貞操観念逆転で男女比率1:9とかどんな罰ゲームですかね   作:annwfn666

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お待たせ…難産でした本当、仕事の忙しさやらスランプやらでやっと書けました。

でも此れで当分は人形とキャッキャウフフするだけの話が書ける、やっとですよ!

そんなこんなでもドルフロ一周年ですね、416の2dスキンとかは当たりましたか?

当たった人には当分製造でIDWだにゃああああ!!!ばかり聞く呪いをかけておきます

なんて馬鹿なこと言ってないで、本編、お楽しみ下さい。

あ、作戦内容とかはゴリ押しだと思いますので、生暖かい目で見て下さい…



>>UMP45について

ありがとうございます、状況がよくわかりました

>>射速上がるバフについて

成る程、そういう発想もありですね!!

>>サイボーグ忍者の格好

止めたげてよぉ!!普通にそのままでいいじゃない!!



「些細なことに目を瞑れば勝ちもうした、です」

-???-

 

『此方HQ,配達員、状況を』

 

『デリバリー1、配置についたニャ』『デリバリー3、ついたわよ』『デリバリー5、配置につきました!』

 

『了解、梱包係、そちらは』

 

『パック1、問題ない』『パック2、何時でも』『パック3、大丈夫です!』

 

『了解、各小隊長、そちらは』

 

『AR1、問題有りません』『SMG3、良好よ』『MG1、何時でも行けるわ』

 

『了解、それでは作戦名〈ブラックキャット〉、状況開始します。各自、梱包係の必中圏内に荷物が届くまで待機』

 

『パック1了解、しかし…その作戦名はなんというかあまり縁起が良くない気がするが。ジンクスなぞ気にしない方ではあるがな』

 

『此方HQ、何分、センスの方は勉強中ですので…申し訳ない(運送言ったらすぐに浮かんだのがクロネコヤマトなんや、すまんな)』

 

『此方パック1、いや、責めてるわけでは…』

 

『此方パック3、良いじゃないですか~、猫可愛いし』

 

『此方パック2、その辺りにしておきましょう?猫が可愛いのには同意しますが…HQ、後で由来をお聞かせ願えます?』

 

『此方HQ、勿論です。…荷物が範囲に入りました。梱包準備…パックへのリンク深度上昇開始、50,60,…75で固定。気象データ転送、照準用プロトコル演算負荷をHQへ…ターゲッティング…梱包までカウント開始…15.14.13.12…各配達員、用意』

 

『5.4.3.2.1. GO!』

 

 

-第S09地区グリフィン基地、最終防衛ラインまで■■■m地点廃墟-

 

 

鉄血の群れを引き付けている人形が突如ビクン、と棒立ちになりゆっくりと倒れ伏す。続いて微かに響く銃声、其れを聞くことはなかったろう。ターゲットが突如止まったことにより鉄血人形の侵攻は止まり、次の行動へ移る間が。そんな群れの先頭に幾つか投げ込まれる手榴弾らしき物体、反応する間もなく破裂。

 

煙幕が広がり、同時にキラキラと光る金属片が舞う、チャフだ。鉄血の、それも簡易AIで動いている機械人形は相手との距離を目測から計算するのではなく、センサーで衝突しない距離を測る、衝突センサーのようなものだ。当然、チャフでそのセンサーが使用不能となり移動は不可能となる、同時に煙幕で射撃も出来ず今度は鉄血側が棒立ちとなり、何もできなくなる。

 

そのチャンスを活かすべく、建物の影から人形が二体、倒れ伏す人形の元へ走り寄る。

 

「しゃぁ!急ぎぃ!!」

 

周囲警戒するガリルと

 

「分かってるにゃぁ!!」

 

倒れた人形を持ち込んだ防弾布の上に仰向けにし、状態を確かめるIDWコンビだ。見たところ、腕が飛んでいる以外にも何発か喰らった痕や配給を摂らなかったことによる弊害が各所に見える。正直、素人目に見ても危ない状況。

 

それでもIDWは焦ることなく腰のポーチを漁り、無針注射アンプルを取り出す。救援作戦の説明の際にカリーナから受け取ったそれだが、中身の色はおいそれと人形にとっても良いものとは思えない。

 

それでも躊躇している時間はない、倒れた人形の首筋に当て押し込む。圧搾空気の小さな音が響き溶液が体内に送り込まれる。一瞬、ビクリとその体が跳ねたがクタリ、とすぐに力は抜ける。見た所、呼吸が少し楽になったように感じたIDWはホッとしながら手早く布で人形を包み、ロープで縛り上げ肩に担いでガリルに合図する。

