鷲逗研究都市
真新しいビルに、綺麗に整備された道。そして都市計画に組み込まれた路面電車
本当に都市って言うだけあるな
アストラルの研究目的として作り上げられた街……か
「わたしたちが転入する橘花学院ってどうやって行くの?」
「ライトレールに乗ったら橘花学院って駅がある。そこで降りれば、文字通り目と鼻の先らしい」
「ライトレールか〜……何だそれ」
「俺たちが今待ってる路面電車のこと。動力源はアストラル何だってさ」
アストラルで動く乗り物か
やっぱり子どものころ憧れるだけあってアストラルはやっぱすごいな
それのおかげで俺はこうしてこの2人の兄妹でいられるんだから……
「ら……空!」
「えっ、何だ?」
「電車が来たよ。どうしたの?ボーッとして」
「あっ、いや、何でもない」
ったく、何感情に浸ってるんだ俺は
そうだ、俺は書き換えて変わった
拾われた時からやり直してるんだ、だから次は上手くやるんだ……
「でも……ちょっと遠いなぁ。これだと会場に行くのも一苦労」
「会場って、なんの……ああ。イベントか。同人誌だっけ?あとコスプレとかの」
「暁ッ」
「お、おう」
「そういうのはデリケートなんだ。こういう場所で言わないのがマナーなんだぞ」
「わかった……って何で空がそんなこと知ってるんだ」
「そりゃ俺だってマンガやアニメとかはそれなりに好きだからこういうイベに参加できるよう知識だけは持ってるんだ」
マンガやアニメ、ゲームは話題にしやすいからな
それなりには流行に乗れるようにしてるんだ
イベントにはさすがに行ったことはないが
七海が特班の服を改造したり、作れるのはコスプレを自作していたからだ
七海とはそういう話ができるけど、暁はこういうことに疎い
スマホも電話かメールだけしか使わないからよく操作方法がわからないというもはやおじいちゃんなのだ
「間もなく『橘花学院前』、『橘花学院前』です。お忘れ物なさいませんよう、ご注意ください」
「降りるぞ」
「思ったよりも揺れなくて音も静かだったね、あの路面電車」
「区間によってはバスよりも速度が出ていたりもしていたな」
「へー、そりゃ便利なこった」
新しい街なだけあって、近代的なビルばっかだし結構開発が進んでいるな
それにビルばっかじゃなく、綺麗な建物が目の前にある
「これが橘花学院か……」
「ここも綺麗な建物だね」
「設立されて間もないらしいからな」
「敷地が広そう……ちゃんと道を覚えられるかな?……はぁぁ……心臓がドキドキする。今日から新生活……知らない人だらけ……」
「あっ、お兄ちゃんも緊張してきて吐きそうになってきた……ォェッ」
「なんで空まで緊張してるんだよ」
「いやー、人見知りの気持ちになって挨拶の対策してたら予想以上に役に入っちゃって」
その人のことを知るのはその人になりきらないとダメみたいなことがあるから七海のために人見知りの気持ちになって見たけど……
予想外に辛い
「………」
「兄弟で漫才なんかやってるから不審がられてるぞ?」
「俺を巻き込むな」
そういや学生証とか貰ってないんだけど学院に入れんのか?
さぁ最初っから積んだぜ!
「あの──」
「んにゃ?」
背後から声をかけられる
今のは、女の子の声?
「あっ」
そこにはやっぱり女の子が笑顔で立っていた
父さんに見せられた映像の学院を案内してた子だよな
……他になんかで見たことあったんだけど……なんだっけ?
