貞操観念逆転で男女比率1:9とかどんな罰ゲームですかね 作:annwfn666
其れにイベントが船とDDが重なってそちらに時間を取られたのが最大の原因ですね、遅れた。イベントについては此処で長々と書かずに後書きで
>>笑い男?
無論、本人というか人間としてじゃないですよ、主人公がAIに付けた設定で例のポップアップ使ってるだけです。
-同日、第S09地区 グリフィン基地-
「ラン指揮官、荷物の搬出、全て完了しました」
「分かりました、お疲れ様です(そういや目上にお疲れ様って駄目だっけ?この場合俺が目上?教えてクソマナー講師!!)。任務完了のサインを…」
「有難うございます。残りの資材搬入は明日、今日の到着と同時刻に。それではご武運を!…頑張ってくださいね?」
彼と人形を輸送したヘリのパイロットが事務的な口調から一転、心配そうな顔で。どうやらちゃんとしたパイロットを選んでくれていたようだ、本心から心配しているのは確認済み。
「はい頑張ります、また明日お会いしましょう(ちょっとサービス)」
「!?は、はいまた明日!!」
少し、口元を緩めて笑顔。それだけで顔を真っ赤にしたパイロットはスキップしながら戻っていく、浮かれて「MADE IN CAPCOM」な事にならなければ良いが…等と無責任なことを思いつつ飛び去るヘリを見送った。
振り返れば搭乗員と共に搬出作業をした人形が、思い思いの格好で小休止を取っている。因みに積み荷降ろしが始まった時、彼も少しは手伝おうかと提案したのだが
「上に立つ者が雑事に手を出すんじゃない」「男の子にそういう事、させるわけには…」
と、ハッキリやんわり断られたのだ。此処にも世界観の差異を感じつつ、仕方ないのでドローンを飛ばし周囲の警戒に当たる。本来は必要ないのだが端末片手に「仕事してます」アピールを。
結果、所謂「良いニュースと悪いニュース」というやつを入手し、さてどうするかとしている内に作業が終わり、状況は文頭に戻る。
「さて、どうする指揮官」
ヘリを見送り、端末を右手にぶら下げノンビリと近づく彼にM16が口火を開く、他の人形も視線は彼に固定だ。
「おおよそ、こちらの予想の範囲内です。合流を待って補給と部隊編成を行い出撃してもらいます」
「と、言うことはどちらも来てるのか?」
「敵方はここまで到達するのに2時間、といった所でしょうか?味方の方は数分で到着するので問題ありません。僕は残り基地の司令室再起動を行います」
「了解だ、護衛の人形の選定は終わっている。で、後はあいつらだが…」
そう言ってスッと銃に手を添えつつ彼の前に立つM16、彼もM16が警戒する方にチラリと視線を向け「大丈夫ですよ」、そっとM16の右手に手を添える。
視線の集まる先、スッと建物の影から現れたのは404小隊、先程の内に「先に到着、周囲を警戒する」との連絡を受け取っていたので心配はしていなかったが、こうして目の前に無事に全員揃った上で存在しているのをみるとホッとする。
「久しぶりね指揮官、元気そうで何よりだわ」
「そちらもUMP45、UMP9にHK416、G11も元気そうで」
元気に、もしくは素っ気なく。互いに思い思いの方法で返事を返し、状況報告を続ける。
「基地周りへの工作はそうなかった、時間がなかったんでしょうね。全て解除しておいたわ」
「車両にもなかったよ、数台無くなってるけどそれで前任指揮官は逃げたんだよね。残りで十分、作戦は遂行可能」
「G11と近くの狙撃ポイントを索敵、流石にいなかったわね」
「疲れた~、休んで良い?」
