第1話 双子島学園の新入生
バラバラバラバラバラ
僕はヘリコプターの中から、新たに始まる学校生活に期待を寄せつつ、下一面に広がる真っ青な海を眺めていた。
今日、3月31日は僕たち新入生が島に移動する日だ。というのも僕らが通うことになった双子島学園は、本島からかなり離れた双子島という島の中にあるため、ここに通う生徒は全員、校内にある寮で生活をするという決まりがあるのだ。
また、今日は入学式を明日に控えた僕たち生徒全員に、先生から教室での集合の呼び掛けがされているのである。指定された12時まではまだ時間ある。小春たちは遅れずに到着できるだろうか…?
おっといけない、自己紹介を忘れていた。僕の名前は高穂経介(たかほきょうすけ)、赤茶色の髪の毛をした、どこにでもいる普通の新高校1年生だ。右目が緑、左目が青のオッドアイなことを除けば、だ。そして今言った小春というのは、僕の幼なじみである硯小春(すずりこはる)のことだ。ヘリコプターでの迎えは各生徒に1台ずつであるため、遅れずに搭乗できているのかは分からないのだ。因みに生徒全員と言っても、双子島学園は創設1年目の新設の高校で、第1学年しかいないのに加えて1学年40人の1クラスなため、大した人数ではないのである。
しばらくして、今の状況説明を終えて満足していた僕に、このヘリコプターの操縦士さんがこう伝えてきた。
操縦士「着きましたよ!」
経介「あっ、ホントですか!ありがとうございます!」
そうこうしている間にヘリコプターは無事、目的地であった双子島へと到着したらしい。僕は広々とした港に降り立った後、操縦士さんに軽く礼をして、本島に戻って行くヘリコプターを見送った。
見送りを終えた後、辺りを見渡すと僕以外にも制服を着た人物がちらほらと見受けられた。そこに僕の知っている人の姿は無かったが、僕の頬を撫でる心地よい潮風と見知らぬ生徒の姿が、新たな学園生活の幕開けを告げているようで、僕はとても楽しい気分になった。僕はあらかじめ送られてきていた島の見取り図を見ながら、学校に向けてせっせと歩き始めた。
それからしばらくの間歩き続け、銭湯や図書館を過ぎた辺りでようやく目的地である学校の校舎が見えてきた。僕は嬉しくなって校舎にある教室まで小走りをした。1階にある教室の前に着いても、気持ちのせいか不思議と疲れはなかった。このドアを開いた瞬間、僕の学校生活は始まるんだ。どんなことが起きるのかな?どんな出会いがあるのかな?僕は胸の高鳴りを感じるままに、教室のドアを勢いよく引いた。
ガラララッ
明「お、また一人来たな、こんにちは!」
彩「こんにちは!」
経介「あ、こんにちは!」
教室に入ると先生と思われる2人が僕に挨拶をしてきた。2人ともとても若々しい。
「よっ!」
経介「うわっ!!」
突然、1人の生徒が経介に話しかけてきた。
小春「久しぶり!」
経介「なーんだ、小春かぁ…久しぶり!」
小春「びっくりした?」
経介「うん、まぁ、かなり…」
小春「してやったり~♪」
経介「やー、やられたね。まぁでも、無事に到着できたみたいで安心したよ。小春は時間にルーズだからね」
小春「ややや、流石にこれは……ね(笑)」
ガラララッ
再び教室のドアが開いて、1人の生徒が入ってきた
明「また来た、こんにちは!」
彩「こんにちは~!」
桜「あっ、こんにちは!」
経介「あ!」
小春「あ!」
新しく入ってきたその人物に、2人は見覚えがあった。
経介「桜~!」
小春「桜ちゃん!」
桜「あ!きょーちゃん!小春ちゃん!久しぶり~!元気にしてた?」