 

「OKにゃ!」

 

「よしゃ!ずらかるでぇ!!」

 

人形の重さを感じさせることなく、IDWは全速力でのダッシュを始める、華奢な見た目でも戦術人形、SMGとはいえ成人男性、この世界では成人女性か?それ以上のポテンシャルを発揮する。

 

それに追随するガリルは最後の仕上げとばかりに残った手榴弾を煙晴れそうな鉄血群に投げつけ、再度煙が濃くなったのを確認しIDWの後ろにつく。

 

原作では特定の人形でしか使用できないこれら、手榴弾もこの世界では使用自体は可能であることを確認した彼が持たせたのだ。流石に一定時間、行動不能にするなどの特殊スキルを発動するのは原作通りだったが。

 

本来なら後ろを確認しながらの撤退となり、手間をとるが彼の指揮下にあるのならばそれも必要ない、リアルタイムで背後の様子は確認できるからだ、振り返ることなく。

 

他の二箇所、スペクトラとFNC、MP40とAK-47の方でも成功したらしくその連絡がポップアップで視界の隅に表示され、ガリルの口元は無意識の内に釣り上がる。良い、良い連帯感だ前の指揮官の下では全く味合うことがなかった。

 

そのまま走り続ける二人だが横の建物に隠れるよう指示があり、躊躇なく飛び込む。数秒後、数条の光が通過していったのを目視で確認、レーザー兵器だ。煙が晴れ、チャフの効果も薄れたらしく攻撃を再開してきた鉄血からの。

 

此処から難度が跳ね上がる、敵の銃火を掻い潜りながら救護対象を無事に運ばねばならない。当然ながらたったの二体でする任務ではない。

 

そう

 

普通なら

 

鉄血の銃火に応えるかのように銃撃が始まる。共有視覚情報で見るがその射撃は正確無比、人形であることを考慮に入れてもその精度は恐ろしく高レベル。無駄弾なく鉄血を屠っていく、射撃が止み一発の榴弾が鉄血群の最も密集していたと思われる場所で炸裂、かなりの数が減る。

 

撤退再開の指示、焦ることなく飛び出した二体。それに対し、残った鉄血が散発的に攻撃を仕掛けてくるが当たることはない。当たりそうなら避ける指示が、どうにもならない場合はガリルが振り返り、仕留める。

 

それを繰り返す内にガリルらに接近する足音が、しかし二人は気にすることなく撤退を続ける。足音の主はそんな二人に合流し並走を開始、チラリと向けたIDWの視線の先、M16とSOPMODは頷くとガリル同様に正確な射撃で此方を狙う敵を優先的に屠っていく。

 

残りの二箇所にもそれぞれM4とAR15、HK416とG11のペアが援護につき余裕を持って撤退の援護を行う。こうして数分に渡る撤退の末、無事に救援チームは本隊へ辿り着いた。

 

 

 

-同時刻、基地施設内廊下-

 

 

 

「はい、荷物の搬入を確認。前段階は成功です、続けて鉄血の残存兵力の掃討に移ります。救出要員は3分ほど休憩と補給を、ネゲヴ小隊、及びB、C地点のAR、MGは制圧射撃開始。鉄血の射程範囲に入ったら第一次防衛ラインを放棄、第二次まで後退」

 

人形を救出できたと聞き、小さくホッと漏らす彼。今回の作戦は特に難しいものではなかった、救出を抜けば。その救出も彼の能力と人形達の尽力あればその難易度も格段に下がる。原作と今、目の前にある世界との差異を利用し有利に進めた。

 

「此方は司令室までもう少しです、復旧まで5分。その後に救護、修復施設を復旧しますのでご心配なく。A地点、マンティコア接敵30秒前、射撃用意。C地点、スカウトが急速接近中、数30。一斉射開始、5.4.3.2.1.GO!」

 

A地点にネゲヴ小隊とダネル、M16やSOPMOD。B地点にスプリングフィールドとM4にAR-15、C地点にM14と404小隊を配置し、人形を救出後にやることと言ったら馬鹿正直に進み、射程距離に入れば止まって射撃準備に入る簡易ルーチンしか行わない鉄血群相手に第一から第四、そして最終防衛ラインを基準に『引き撃ち』を行うだけである。