「こんにちは。急に声をかけてごめんなさい。もしかして、在原暁君と在原空君と在原七海さんでしょうか?」
「はっ、はいっ!あ、在原七海です」
「俺が在原暁です」
「俺は在原空でっす」
「人違いじゃなくてよかった。初めまして!私は──」
「三司あやせさん……」
「え?」
「ああっ、すっ、すみません。話を遮ってしまって」
「いえ。それは構わないんですが……どこかでお会いしたことが、ありましたか?」
「いえ。ネットで動画を見たことがあるだけで……すみません」
三司あやせ……ネット……動画……
「そっか。どっかで見たことがあると思ったら俺も動画を見たことがあったんだ」
「直接言われると恥ずかしいですね。でも、見てくれてありがとうございます」
「あの紹介動画で、名前なんて言ってたか?」
「あれじゃないよ、別の動画で見たの」
「俺も七海と同じで別の動画だな。その動画が同じかは知らないけど」
七海は歌が歌えるって言ってたけどそこは思い出せんなぁ
でも七海が歌ってるところはお兄ちゃん見てみたい
「そんなに有名なのか?」
「アストラル使いとしては一番有名かも」
「もしかして芸能人なのか?」
「あはは、まさか。全然違いますよ」
「でも、テレビに出てたよな?ネットでも『可愛すぎるアストラル使い』って」
「そっ、その話は止めてくださいーっ!アレ、ものすっごく恥ずかしかったんですから」
ワタワタと慌てて両手を振る姿が可愛い
今ちょっとドキッとしちまったぜ
それにテレビで見るアイドルよりもかなり可愛い
やや小柄だけど、それと対象におっぱいはほどよく大きい
可愛い上にスタイルもいいとか反則かよ
……なんだ?違和感を感じたが気のせいだろう
「とにかく自己紹介させてもらいますね。初めまして。私は『三司あやせ』といいます。この橘花学院の学生会長で、3人の案内を頼まれ、迎えに来ました。ようこそ、橘花学院へ!」
おおっ、なんかこう歓迎されると嬉しいな
しかもこう可愛い女の子にだから男としてはテンション上がる
「ではまず、理事長のところに案内するように言われているんですが……3人の荷物はそれだけですか?」
俺はワンショルダーリュック。暁はショルダーバッグで七海はトートバッグ
そんなに大きくはなく、1泊分の荷物も入んないな
「荷物はほとんど送っています。寮の方に届いているはずなんですが」
「わかりました。このまま向かっても大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
「それではこちらへ」
俺たちは三司さんの後について歩いていく
ふむ、やっぱり広いな
分かれ道ってことは校舎と寮とかかな
「今から向かうのが校舎で、あっちに寮があります。歩いて3分くらいでしょうか」
「橘花学院って結構広いな〜」
「敷地内には校舎や寮だけでなく、学院が所有するアストラル研究施設もあるので、一般的なところよりも広いと思います。それに鷲逗市は都心から離れていて、地価も安いですから。理事長室は校舎ですから、まずはこちらへ」
とうとう新しい学び舎に入るのか
見た目は綺麗だから中も綺麗なんだろーなー
「わっ、中も綺麗……」
「学院が設立してまだ10年も経っていませんからね。それに全寮制ということもあって、学生の数も他に比べるとちょっと少なめですしね」
「どれくらいいるんだ?」
「クラスには大体30人ちょっとで、1学年にクラスは4つですね」
えーっと、全体で約400人いかないぐらいか?
「学生は382人、その内アストラル使いは100人ほど。1クラスに10人程度でしょうか」
「ちょっと意外です。もっとアストラル使いばっかりなのかと思ってました」
「そう勘違いしてる人も多いですね」
「でも……他の人たちは、どうしてわざわざ橘花学院に?」
「俺たちは能力のことがあったからな」
「ここに通う大半の学生は、この研究都市に仕事を持つ方の子供なんです。他にも純粋に、アストラルの研究に興味のある学生の入学もあります」
そういう感じか
さすがに全員が全員アストラル使いって訳じゃないしな
俺みたいなリライターなら話は別……というかリライターがいすぎる方が問題ありすぎだろ
「あと、在原君たちは同じクラスになりますから、私に相談してくれても構いませんよ」
「ありがとう。これからよろしくお願いします、三司さん」
「そいつは嬉しいや。これからよろしく!」
「はい、よろしくお願いします!在原さんも。学年は違いますが、何か困ったことなどあれば、いつでも相談して下さい」
「あっ!はいっ、ありがとうございます」
俺の耳が間違ってなければはいがひゃいに聞こえたんだが
うん、緊張してるなこの子
「……。私、何か怖がらせるようなことしました?」
「いえ、そうじゃないんですが……すみません……」
「人見知りで緊張してるだけです。怖がってるとか、嫌ったりしてるわけじゃないですから」
「そうだ、同じ苗字だとわかりにくいし、七海のことは名前で呼んであげてよ」
「空君!?そんな、勝手に何を──」
「これからよろしくお願いしますね、七海さん」
おっと、意外なことに三司さんから逃げ道をふさいだぞ
「よっ……よろしくお願いします、三司先輩」
「可愛い!真っ赤になった!私のことも、あやせと呼んで下さい」
「あ、いえ、でも、その……」
「あやせですよ。あ・や・せ」
「よろしくお願いします……あやせ、先輩……」
「はい」
真っ赤になったり困ってる顔がまた可愛いなぁ」
「お前心の声出てるぞ」
「えっ!?マジ!?」
何かの策にハマってしまったようだぜ……
七海、恐ろしい子!
