リライターと乳部・タイラー   作:シバヤ

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8話

時刻は夜。任務の時間だ

でもなんか七海は泣きそうになってるわ暁は謝ってるわでおかしいことが起きてる

 

「何があったの?」

「それがね、暁君のラッキースケベのせいで……」

 

七海が言うには暁のラッキースケベでメモリー繊維が式部先輩の鼠蹊部近くに貼ってしまい、七海が式部先輩を誘って風呂に入って取ったにはいいけどそっち系の趣味を持ってるんじゃないかって疑われたらしい

 

「それなら俺の方が適してたんじゃないか?」

「空君!?何言ってるの!?」

「別にそういうことじゃないよ?先輩はアストラルの研究してるし、こんな使い方できるってオーロラの小型犬でも作ってじゃれさせながらそのまま取らせればよかったんじゃないかと思って」

「……言うの遅いよ」

「なんかごめん」

 

でも詳細は聞かずさっさと行っちゃった俺も悪いかも

俺は七海には絶対に叱らないし怒りもしないからな

でも注意はするよ?

 

「お詫びはちゃんとするからな」

「約束だからね」

「わかってる。それで本題なんだが、セキュリティはどうだった?」

「あ、うん。ちゃんと調べたよ。想定した通り校舎側のセキュリティは厳しくない」

「俺も魔物を通して見たけど、暁が把握した通りだったぞ」

 

俺は自分で作った魔物なら契約線のリンクを通して目線から見ることが出来る

でもその間俺の身体は何も出来なくなるから部屋に戻って少し調べていたわけだ

それに暁の本当の能力“脳のコントロール”

それで脳を活性化し、映像記憶として、カメラの位置などを把握してるってわけ

 

「そろそろ行くぞ」

「うん」

「おう」

 

そっから隠密行動だ

カメラの位置は把握してるから難なく校舎前まで行くことが出来た

もちろんステルス機能があるから警備員の目は誤魔化せてる

七海がセキュリティシステムを切り替えてるうちに鳥型の魔物、オーロラバードを6体作り出す

 

「2体は見つからないように警備員につけ。残りはそれぞれ敷地全てみわたせる所に行くんだ。何かあったら契約線を辿れ。行け」

 

外の監視は俺の役割

動物で動かせるためいつでも対象を追えたりすることが出来るから適所なんだ

 

「空、行けるか?」

「何匹か上空に向かわせた。外のことはもう大丈夫だから中に行くぞ」

 

暁は身体能力を上げ、七海を抱え壁を登っていく

俺も身体は昔に書き換えてるからこれぐらいは余裕だ

窓から中に入り、目的の部屋の前までたどり着く

そして七海がセンサーに近づき、身体を張って回収したシートをかざす

……が反応がない

 

「……やっぱりダメか?」

「反応が弱いのかな?」

「ここまで来てそれはないだろ……」

「一度引き返そう」

 

って暁が提案した時、中から解錠の音がした

良かったな、七海

直ぐに部屋に入り、気配がないため誰もいないことがわかる

 

「すぐに始めるよ」

「俺は1回外の周りを見てみるよ」

「わかった」

 

その場で目をつぶり、契約線をたどり、1匹ずつ目線を変えていく

今のところ特に目新しい変化は見当たらず、警備員もただ見回ってるだけだ

今は異常がないから意識をこちらに戻す

そこでちょうど七海が調べ終えたようだ

 

「認識阻害で登録されてるのは……社会人が1人、学生が1人。両方とも男の人だよ」

「情報出せるか?できれば顔も」

「うん、写真も登録されてるから。はい、これ」

 

1人は小野清国(おのしずくに)。化学工業系の会社でアストラル研究に関わる研究者

顔立ちは大きな体に見合った少しいかつい印象だからこの人がカツアゲされることは無さそうだ

もう1人は菅英人(すがひでと)。俺たちとおなじ橘花学院の1年

痩せすぎの体格にメガネをかけていかにも気弱ってやつだ

 

「よし。覚えた」

「それじゃあ撤収?」

「ああ。長居は無用だ」

「了解。最後にお掃除をしとかないとね」

 

と、七海が端末の操作を続けた時だった

突然、校舎の外でアラームが鳴り響いた

 

「警報っ!?」

「えっ、ウソ!?なんで!?そんなはず──なにかミスった!?」

 

七海が失敗するなんてありえん

これは外で何かしらあったに違いない

 

「どどどどどうしよう、どうしよう……なにかの罠?トロイの木馬!?攻勢防壁!?画面にBABELの文字列が!?」

 

その前に、慌てちゃってるこの子を落ち着かせないと

 