「分かりました、この分なら建物内の工作も最小限でしょう。後少しで到着します、全て予定通りに。残念ながら休憩は無理そうですG11、此処を切り抜ければ当分は余裕が出来ます、時間的にも人員的にも。それまで働いてもらいますよ」
「うぇ~…頑張ってみる…」
みる、じゃない!とHK416に叱られるG11を横目に次の指示を出そうとする彼だが、恐る恐るといった感じでかけられた声に遮られる。
「あ、あのぅ指揮官様…人形の皆さんたちは理解されているようですが、その、私にも説明を…」
すまなそうに挙手し、説明を求めるのはこの場で彼以外、唯一の人間である後方幕僚カリーナ。少し涙目になってる。
「(気づいてたけどね、涙目になりながらオロオロしてるのが可愛かったから!メンゴ♪)そう、ですねすみません。未だ少し余裕があるから、確認がてら説明をさせて貰います。AR,404両小隊は周囲の警戒、トンプソンたちは必要な物資を出して下さい。
ああスプリングフィールド、嗜好品も少し…宜しくおねがいします」
「了解です指揮官」「了解、行くわよ皆」「了解だ、ボス」「はい、用意しますね」
指示を受け、散らばる人形を見送りカリーナを未だ必要ない物資の箱に誘い、隣り合って座る。ちょっと寒い風を装ってくっつけばカリーナの顔は真っ赤だ、其れに気付かないふりをする鬼畜な彼。
「さて、何処から話したものでしょうか…多少は長くなると思いますが」
「そそ、そうですか?ではそのぅ…取り敢えず、この後の予定と言うか、その辺りをお話し頂ければ」
「(どもってるのも可愛いな)ではこういう時、お約束では「いいニュースと悪いニュース、どちらから聞きたい?」と聞くそうですが…」
「まぁ、映画ではよく見ますわね。では…悪い方から」
冗談を言うとは、少しは成長したのかしら?そう思いながら選択、何故ならこの前見た映画で主人公がそちらを選んでいた、位の小さな理由で。そうですか、と其れを受け
「悪い方からですね。現在、かなりの数の鉄血が此方へ向かってきています、到達まで約2時間」
そう言うや、手持ちの端末にドローンからの映像を映し、カリーナへ。その際にはその集団の先頭は敢えて見せない。其処にはノーマル人形は1割、残りは機械人形で構成されたかなりの数の鉄血が進軍していた。たちまち赤かったカリーナの顔は蒼くなる。
「しししし指揮官様ぁ!?こ、これは一体!!それに鉄血がこんな物量で侵攻してくるなど、聞いたこと有りませんわ!!」
「何事にも初めては付き物ですよ、前例主義は思考の停止です。さて、何故こうなったかの説明ですが…今、我々は数々の妨害を受け、それを跳ね除け此処にいます」
パニックを起こしかけるが冷静な彼を見、落ち着きを取り戻す。
「そう、ですわね。まぁ色々と…」
苦い顔をして思い出すのはあの手この手で彼への物資、人形の配属を減らそうとする『排斥派』の行動だ。因みに、実力行使に出た妨害は彼以外では指示した『排斥派』しか知らない、クルーガー達にも伝えていなかったりする。
「でも、それが何か関係が?今、此処にいるということは当分は妨害もなく、安ぜ…」
そこ迄言ってカリーナの蒼い顔は更に蒼くなる。何故、彼は今この瞬間にこの話をした?まさか…恐ろしい想像のせいで込み上げてくる吐き気を口に手を当て、抑える。
「(気づいたかな)残念ながら今この瞬間こそが、救援も増援も望めない我々最大の危機なのです。そして、『排斥派』にとって数少ない僕を処理する最良のタイミングと言えるでしょう」
始末は鉄血がつけてくれる、例え運良く生還できたとしても、後に残るのは無能の烙印を押された男の子が一人。
「で、でもどうやってこれだけの鉄血を?」
「それは…」
先程あえて見せなかった集団の先頭を映すが、そのあまりの内容にカリーナは絶句、手で押さえた口の中で「そんな…まさか此処まで?」と呟くのが聞こえる