というのは冗談で、今回は俺のマヌケだった
「よし、じゃあついでに俺たちのことも名前で呼んでよ」
「は!?空、何言ってんだよ」
「だって苗字呼びなら同じじゃん。それとも在原兄と呼ばれたいのか?」
「それは嫌だな……」
「というわけで三司さん。俺たちも名前でよろしくな」
「はい。空君、暁君」
oh......
七海以外の女の子に名前で呼ばれるなんてなんか新鮮だ……
「私はお2人と同じクラスですから、普通にしてくれて構いませんよ。暁君のその丁寧で堅苦しい喋り方、慣れてないですよね?」
「ありがたい。助かるよ。ならその言葉に甘えさせてもらうよ」
「はい。それじゃあ、そろそろ理事長室に向かいましょうか」
「理事長、三司です」
「入りたまえ」
いかにも怖そうなオッサンの声がしたな
部屋に入ると、予想通りのいかついオッサンがいた
「転入生をお連れしました」
「ご苦労だった。三司君は下がってくれていい。この後は他の者に頼んである」
「わかりました。それでは私はここで失礼します」
「ありがとう、三司さん」
「ありがとうございました」
「いろいろと助かったぜ」
ニコリと笑って、三司さんは部屋を出た
その笑顔も可愛いと思ったが、別に俺は女の子なら誰でも可愛いと思う体質じゃないから変な勘違いはするんじゃねぇぞ
その後は理事長からのお話
俺たちがアストラル使いであることがバレて、この学院に入ることになったこと。外ではいろいろな思いをしたけど、ここでは安心して過ごすといいってこと。なんか話した
まぁ要はアストラル使いであろうと関係ねぇ!この学院で思いっきり楽しい学生生活を送りやがれ!ってことか
……なんか机に備え付けられた電話の受話器を取って、どっかに電話し始めたんだけど
「私だ。理事長室まで来て欲しい。そうだ。伝えていた通り、新しく編入する学生が3名いる。いつも通りだ。登録を頼みたい。ああ、まっている」
登録……って言ってたな
「すまないが、君たちには編入に関する最後の手続きをしてもらう」
「必要な書類は……全部、提出したと思っていたんですが」
「そうではない。事前に資料を渡しておいたはずだ。鷲逗研究都市の住民はAIMSに登録してもらう必要がある」
AIMS……俺たちがこの橘花学院に転入することになった目的の1つ
それらの頭文字を取ってAIMS……だったよな
どんなものかって言うとアストラル使いとその能力に関する情報をまとめたデータベースだ
アストラルの内容によっては、協力してもらうって説明されたが、他にもアストラル能力を集めることで管理してしるっていうアピールする1面でもある
話終えた辺りのタイミングで、ノック音が聞こえた
「入りたまえ」
「失礼します」
白衣を来た女性が入って来た
少し歳上だな
「この子たちが編入生だ。後のことはよろしく頼む」
「わかりました。では、失礼します。それじゃあキミたちは、アタシについてきてね」
「あ、はい。それでは失礼します」
「「失礼します」」
「ああ。よい学生生活を」
この理事長、顔はいかついけど結構いい人だな
それで俺たちは、理事長室を出ておっぱいの大っきいお姉さんについていった
なんでそこに目がいったかって?
そりゃお前、おっぱいが嫌いな男なんていないだろ
少し瑚太郎要素入れてみました笑
ちなみに自分はどっちかっていうとちっぱいの方が好きです