「七海、落ち着け。ミスなんてしてないだろ?だから大丈夫だ。暁、外の様子は?」

「人影が慌ただしく動いてるが、校舎とは反対方向に動いてるように見える」

「わかった。なら俺が外を見る。知っての通り俺はその間無防備になるから暁は誰か来ないか意識してくれ。七海はその間に痕跡を消すんだ」

「う、うん。わかった」

「こっちのことは任せろ」

 

再び目線を魔物の目線に変える

そこにはさっき見えなかった人物が見えた

 

「あれは……三司さんに柿本先生?」

「なんでこんな時間に外に出てるんだ?」

「確か昼に取材とか言ってたよな……」

 

それでこんな時間までいるってことか

……ちょっとまて、そこで何か慌ただしい

誰かが警備員に抑えられてる

 

「三司さんの付近に警備員に抑えられてる人がいる。どうやらそっちがセキュリティに引っかかったらしいな。三司さんはそいつから離れたから大丈夫だろう」

 

他の魔物の目線に通すが……誰だこいつら

侵入者にしては体格が良すぎる

ってちょっと待て!さっき三司さんが向かった方向にいるじゃないか!

このままだと鉢合わせだ!

 

「このままだと三司さんが危ねぇ!」

「待てよ空!クソっ!俺は空を追いかける!七海はステルス機能を使ってこの部屋から動くな!」

「わ、わかった!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あそこまでの距離は遠い……!

なら四足歩行のハウンドか!?

いや、まだ守衛対象に入ってないから三司さんを襲うかもしれない!

なら今周囲にいる魔物を……ダメだ、戦闘向けじゃない

こうなったら……俺がやるしかない!

意識しろ、今の俺よりも強く、速い自分を!アクセルを踏むんだ!

 

身体の中で光が収束し、ひとつになるのがわかる

その瞬間、急激な脱力感が起きて、一気に力が溢れてくる

……書き換えてしまった。けれど俺がやらないと!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……はぁ……ビックリした。まさか学院の敷地内にまで入ってくる人がいるなんて……でも、どうやって仲間で入ってきたんだろ……?」

「それを誘導した人間がいるという事だ」

「──なッ!?」

 

誰ッ!?この人たち!

誘導って……私を狙ったってこと!?

 

「捕らえろ」

「はなっ!放しなさいっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駆けつけた先で見た光景は、予想通りのものだった

 

「はなっ!放しなさいっ!」

 

さっき見た黒い服に黒い目出し帽を被ったいかにも怪しいヤツらに襲われてる

警備員の人たちはさっきの方にいるから来てないのか?

前の方はどう見ても一般人だったし熱狂的なファンってやつだ

でも目の前の奴らはどう見ても違う

それにカメラの死角にいる……どう見ても気がついてるってやつだよな

 

「アナタたちは何者?私に何をするつもり?」

「静かにしろ」

「ッッ!?」

 

ナイフを取り出しやがった……?女の子相手にだって?

……父さん、暁、七海、ごめん

でも俺は目の前で襲われてる女の子を助けないような人間じゃないんだ

その気持ちを抱え、気がついた時には飛び出した

 

「おいっ!」

「──ッ!」

「光学迷彩だとッ!?」

 

まずは意識をこちらに向かせることに成功

ステルス機能をONにしてるから見つかることはない

その一瞬の隙にナイフを持ってるやつを無力化する!

 

「ぐっ!」

 

側面から腹部に1発入れ、三司さんの体から吹き飛ばす

書き換えてる俺の一撃は一般人とは違う

だけど書き換えてすぐでコントロールが出来てないため、耐えやがった

打ち込んだ感覚は脂肪じゃなく、筋肉だったからこいつらが普通の奴らじゃないことが分かった

なら、これで!

下に潜り込み、顎を突き上げる

 

「ごッッ!?」

 

おとこは垂直に落ちるように、倒れて昏倒

まずは1人

もう1人を見ると、さすがに硬直はしてないか

手にはナイフがある

 

「──シッ!」

 

はっ、バカが

距離感を掴めてないのに闇雲に振り回したって当たる訳があるか!

 

「ちぃっ!」

 

最小限の動きでかわし続ける

焦るな、隙を見つけ叩くんだ

 

「クソっ!」

 

だんだん相手は焦れて来たのか、動きが大きくなってきた

つまり隙だらけ

そのまま腕を絡め取り、肘の関節を極める

 

「──いぎぃっ!?」

 

ナイフを落としたな

リストブレードを作ればこんなのしなくてもいいんだけど能力を見られるわけにはいかない

なら学んだ体術が有効になる

そのまま一発いれ、相手はその場に倒れる

──終わりだな

 

「……な……なに……なんなの?」

 

やっちまったか

でも俺は心に従ったんだ

心が決めたことは止められない──

これで処分がこようが全部受止めるさ

……が、家族に余計な手間をかけさせるのは心苦しいな

 

「アナタたちは一体……」

 

ステルス機能はまだ維持してる

顔はバレてない

今すぐにここから離脱すれば──

 

「空!後ろだ!」

「なっ!?」

 

暁の声に反応し、すぐに反応する

 

「邪魔を、するなあッ」

「ちぃっ!」

 

力のコントロールがまだ出来てなかったのか!

