、鉄血の罠?それとも他の陰謀?それを考えるのは大人の仕事です。

 

酷い責任転嫁と言うか投げっぱなしジャーマンなのは置いといて、次にやるべきことは

 

(戦力の確保、かな)

 

現状、AR、404小隊や今後加入が予定されている人形がいるわけだがこれらは彼の戦力、というわけではない。あくまでグリフィンの戦力を預かっているだけで、何かあれば取り上げられるわけだ。それに下手をすれば今後来る人形に何かトラップでも仕掛けられている可能性すらある、男性が指揮官になる以上、妨害工作はあると考えて行動すべきだろう、この世界は本当に糞だわ。つまり、欲しているのは『彼のみの指示で動く』戦力、と言うわけだ。考えられる方法は鉄血の下級人形を鹵獲改造、廃棄された人形プラントを発見して利用、他にあるなら随時利用というところだろうか?09地区にあれば良いのだが。

 

(俺自身を強化できれば多少楽なんだけど、完全拒否されたし。良いさ、第1戦役に出てくる案山子さん鹵獲してガンビットをコピらせてもらうから、後は俺の意識をダイブできる男性型人形作成とかな、エクスキューショナーの太刀?アレ回収してるはずだからコピーして、サイボーグ忍者型人形とかかっこよくない?全長十数メートルのメタルギアぶん投げたりとかトンデモ過ぎる奴だけど)

 

資材やエネルギー源は、という問題もあるが彼が病院からかっぱらって…否、責任を持って回収、保管している(報告するとは言ってない)崩壊液をゴニョゴニョすれば何とでもなるらしい、ナノマシンってすげー!今後は大気中に拡散したそれを回収し、利用する専用ナノマシンも開発するのはどうか?などと考えている次第だ。オマケ?と言っては悪いかもしれないが人形のアタッチメント開発なども良いかもしれない、原作では装備品に制限があるがこうなるとそんな物はあってないようなものだ。ARなら榴弾発射機構、他にもSG用弾を撃ち出すアタッチメントもあると朧気に聞いたことがある。そういったものを開発し、デイリー装備品製造の際になんかできた、で済ますのも悪くない(イヤイヤイヤ)。だってゲームのM16姐さん、不憫すぎるもの、ARなのにスコープ等のアタッチメント装備不可だしジャケット装備可能だから貧乏ランの盾役にするしかないじゃない!!だし、スキルも正直、SMGと同じ閃光弾と来ている。原作で合流前にHK416とガチで殺し合ってたがどうやって勝ったのか…

 

(後は優先順位低いけど食料かな~米食いたい、米)

 

食事についてはそれほど悪い世界線ではなかったようで、先程食べたサンドイッチを中心とした軽食の味は大手パン屋(ヤマ○キとかそのへん)が大量生産したそれと遜色ないレベルであった、ただ挟まっている材料を解析した結果…しなけりゃ良かったぁ!!と彼は心の中で叫んだが、あ、キチンと食べましたよ?とはいえ日本人のソウルフードである米、他の食材だがないこともないが貴重品であり入手は困難のようだ、残念ながら鍋パーティーを開くことは困難な様子。これの解決策は働いて稼ぐか、生産か?なんだが土地の汚染はどの程度か、農業知識を持つやつはいるのか、道具はどうするか、苗は?解決する問題が多すぎる、一旦保留で必死に働いて稼ぐことが一番の解決策な気がする。

 

(近未来世界に転生したのに考えてることがファンタジー世界転生あるあるで草だわ、いや汚染で草も生えないんだった。で、最後にすべきことは…倫理コードの解除、此れは外せないね!)

 

安定の彼、である。現状、チマチマと人形相手に試しており先程は風呂場でUMP9がその尊い犠牲になっていたが。一部でも凍結、破壊すると彼に対して多少は大胆な行動を取れるようになるらしい、流石に4割程度では性的なニュアンスを含む接触には警告が出たようだが。もっと過激なスキンシップを含むイチャコラをするためには5割、いや6割はなんとかしたいと彼は必死に思っている。因みに一斉に数箇所から一気に凍結、破壊しようとしたら完全な自閉モードに入られ、接触も不可になった上にその状態でも仕事はするという最悪な事態になったので諦めた。

 

で、である。何故、彼がそんな大事()なことを食料等よりも後に考えたか、それは彼が眠れなくなったことにも関係するのだが…と、している内に彼の両頬に手が添えられ、グイッとその手の持ち主の方へ向けられる。寝起き?と言うかスリープ解除後だからか、先程からとろんとした相手の目と目が合う。何やら不満げに頬を膨らませたその相手は、誰であろうM4である。どうも彼が考え事をして彼女への返事を疎かにしていたのがご不満らしい。

 

「む~、話聞いてないでしょ、ラン君」

 