其処に映るのは鉄血の人形ではない、味方であるはずのIOP製人形数体、それが必死の形相、否、狂気に染まったソレで走っているのが映っていた。この基地めがけて一目散に、恐らくそのように命令されているかコードで縛られているのだろう。
『トレイン行為』
MMO等で意図的にモンスターを大量に釣り集め、一気に殲滅して経験値を稼ぐ、もしくは他人に押し付けてプレイを妨害する迷惑行為の総称だ。
(前世の記憶では、情報として知ってるだけだったけど…まさかリアルで食らう羽目になるとは、ハハッワロス)
人の悪意は現実、虚構問わないという事だろう。さて、カリーナの反応はとチラリと視線を向ければ
(おや)
軽く震えてはいるものの怯えは引っ込み、ギュッと唇を噛み締めているカリーナ。此方の視線に気づいた顔を上げ、気丈に微笑む
「指揮官様が落ち着いているのはそういう事なのでしょう?「良いニュース」をお話頂けます?」
(へぇ、やはり後方幕僚というだけは。じゃあ一寸ご褒美)
元気づける風を装いカリーナの手を握る、「ししし、指揮官様!?」慌てる彼女に気づかぬふり、説明しようと口を開きかけるも
(指揮官…)
(来ましたか、無いとは思いますが念の為に警戒を)
(了解)
AR-15より通信が入り、沈黙する。不思議そうにするカリーナに彼は頷いた
「「良いニュース」が到着したようです、説明はそちらでしましょう」
立ち上がり、基地正面ゲートの方へ歩き出す。
「し、指揮官様!?て、手は、そのぅ…」
カリーナの手を離さないまま。ワザとかって?聞く必要はあるのかな?
・・・
・・
・
視線の先、トレーラーの車列、と言っても型はまちまちな其れが此方に近づいている。カリーナは人形たちから生温かったり、羨ましそうだったりといった視線を一身に受け、顔を真っ赤にしたまま彼の後ろに控えている。
基地のゲート手前で車列は停まり、先頭の助手席からヒラリ、と一体の人形が身軽に飛び降り此方へと接近してくる。見たところ、非武装だ。それでも此方の人形が警戒を解くことはない。
人形は数歩手前で立ち止まり、勝ち気な表情を見せつける。その特徴的なピンクの髪、白いドレスと見紛う衣装は埃っぽく薄汚れていたがそれでもなお美しい。キラリと六芒星の髪飾りを光らせて。
「通信越しでは何度か、だけどこうして会うのは初めてね。始めまして、未来の指揮官候補さん?」
「その未来はすぐ其処だと良いのですが、始めましてネゲヴ、ラン=クルーガーといいます」
彼の余裕の根拠の一つであるMGネゲヴ、彼女は彼の返事にニィ、と微笑んだ。彼女は初期の頃に製造が成功したエリートであったが数時間差で先に同型機がロールアウトしており、そちらが本部直属の「ネゲヴ小隊」隊長に就任し彼女は前指揮官の下へ。
その指揮官と幸か不幸か反りが合わず、複数の人形と共に冷遇される立場にあった。そして少し前の撤退時に残り、足止めを命じられたのをこれ幸い、とばかりに命令を拡大解釈するやり方でゲリラ戦を鉄血へ仕掛け、今まで前線を維持してきていたのだ。
その手際は流石、と言わざるを得ないが何時までも続くものでもない。実際、彼がIDW達を経由してリークした『排斥派』達が隠匿していた物資の座標と、その扉のパスコードを聞くことがなければ最後の物資を使って特攻を仕掛けるか否か、まで追い込まれていた。
メンテナンスも互いにインストールされている、簡易的な整備知識でなんとか騙し騙しやってきていたが…と言った所で彼からの連絡と支援を受け、持ち直し…今此処に立っている。因みに彼女と共に残ることを選択した全人形が負傷はあれど全員、生存していることを考えればその能力は戦闘力だけではないだろう。
