『本当、とんでもない事を口にしてくれたもんだよ。何言ってくれちゃってんのよ、お前』
「何ってカッコいい決め台詞?あの時はちょっと自分でもイケてるって思っちゃったね」
『はぁ……呆れすぎて何も言えん。頭の中を整理したい。悪いがもう一度報告を頼む』
容疑者の2人については暁が先に報告してるからな
俺は昨日の出来事をわかりやすく、簡単に説明した
『その際、顔を見られたんだな?その上ステルス機能と暁まで』
「いやー面目無い。そこは悪いと思ってる」
『……はぁぁ……』
「でも見過ごすことはできないさ。父さんもわかってるだろ?」
『確かにお前は人を助ける方を優先する。そういうヤツだ。それは親としては、人を助けられる人間で嬉しく思ってはいるが……任務の観点から見れば落第だわな』
「へーい」
『嘆いたところでやっちゃったもんは仕方ない。で?彼女にどこまで打ち明けたんだ?まさか、バカ正直に“特班”の事をベラベラ喋ったわけじゃなかろうな?』
「そこは大丈夫。俺は『君を護る!』ってことぐらいしか言ってねーし、暁はなんか俺にツッコミを入れてることと内緒にしてほしいことぐらいだったしな」
昨日の夜のことを鮮明に思い出すがそれしか思いつかない
いやぁ、我ながら漫画の主人公っぽい台詞言えてなんか満足してるなぁ
『暁が言わなきゃアウトだったけど、今のところは、彼女は秘密を守ってくれているということだな?』
「ああ。今のところはね」
『ステルスを解除した時、カメラは?』
「カメラの死角だったんだ。というか彼女を襲った場所自体カメラの死角だったんだよ」
『突発的ではなく、計画的な犯行だな。そっちも気になるが、今はお前たちの話だ。ともかく、最悪の事態は避けられてるんだな?』
「俺も暁も先生からの呼び出しはないよ」
暁も七海も部屋にいると思うが、今んところ何もないからな
俺もこの通り連絡してるわけだし
『では、三司あやせの信用をこのまま勝ち取ることができれば、被害は最小限にとどまるワケだ。とりあえず、自分で蒔いた種は自分で刈り取れ」
「というと?」
『キミを護る!って格好良く言ったんだろ?その責任は取るしかないだろう』
「やっぱ父さんもカッコいいって思う!?さすがわかってるわ〜」
『ちなみにおだてても減給は確定な。それにまだ偽札の件も片付いてないだろ』
「チッ……ダメだったか……」
『その上で在原空、それに在原暁には任務を与える。三司あやせを護れ』
「りょーかい。願ってもない任務だ」
俺でも誰かを助けることができる
それが例え任務だとしても実感できるんだからな
『こちらでも出来る限りサポートはしてやる』
「サンキュ、助かるよ」
『とにかくお前たちは三司あやせと話を済ませろ。いいな?』
「りょーかい」
『偽札の件はこちらの連絡を待て。お仕置きについては裏付けを取ってからだ。以上、通信終了……の前に、もう一つ確認する』
「ん?まだなんかあるの?」
『空、お前のことだ。三司あやせを護るためにリライト能力を使っただろ?』
あー、そういや書き換えてたんだっけ
「確かに一段階ほど身体能力を書き換えたよ」
『身体とかは大丈夫なのか?』
「これといってはね。でもコントロールがまだかな」
『そうか、それなら良かった。あまり使うなと言いたいが、今回は自分で納得いく使い方をしたんだろう?』
「もちろん。それで三司さんを助けられたからね」
『その返事が聞けたなら問題なさそうだな。ではこれで通信終了』
やっぱり確認するぐらい心配させちまったのか
リライト能力には命を削るほかにもう一つ代償に近いものがある
それは元に戻せないことだ
だから書き換えた後コントロールできないと昨日の俺のように万全ではなくなってしまう
簡単に言えば、今の俺は本気で走れば、身体能力を強化した暁と同スピードくらいで走れたりできる
身体強化を持ってないのにそんなに速かったりしたら明らかに怪しまれる
最初なんてかなり苦労したもんさ
さて、朝食でも食べに行きますか
それにしても三司さんになんて説明すっかな
そこは暁と話してみるか
「おはようございます、空君」
「やぁ三司さん。おはよう」
「暁君はいないのですか?」
「先に食堂に行ってないならもうじきくると思うけど」
と、暁のことを話してたらちょうど降りてきた
ナイスタイミング!
