リライターと乳部・タイラー   作:シバヤ

12 / 21
12話

 

 

チャイムが鳴り、授業がおわる

 

「次は確か体育でしたね。アストラル能力者はプールに向かってください。遅刻しないよう気をつけるように。それでは授業を終えます」

 

そう、次はプール

つまり前買ったおニューの水着を使うんだ

水着だろうがシューズだろうがおニューの物を使うのはワクワクするなぁ!

 

「行こう、空、恭平」

「よっしゃ!早く行こうぜ!」

「いやいや。僕は能力者じゃないからプールじゃないよ」

「おっと、そうだっけ」

「プールの場所はちゃんとわかる?学校の端っこなんだけど」

「ちゃんと覚えてる」

「そっか。じゃあまたあとで。今日もお昼は一緒に食べようね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着替え終えて、移動する

目の前にあるのはプール、夏も終えてから季節外れのプール!

なんかテンション上がってきたー!

 

「あっ、暁君に空君。そっか、今日は2人のクラスと合同なんだね」

 

なぜ学年が下なのに七海も一緒かと言うと、アストラル使いが集まってる学院でもその数は半数にも満たない

さらに体育はアストラル使いと一般の子で分けられるからこうして学年を問わず合同で行われるんだ

それにしても七海はこんなに可愛く成長して……お兄ちゃんは嬉しいよ

 

「壬生さんは一緒じゃないのか?」

「千咲ちゃんはアストラル使いじゃないから。1人でいるのは不安だったんだけど……良かったぁ、2人がいてくれて」

「ということは、壬生さん以外の友達はまだいないわけか」

「まあまあそう言わず、七海は七海のペースで友達を作っていけばいいからな」

「ありがと、空君。でも話し相手ぐらいはいるからね。特別仲がいい相手がいないってだけで……」

「そかそか。ならそこまで心配する必要はないな」

 

千咲ちゃん以外にもちゃんと話せる子はいるらしいし、一安心

我ながら過保護過ぎるかと思っちゃうけど心配で心配でたまらなかったから仕方がない

 

「それよりも、その水着……土曜日に買ったやつだよな?」

「うん。そうだよ……水着なんて久々に着るから、なんか慣れなくて。変……じゃないかな」

「ん?ああ変じゃないよ可愛いよ世界一だ」

「棒読みで適当なこと言うぐらいなら、無理に褒めてくれなくていいよ」

「いやもう七海が可愛すぎて眩しいくらい。世界が霞んで見える……!」

「逆に大袈裟すぎてキモいんだけど」

「そんな……!?」

 

俺は事実を……事実を言っただけなのに!?

いや、七海自身のことだからその輝きがわからないのか!

くっ、それならば仕方がないか……

 

「七海さん。そっか、今日は七海さんのクラスと合同なんですね」

 

水着姿の三司さんがこっちに来る

余計なお肉はついてなく、スラッとしててとても素晴らしいスタイルだ

胸に谷間が見えるけど……あれパッドなんだなぁ

 

「2人とも、エロい目になってる」

「そんな目にはなってねぇ!俺はただ──」

「ただ……なに?」

「なんですか?」

「この世の中、もう何も信じられない」

「暁……お前もだったのか……」

 

真実は全て知る必要は無い

むしろ知らない事実があった方が幸せってことを学ばせてもらいましたよ

 

「そんなにじっくり見られても困るんですけど?やだ、恥ずかしい……」

「……ハンッ」「……フッ」

 

俺は知ってるが、あの照れも演技だろう

それに思わず鼻で笑ったが、どうやら暁も同じタイミングで笑ったようだ

 

「……やだぁ〜、何か面白いこと言いましたぁ?(お前ら、なにわろとんねん)」

「いや、別に」

「何でもないよ」

 

笑顔なのに視線からなんか心の声が聞こえた気がした

視線をそらすために周囲を見たら、ちょうど二条院さんが更衣室から出て来たところだった

よく似合ってるあの水着は、俺と三司さんが推したヤツだな

みんな釘付けになって、そのあとは可愛いやら似合ってるやらの歓声だ

 

「それにしても……二条院さんは、まだいいとして」

「……?」

「服の上からでもわかってはいたけど……こうして水着姿で見ると……本当に年下なの?」

 

七海を見てはそんなことを呟いてるのが聞こえちゃった

 

「おかしい……絶対おかしい……実は盛ってるんじゃないの?」

「君が言うか……」

「あ゛?」

「ナンデモナイヨ」

「歯を食いしばってもらえますか?」

「ゴメン、悪かったから許してください」

「はーい、そろそろ授業始めるよー。さあ、みんなこっちに集まって。並んでー」

 

あっぶねぇ!先生来なきゃ死んでたかもしれねぇ!