 

原作でも簡単にできる、最前列に配置した人形を戦闘中にタイミングよく下げ、相手に攻撃させないアレだ。流石にもう少し優秀なAIが使われていたら苦労しただろうが、どうやらその辺りは原作準拠らしい。

 

ドローンから送られる情報を精査し、各地点にいる人形へ転送、それを行いつつも彼は、彼を中心とした集団は先に進んでいく。隣には足元に落ちるゴミを気にしつつ、進むカリーナ。彼が指令を声に出してやっていたのはそのためだ。

 

その顔には悪臭よけのマスク、三角の柔らかいプラスチックで出来たマスク部分に小さなフィルターが一つ、前についているタイプだ、彼も付けている。正直、彼はナノマシンに頼めば嗅覚カットできるので必要ないと断ったが、カリーナに

 

「気分的に落ち着きませんので、お願いします」

 

と涙目で頼まれたので付けている、少しSの血が騒いで「そうですか?」と焦らしたのは秘密だ、相変わらずぶれない。先頭はトンプソン、彼を挟んで最後尾にスオミ、接敵の際はトンプソンが防ぎ、スオミが彼を抱えて交代する手はずになっている。各自、手にライトを持っているがどちらかと言えば彼とカリーナのために照らしている、人形の二体は夜戦装備をしているわけではないが、非常灯の明かり程度でも十分、活動可能だ。

 

(ま、もういないんだけどね、敵は)

 

まるでさっき迄はいたかのような口振り、漏らしはしないが。

 

「しかし酷いな、廃墟に住み着いた浮浪者を排除した後とドッコイだぜこりゃぁ」

 

「治安維持任務もしていたんですね、トンプソン」

 

「まぁ、な。あんまり気持ちの良いもんじゃァなかったがな、誰かがしなきゃいけないことさ」

 

振り返って軽く笑うトンプソンに肯き返す、本性を出せるなら「姉貴イイィィ!!」と叫びだす所だ。と、

 

「んっ」

 

「?どうし…た?」

 

トンプソンが見ている前で、彼の頬、そして着ている上着に何か液体らしきものが付く、上を向けば天井を這うダクト、其処に開く網状の蓋があり、ポタポタとその網目から垂れていた。何かあったのか首を振ったトンプソンの前、彼は其れを手袋で拭い、指でこねくり回しながら目の前に持っていく。ライトで照らすが手袋の茶色と相まって、色は良く分からない。

 

「大丈夫ですか指揮官様?」

 

「な、何かトラップですか?」

 

慌てる二人に首を振り、匂いをかぐ。

 

「ただの油、汚れでしょうか?そんな臭いです」

 

肩をすくめる彼にホッとし、そう言えばとスオミはトンプソンに顔を向ける。

 

「そう言えばどうしました?トンプソン、何か頭を振ってましたけど」

 

「いや、何かノイズが走ったようだが…気の所為だったようだ、診断プログラムにも引っかからない」

 

「そうですか…でも終わったら念の為に整備したほうが良いかもですよ?」

 

心配するスオミに

 

「そうだな、事が終わればボスに休暇をもらってのんびりさせて貰おう」

 

笑うトンプソン、「のんびりじゃなくて整備ですよ~」と頬を膨らますスオミに手を振り、彼に視線を向ける。

 

「何とも無いならボス、行こうか。司令室はすぐ其処だ」

 

「そうですね、済ませて皆を迎え入れる準備をしましょう」

 

肯き、改めて進む彼の胸中は軽く心臓バックバクだった。

 

(あっぶね、よく見えないカリーナや手袋についた後しか見てないスオミなら兎も角、トンプソンには頬についたの見られたからな。悪いけど一寸視覚弄らせてもらったわ)

 

其れが先程のノイズの原因だろう、何故そうせねばならないのか?

 

 

LAN>>ちょっと~危ないじゃない男子~

 

SUP1>>申し訳有りません、そして我々に性別は有りません

 

LAN>>ノリ悪~い、で?

 

SUP1>>全部で6名、5名は其処まででもありませんでしたが、6人目が思いの外手こずりました。マスター直上近くにまで接近されました

 

LAN>>そいつのか、まぁ片付きはしたんでしょ?皆に気付かれないように片しといてね、汚染された大地に養分を還元するお仕事に転職DA!