「おはようございます、暁君」
「おはようさん」
「おはよう、三司さん、空」
「よかった、お2人ともちゃんと朝食に出てきてくれて。もしかしたら、突然また転校しちゃうんじゃないかって心配だったんです」
「おかげさまでその予定はないよ。今のところは」
そう言いつつ、暁の視線がおっぱいを見ているのがわかる
それに今の俺なら前よりおっぱいセンサーを感じ取ることができる
正体さえわかればジャミングとかってなくなるんだな。これで偽乳かどうか判断できるようになっちまったぜ!
「何ですか?」
「何でもない」
「それよりも、もしかして俺たちのこと待っててくれたの?」
「はい。あとで少し時間をもらえませんか?」
「念のため理由を聞いても?」
「ふふふ、言わせたいんですか?わかってるくせに」
これが別の意味だったら嬉しいんだけど、本当の意味知ってるからなんか怖いんだよなぁ
「一応、確認しただけだよ。もちろん応じさせてもらう。だから話をするまでは」
「大丈夫。わかってますよ、それくらい。私よりお2人こそ……わかってますよね?」
「あ、ああ……わかってる……よ」
「も、もちろんであります!」
何だ今の!目が殺る目だったよ!
ちょいとビビっちまった!
「だったらいいんです。じゃあ、そうですね……お昼休みに、学生会室に来てもらえますか?」
「昼休みね。りょーかい」
「昼食を食べた後でもいいかな?」
「構いませんよ。今日は取材関係の仕事や打ち合わせもありませんから。どうぞ、お2人のタイミングで」
「ありがとう」
「じゃあ、待ってますからね♪」
そんな可愛く言われても、猫かぶってるんだなぁってわかっちゃってるとねぇ
でも実際可愛いのは反則っしょ
それよりちょうど人がいないし、暁に報告しとくか
「暁。今朝父さんに報告し、新しい任務が言い渡された」
「なんだ?」
「三司さんの護衛とな」
「昨日の襲撃もあったし、お前もあんなこと言ったしな。予想はできてた」
「巻き込んだのは悪いと思ってる。だからこの件は俺1人でも大丈夫だぞ?」
「そういうわけにもいかないさ。俺も手伝う」
「……ありがとな」
「で、どうなの?ちゃんと説得出きそう?」
「わからん」
「話はできるから可能性はある!……はず」
「なんでそこで弱気になるの?」
「お兄ちゃんたち殺されるかもしれないから……」
あの目は殺る目をしてた……
「殺され──って……2人とも、何したの?」
「……それは」
「ちょっと……なあ……」
実は三司さんはパッドでした!盛っていたんです!
なんて七海には言えない。というか世界中の人に言えない
「…………」
「なんだよ、その目は。まだ何も言ってないだろ」
「なんとなく察しはついた。どうせラッキースケベで、なにか変なことしたんでしょ?式部先輩の時みたいに」
「さ、さて?何のこと?」
「空君嘘つくの下手すぎだよ。つまりそういことがあったってことなんだ?」
「ん、まあ、その、なんだ……チラっとな」
「やっぱり」
「とにかく、彼女のことは俺が何とかする。というか俺がこの問題起こしたんだからな」
「それにひとまずこの話はここまでだ」
暁が途中で話を切ったってことは誰かが近づいてきたってことか?
こいつ人の気配わかるからな
俺もわかるけど学院内でそんな気を巡らせて疲れたくないって
「おっはよー!」
「え?あっ、おはようございます、壬生さん」
七海に挨拶した……ってことはクラスメイトかな
少し2人が喋っているところを見ているが……七海はまだ敬語使ってる
それに対して、女の子は元気なまま。それに七海の対応にもなんも言わない
七海が言ってたコミュ力お化けの子かな?
「ところで……チラリ?」
「あっ、暁君と空君はわたしのお兄ちゃんで……」
「在原さんのお兄さん?そっか。だから雰囲気が教室とは違ってたんだ。あっ!自己紹介が遅れてすみません。壬生千咲っていいます!在原さんのクラスメイトです」
「初めまして、七海の兄の在原暁だ。歳は1つ違いで、学年も1つ上だよ」
「俺は在原空。暁の弟で七海の兄だよ。学年は暁と同じなんだ」
「よろしくお願いします、先輩」
「こちらこそ」
「こっちこそよろしくな」
先輩……先輩かぁ!