三司さんはなんかもうマフィアとかそう言うのより怖いんだけど……

 

ちなみに、今日の授業はと言うと、水中でのアストラル能力の計測

人により発揮できる力に大きな差があるからな

俺も水中ではあまり力を発揮できない……と思う

いくらオーロラに変わってるとはいえ、元々は血液だからな

でも試したことないからなんとも言えないけど

俺と暁と七海は初めてと言うこともあり、手伝いで来た式部先輩から細かい説明を聞くことになった

式部先輩の格好といったら水着に白衣、メガネまでかけて非常にマニアックな姿なんだぜ?

 

「……そんなにジロジロ見られると、流石のお姉さんも恥ずかしいよ。だから……その、あんまり見ないで……」

「あ……悪い」

「なんてことを言うのは、自意識過剰かもしれないけどね、ははは」

「先輩は綺麗ですし、とてもセクシーですよ」

「茉優先輩」

「……ん?」

 

今暁のやつ式部先輩のこと茉優先輩って名前で呼んだ?

いつからそんな仲に?

 

「……なあ七海」

「何?空君」

「あの2人妙に仲が良くなってないか?」

「……言われてみれば」

「しかも茉優先輩って呼んでたしな」

「えっ!?空君、それ本当!?」

「聞き間違えはなかったはずだ」

 

目は書き換えて強化してるが耳はいじってないのにいい方なんだ

まあ、捨てられた時、生き延びるために自然に良くなったってのもあるけど

 

「…………」

「……なんだよ?」

「わたしたちの知らない間に、式部先輩と仲良くなってる」

「ああ、ちょっとな」

「ほう、ちょっとねえ?」

「それはともかく、さっさと始めよう」

「「誤魔化した」」

「そういうわけじゃない。あ、今は授業中何だからな。無駄話はよくない」

「急に真面目ぶる……」

「まっ、まあまあ。暁君の言うことも一理あるよ。アタシが言うのもなんだけど、早く測っちゃおう」

 

そんなこんなで測定の開始

測るのはリンク値、アストラルに干渉する強さみたいなものらしい

式部先輩の説明によると、どれだけ多くのエネルギーを生み出すかってのをわかりやすく数値化したものなんだって

ものすごく簡略化してるから、微妙に違うらしいけど俺にはこれで十分だっ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、オッケー。3人ともありがとう。もう器具外してもダイジョーブだよ」

「今のでもう数値が出たんですか?前に比べると、随分短い時間でしたけど」

「前は複数の検査を重ねたからね。でもこれは数値を測るだけだから」

「ちなみに、それって教えてもらっても?」

「問題ないよ。七海ちゃんは207。空君は121。暁君は56」

「七海が大っきくて暁は小さいな」

「それだけ回復能力には、アストラルが必要になるってことだろ」

 

俺のは体液操作で作りもんだし、そこまで高くないってことかな

 

「ちなみに確認されてる中では、アストラル使いの平均は106だったかな。最低値は26で、最大値は247。普通の人だと、平均で12だったかな?理論上、能力を発揮するためには20は必要って研究結果が出てたはず」

「結構幅広いものなんだな」

「で、今のは通常での数値。水中の場合は、七海ちゃんが108。空君は119。暁君は53。空君と暁君は誤差と考えていいだろうから、どちらでも変わらない。七海ちゃんはかなり下がってるね。能力を発揮できるけど、回復させるのなら陸上の方がよさそうだ」

 

地上でも水中でもほぼ同じか

でも体内で操作した場合だろうな

水中でオーロラを使ったらどうなりんだ?それに魔物を作るときは魚類系にすればあるいは──

いや、考えたって一回試してみないとわからんか。それに俺にはリライト能力があるんだ

むやみには使えないけど、アストラル能力の強化だってできるだろう

 