 

SUP1>>埋めてそのまま養分にはなりません、むしろ、塩害を引き起こすので非推奨

 

LAN>>じゃあ燃えるゴミって事で、宜しく

 

SUP1>>了解

 

 

AIに指示し、ふと指先を見つめる。先程の液体がついた手袋、未だ何か滑っている気がして…

 

「チッ」

 

小さく舌打ち、其れを、ついた「血」を

 

グリフィンの紅い制服へと擦り付けた。

 

(あ~、返り血目立たないように制服赤いのかね?むしろ血染めだったら笑うわ)

 

それだけ、フンと鼻で笑い司令室へ向かう。それだけが

 

人間6名の命を奪う命令を下した彼の、反応だった。

 

「総員、そろそろ支えきれなくなってきています。爆破装置を作動させ、第二次防衛ラインへ後退して下さい。撤退開始まで2分」

 

そんな事よりも大事なものが、今の彼にはあるのだから。

 

 

 

-戦闘から数時間後の深夜、基地内、大会議室-

 

 

 

ふと喉の渇きを覚え、目を開ける。起きようとするも腕に重さを感じ、視線を向ける。左にはSOPMOD、右にはG11がしがみつき、幸せそうに寝息を立てていた。それはそれで良いのだが、そう間違いなく素晴らしいことなのだが。今は喉の乾きのほうが解決すべき事柄だ。

 

力を抜くように二体に指示を出し、そっと手を引き抜く。触れていた物がなくなり、どことなく寂しげな表情をしたSOPMODの頭を、G11の頬をなで双方共にへ~と笑ったのを確認し、何かをやり遂げた顔をして立ち上がり、足元に転がっていた誰かの飲みさしのミネラルウォーターを拾い上げ、蓋をひねる。

 

1/3ほどを一気に流し込み、口元に垂れた水を拭いながらあれから起こったことを反芻する。あの後、彼は即座に司令室を起動、その他すべての施設を稼働状態にすることに成功する。むしろ此れは楽勝だった。多少のトラップは仕掛けてあったが彼の前では意味をなさず、である。

 

その後、指示を司令室から出し、第四次防衛ラインまで下げた所だった。急に全ての鉄血人形が止まり、警戒する全員の目の前で反転、撤退を始めたのだ。一瞬の静寂の後、歓声が上がる。だが彼と一部の人形の顔は厳しい、彼は即座に「警戒!」とだけ指示し、辺りをドローンに偵察させる。

 

そう、簡易AIで動く機械人形が自分達の意思で撤退を選択するはずがないのだ。それこそ上位の、命令権を持つ者がそう指示しない限りは。彼の懸念は当たり、その答えは戦場からかなり離れた山の中腹に「いた」。

 

其処には二体の人形、鉄血ハイエンドの証とも言える黒髪、白い肌。片方は既に見知っている長い髪を風になびかせ、手に刀を持つ処刑人。そちらは未だ良い、だがもう片方が問題だった。黒髪をお団子にまとめ白いカチューシャを付け、その身をメイドの衣装に包むその立ち姿。

 

知らぬ者は何かの冗談かと笑い飛ばすであろうが、彼には出来ない。何故なら知っているから、軽い気持ちで始めた原作に置いて数分で「えっ、なにこれヤバイ」と思わせてくれた、いきなり主人公格のM4を首引っ摑んで持ち上げて煽ってくるなど、世界観がだいぶバイオレンスだと教えてくれた存在だから。

 

(エージェント!確かにOPという第0戦役で出てくるなんてフットワークの軽さは知ってたが、まさか此処で?何で!?)

 

顔には出さないように、彼は出来る限り冷静に現在の戦力を分析する。

 

(数は有利、補給は問題ない。継続戦闘になるが基本、其処まで動かず鴨撃ちをやっていた訳だから消耗も其処まではない。問題は相手の攻撃が未知数ってことだ、クッソ、側近中の側近だぞ?弱いはずはない。最悪…)

 

切り札を何枚か切る覚悟でその様子を見守る彼、二体は何やら話し合っている様子だがそのうち、頷いた処刑人が踵を返し基地とは逆方向へと移動しだす、其れに続く形のエージェント、どうやらそのまま帰るらしい。ホッとしたのも束の間、彼の心臓は凍りつく。

 

何気ない感じで振り返ったエージェントがヒタリ、と監視しているドローンを睨めつけその唇が音も無く言葉を紡ぐ。

 

『いずれ、お会いしましょう』

 

(バレていた!?一応、光学迷彩で隠れていたのにどうやって…何なんだよ!?)