やべっ、またなんか別の喜びがある!
「それと、妹のこともどうぞよろしくお願いします」
「七海は人見知りだからな。それなのに寂しがり屋でね。だから千咲ちゃんから話しかけてあげて」
こういう子がいてくれないと七海は孤独になっちゃいそうだからなぁ……
お兄ちゃん心配です
「はい!わっかりましたー!」
「2人とも!?そういう余計なことは言わなくていいからぁ!」
「余計なことじゃないだろ。兄として普通に挨拶してるだけだ」
「それが余計なの!昨日から、会う人会う人に恥ずかしいことばっかり言って、もぉ!」
「俺たちがこれぐらい言っておかないとなぁ。七海は自分から踏み込むタイプじゃないだろ?」
「だからそういうところがぁ──」
「ぷぷぷっ!ぷぁはっ、ははは!」
「あっ、うっ、……くぅぅぅ……2人のせいで笑われちゃったじゃない……バカ……」
「ゴメンって。バカにしてるわけじゃないよ?教室と違って凄く楽しそうだった」
「〜〜〜っ、わたし先に行くっ」
「あっ!待って待って!それじゃあ先輩、失礼します」
「悪いけど、妹をよろしく」
「仲良くしてあげてね」
「はいっ!」
明るい笑顔で返事してくれる
とってもいい子だな
「俺たちが心配しなくても、七海は大丈夫そうだな」
「そうだな。あんな子がいてくれて良かったよ」
昼食を食べ終え、俺と暁は学生会室の前に立っている
「いざ!死地へ赴かん!」
「少しは静かにしろ」
「ふぁ〜い……」
黙ったところで、俺が扉をノックする
「はい」
「在原です。入ってもいいっすか?」
「ちょっと待ってください」
ん、中から話し声が聞こえる
先客ってことか。少し離れて待つとしよう
と離れてちょっとしたら扉が開いた
「理事長!?」
「待たせてすまない。彼女と話があったんだ」
「い、いえ」
「大丈夫っす」
「転入してみた感想はどうだね?」
「ま、まだ2日目ですので。ですが、アストラルに関する授業は興味深いです」
「前の所とは違い、いい経験ができてます」
「そうか、学ぶことを楽しめているなら何よりだ。今後もしっかり学んで欲しい」
「「はい」」
「では」
「「失礼します」」
これだけってことは別にバレてるわけじゃないってことだし話もしてないってことか
平静を保っておいて良かった
さて、中に入る前にもっかいノックしてっと
「どうぞ」
「「失礼します」」
「約束通り来てくれたんですね、よかった」
「俺たちにとっても重要なことだから」
「扉は閉めて下さい。ああ、鍵も忘れないで下さいね」
俺の後ろにいる暁が言われたとおりにする
今回は俺が招いたことだから俺が前にいるのだ
「理事長との話、邪魔しちゃったかい?」
「そんなことはありません。大切な話をしていたわけでもありませんしね」
「そうか。なら、いいんだが」
「はい。ということで、早速ですが本題に入りましょうか」
と、ニッコリ笑った次の瞬間、そこ雰囲気が一変した
「取り繕うのはここまででいいわよね。どうせ、もう気付いてるんでしょう?」
「「…………」」
昨日の反応と、『ぶっ殺してやるぅっ!』って発言からもう猫かぶってるんだなってのはわかってたんだけど……
切り替え方が半端ねぇ!さっきまでの優しい雰囲気ちゃうぞ!
おい誰だ!『女神や天使のようだ』なんてふざけたこと言ってたヤツは!
「ゴメン。さっきまで話してて時間がなかったから、食べながらでもいい?」
「あっ、うん」
「ありがとう。ん……甘くて美味しい……」
気怠そうにマフィンを齧るその姿は、さっきまでの姿の雰囲気を欠片すら感じられない
七海もこんなんなの?お兄ちゃんたちの前と他の人の前だと違うの!?