「空?どうした、さっきからボーッとして」

「えっ?いや、なんでもんさいさ。まあくだらないもんだって思ってくれ。それよりこの後って何するんすか?」

「測定が終わったら、各自で能力に使い方を練習、研究をするように。って言ってるけどね、要はアストラル能力を使って遊んでいいよってこと。あ、もちろん常識の範疇で」

「遊んでいいんすか!?」

「変に目的を与えるよりも“面白そう”“楽しそう”っていう方が自由な発想を生むものさ。そうやって新しい使い方を自分で考え、探り、発想力を養うんだよ。3人とも自由にしていいよ」

 

そんな考えもあるんだなぁ

俺の場合、リストブレードは威嚇、邪魔な物を斬るためにだし、魔物についてだって寝てる間に身を守るために思いついたもんだったからなー

我ながら全く面白くないな!アハハハ!

 

「だったら……先輩。リンク値について教えてもらえますか?」

「リンク値について?変わったことを知りたがるんだね」

「なんだか面白そうなので。もっと知りたいです。それに、体を動かしたりするのは得意ではないですから」

「ほほぅ、勉強熱心だね。よろしい。お姉さんにおっまかせー!暁君と空君はどうする?なにかお姉さんに訊きたいことがあるなら、一緒に勉強する?」

「俺は頭で理解するより体験するタイプなんで。それより暁は基礎的なことでもいろいろ教えてもらっとけ。また赤点になったら困るだろ〜?」

「おや、暁君は赤点を取るくらい勉強が苦手なのかい?」

「そうなんですよ。前のところでだって夏休みに補習受けてたぐらいなんですから」

「余計なこというんじゃねぇ!」

「そういうことならお姉さんがいろいろ教えてあげるよ」

「ぐっ……わかりました」

「それじゃあ暁君、七海ちゃん、向こうで話そっか」

「はい。よろしくお願いします」

 

……計画通り!

いま顔は笑顔だけど心の中ではノートを使う救世主の如くの顔をしてるだろう

暁はこっちに目線で後で覚えてろみたいなこと言ってそうだけどあと数秒で忘れるから問題ない

さってと、何すっかなー。とりあえず辺りを見てみると男子供が能力を使ってか、水で蛇っぽい動作をさせてた

ほう、遊びながらも確かに能力使ってるや

 

「さーて、俺はどうすっかなー。んっ、あれは──」

 

プールサイドに人だかりができてる、といっても5人ほど

なんか見てると思ったら、あれは取材かな?撮影されてる三司さんがいた

見てる連中は男子だったしなっとくじゃ

……せっかくだし俺も見てよ!

 

「目線、こっちにもらえますか?」

「はい──っ」

 

あやや、俺が見てるのがバレたかな?

さっきまでの明るい笑顔がその瞬間だけなんか変わってたし

 

「三司さん?どうかした?表情が固くなっちゃったけど?」

「あ、いえ。なんでもないです」

「ちょっと休憩しましょうか。ずっと撮ってますからね。10分ほどしたら戻ってきます。その時は能力を使った、この学院らしい写真を撮らせてもらえますか?」

「はい、わかりました」

 

なんだ、これから休憩かぁ

なんて思ってどっか行こうとしたら視線がこっちに

 

「……俺?」

 

自分に指差してみるとちょっとだけ表情が変わったから俺のことだな

美少女からお呼び出しだなんて光栄なことだ

 

「どういったご用件で?」

「それを訊きたいのは私です。何をしてるんですか?」

「測定終わって暇なもんで。またなんかの取材?」

「はい。来年度の学院パンフレット用で、プールの紹介記事に、一緒に載せるんだそうです」

「パンフレットに載るんだ、すっげぇ」

「これでも学生会長ですから」

「大変そうだな」

「これぐらい、皆さんのためならなんともありません」

「そういう心がけいいと思う、俺は真似なんかできそうもないからな。で、本心は?」

「ずっと笑顔を維持するのは顔が引きつりそうです」

 

なんて笑顔のまま愚痴言う姿はなんかもうすごい

 

「飲みもんでも取ってこようか?それか何かして欲しいこととかは?」

「それなら、そこのポーチを取ってもらえますか?」

「このタオルの上にのってるやつ?」

「そうです。ありがとうございます」

 