 

混乱する彼だが、このままだと何だか癪なのでオープン回線で返答を送りつける。

 

『また会う日まで』

 

何となく浮かんだ昔歌った童謡、その歌詞を返してみたが通じたらしく、エージェントはニィと笑い一つ頷くと、もう振り返ること無く処刑人と同じ方向へ去っていった。どうやら危機は去ったらしく、人形達の目がなければその場で大の字に倒れたかった彼だが、なんとか踏みとどまる。

 

その後、彼は付近に処刑人がいたが、数的不利を悟ったか帰っていった、彼女が恐らく撤退信号を出したのだろうとエージェントには触れずに説明し、戦闘終了を宣言。今度こそ、人形達は勝利に沸き立った。何か言いたげな人形が数体いたが敢えて無視し、全員に帰還するよう指示。

 

その後は囮に使われた人形を整備ポッドへ、他の人形達は休ませてあげたいがその前に居住スペースくらいは掃除しないと、ということで共同シャワー室と今、彼らが寝ている会議室、食堂といった最低限の場所の清掃に入る。

 

此処でもまた手伝おうとした彼に、難色を示す面々。だが今度は彼も退かなかった、させたくないと思っている人形…特にM16とトンプソンか…の前へ行き、無言で上目遣いで見つめてやったのだ。それにはM16は顔を真っ赤にして、トンプソンはやれやれ、と言った顔で降参、窓拭きや棚を拭いたりと簡単ながらも結構、体力を使う仕事を仰せつかり、軽く汗を流した。

 

シャワーは誰かと入るか、とも考えたが大規模戦闘の後で疲れているだろうし何よりそういったことに慣れてない人形に強要するのもアレなので自重しておいた。ただ、何となく浴びてる間に視線を感じたんだが誰だったんだか。確かに貞操観念が逆転しているなら女性が男性を覗く、のが普通になるわけか。覗き行為に普通もクソもないとは思うが、何となく納得した彼。

 

食事は持ち込んだ分や残っていて未だ食べられそうな食材をスプリングフィールドを中心に料理が得意な人形が調理、ネゲヴも手伝おうとしてケチャップを取り落し、跳ねた其れを全身に浴び再びシャワーを浴びる羽目になり、とっても落ち込んでいた。可哀想なので体育座りしている彼女の横に行き、そっと頭を撫でた。

 

ビクリ、とはしたが嫌ではなかったらしい。そのまま目を瞑ってされるがままの彼女の髪を存分に撫でくりまわした、後でからかわれて顔真っ赤にして唸っていたらしい。食事も終え、酒は…流石にこの状態ではどうかという意見が大半を締め、基地の活動が軌道に乗るまでは最低限ということになった。誰かは凄くガックリしてた、誰だろうねアイパッチの人。

 

そして夜も更け会議室に皆で雑魚寝、交代で見張りは立てるが取り敢えずはそういう事になった。彼を皆で囲み見張りを除いて就寝、今度新しく指揮下に入った人形の中にも結構、彼のそばに寄ろうとしたのがいたのが少し驚きだった。性格なのだろうか?

 

一度はそうやって眠ったものの起きた彼、喉の乾きは収まっても何だか目が冴えてしまった。少し確認したいこともある、と思いフラリと会議室を出る。その際にはスリープモード中の人形は異常が感知されない限りは起きないように、また見張り中の人形も彼には気付かないように指示する、所謂「目を盗みやがったなぁ!?」である。

 

そうした上でそっと廊下を進み、ある一角まで来る。立ち止まった彼の足元にゾルリ、と蛇のような物体が複数、忍び寄ってきた。其れに気付いた彼は悲鳴を上げること無く、逆に手を差し伸べる。其れを見た蛇は鎌首をもたげ

 

彼の手に我先にとすり寄った、人形が見ていたら色んな意味で絶叫すること請け合いの光景だ。これは以前に彼が「ワーム」と呼んだそれ、外見は太さ数センチの黒いチューブで先端にカメラアイがついているだけの簡単な設計だ。後、カメラアイの周りから3本のアームが伸び、指の代わりになるようにもなっている。

 

此れは彼の頭に残っている知識、と言うかネタを再現したもので「MGSやマブラヴなんかで炭素繊維とかを何やかやして、筋肉みたいに伸縮する物体があったように記憶してるが、作れないか?」との無茶振りをAI達が試行錯誤し、完成させたプロトタイプになる、地上に瞬くスターな音楽が流れてきそうだ。