彼女の名前は淀屋桜(よどやさくら)、薄い青色のロングヘアで左側に青色のリボンを付けている。彼女も小春と同じように僕の幼なじみである。また、その小春は対照的に薄い緑色の少し長めのボブで右側に緑色のリボンを付けている。
小春「元気してたよ~!桜ちゃんも元気そうだね!」
桜「うんうん、元気だよ!」
経介「今日から高校生だからね、こんな日に元気じゃなきゃ勿体ないよね!」
小春「ね!」
桜「だね!」
小春「それにしてももう高校生か~、時の流れって早いねぇ」
経介「わかる。ついこの間まで2人ともこんなに小さかったのに…」
桜「きょーちゃんだってそうじゃん!それにきょーちゃん昔はさぁ~」
そんなこんなで話は盛り上がり、僕はしばらくの間2人と談笑を続けた。
キーンコーンカーンコーン
突然、教室にチャイムが鳴り響いた。
彩「あ、もう12時ですね」
明「早いもんだな……よし、みんな席に着け!」
経介「じゃ、また後で!」
小春&桜「うん!」
ガタガタガタッ
先生の合図で3人を含む生徒全員はそれぞれに用意された席に座った。
彩「みんなちゃんと揃ってますね!」
明「よし、じゃあみんな改めてこんにちは!」
「こんにちは~」
明「まずは長時間の移動お疲れ様!そして双子島学園へようこそ!オレは担任の延山明(のべやまあきら)、誕生日は3月9日、血液型はA型、好きな食べ物はパフェ、嫌いな食べ物はゴーヤだ、よろしく!!」
彩「えーっと、副担任の後藤彩(ごとうあや)です!誕生日は2月21日、血液型はA型で、好きな食べ物はケーキ、嫌いなものは虫全般です!よろしくね!」
経介(流れるような自己紹介だな…(笑))
明「さて、今日みんなにここに集まってもらったのは他でもない!早速だが今日はみんなに自己紹介をしてもらうぞ!」
「ええ~!?」
彩「入学式は明日だからね~、特にすることもないし。島に移動するだけじゃ面白くないでしょ?」
明「そうと決まればやるぞ~!相沢から順番に前に来てやってってくれ!名前と誕生日と血液型は必須で、あと1つはみんなに任せる!」
凉太「うっ、オレからか…、まぁ出席番号1番の宿命だよな…」
そう言うと1人目の生徒が前に立ち、僕らの個性的な自己紹介が始まった。(ここからは席と教卓間の移動シーンは省きます)
凉太「えー、相沢凉太(あいざわりょうた)って言います。誕生日は7月6日、血液型はO型、生まれ変わったら猫になって芝生の上でゴロゴロしたいです。よろしくお願いしま~す」
経介(かわいいな…)
泰斗「飯野泰斗(いいのたいと)って言います!誕生日は3月25日、血液型はA型、趣味はサイクリングです。よろしくお願いします!」
友輝「岡成友輝(おかなりともき)って言いまーす。誕生日は9月1日、血液型はO型、親子丼が好きです。すっごいバカです。よろしくお願いします~」
太一「釧路太一(くしろたいち)って言います!誕生日は8月26日、血液型はB型、ロックとか楽しい雰囲気が好きです。よろしくお願いします!」
友輝「ピアスしてんじゃん、不良かよ~」
太一「お洒落だよ!不良じゃないんで勘違いしないで下さい!!」
冷音「木陰冷音(こかげれおん)だ。誕生日は7月23日、血液型はO型、猫が好きだ。」
凉太「お、猫いいね!」
冷音「あ?」
友輝(不良こっちだ…)
舞人「小牧舞人(こまきまいと)って言います!誕生日は5月18日、血液型はB型、自然と戯れるのが好きです。よろしくお願いします!」
航「朱谷航(しゅたにこう)です。誕生日は10月19日、血液型はB型です」
友輝「なんでマフラーなんかしてんだ?」
航「や、なんか落ち着くから1年中やってる」
経介(1年中?!)