ポーチからケースを取り出す

サプリとか入れるやつっぽい

 

「それサプリか?ご飯はちゃんと食べた方がいいぞ?」

「取材を受ける以上は、肌荒れなんかも気にしてるだけ」

「そんならいいけど。無理しすぎんなよ?」

「最近は仕事が減ったおかげで、規則正しくバッチリ3食食べてますよ。おかげで余剰なものが……なんで足りない部分を補わずに、不要な所に付いちゃうんだろ……くぅっ」

 

なんか地雷な気がする

プールサイドに腰かけた三司さんが俺に声をかける

 

「ごめんなさい。もう一つ、お願いしていいですか?」

「もちろんどうぞ」

「立っているなら、もう少し左に。あと、もうちょっと前に。そう、そこ、そこです。……はぁ……本当に顔が引きつりそう、疲れたぁ」

 

一瞬で気怠そうになった

でもこんな姿を見せるのは俺と暁、後は知らんが少なそうでなんか特別感があるから嬉しい気分

 

「ここの位置を指定ってことは俺は壁役か?」

「そういうこと」

「だろうね、あとさ」

「何?」

「そのパッドも取材のため?」

「それ以上バカにしたら……潰す……っ」

「潰すときましたか。ところで何を?」

「それは──………ッン、タマ……とか」

「なんだって?」

「だからっ……め、目玉……とか」

「『タマ』から『ダマ』に変わってないか?」

「しっかり聞こえてるじゃない……っ!」

「残念ながらその部分だけなんだよね。顔赤くしなきゃいけないこと言うつもりだった?」

「あっ、赤くないしっ、全然赤くないしっ」

 

なんて言ってるけど赤くなってる

ちなみにきゃんたまって小声で言ったのはバッチリ聞こえてました。俺耳いいんで

 

「三司さんって可愛いけどさ」

「はぁ!?っ!ちょっと……変なこと言って、大声を出させないで。変に思われる」

「変なことじゃなくって、可愛いし魅力的でもある」

「…………。急に、なに?気持ちわるーい」

「でもなんでそんなパッドなんかつけてんの?」

「プールに沈め殺すぞ、貴様」

「あっ、いえ、バカにしたいのではなくてですね、本物のアイドルじゃないのになんで男受けしそうなことしてるのか疑問に思っただけですので」

 

沈め殺すぞって言われたときマジで殺られるかと思ったからつい敬語になっちった

七海じゃこんな恐怖は感じないというのに……

 

「別に……男受けのためにしてるわけじゃないわよ。私だって、最初からパッド入れてたわけじゃないし……」

「じゃあ、何か理由が?」

「……………。……大した理由なんてない。ただ……私、取材を受け始めてから2年くらい経つから。当然体も成長するわけ。とある一部分を除いて……」

「あー……(察し)」

「その察したっていう吐息が癪に障るわね。ネットでも似たような指摘をされて。匿名なのをいいことにみんな笑うのよ。なにが草だ!大草原だっ!」

「それだけならまだいいんじゃないか?匿名じゃなきゃ言えないような奴らの言葉なんて聞く価値がない」

「それだけじゃないわよ。可哀想だとか、同情するだとか、マイクロメートル単位では成長してるさだとか。果ては、まな板とか崖とか火サス胸とかムネ・タイラとか無乳会長タイラーとか乳部・タイラーなんてあだ名まで。“三司あやせ平野”とか言い出した奴は絶対ぶっ殺してやる……っ!」

「ネットでつけられたんだ、そのあだ名……」

 

道理でなんか実感がこもってると思ったよ

それにしてもおっぱいが小さいだけでそんなあだ名を付けてくる奴がいるとはな

おっぱいは巨乳でも貧乳でも価値がある

おっぱいそのものに価値があるってなぜ気が付かないんだろう

 

「あまりにムカつくから、見返してやろうと思って」

「でも二重に詰め込む必要あった?」

「ネットの手の平返しのクルクル具合が痛快で、その手首をぶっ壊してやるって、つい興が乗って」

「それもう調子に乗ったでしょ」

「自分でもやりすぎたとは思ってるわよ……ぐぬ〜〜っっ。でも今さら引くに引けないの!」

「そりゃねぇ。減らしたら今よりバカにされちまう。でもそれならなおさら水着になって大丈夫なのか?」

 