彼としては是非、指揮下に入って欲しいし彼女もそうせざるを得ないとは分かっているのだろう。なぜなら、未だに彼女たちの指揮権を握るのは前指揮官、人形の悲しさか指揮官の命令には基本、逆らえない。こうして前線維持という手柄を立てた彼女らを自らの手柄にしようとするのは目に見えている。
「ま…そうは言っても貴方の指揮下に入る以外の選択肢は無いのだけどね。我々の総意としては全員の賛同を得たわ、ええ、多数決とかじゃなく全員のよ」
「それはありがたい話です、連絡の通り全員を受け入れます」
間髪入れず、受け入れ承諾の返事をした彼にネゲヴは例の不敵な笑みを崩し、目を見開きキョトンと。彼が(おん?その表情はイエスだけど、なんかおかしなこと言ったっけ?)と首を傾げるとネゲヴは慌てて首を振り、少しワタワタする。
「い、いえ、それは有り難いのだけど…良いの?」
「はい、寧ろ願ったり叶ったりですが。何か問題が?」
希望通りのはずだが、その態度の理由が分からない彼にネゲヴはポツリポツリと漏らす。其れはネゲブと前指揮官が袂を分かった最大の理由でもあり、彼の前世でもよく聞く話ではあった。その指揮官は見た目の好み、そして何より如何に貴重な人形であるかによって人形を差別したと言う。
ネゲヴ自身もエリート機であったため優遇はされていたが、戦いに出さず箱入り娘のように扱われたため事あるごとに指揮官と諍いを起こすようになり…結局、手荒く扱われることはなかったが、代わりに出撃できないという彼女からすると地獄のような日々だったそうだ。だが、冷遇される人形が「少しでも自分たちの生存率を上げたい」とコッソリとネゲヴを戦場へ連れ出し、自分たちのリーダーにと頼んだらしい。
本来なら直ぐにばれ、命令違反でネゲヴも連れ出した人形たちも大変なことになっただろうが、指揮官は戦果が良くなった、位の認識しかなく全く気づかなかったらしい。彼は(これが…この世界のグリフィンの内情!!一部とは言え!!)とカイジ風に内心頭を抱えたが、その御蔭で経験を積み強くなった人形たちを配下に出来るのだから良しとするかと開き直ることにした。そんな彼の苦悩を知ってか知らずか、ネゲヴの独白は続く。
「だから全ての人形を受け入れてもらえるとは思っていなくて…出来る限り多数の人形を受け入れてもらえるように、さっきのも…」
どうやら全員が一致して配下になることを希望している、というのは此方にプレッシャーをかける意味もあったらしい、それに対してほぼノーモーションで「了承」と返ってきたものだから軽くフリーズしてしまったとのこと。すまなそうにしているネゲヴへ「構いませんよ」と返し、さてではどうフォローしたものかと微妙に気まずい空気を変える方法を考えていると、フッと両肩に置かれた手を感じた。
「何、そんな奴の下に就かされて警戒する気も分かるがな、うちのボスはそんなチンケな仕事はしないぜ。男だてらに指揮官、なんてやってるわけじゃない」
「トンプソン」
振り返れば奴がいる…ではない、搬出が終わったのか、手持ち無沙汰になったらしいトンプソンが彼の背に張り付く形で肩に手を置いていた。その姿、と言うよりかはトンプソンに驚いたかネゲヴは目を見開く。
「貴女、もしかして…」
「おぅ、元警備部所属のトンプソンだ。久しぶりだな」
「う…そう、ね…」
気まずそうに視線を反らすネゲヴに彼は(あ~、きっと何で私がとか、戦わせろとか云々で暴れるかどうかしたんだろうな~、戦闘のスペシャリストを自称するくらいだし)と察しを付けるが気付かないふりをしておく、誰だって黒歴史に触れて欲しくない訳だし?