「さて、内容が内容だから、最初から腹を割って話をしましょう。2人も楽にして」
「わかった」
「おう」
「──で?」
「でって?」
「昨日のことに決まってるじゃない」
「……ああ、昨日のパッドのことなら──」
「ぶっころすっ。誰がそんなことを訊いたかっ!昨日のことを説明してって言ってるの!」
「ああ……俺たちの話の方ね」
だって昨日なんて言ったらねえ……
ありゃ衝撃的でしたよ
「…………。ワザとやってるんじゃないでしょうね。言っとくけど、これ以上バカにするのなら許さない。ましてやムネ・タイラとか無乳会長タイラーとか乳部・タイラーとか、もう一度言ったら……潰す」
「えっ?暁そんなこと言ったのか?酷っ」
「だから言ってねぇ!それに考えたことすらないんだが!?」
「……ならいいんだけど」
「ていうか、潰すって何を?」
「は?そんなの決まってるじゃない。もちろん──…………〜〜〜ッッ」
ほう、素の姿でもこういう部分は可愛らしいな
ちゃんとした女の子ってか、なんか安心
「細かいことはどうでもいいでしょ!とにかく、変なあだ名を付けたら絶対に後悔させてやる。はむっ」
照れ隠しだな。マフィンにかぶりつき始めた
可愛らしいところ見れて少し来てよかったな
「だから俺はあだ名なんて付けない。バカにするつもりはない」
「俺も同じだよ。全く、世の中にはアホなやつがいたもんだ」
「いきなりパッドの話を振っておいて、何を言うか」
「いやー、昨日の事って言うから何かフォローしていた方がいいんじゃね?って思ってさー」
「むしろ思い出させないで欲しいんですけど。はぁ……やっぱり、完全に見られたのよね……私の、胸……」
「あー……」
「うん、見ちゃった。あっ、でもシリコンパッドで隠れてたし見たって言えんのか?」
「オ前マジブッ飛バス」
「おい空!」
「えっ!?でもホントだったろ!?」
あれはほとんどパッドで隠れてたはず!
大丈夫だ、自信をもて俺!
「そうじゃない!それでフォローしてるつもり!?本気なの?神経を逆撫でする、余計なことしか言ってないことを自覚して欲しいんですけど」
「ごめんなさい」
暁の方をチラリと見ると
(お前の一言が余計だ)
って言うアイコンタクトが伝わった
仕方ない、フォローは諦めよう
「とにかくパ、パ……パッド……の話はいいから。それよりも。私を護るってどういうこと?」
「それはそのまんまの意味さ。俺は君を護るし、暁もサポートしてくれる。昨日が昨日だから説明はいらないと思うけど」
「そういうことじゃなくて」
「悪いけど、質問に答えられるほどの情報は持ってないんだ。知ってるのは君が襲われるかもしれないってことだけ」
「どうして私が襲われるの?」
「俺たちそういう立場にないから知らないんだ。でも俺たちは君の味方。これだけは本当さ」
そっから質問され続けたけど……答えられないからな
こればっかりはもう仕方がないんだ
だって特班のこと知られるわけにはいかんしな
「これじゃなんの説明にもなってないんですけど」
「申し訳ないけど言えないことばっかだからね」
「……まっ、そんなことだろうとは思ってたけど」
「意外とアッサリしているんだな」
「少し考えれば、それぐらいわかるわよ」
ええー?そうかー?……なんて思っててその考えを聞いたら
この学院は身元の確認は厳しいけど、俺たちは普通に転入できた……ってそんな情報は初耳だー!
