ダンジョンにクラフターが来るのは間違っているだろうか? 作:黒豆『リンク』
ギルド受付嬢のエイナさんからヴァレンシュタインさんのことを聞き換金してギルドから出る。
様々な種族で溢れる大通りを縫うように駆けていく。
ドワーフ、ノーム、獣人、ホビット、市民のたたずまいをした人達もいれば物騒な装備で固められた人達もいる。
ヒューマンの田舎で育った僕にとってこの街は全てが新鮮で色鮮やかだ。
すれ違った
メインストリートをでていかにもというような細い裏道を通り、いくども角を曲がる。
背中に届いていたざわめきが途絶えた頃、僕は袋小路にたどり着いた。
人気のない路地裏深くに建っているのは、うらぶれた教会だった。
神様を崇めるために築かれた二階建ての建物は崩れかけているといっていい。
「よっ、と」
確かめる必要はなかったけど、一応首を振ってから人影がいないことを認め、僕は扉のない玄関口をくぐって教会の中に入った。
廃墟と言われても反論できない教会内を僕は慣れた足取りで突っ切り、裁断の先にある小部屋へと身を進める。
薄暗い部屋には書物の収まっていない本棚が連なっており、一番奥には地下へと伸びる階段。
そこまで深さのない階段を下り切った僕は、ぼうっと小窓から光が漏れる、目の前のドアを開け放った。
「神様、帰ってきましたー!! ただいまー!!」
声を張り上げて足を踏み入れると、広がるのは地下室という響きとはかけ離れた生活臭のする小部屋だった。
僕が呼びかけた人は部屋に入ってすぐにある、紫色のソファーの上にさっき会ったクロムと名乗った青年の隣に座って談笑していた。
ん???
「やぁやぁお帰りー「神様!? 何で彼がここにいるんです!?!?」
なんであの人がここにいるんだ!?
僕は思わず神様に駆け寄って問い詰める。
「まぁまぁ落ち着きたまえベル坊君。 俺は今ヘスティア様にこの世界の事を教えてもらってるんだ」
「いやベル坊ってなんですか!? この世界ってどういう事!?処理が追いつかないですよ!!!!」
「ベル君落ち着きなよ、さぁさぁ、君も座ってお水でも飲もう」
僕は神様に言われるががままソファーに座りお水を貰う。
「それで神様、何故クロムさんがここに?」
「ふふん、それはだねっ」
「俺が適当にほっつき歩いてたら勧誘されたのでファミリアに入団した」
「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!?!?!?!?!?!?」
「なんで僕の台詞取っちゃうのさ!!!」
また頭の情報処理が追いつかなくなった。何故?? えっ… 何故??
「と、取り敢えず… よろしくお願いします??」
「おう、よろしく先輩」
「まぁ何はともあれ新しい団員だよ!!!!今日は露店の売上に貢献したということで、大量のジャガ丸くんを頂戴したんだ!夕飯は歓迎パーティーさっ!!」
「神様すごい!!!」
「ジャガ丸くんが何かわからんがご馳走かぁーやったぜー!」
次は何故彼がヘスティアファミリアに入団することになったか。多分適当な理由なんじゃないかと