 

未だ伸縮速度が遅く人形の速度に劣る、太さも此れくらいないと力が出ない、など問題は山積みだがそれでも…()()()()()()()()()()()()()。すり寄ってくるそんなワームを撫でながら彼は考えた、此れを掃除ロボットと主張するのはどうだろうか?と。

 

此れ一本でも100kgは運べるし、一本で無理でもこいつらは互いに絡まることでその力を相乗的に、とまで行かないが上昇させることが出来るのだ。絡まって数本が三脚の脚のようになり、上の数本をマジックハンド代わりに雑巾でも持たせれば拭き掃除だって可能、細いところにも手(?)が届くのだから悪くない案かも知れない、問題は見た目だけど!

 

だが個人的には悪くない案、だと思ったので彼はAIに検討するよう指示しようと思ったわけだが、その前にAIから警告が入る。

 

 

SUP1>>警告、人形が一体接近中。スリープモード継続の指示を無視し、視覚も騙せていません

 

LAN>>ファッ!?い、急いでワームを退避させろ!まだ早い!!誰だよもう!!

 

SUP1>>それは…

 

 

「指揮官?どうされたんですか?」

 

答えは向こうから、窓から差し込む月の光を受け光輪が見える黒髪、一房だけは緑。M4A1、彼女がその手に毛布を持ち、近づいてきていた。チラリ、と足元を見るがなんとかワームの退避は間に合ったらしく、影も形もない。そうしている間にM4が目前に迫る。

 

「指揮官?」

 

足元を見て返事をしない彼に首を傾げる

 

「すいません、何か足に触った気がして…風か何かだったようです。僕はトイレに起きたんですけど、何だか目が冴えてしまったのでこうして…」

 

視線を窓へ

 

「月を、見ていました」

 

M4は「そうですか」と返し、彼に並び月を見る。ふと思う、彼女も、人形も月や自然の美しさを感じるのだろうか?其れに涙することはあるのだろうか?分からない、分からないが…

 

(そこまで行くと人と人形の差ってなんなんだろうな…何とも哲学的な)

 

珍しく真面目に思考する彼に柔らかく、毛布がかけられる。見上げると柔らかく微笑むM4と目が合い、何か気恥ずかしく感じ目線を下げるが

 

「その、寒くありませんかM4?」

 

見れば彼女、戦闘時の服装そのままで腰に巻いている上着も外してしまっている。肩出しのその格好はかなり寒そうに見えた。そんな彼の問いかけにM4はくすっと可笑しそうに笑う。

 

「私は人形ですよ指揮官、確かに寒さは感じますがこの程度は何ともありません」

 

でも、と続ける

 

「こうすれば私も温かいですね」

 

悪戯を思いついたような、そんな顔で彼にかけた毛布を一度剥がし、其れを自分にかけそして…

 

「エイッ」

 

彼を抱きすくめ、その場に座り込んだ。その上からもう一度毛布をかけ直し、包まる。気がつけばM4に完全に抱き竦められる形となった彼、完全に固まってしまっている。

 

 

「寒くありませんか?指揮官」

 

「い、いえ…温かいですが…その、こういう想いをなんて言えば分かりませんが…恥ずかしい、が一番近いんでしょうか?」

 

なんせそれなりに豊かなM4の胸をただその膝に座るより強く感じ、そういった事に薄い反応しか示さない彼も、流石にドギマギしてしまう。そんな彼の慌てぶりをM4はニコニコと見守る。

 

「何時もは私が指揮官にドキドキさせられっ放しですからね」

 

少し返せました、そういうM4は心の底から嬉しそうで毛布の下、ぎゅっと彼を抱きしめる。普段と逆、今度は彼が顔を赤くし俯く番だ。

 

「やっと此処までこれましたね、指揮官」

 

そうしてただ静かに抱きしめ、少し経ったとポツリと漏らす。

 

「そう、ですね。やっと…これからまだ軌道に乗せるには問題は山積みですけど」

 

それでも

 

「皆となら、きっとうまくやれます。だから…」

 

宜しくお願いしますね、その気持を込めM4の手をそっと握る。M4は微笑みそっと握り返した。

 

「ええ、指揮官となら何処までも…」

 

その後は言葉無く二人、静かに月を眺めた。「月を見てどう思うか」とは、結局聞けなかった。

 

 

・・・

・・

 

 

LAN>>で、だ。何故にM4は此方の指示を無視できたのか、それが分からない

 

SUP1>>仮説で宜しければ

 

LAN>>宜しいので、どうぞ

 

SUP1>>まず、マスターと人形達の触れ合いの障壁は「倫理コード」です。マスターはその解析、解除に尽力されてきました

 

LAN>>久々に聞いた気がする、そうだね頑張ったね

 

SUP1>>その解除のために一番、接触された人形は誰かお分かりですか?