「そんな訳だ、アタシがコイツをボスって呼んでるってだけでもまぁ証にならんかね?後、同じ所属だった95式もいずれ合流するぞ、妹も一緒にな」
「え?あの97式も?…そう…」
どうやら説得と言うか、安心させる材料を増やすために来てくれたらしい、上目遣いで謝意を伝えるとニッと笑う、(姉御ぉ!!惚れてまうやろぉ!!!それは置いといて「あの」ってなんだ「あの」って!なんかあるん!?)微妙に嫌な予感を感じる彼だがオホン、と咳払いで視線をネゲヴに戻す。
「ええ、どうやら其処まで心配する必要もないって分かったわ。ではラン=クルーガー、我々一同、貴方を指揮官として仰ぎその指揮下に入らせて貰うわ」
「決心して頂いて感謝します。では全員に此方のネットワークを開放しますので接続、承諾書に各自、サインを」
最初とは違い、覇気のある笑みを浮かべたネゲヴに彼は表面上、事務的に返す。彼女が連絡したのだろう、続々と彼独自のネットワークに他の人形からのアクセス、そして指揮下に入ることの承認が終了する。全てが終了した後、残ったネゲヴ自身も接続、承認、これで彼女以下、此処で戦いを続けていた人形達は彼の配下となった。
「へぇ、これは…」
接続したことにより得られる効果を確認し、感嘆しているネゲヴの目が一瞬、蒼く光り元に戻る。どうも彼の指揮下に入ったり、接続深度が深くなると元の色に関わらず蒼く光るそうだ、彼の瞳のように。意味があるのかどうかは不明だが、まぁカッコいいでしょくらいで流して良い案件だと判断している。
そうしている内に配下となった人形達からネットワーク上のチャットに挨拶が躍る。彼が覚えている製造時の台詞に近かったり、全く違っていたり。特に自分が男であるということに驚いた、と言った内容も散見する。後で握手して下さい!とか、この世界での男の希少さを久々に痛感した。多少は其れに反応しつつ、行動に移ることにする。
「早速で申し訳ありませんが、後一働きして貰います。情報は送信したので確認を」
このまま仲良く基地の掃除、とでもなれば良いのだが鉄血の群れが到着するまでそう時間はない。その情報とともに指揮下に入った人形を整理し、編成し直しその振り分けをデータとして送る。因みに、彼が覚えているゲームでの編成画面の流用だ、チョコチョコ動くSD人形がSOPMODやスオミなどには好評だったりする。その際に先程、カリーナに見せた鉄血を使った『トレイン行為』の映像も添付する、それを見たのかネゲヴは顔を顰め舌打ちする、が特に何も言わない。
「まだ時間はギリギリですがあります、補給を済ませてから各自、配置について下さい。それから少量ですが嗜好品も持ってきています、良かったらd」
皆まで言う必要もなく、小柄な人形が彼の脇をすり抜け用意をしているスプリングフィールドの元へ一目散。ドップラー効果すら起きそうな叫びは「コオオオオラアアアアアアアアアアア!!!!」「チョコオオオオオオオオオォォォ!!!」、どの人形かお察しである。その背中を半ば呆然と見送った彼の背中に、この世界では初めて聞く声がかかる。
「はじめまして、だな指揮官。ちょっと良いだろうか?」
スプリングフィールドから渡されたコーラの缶、チョコマフィンを跪き、涙を流しながら味わう人形から視線を戻すとネゲヴと同じくピンクの髪、だがその顔は無表情とまでは行かないがこの状況でも揺るぎない。頭には赤いベレー帽(?)、脇に抱えるのは2メートル近くはあるだろう対物ライフル。
「構いませんよ、NTW-20。ダネルと呼んでも?」
「知っていてくれるとは嬉しいな、ああ、構わない。それで、なんだが…」
ネゲヴの片腕としてその腕をふるっていた彼女だが、何やら口籠る、どうやら言いづらい内容のようで、口を開いては閉じる、を繰り返している。意を決したか画像をネットワーク上で送ってくる、先程の映像のスクリーンショットだ。其処には一体の人形が写る、彼の知るその人形は明るい顔で指揮官に甘えていたはずだが、見る影もない。雑魚とは言え鉄血からの攻撃でボロボロ、左腕も吹き飛んでいる。
「彼女はこの基地に来たときから友、でな。私が前の指揮官を見限り、ネゲヴと共に残ったときにも誘ったのだが「御主人様を見捨てられない」と。其れをまさかこんな扱いをするとはな、いくら人形とは言え…こんな事なら無理やりにでも…いや、詮無きことか」
ヒタリ、正面から見据えてくる赤い瞳を反らすことなく受け止める。
「無茶は承知で聞く、何とか、ならないだろうか」
(ウム、あるとは思ったが矢張りそういう話は出てくるよね。まぁ対策はしてるんですけど?)