航「嫌いな食べ物はカレーうどんです。よろしく」
経介(絶対飛び散るからだ…)
晴「澄川晴(すみかわはる)です。星を眺めるのが好きです。よろしくお願いします」
友輝「誕生日…」
晴「あ、誕生日は7月9日です。よろしくお願いします」
舞人「血液型も忘れてるぞ~」
晴「あ、血液型はAB型です。よろしくお願いします」
太一(天然なのね…)
碧「添田碧(そえだあおい)って言いま~す!誕生日は4月29日で血液型はA型です!甘いものが好きなんで、たくさん恵んで下さい!よろしくお願いしま~す!」
泰斗(明るい奴だな~)
経介「えっと、高穂経介(たかほきょうすけ)です!誕生日は1月5日、血液型はA型です。白いご飯が好きです。よろしくお願いします!」
恵「玉川恵(たまがわけい)です。誕生日は2月28日で血液型はA型です。好きな季節は秋で、人をからかうのが好きです。よろしく!」
有悟「担城有悟(になしろゆうご)って言います!誕生日は6月17日!血液型はA型です!家は内科です!好きな内臓は肝臓です!何卒よろしくお願いします!!」
碧「好きな内臓ってなんだよ~(笑)」
有悟「内科っぽくていいだろう!!」
恒也「日野恒也(ひのこうや)って言います!」
小春「あれ、日野恒也ってもしかして」
碧「うお、日野本物じゃん、すげー!!」
恒也「役者やってました!誕生日は5月4日、血液型はA型です!恋愛小説が好きです!今芸能界から退いてるんで、ずっと憧れてた学園生活を送るのがとても楽しみです!壁とか感じずにどんどん話しかけて下さい!よろしくお願いします!!」
経介(凄い人もいるなぁ…)
蓮「えー、宿井蓮(やどいれん)って言います!誕生日は11月10日で血液型はB型です!日野の後で印象薄いと思いますけどスポーツ大好きなんで誰かと語り合いたいです!でも水泳は苦手です!よろしくお願いします!」
晴(僕も水泳苦手だなぁ~)
明「よーし、男子全員終わったな!みんないい自己紹介だったぞ!この調子で次!女子行こー!!」
怜菜「朝香怜菜(あさかれいな)です。誕生日は2月13日で血液型はB型です。豚まんが好きです。人付き合いが下手です。よろしくお願いします」
碧「豚まん美味しいよな~!」
怜菜「あ…、はい」
友輝(ホントに人付き合い下手そ…)
響香「泡瀬響香(あわせきょうか)って言います。誕生日は3月2日で血液型はA型。ピアノ演奏聴くのが好きです。よろしくお願いします」
太一「ピアノもいいよな~」
唯「沖鳥唯(おきどりゆい)って言います!誕生日は9月29日で血液型はAB型、大福餅が好きです!よろしくお願いします!」
碧「明るくていいな~!」
唯「ありがとう!」
ニコッ
友輝(かわええ……)
暦「おっ、おけ、おけおけおけ桶がっ、桶川こっ、暦…です…」
舞人「落ち着け落ち着け(笑)」
暦「おっ、桶川暦(おけがわこよみ)…です…。誕生日はじゅっ、12月28日で、血液型はびびっB型…です…すいません…。」
泰斗「謝んなくてもいいだろ~(笑)」
暦「えと…、マッキーの匂いが好きです…」
碧「マッキーて!」
恵(面白そ♪)
暦「よっ、よろしくお願いします…」
縁「檻鶴縁(おりづるゆかり)です!誕生日は6月16日で血液型はA型です!」
友輝(しっかりしてそうな人だな~、上品な感じだ)
縁「意外って言われるんですけど、特技は金魚すくいです!よろしくお願いします!」
友輝「意外!!!」
銘「んしょっ…と」
経介(あ、この人車椅子だ…)
銘「えー、加古川銘(かこがわめい)って言います!誕生日は4月30日で血液型はA型です!私は生まれながらに歩けないし心臓も弱いですが、勉強とゲームなら誰にも負けない自信があります!よろしくお願いします!」
凉太「お、今度オレと勝負しようぜ~!」
銘「分かりました!」
怜菜(人付き合い上手そうでいいな…)
理央「えーっと、枷田理央(かせだりお)って言います!誕生日は5月7日で血液型はO型です!水泳めっちゃ得意なんで、蓮君に教えてあげたいです!よろしくお願いします!」
蓮「まじか!お願いしちゃおうかな…(笑)」
柚季「神薙柚季(かんなぎゆずき)です!誕生日は11月19日で、血液型は見ての通りA型です!兄の影響で花がとても好きです!よろしくお願いします!」
舞人「花もいいよな~!」
柚季「いいですよ!」
穂乃香「木陰穂乃香(こかげほのか)って言います!」
碧「あれ、木陰ってまさか…?」
冷音「……」
穂乃香「あ、お察しの通りそこに座っているお兄ちゃんと双子の兄妹です!誕生日は7月23日、血液型はO型です!好きなものは苺とお兄ちゃんです!」
碧「まじか!!」
冷音「……」
碧「……おい、ニヤけてるぞ」
冷音「……う、うるせぇ!!」
碧「ツンデレだ~(笑笑)」
穂乃香「よろしくお願いしま~す!」
白夜「木暮白夜(こぐれさよ)って言います!誕生日は12月14日で、血液型はA型です!趣味は読書です!よろしくお願いします!」
碧「小さいね~!身長いくつ?」
白夜「150.0です!」
碧「おぉ~!なんかおめでとう…?」
白夜「ありがとうございます…?」
初「あー、小越初(こごえうい)です」
碧「あれ、白夜ちゃんより小さくない?!」
初「うるせー!」
友輝「子供みたいだな~、身長いくつよ」
初「は、子供じゃねぇし!身長は…147.2」
経介(言っちゃ悪いがかなり小さいな…)
初「誕生日は5月5日で」
友輝「子供じゃん!!!」
初「偶然だよ!ぐーぜん!!」
恵(この子も面白そ…♪)
初「えーっと、血液型はB型で、好きなものはグミです。よろしくお願いします~」
友輝「アメ好き人参嫌いとかじゃねーのか」
初「お前いい加減にしろよ~!!」←アメ好き人参嫌い
青葉「栄青葉(さかえあおは)って言います!誕生日は10月31日で血液型はO型です!歌うのが好きです!よろしくお願いします~!」
響香(聴いてみたい…!)