平常時なら服を着るから問題ないはず

でも水着ってなると露出が増える。その分バレやすいと思うんだが

 

「今まで隠し通してきたのよ?この程度、苦況のうちにも入らないわ」

「俺的にはそんな自信は持ちたくねぇな……」

「お黙り。それに、最近のはよくできてて、かなり自然な盛り方ができるの。ちょっとやそっとで見抜けるものではないわ。特に、性欲に目がくらんだ男の子にはね」

「そんなに出来がいいものなの?」

「そうなのよ。私も驚いたんだけど胸の包み方とホックに秘密があって高いけどそれだけの価値もあって──……って、なんで男の子相手にパッド談義に花を咲かせなきゃならないのよ。ありがとう、空君。十分休めた。もう切り替えるから、そこをどいてくれても大丈夫」

「わかった。お役に立てたなら何よりだ」

「本当にありがとうございました」

 

すげぇ。本当に一瞬で切り替わった

 

「ところで、空君は能力の研究はしないの?」

「研究といってもねぇ。俺の能力は体液操作だから放出はオマケで体内で動かすのがメインだし」

「能力を使って遊ぶだけでもいいんですよ?ほら、あんな風に」

 

三司さんの視線の先にいたのは、さっき水の蛇で遊んでた2人

まーだ水流のぶつけ合いをしてる

なんかヒートアップしてて、謎のターン制による攻防が繰り広げられてた

フハハハハ!まだまだ子供のよう!

だがしかし──

 

「あれ止めた方がよくね?」

「男の子同士なら、あれぐらいはよくあることじゃないですか。暁君とはああいうことしなかったのですか?」

「俺がイタズラすることはあったけどあまり喧嘩とかやり合いになることはなかったかな〜。でもあれは周りに被害が出そうだぞ?」

「かもしれませんね。でも、止めるのなら、私よりも適した人がいますから」

「2人とも、いい加減にしないか!下手に当たったら怪我をしてしまう威力だぞ、それは。少し落ち着け!」

 

なーる。確かに二条院さんの方がこういうの向いてるな

だが、二条院さんの制止を聞かず、2人は攻撃を続けて、その流れ弾が二条院さんにヒット

「しゃーねー。俺が軽く止めてきますか」

「大丈夫。二条院さんだってアストラル使いだから。それに今行ったら……被害が増えますよ」

「それってどういう……?」

 

というかさっきよりも流れ弾に当たってて辛そうだ

だが三司さんの言葉もあるし……どうすりゃあいいんだ?

 

「ごほっごほっ!…………。……いい加減に……しろぉぉぉ!」

『ぐぁぁあぁぁ!!』

 

怒りが頂点に達したのか、二条院さんが叫びながら竜巻みたいなのを作り出した

ありゃ巻き込まれるから三司さんの言う通りにしといて良かった

2人は竜巻に飲み込まれ、宙を舞い、腹から落水

ありゃ痛いぞう……

 

「ほら、大丈夫だったでしょう?」

「ああ、それはよかったんだけどな。これはマズイ」

「マズイって何が──あっ、きゃ、きゃあぁぁっ!?」

 

天井まで竜巻が昇ってたんだぜ

能力を解除して維持するのをやめたんだ、そりゃこっちに大量の水がくるわけ

俺含めて周囲の人に襲いかかっ……俺のところにもきてんじゃねーか!

まあ怪我はないし、ずぶ濡れになっただけだ。あの2人のようにプールサイドでピクピクしてるよりはマシか

 

「けほっ、けほっ」

「大丈夫か?怪我はないか?」

「ええ、怪我はありません。ちょっとビックリしただけです」

「そっか。それならよかった……んっ?」

 

なんだ?さっきと変わってない光景だがなぜか違和感が……

なんか違うような……なにかが足りてないっていうのか?なんか欠けてる気が……

 

「──ほえぇ!?」

「なっ、なんですか?どうかしましたか?」

「流れてる!個人情報流出だ!別で例えるとピ○ミンが食べられて消えてる!」

「……流出……?消えて……?…………はぇぇあ!?スカスカ!?スカスカ大事件っ!?」

 

叫んでる場合じゃねぇ!