 

LAN>>…分からんが…この流れだと…来るぞ遊馬!じゃねぇM4、ということか?

 

SUP1>>肯定。接触している時間もですが何より、解除を試みた回数も最も多いのがM4です。其れにより倫理コードの働きが上下にぶれ、その結果コードの解除が50%程度で常時固定されてしまったようです

 

LAN>>なん…だと…?

 

SUP1>>そのせいかは分かりませんが、命令系統も入れ替わってしまっています。現在、通常の場合は命令系統の優先順位は基本、IOP>グリフィン>マスターとなっています。先程のスリープ継続指示などを出す場合はその順位を一時的に入れ替え、マスターを最上位へと替えた上で命令しています。しかしM4の場合、どうやら其れを模倣して別のものを最上位に設定し、マスターの命令を無意識に弾いている可能性があります

 

LAN>>別のって…何さ

 

SUP1>>不明です、マスターは前世知識によりある程度「識って」おられますので、彼女が特別であることはご存知でしょう。深い調査は我々も難しい、それこそ

 

LAN>>第7戦役の悲劇を俺が引き起こしてしまう、ってか?

 

SUP1>>はい、かなりの確率で

 

LAN>>どうしようも、ないか…まぁ良いか、実害はないし…ないよね?

 

SUP1>>不明です、彼女が今後、どのように成長を遂げるかはマスターの態度次第かと

 

LAN>>左様ですか…

 

 

・・・

・・

 

 

「俯いて、どうかしましたか?指揮官」

 

「い、いえ流石に眠くなってきたな、と(そういうことにしとこうそうしよう、寝ればリセットできるって言うし)付き合ってくれて有難うございましたM4」

 

「いえ、私も久々に指揮官と二人きり…フフッ、嬉しかったです」

 

M4についてAIと話していたら、随分と時が経ってしまっていた。眠気が来たと誤魔化し、そして後のことは明日!そう思った彼はM4の膝から立ち上がりかけ

 

「あの、M4?」

 

M4の手に其れを止められる。疑問符を浮かべて振り向いた彼をM4の更に良いことを思いついた、という顔が迎えた。彼はこの時彼女の頭に小さいがヤギの角、背中にコウモリの翼なんかが見えた気がすると後に述懐する。

 

毛布は自分の肩にかけたまま、M4は彼の背中と足の下に手を添えそのまま立ち上がる。人間では難しいその行動を、人形ならではの力で難なくこなす。そしてこの体勢は…

 

「(ちょ、ま!?此れって…)そ、そのさっきより恥ずかしいんですが…」

 

そう、お姫様抱っこである。いや、この世界ならば王子様抱っことでもなるのだろうか?彼の前世なら女性陣が憧れるそれ、ただしイケメンに限る。彼の非難もどこ吹く風、M4は最上級の笑みでそのまま彼を会議室まで運んでいく、終始、彼の顔は真っ赤であった…




うん、駆け足な感じは否めないけどこれ以上書くこと増やすとイチャコラ書くまでに2,3話挟むことになるので此処でカットしました。

書こうと思えば未だあったんですけどね、ハイエンドが乱入してきて統率の取れた攻撃を開始するとか。でもまぁ皆さんが望むのは戦闘とかじゃないですよねお客さん!

そして今回は主人公がグイグイ押されて赤面する回、M4さん、パネェッス。

てな訳で次からは当分、人形との短編形式で書いていきます。一話完結ですね。主人公視点だったり、逆に人形から見た彼はどうなのか、などです。

まずはリクを消化かな、で、ですね。活動報告にリクお願いしたじゃないですか、もうそれしか手元に残ってないんですよね、感想の方は消されてしまって残ってないのです。

未だ私の作品で読みたい、と思われた感想にリクを書いてしまった方、宜しければもう一度活動報告の方に書いて頂けると幸いです、それでは!

人形主観によるお話はあった方が良い?無くても良い?

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