「聞いてない訳ではありませんが、今後のことについて考えていたのは事実ですね、すいません」

 

「もぅ!真面目なのは良いですけど、今は私を見ていてくださいね?」

 

「分かりました、M4さん」

 

やっと機嫌が治ったらしく、幸せそうににヘラ~と笑うM4、(何や、やっぱり天使は此処にいたのかよ)等と思う彼。なんでこんな事になったかと言うと、まずは寝る時、また誰が一緒に寝るかと議題に挙がった訳だが未だ寝たことのない(こう書くと卑猥!)M4とAR-15のとどちらか、となったがAR-15がM4に「未だ機会があるから次でいい」と譲ったので、スムーズに決まったのだ。その際、怯えた目でM16の方を見ていたのは気のせいでないだろう、お説教のターンは未だ終わってないし!それで平和に就寝となったが、ここからが平和じゃない。希望かなって彼と一緒の寝床に入れたは良いが、ガッチガチに緊張して彼が少しでも動く度にビクッとするもんだからそれが微妙に伝わり、M4は半ば気絶落ちの形でスリープモードに入ったようだが彼の方は逆に目が冴えてしまったのだ。

 

ナノマシンで強制的に寝ても良かったが、折角目の前に被検体がいるんだしという中々にマッドな思考からM4に入っている倫理コードで色々と試し、45%までの解除に成功した所でM4が目を覚ました。コード弄ったせいかと微妙に固まる彼をじーっと見た挙げ句M4の取った行動は。

 

「あ~っ、ラン君だ~」

 

と寝ぼけた声を上げつつ彼に抱きつくのだった。どうやら目の前の彼のことを自身の夢と思い込んでいるらしく、コードが半分近く解除されてることもあり、大胆な行動に出たようだ。抱きついて彼に頬ずりしたりと好き放題、無論、彼が抵抗するはずもなく、彼女がするとりとめもない話に相槌を打っていたが、どうも適当に返事していたのがバレ、先程につながるわけだ。彼としては中々あるM4の胸の柔らかさを堪能でき、実に素晴らしい状況なのだが。そんなこんなしている内にため息を付き、話の内容が愚痴になっていくM4、自身の指揮能力に対する不安がその中心だ。

 

「M16姉さんのフォローがなければ皆をまとめ切れないし、AR-15からはチクチク指摘されるし、SOPMODは自由だし…私、隊長に向いてないんじゃないかって、それに」

 

じっと彼を見つめる、其処には少しだが嫉妬が混じっているように彼は感じた。

 

「ラン君の指揮を見るとね…自信が…」

 

シュンとなるM4に彼は罪悪感を拭いきれない、だって彼自身の力じゃないし。(此れがチート貰った主人公が凄いと言われて感じる罪悪感ってやつかぁ!!)まぁ余裕そうではある。とはいえ、此処は彼女の不安やら嫉妬を何とかして元気づけることを優先すべきであろう、彼はそう決心し、口を開く。

 

「それは勘違いですM4さん」

 

「え?」

 

思った以上に強い否定が口調に出たか、M4が驚いた顔をあげる。

 

「僕の指揮が的確なのはそう出来るよう能力を与えられているからです、別に僕が凄いわけではありません」

 

「そ、それは、でも…」

 

「逆に僕はM4さんのほうが凄いと思いますけどね」

 

「え?」

 

戸惑う彼女の手、頬に添えられたままだったそれを握り、瞳を見返す。

 

「貴女は指揮しつつも戦闘もこなす、僕はこの前の戦闘が例外であって基本、前線には出られません、足手まといです。みなさんとリンクすることで能力を底上げする力もありますが、結局、僕にどれだけの力があろうともそれは他の存在、代わりに戦ってくれる誰かがいる事が大前提です。皆さんがいなければ何も出来ないんですよ、僕」

 

未だ何か言いたそうにするM4に被せるよう、言葉を続ける。

 

「それに此れは答えが出ない論争です、それぞれに役割があり、どちらが偉いとか、凄いとか、余り意味がないと思います。大事なのは、その力で何を成すかということですよ、きっと」

 

「何を、成すか…」

 

そう呟くM4に彼はちょっと提案してみる事にした

 

「(大体、可動して何年?ん?年単位なの彼女?細かいこと分からんがそう時間経ってないんじゃないの?それなら経験不足もしゃあなしよね)そんなに指揮が不安なら一緒に勉強しませんか?」

 

「え?勉強?」

 

必要なの?みたいなニュアンスで言われたが彼もエロいことばかり考えてる訳ではない…本当よ?並列思考を使い、戦術データを活用して演習を繰り返す程度の努力はしている。脳自体も強化されているので学習能力も通常とは段違いなのだ、万が一、戦術AIらと通信途絶した場合は彼自身の力のみで指揮を執る必要があると考えたためだ、現状は残念ながらAIにおんぶに抱っこである。