とりあえず隠さなければ!

そうだタオル!あと念のため捜索隊の目に見えないほどの小型魔物探索隊!

 

「うわっぷっ!?」

「とりあえずこれで隠して!」

「あ……ありがとう」

「今の悲鳴は?もしかして、怪我をさせてしまったのか?」

「ちっ、違う!違うから、こっちに来ないで、お願いだからぁっ!」

「いや、しかし」

 

ちっ、予想通り人が集まってきそうだ

ここは──

 

「俺がなんとかするから、三司さんは更衣室に」

「うっ……でも」

「大丈夫。パッドも回収しておく」

「……に、臭いを嗅いだりしない?あと、変なところに擦りつけたりとか」

「するか!というか早くしないと集まっちゃうよ?」

「…………。よろしく、お願いします」

「任しとけ」

「あと、その……さ、三角パッドと……シリコンの2種類あるので、両方ともよろしくお願いします」

「りょーかい」

「……ありがとう……」

「困ってれば助けちゃうのが俺なんでね」

「怒るのは逆恨みってわかってるけど……物が物だけに素直に感謝できないっ。なんなのよこの辱めは〜っ!それもこれもネットであだ名を付けた奴のせい!絶対にぶっ殺してやるぅ!」

 

なんか物騒なことを最後に言いながら、タオルを胸元に押し付けて戻っていく

そんなに押し付けたらスカスカなのばれっぞ

そのあと俺は三司さんは水着がずれて恥ずかしいからとかなんか適当な理由をつけて誤魔化した

それにしてもパッドって……

想像以上に粘着力あるんだ。あ、でもこれはベタベタ触ったわけじゃないから。拾うために仕方なくだから!

これでミッションは難なく達成できたし終わりよければ全て良し!

あれ?ここにパッドがあるってことは三司さんのおっぱいはべったんこじゃ……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「三司さん!」

「っ!?そ、空君……突然大声で叫ぶから、ビックリした……」

「これ、例のブツ。ちゃんと2種類あっから」

「うん、ありがとう……本当、ご迷惑をおかけしました」

「お礼はいいから、早く中身入れないとマズイだろ!?」

「中身言うな。……気遣いありがとうございます。でも、大丈夫ですよ。流されたのは水着用です。普段着は身につけてますから」

「へっ?……あっ本当だ」

 

制服に女の子特有の膨らみが見かけられる。偽物だけど

 

「水に入りますから、素材が違うんです。特に貼り付ける方は粘着力の問題もあって──だから変なこと熱弁させないで」

「問題ないならそれでいいよ。そっか。それはハリボテじゃないなら安心だ」

「新しいあだ名を増やすなぁっ」

「あ、つい……ごめん」

「……はぁ……もういいですよ。空君は悪意なくそういうことを言ってしまう人ですから。それに今回迷惑をかけたのは私だから。だが二度目はない」

「わかってるからそんな怖く言わないで!?」

 

この人のオコなところマジで怖いよ!

 

「タオルで助けてくれたこと。回収してくれたことは本当に感謝してる。ありがとう。あと……迷惑をかけてごめん」

「いいって。人助けをできたんだしさ」

「…………」

「……ん?どした?」

 

渡したパッドをジッと見つめる

あれ?もしかしてプールには三司さんの以外にもパッドがあって間違えたとか!?

 

「ちなみに、臭いを嗅いだりしてないわよね?」

「もち」

「変なところに擦りつけたりも……」

「ないない」

「あと、パッドが珍しくて感触を確かめようとベタベタ触ったりとかも、してないわよね」

「シテナイヨ」

「ちょっと待って、なんで片言なの!?まさか……興味本位で試しにブラを試着してみたとか!?」

「さすがにそんなことはしない!」

「じゃあ何をしたの!?」

「ベツニナニモシテナイヨ」

「ならなんで片言で目をそらすの。誤魔化さないでよ!余計に気持ち悪いじゃない!」

「本当何もしてないし、そんなに騒ぐと──あっ」

「えっ!?」

 

今だ!必殺、離脱!

 

「なに、誰もいな──って、逃げるなこらぁぁぁ!!」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。