チラチラと此方を他の人形が伺っているのを感じつつ彼は黙考する。そう、別にこの程度の人形を使い捨てにする行為は彼でも思いつける、別にトレイン行為までしなくとも基地周辺に潜んでおき、隙を見て暗殺せよくらいは言っているだろうと踏んでいたので、404に周囲の警戒を頼んでおいたのだ。
正直、「無理です」と切って捨てるのは容易い、相手もそれは分かっているだろう。だがそれは例え人形が相手とは言え禍根を残す、それは彼が求めるこれからの生活の足枷になるのは確実だ。故にペルシカに頼み、それをコッソリ改良した切り札を切ることにする。
「…ワガママを言ったな、すまない」
だが彼の無言を拒否と取ったダネルはスッと身を引きかける、のを慌てて腕を掴んで引き止める。
「待って下さい、黙っていたのは助けるプランを実行する為の編成組み直しをやっていたからです。ですから「ヒャウ!?」はぃ?」
何かえらく可愛らしい悲鳴が聞こえ、その主であろうと思われるダネルの顔に視線を向ければ顔を真赤にしてプルプルしている。此処で彼は思い出した、此処最近はAR小隊以下、身内の人形達とかなり近しい関係を築いていたので忘れていたが
(あ~そうだった、誰かさんのせいで忘れてたけどこの世界、人形にとって男は遠目に見れるのも稀、触るなんて一生にあるかないかだったな。なら触られるなんて…ンフ~?)
あっ(察し。悪い虫が動き始めた御様子、未だに手を離してもらえずワタワタしているダネルのそんな様子に気づいていない、いや気付いていても意味が分からないと言った風を装い、掴む部位を腕から彼女の手に変え両手で包み込む。彼女は「えっ、ちょ、その、あの…」なんて振り払うことも出来ず固まっている。
「あの、何か?気に触ってしまったんでしょうか?」
「い、いやそんな事は決して無い、ぞ、うん、だからその…」
「すみません、感情の機微がまだ余り良く分からないもので…(離して欲しい?言わせねぇよぉ!!)」
「あううぅ…」
そのままスナイパーたる彼女の手を(ふーん、やっぱりスナイパーでも手は柔らかいのね、他の人形もだけどタコとかは出来ないのか~彼女の顔はタコみたいだけど)そんな馬鹿なことを、前世なら間違いなく現行犯からブタ箱まで直通な事をしながら考えていたら、そっと後ろから伸びてきた手がやんわりと彼の手を外させる。
「ほらボス、そういうのは誤解させるから止めとけ。後、すまんなダネル。うちのボスはご覧の通り極めつけの箱入り息子だ、オマケに感情も、な。スキンシップ過剰は流してやってくれ」
全く…そんな空気で止めたのはトンプソン、本当に流されず頼りになる姉御である。前世なら兄貴ポジだなぁ…カミナとか、ヤリニキとかと気が合いそう…等と過去に思いを馳せる彼。
「誤解、ですか分かりました(別にしても良いのよ?)」
「あ、あぁ…助かったぞトンプソン」
潤んだ瞳で呼吸を整えるダネル、でも彼は見ていた、その視線はずっと彼が握りしめた己の手を見つめていることに。だがまぁそれに気付かぬふりをする優しさは彼にもあった、話進まないし。
「失礼しました、では強制的にデコイにされている人形の救出作戦です」
ならば、と意識を切り替え付近の鳥瞰図を投影、其処に鉄血や此方の部隊を配置する。それと同時にダネルやスプリングフィールド、今回指揮下に入った他のRFであるM14を中心としHGと編成した通称「竹槍」部隊の編成も投影。それに関しては初見なのか見た人形の誰もが驚いている。
「これ、はまた斬新な編成だな、初めて見たぞ」