 

「活用するには練習も必要ですからね、頭にある戦術データを利用した演習をこなしたりしていますから。それをアウトプットし、共有できる装置があれば一緒にそれをこなすことも可能です、ですから」

 

いわゆる模擬訓練、資料集めたりカプセル拾ったりするアレだ。言葉を切り、次を紡ぐ。

 

「一歩一歩、前に進みましょう?一緒に」

 

「そう、ね…悩んでいても仕方ない、か」

 

宜しくね、と承諾のほほ笑みを浮かべるM4に彼は(ん?でも此れ夢だって思ってるんだよねこの娘、どうすっかな~。てか、人形なのに夢を見る、ラスボスでも全データ閲覧不可ってことは…そういう事なんだろうなぁ、と言うか確かめたんですけどね、予想通りでした、ハハッ!!人間て怖いわ~)何やら不穏なことを想像しつつ頷くと同時に、右手の小指を差し出した。ん?と首をかしげるM4に「指切りです」と告げる。

 

少しはにかみながらM4も小指を差し出し、絡める。お定まりの台詞、終えた後の自分の指を眺め、M4は嬉しそうに微笑む。その視線を彼に向け、手を再び頬に添え…

 

「んっ」

 

流石に恥ずかしくなったか、それとも流石にコードに反すると本能的に悟ったか、それでも彼女の唇は彼の頬にそっと触れた。

 

「…M4さん?(頬かぁ、まだまだ時間かかりそうね~)」

 

何も知らない風を装い、不思議そうに見返す彼にM4は顔を少し赤く染めつつ、説明する。

 

「えっと…こ、此れはキスって言ってね、親愛の情を相手に示すときにするの、お礼とかもこめてね!!ウン、此れは色々元気づけてくれたお礼!!ウン!!」

 

彼と言うよりも自分に言い聞かせるように畳み込む彼女に対し、彼はいつもの悪戯心が発動してしまった、心の中の主任も「良いじゃ~ん、盛り上がってきたねぇ~~」とニヤニヤしてる、コイツの心は悪の帝王様と言い魔境か何かだろうか?今度は逆に彼がM4の頬に手を添え、顔を近づけていく。

 

「え?え?ちょ…」

 

「んっ…僕も、お礼です。此処まで僕を守ってくれて、有難うございます」

 

勿論、頬へ、微かな微笑みも添えて。効果はてきめん、M4の顔はボンッっと音を立てたかと錯覚するほど急速に赤く染まっていった。と、いうか未だ此れを夢と思っているのだろうか彼女は。それでも何とか、しどろもどろに「あ、う、その、どういたし、ましてぇ…」とお礼を口にする。それを見て彼は欲情すると言うよりかは微笑ましい気持ちになった、未だ色事に染まっていない純真な心、なんか育っていく娘を見守る気持ちに近いような気がしてきた、子供持ったことないけどね、多分。そうしている内に彼も眠くなってきた、M4の気持ちが安定したこともあるだろう。彼はアクビを一つ、そっとM4に抱きつく。彼女もそれを優しく受け止め、そっとその背に手を回した。

 

「お休みなさいM4さん、また明日」

 

「ええラン君、お休みまた明日」

 

二人は同時に目をつむり、そのまま夢の世界へ…眠りに落ちる前に彼は穏やかな顔で思う。

 

(さて、彼女は此れを夢と思っているわけですが…ところがどっこい‥‥‥‥夢じゃありません‥‥‥‥! 現実です‥‥‥! これが現実‥!って知ったらどうなるのかのぅ!!ぐにゃあああって顔がなっちゃう?福本顔になっちゃう?あ~~っはっはっは!バラす瞬間が楽しみすぎて生きてるのが辛いわぁ~!!!さて、お休み!!)

 

…コイツ、いっぺん痛い目見れば良いと思うんだ。




M16とUMP45の心理描写、この辺が限界ですな~。あそこまで頑なに人間を信頼しないUMP45がどうやったらバレンタインのデレ姉になるのか私の表現力ではこの辺りが限界です、ハイ。

M4の秘密についてはぼかしてます、まあ予想してwikiのネタバレ見て「ああやっぱり」と思った訳ですが。何時かは明かされるでしょうけど何時になるんでしょうね…

次話こそ16labへ…と言いたいけど、言っておかないほうが良いですかね?

そういやRO、夜戦マップで第7戦役初登場前にも出てるらしいですね、そうなると可動始めたのは何時だろう?もう話の中で登場させても矛盾はないのだろうか?

人形主観によるお話はあった方が良い?無くても良い?

  • あった方が良い
  • 無くて良い
  • 本文途中で挟む程度で

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