最初に倒した男が予定よりも早く意識を取り戻すなんて!

この位置は……まずい!

 

「──えっ」

「三司さん!」

 

ナイフの軌道に入ってしまってたか!

 

「野郎っ!!」

 

いち早く反応できてた暁が側頭部に蹴りを入れて、男を吹き飛ばし昏倒させてた

でも今はそんなこと確認してる場合じゃねぇ!

 

「三司さん!無事か!?」

「ちょっ、やっ、放して!」

「落ち着け!俺は敵じゃねぇ!」

「え?その声、もしかして、空……君……?」

 

少しでも不安を取るためにステルス機能を解いた

 

「やっぱり……なに?なんなの?なにがどうなってるの?」

「そんなことはどうでもいい。今はそれよりも胸の傷だ!早く止血しないと!」

 

暁もステルス機能を解き、近寄る

多分俺の意図をわかってくれたんだろう

……巻き込んでごめん

 

「暁君まで……。それより止血って……えっ!?あっ、胸!?ちょっと待って待って!ストップ!大丈夫!怪我なんてしてないから!」

「そんなわけないだろ!斬られたのを見ちゃったんだから!傷口を見せて!せめて応急処置はしねーと」

「落ち着こ!いったん落ち着こっ!ね?ね?お願い、お願いだからぁぁ!あっ、ダメ!ちょ、待って止めてダメェェェェ!」

 

三司さんは必死になって俺を止めようとし、後ろに下がる

けど俺はその静止を無視して、胸元を抑える腕を無理矢理引きがした

──ペラッ

と切り裂かれたシャツの胸元が捲れた

そしてポトリとなんか落ちた

 

「うわぁぁ!!おっぱいがっ!?」

 

ごまだれ〜♪(ゼ〇ダの伝説の宝箱を開けた時風)

おっぱいを手に入れた!まさに男のロマンだ!

……ってそうじゃねぇ!……嘘だろ……おっぱいが……

 

「空、見てみろ。血が出てないんだ」

「…………どゆこと?」

 

えっ?なに?じゃあこの転がり落ちたおっぱいは一体?

 

「パッド……?」

「──ッ!」

 

パッド……初めて見た。当たり前だけど

えっ?じゃあ俺のおっぱいセンサーに反応しなかったのってパットがあったから?

やべ、納得いったわ

しかもよく見ると布製の他に、切り裂かれたブラジャーの下にもシリコン製のブラジャーが見られる

つまり二重……

 

「ぁぅっ、ぁぅっ、ぁっぁっぁっ──」

 

あっ、声にならないってやつだ

でもこんなの同性にも知られたくないもんだよな

それを異性である俺と暁に知られちゃったんだ……どうしよう。しかも泣きそう

 

「ちょっ。待って!落ち着いて!なっ!」

「落ち着けって、アナタ、この状況で、そんな」

「わっ、悪かった!三司さんが怪我をしたと思って……俺たちの早とちりだったんだな……」

「最初からそう言ったじゃない!なのにっ、なのにそれを無理矢理ひん剥いてっ!なんで……なんでこんな辱めを……ぅぁぁぁ……」

「いやだって、パッドのおかげで助かったなんて、想像だにしてなくて」

「ビキッ!」

「俺もそう思った。でもまあ、それで怪我をせずにすんだんだから感謝すべきなのかもれいないな」

「──ブチンッ」

 

あっ、今嫌な音がした気がする

 

「言うに事欠いて……パッドのおかげで助かった……?胸が偽物で良かった……?バカにして……バカにして……ぐぬぅ〜〜〜……ッッ」

「ちょ待てよ!そこまで言ってないぞ!?」

「だれが乳部・タイラーだ!ぶっ殺してやるぅっ!!」

「暁ぅ!」

「俺じゃねぇ!」

 

というか今までの雰囲気違くね!?

これが素の状態!?今まで猫かぶってたんだ!

女の子怖ぇ!

 

「こっちから叫び声が!」

「大丈夫ですか、三司さん!」

「まだ侵入者がいたのか!」

 

やべ!向こうの件も片付いてこっち来たのか!

 

「大体!どうして!?こんな時間に外で何をしてるの?それにさっき、透明になってたのは?」

「それは……」

「えっと……」

「アナタたちは一体何者なの?」

「俺は、その……」

「三司さん!どこです!」

 

声が近づいてる!まずい!

 

「俺は……」

「俺は、君を護るためにここに来たんだ!」

「はぁっ!?」

「空!?」

 

俺はとってもカッコイイことを口走ってました

自画自賛ですけど




とうとう秘密を暴きました!
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