風里「あ…、鰆居風里(さわらいふうり)です。誕生日は1月23日です。血液型はO型です…、多分。」
穂乃香(ふわふわしてるなぁ…)
泰斗(蝶とか好きそ…)
風里「虫が好きです。よろしくお願いします~」
泰斗(虫だった……(笑))
真琴「四宮真琴(しのみやまこと)です。えー、誕生日は3月6日で血液型はA型。暑いのと寒いのが苦手って感じなんで、よろしくお願いします~」
太一(ピアスしてる…)
縁「……」
瞳「知石瞳(しれいしひとみ)です!誕生日は8月11日で、血液型はA型です!こまめに掃除しないと気が済まない性分です。勉強は苦手です……(笑)よろしくお願いします!」
小春「硯小春(すずりこはる)です!誕生日は11月6日で、血液型はO型です!趣味は映画鑑賞で、苦手なものは勉強とピーマンです(笑)よろしくお願いします!」
経介(小春かわいい…)
初「ピーマン食えねーのか~、子供だな~」
友輝「いや、お前の方が子供だぞ」
初「うっせ~チビ!!」
友輝(なんだろう、全然傷付かない)←157.3cm
秋子「瀬戸秋子(せとあきこ)って言います!誕生日は9月18日で、血液型はA型です!走るのがめっちゃ好きです!勉強は苦手ですが、そこのバカよりは賢い自信あります!よろしくお願いします!」
友輝「秋子にだけは負けんぞ!!」
秋子「次のテストで勝負な!!」
茜「常磐茜(ときわあかね)です!誕生日は10月10日で、血液型はO型です!宝物はパパに貰ったテープ式のビデオカメラです!よろしくお願いします!」
碧「それくわえてるの何?まさか煙草?」
茜「あ、いえ!これはココアシガレットです!ホントはパパと同じく煙草が良かったんですけど、お前はまだ子供だし体に悪いからココアシガレットにしとけって…」
碧「お父さん大好きなんだね~♪」
茜「はい!あ、でもライターはお父さんと一緒です!」
碧「ライターいる?!」
美咲「えと、等野美咲(などのみさき)って言います!誕生日は1月19日で、血液型はA型です!好きな食べ物はお餅です!関西弁が抑えられやんので気にせんとって下さい……(笑)」
友輝(関西弁女子いいね!)
千優「西木千優(にしのきちゆ)です。誕生日は6月24日で、血液型はA型です。ホラー映画と血が苦手です……、よろしくお願いします」
舞人(大人しそうな子だな~)
祥子「姫野祥子(ひめのしょうこ)と申します!誕生日は2月8日で血液型はB型です!好きな飲み物は紅茶です!勉学の方は少し苦手です…。よろしくお願い致します!」
有悟「礼儀正しいな!いいね!!」
雪紀「双葉雪紀(ふたばゆき)です!誕生日は12月14日で血液型はA型です!好きな食べ物はクレープです!よろしくお願いします!」
碧「その赤いベレー帽かわいいね!似合ってるよ!」
雪紀「ホントですか!嬉しいです!」
和奏「百園和奏(ももぞのわかな)です!誕生日は8月1日で血液型はO型です!趣味は漫画喫茶に通うことです!クラシックも好きです!よろしくお願いします!」
響香(クラシックいいよね~)
太一(クラシックもいいんだよな~)
桜「淀屋桜(よどやさくら)です!誕生日は11月17日で、血液型はA型です!好きな食べ物はメロンパンで、苦手なものは蟻と雷です(笑)よろしくお願いします!」
美咲(メロンパンもええよね……!)