「そうですか、本部で空いた時間に部隊運用を考えていた時に思いついたものです(嘘です、大陸の指揮官の皆様、有難う!!足向けて寝られないっていうか、別世界だからどうにもならないね!!)、装甲の硬い大型の敵、もしくはハイエンドクラスの人形を相手にすることに特化した編成です。RFの射撃に必須な演算をHGで肩代わり、命中精度、射速等を上げる、ワンショット・ワンキルの極地とも言えます(そういや火力も上がるんだがどうやってんの?命中は分かるよ?でも射速や火力なんてアウトでしょ、理屈が分かんないです安西先生)」
「成る程、な。だが代わりに雑魚には」
「はい、逆に掃討能力は皆無に近いです、よって付近にARやネゲブを中心に据えた部隊も配置し、サポートしてもらいます。鉄血の群れの後方にマンティコアを複数確認しているので、それの対策と人形の救出に必要な編成ですね(ゲームと違って夜戦じゃなくても出てくるか、AR小隊と出会ったときも装甲兵が昼に出てきたし、こりゃぁ普段の昼も注意せんと)」
チラリ、と視線を荷物の搬出の記録を取っていたカリーナに向けると肯き足元にあった小さなアタッシュケースを持ってくる。「この事を予期されたんですね、流石ですわ!」なんかキラキラした目を向けつつ渡してきたケースをトンプソンに持っていて貰い、開ける。其処にはRF用の弾丸が数発、口径が違うものが入っていた。先端はかなり丸っこく通常の弾頭よりも大型であることからその特殊性は理解できる。
「これは?」
訝しむダネルにこれこそが肝だと熱を入れて説明を。
「正式名称はまだありません、仮に『鹵獲弾』とでもしておきましょうか。16labのペルシカ上級研究員の実験依頼の弾でその名の通り、人形を鹵獲する際に使用する弾丸です。発射すると対象の近くで弾頭が変化、人形にダメージを与えにくい形状になり貼り付き、活動停止信号を送り強制的に停止させます。
同時に特殊な電波フィールドを形成、周囲の人形に其処には『何もない』と誤認させ、鹵獲防止のための破壊活動を阻害することが出来ます。本来なら鉄血へ使うものですが今回は『運良く』IOP人形に合わせてあるので…」
「成る程、『運良く』か。それはありがたい話だな」
都合の良い運もあったものだ、そう思いニヤリと笑うダネル。無論、そんな事信じられはずもない、恐らくは此処に来る前から着々と準備していたのだろう、人間の悪意を飲み込んだ上で。そう思うと彼に着いていくと決めた自身の相棒に、心の内で称賛の拍手を送っておく。
「ええ、ただ何分、特殊なものですので各自一発しかありません。文字通りの一発勝負ですが」
貴女なら、貴方達なら大丈夫ですよね?そう視線で問う。それを正しく理解し頷くダネル。
「あぁ、感謝するぞ指揮官。ここまでお膳立てされたんだ、やるぞM14。そして…頼む、スプリングフィールド」
「了解!仲間を助けるんだもんね、頑張るよ!!あっ、それはそれとして指揮官、あ、握手して下さい!!」
「えぇ、お任せ下さい。必ず成し遂げてみせましょう」
『竹槍』編成を投影した段階で呼んでいた残りのRF人形、M14と彼と共に来たスプリングフィールドもケースからそれぞれの専用弾を手に取り頷く。ついでにM14は握手を強請ってニコニコだ。だが、そんな和やかな空気も其処まで、鉄血の群れが警戒ラインを超えたとの警告ポップアップが其々の前に躍る。
「総員、配置について下さい。此処が正念場、乗り越えれば道は拓けます(俺の天国へのな!!導いてくれプッチ神父!!)スオミとトンプソンは僕の護衛に、基地の施設再起動へ向かいます」
面白い髪型の神父も「お前は磔刑だー!」と力強く断りそうな煩悩を浮かべつつ彼は人形達に視線を。それを受けそれぞれの戦場へ、表情凛々しく散っていく人形達。彼もそれを見送り、時に手を振り応える。少し心配そうだが、微笑んで走り去ったM4を小隊長としたAR小隊が視界から消えた後、彼は振り向き護衛の2体とカリーナを連れ基地へと歩みだした、此処が彼の戦場だ。
LAN>>いる?