まぁいい、次はステルス機能
俺たちの能力では透明化できないから道具を持ってるんじゃないか……これは俺のミスです。はい
特殊な仕事に就いてて、発表されてない技術を使ってる。そんな組織がまともであるはずがない。だから正直に言えないんじゃないかってこと
まさかこんな少しの情報でここまで考えられるなんて、これが優秀である証拠か……
「でも、何のために私を護るの?アナタたちの組織って、もしかして正義の味方?」
「正義の味方か……だったら、いいんだけどな。詳しいことは言えなくて申し訳ないが……少なくとも俺は、能力を人の役に立てたい。そう思っている」
「俺も似たようなもんだな。これだけで信用してくれっていうのは無理があると思うが、昨日三司さんを助けた。そして逃げずにここにいる。この行動だけでも信じて、少しだけでいい、俺たちに猶予をくれないか?」
「……わかった、今はそれでいい」
「そっか、ありがとう」
「別に……。言っとくけど、信頼してるわけじゃないからね。何も言えない相手を信頼できるはずないでしょ。でも命を助けられたのも事実だから。それぐらいはね。それで、襲撃ってまだ続くの?というか、アイツら何者なの?」
「犯人については調査中。他は聞かされてない。ただ俺たちの敵であることは確かなんだ」
「安全についても、まだ保証できない。だから今後は、なるべく1人にはならないで欲しい。昨日の襲撃から考えても人目は避けるはずだ。警備の人間じゃなくてもいい。とにかく誰かと一緒に過ごすようにしてくれ」
「わかった。心がける」
これでなんとかなっかな
それに取材はしばらくは断るそうだし、セキュリティも強化されるそうだし
詳しくはわからないが、また魔物を放って偵察すっか
「あと……俺からも1ついいかな?」
「なに?」
「三司さんの能力について。昨日襲われたとき、どうして能力を使わなかったんだ?三司さんはアストラル使いだろう?」
そういやそうだな
事故現場で能力を使い人助けをしたんだし、それなりの力はあると思うんだが
「何か使えない事情があるなら、先に教えておいて欲しいんだ」
「……まあ、そうよね。同じアストラル使いなら当然の疑問か。使えないわけじゃないわ。説明がわりに、そうね、空君に向けて能力を使ってもいい?それが一番手っ取り早いと思うから」
「それはいいけど……変な憂さ晴らしとかは勘弁してください」
「私を守ってくれる人を相手に、危ない真似はしないわよ。怪我だってさせない。それに何かの影響が残るような能力でもない」
「それならいーよ」
「じゃあ早速。ああ、ちゃんと手加減はするけど……多少は踏ん張ってた方が安全よ?」
「ほえ?……ほー」
突然俺の体に見えない力が襲い掛かった
身体を書き換えてるほぼ超人みたいになってるから俺はなんともないが、これ暁じゃあちっと苦しむかもな
「おおっと?」
力が消えたと思ったら身体が軽くなった
これは天井に引き寄せられてんのかな?宙に浮き始めるし
「──イデッ!?」
天井に軽く叩きつけられたんだけど
「やっぱり憂さ晴らししようとしたでしょー」
「違うわよ。ごめんなさい、ちょっと加減を間違えちゃっただけ。もしかして、そんなに痛かった?」
「軽くだったけど、油断というか不意打ちだったから」
診断では、引力と斥力の操作らしい
確かにこの能力なら事故現場でも活躍するな
着地し再び話を聞くが、この力の指定は空間らしい
だから相手が近距離にいると自爆するし、力の調整が必要だから結構神経使うとか
それじゃ昨日みたいな襲撃に対応するのは無理か
これは珍しいことじゃなく、出力を調整するとき、集中力が必要になる
慣れてくればその調整を感覚で行えるし、暁なんかがそうだ
ちなみに俺はそんな調整なんか必要ないし、魔物を作るときなんか動物を少しイメージすればだいたいできちゃうんだ
リストブレードなんかは元から金属を斬れるほどだが、血液の量を変えればナマクラにもできる
そして!俺はなんと!三司さんの連絡先を手に入れた!
必要事項だからね!仕方ないね!
「っと、そうだアレをやっとかないとな」
「そうだな。お前の能力そこら辺しっかりしてないと危ないし」
「アレって?」
「俺の能力で守るべき対象か判断することだな。とりあえず手を出して」
「これでいい?」
オーロラを出し、三司さんの手首に絡めつくようにし、リストバンド状にする
そしてのそのまま消えていく
ちなみにこのオーロラは右腕からしか出せないんだ
利き腕だからかな?
「今のは一体何?私に何したの?」
「あのオーロラは俺のアストラル能力。自ら外に放出するときだけオーロラ状に変わるんだ。それで手首に絡めて消えたのは三司さんに浸透させたって言えばいいのかな。これで俺の能力で作った魔物は君を襲うことはないから」
「それじゃ空君は自分でコントロールできてないわけなの?それに魔物って」
「魔物ってのはさっきみたいなオーロラで動物みたいなのを作り出したやつのこと。それで操作するのは一定の範囲にいなきゃならないんだ。それを越えるとそいつに命令した行動をする。だから守れって命令してもその対象以外は攻撃しちゃうからこういう風にしなきゃいけないわけ」
「そうなんだ……とりあえずのことはわかったわ」
「それじゃ今後ともよろしくなっ」
「よろしく」
ため息混じりか……
でも俺と暁のことを受け入れてくれた
なんとか潜入任務は継続できるし、新たな三司さんの護衛っていう任務も頑張らないとな!