菜華「凜堂菜華(りんどうなばな)です。誕生日は2月12日で、血液型はAB型です。好きな飲み物はコーヒーです。極度の機械音痴です。よろしくお願いします!」
碧「え~、意外!眼鏡してるし機械も得意そうなのに!」
恵(ばななの機械音痴レベルはヤバいからな~(笑))
梢「厘伶梢(りんりょうこずえ)って言います。誕生日は3月24日で、血液型はAB型です。趣味はバードウォッチングです。よろしくお願いします!」
友輝「髪の毛で目見えねーけどちゃんと前見えてる?」
梢「見えてます!視力も両目2.0なんで前どころか遠くまでバッチリ見えます~」
美咲(ジャングルかどっかで育ったんかな……)
明「ハハハッ、みんな面白い自己紹介だったなぁ!」
彩「個性的でとっても良かったですね~!」
明「よしよし、みんなお疲れ様だ!これでお互いのことをよーく知れただろう!今日はもうこれで終わりだが、最後に連絡が一つある!明日の8:30から入学式と大事なお知らせがあるから、10分前までに体育館に入っておくこと!分かったな!」
秋子「大事なお知らせって~?」
明「それは明日になってからのお楽しみだ!だから今日はもう自由にしていいぞ!」
彩「寮棟の部屋の中に校内見取り図とその部屋の鍵が置いてあるので、まずは自分の部屋に行ってみたらどうですか?部屋の扉に名前が書いてありますから、きちんと自分の名前が書かれた部屋に入ってくださいね~!あ、男子が1階で女子が2階ですよ!」
明「部屋の鍵は無くしてもスペアがあるから無くした奴はオレのとこに来いよ!まぁ、無くしたら鍵に部屋の番号が振ってあるから見つけた奴に自由に出入りされちまうけどな~(笑)」
彩「要するに無くさない方がいいってことです!」
明「ってことで!今日はここで…」
明が解散を呼び掛けようとした、そのときだった。
理央「わー!待って待って!まだ解散しないで~!」
明「なんだ、どうした?枷田」
理央「折角だし、クラス写真撮ろうよ!入学前の初々しい感じのさ!」
碧「おぉ~!それは名案だな~!」
秋子「いいねいいね!!」
明「なるほどな!そこまで考えられてなかったぜ…、オレもまだまだだな!でもいい案じゃないか!そうと決まれば早速、みんなで撮るぞ~!!」
真琴「うぇ~、まじかよ」
理央「はい!先生。これ私のスマホ!」
明「え!オレが撮るの?!」
理央「うん!」
明「ちぇ~っ、でもまぁいいか。よーし、みんな黒板の前に集まれ~!」
彩「はいみんな集まって~!」
明「ん、なんだこれ、電源どーやってつけるんだ?」
理央「先生もスマホでしょ!しっかりして!」
明「おぉ、ついたついた、じゃあ行くぞ~!」
理央「みんなピースして!!」
恒也「学生って感じでいいね!!」
明「行くぞ!!ハイ、チーズ!!」
パシャッ
先生の合図と共にカメラのシャッターが切られた
この島のことを何も知らない純粋な笑顔の映える、素敵な写真だった。そして僕ら全員が写った最初で最後の写真だった。
明「明日は8:30までに体育館集合だからな!それじゃあ今度こそ、かいさーん!!」
僕は解散の合図を受けて、寮棟にある自分の部屋へと向かった。僕の部屋は中央階段の隣の部屋だった。
僕は自分の部屋に着くと、長時間移動の疲れが今更やってきたのか、少しベッドで横になったつもりが、すぐに眠りに落ちてしまった。
こうして、僕の楽しい楽しい学園生活が幕を開けた
かの様に見えた。
僕は、みんなはこの時、何も知らなかったんだ。先生の言う大事なお知らせとは何かを。この双子島学園が、どのような目的で作られたものなのかを……。
まずはここまでのご精読ありがとうございました!いよいよ次回から、ゲームがスタートしそうですね!できるだけ早く次話も投稿したいと考えていますが、また期間が開いてしまう可能性もあるので、気長に待って下さると嬉しいです……(笑)