SUP1>>はい、サーモグラフィーで確認済みです
LAN>>そ、ワームちゃん達は侵入済み?
SUP1>>はい、通気孔等から既に、排除を開始しています
LAN>>結構、皆には気付かれないように、処理まで宜しく
SUP1>>了解
一先ずは此処が分水嶺、醜い悪意に対するは純粋な煩悩。酷い字面だがそれもまた彼らしいと言える。気付かぬ内に口の端を少し吊り上げながら彼はその入口の前に、キーコードを入力し扉を開け…
「ヒィッ!?」
「こりゃぁ…酷いな!嗅覚カットしとくかこれ」
「う、おぇ…」
悲鳴をあげるスオミ、顔をしかめるトンプソン、えずくカリーナ。開いた扉から漂う腐臭、恐らくはロクに片付けもせずに基地を撤退したのだろう、ひどい臭いに其々の反応を示す横で無表情の彼は
LAN>>謎の爆発で基地が吹っ飛んだ、ってのはどうだろう?
SUP1>>非推奨、天幕での基地運営となります。
LAN>>知ってた、やれやれ掃除用ロボットを発注したことにしといて、送って頂戴…くっさ!!兎に角も早くもってこいッ!!スチュワーデスがファーストクラスの客に酒とキャビアを持ってくるようになッ!!
SUP1>>この世界でもスチュワーデスは差別用語とされています、使用の際にはご注意を
LAN>>使わないよ!?ネタだからね?そーいやアニメでもDIO様キャビンアテンダント言ってタナ~
頼もしいのか何なのか、平常運転であった。
1万超えちゃってるわ~、多分、次回で基地を手中に収め当分はイチャコラする予定です。原作にある程度準拠した本編はしばらくお休み、ゲームがもう少し展開するまで待ちます。
とはいえ、プレイするのが怖い、まだ8戦役やってないんですよ9が来るって言うのに。あっ、取り敢えずこの作品中では脱落する人形はいません、ええ。
DDはきっちりクリアしました、コントロールクソ雑魚なんでガイア相手はターゲットにされた人形を即撤退くらいしか対応できませんでしたが、挑発妖精に頑張ってもらって何とか。
資材箱からは40が二体、其れ以外の人形は一切出ませんでした。低体温症より渋かった印象です。
グローザもお迎えできました!キューブの雪辱を晴らせた気がします、UMP専用装備も人数分掘れました、後は強化ですか。
お船の方のイベは…荒れましたねぇ、運営テストプレイしてないでしょあれ。友軍も最初はひどかった、陸上型の姫に魚雷カットイン当てるし、投げてんですかね?フレッチャー以外はお迎えしました、A勝利では出ないし友軍あってもSが難しいとか、そんなにお迎えされるのが悔しかったんですかね。
ところでDDでの疑問ですが45姉、今どういう状態なのあれ、プロトコルはIOPのまま?鉄血の方のプロトコルだけど命令権は鉄血側にない感じになってるの?傘が完全に侵食したのは間違いないはずだから…良く分かりませんね、プロトコル書き換え失敗、でいいのかな?
人形主観によるお話はあった方が良い?無くても良い?
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あった方が良い
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無くて良い
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