双子島の影人形   作:小匣めもり

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皆さんこんにちは、めもりです。最近投稿ペースが落ちつつありますが許して下さい(..)ゲームが始まり、順番を間違えてはならないと、書くのも見ての通り慎重になってきましたが、楽しい小説をお届けできるよう、今回も頑張りました!それでは第6話「思いと考え」スタートです!


第6話 思いと考え

凉太「黒はお前だ……姫野!」

 

 

祥子「……!!」

 

 

 

占い師を名乗る凉太が言ったのは、祥子の名前だった。

 

 

 

蓮「……っまじかよ!!」

 

 

真琴「黒ってことはこいつ影人形なの?ヤバっ、超怖いんだけど」

 

 

祥子「違います!!…私は………」

 

 

友輝「まじかぁ~、姫野良い奴だと思ってたんだけどな~」

 

 

碧「待てよ、まだ祥子ちゃんが影人形だと決まった訳じゃないだろ?それに言いたいことだってあるだろうし、ひとまずは彼女の話を聞こうよ」

 

 

恵「そうだね~。でも僕は話を聞く前に、祥子ちゃんの役職が知りたいなぁ」

 

 

祥子「私は……ただの人間です!影人形なんかじゃありません!だからこれ以上、自身の潔白を証明することはできないけど、どうかお願いします……。私を、殺さないで下さい……!!」

 

 

恵「……ふーん、人間ねぇ……」

 

 

祥子「…っ本当です!!」

 

 

凉太「……人間なんだったら、今朝高穂の占い先の話が出た時に見せた、あの不安そうな表情はなんだったんだよ」

 

 

祥子「あれは……下手に占われて、黒と出るのが怖かったんです。白だって言われたとしても、皆さん視点確定で白になる訳ではないですから、それなら変に占われて目を付けられる方が嫌だって思ってたんです!皆さんだって、その結果勘違いをされたら困るでしょう?ましてや命が懸かってるかも知れないこの状況下でですよ!?」

 

 

凉太「……どうだかね。確かにまだ姫野が確定で黒だと言い切ることはできないけど、オレには苦し紛れの言い訳をしてるようにしか見えねぇな」

 

 

祥子「そんな……」

 

 

 

そう言う祥子の表情は、より一層不安さを増しているように見えた。

 

 

 

千優「姫野さん……」

 

 

 

祥子を心配する人も、彼女にどう声をかけて良いのか分からず困っている中、一人の生徒が口を開いた。

 

 

 

美咲「……なぁ、なんで皆は祥子ちゃんを信用しようとせんの?」

 

 

祥子「……!」

 

 

真琴「あ。なになに、ひょっとして影人形のお仲間さん?」

 

 

凉太「……信用するも何も、この表情と反応に黒判定だぜ?疑わねぇ方がおかしいだろ」

 

 

美咲「……誰だって不安な気持ちになるよ。もし自分が占われて、黒だって言われたら嫌やもん。皆自分の命は大切でしょ?だったらその大切な命を必死で守ろうとする祥子ちゃんの気持ちも分かるでしょ?だからたった一回だけ、不安そうにしてたからって理由で責めるのは止めやん?黒って出た事実は変わらないし、皆が自分の命を守るために黒出しされた祥子ちゃんを攻撃してるのは分かるよ。でもそれが勘違いだったら、取り返しのつかないことになっちゃう。このことを一生後悔することになっちゃう。だから黒だって割り切るんじゃなくて、白黒両方の可能性を考えて接してあげるのが、うちは一番良いと思うんよ……」

 

 

祥子「等野さん……」

 

 

 

祥子はそんな美咲の言葉に、今にも泣き出してしまいそうであった。

 

 

 

祥子「ありがとうございます。等野さん……!」

 

 

美咲「ううん、感謝されることなんて何も無いよ。うちはただ、思ったことを言っただけやし」

 

 

有悟「まぁでも実際、オレは高穂君に白判定を出されたから今は安心していられるが、判定を聞かされる前は顔には出さずとも不安な気持ちだったし、相沢君に限らず姫野さんや等野さんの言ってることも正しいと思うな」

 

 

穂乃香「私も、有悟くんと同じ意見かな……」

 

 

凉太「……んー、オレも思ったこと言っただけだけど、影人形を見つけたい気持ちが焦ってちょっと言い過ぎたかもな、悪ぃ」

 

 

 

そんな生徒たちの言葉で、さっきまでの少し険悪だったムードが和らいだ気がした。

 

 

 

理央「でもなんかスッキリしないね。結局祥子ちゃんの白黒ははっきりしないままだし、占い師だって誰が本物か分かんないし!」

 

 

初「確かにそうだよなー。折角色んなヒントが出たんだし、何か活かす方法はねーのかー?」

 

 

縁「だったら、次の占いで高穂くんと木陰くんに姫野さんを見てもらったらどうかな……?」

 

 

雪紀「あ、それ良いと思う!それなら祥子ちゃんが白か黒かもほぼ分かるだろうし、誰が占い師なのかを判断する良い基準になりそうだもんね!」

 

 

経介「……なるほど。確かに良いかも!」

 

 

冷音「……オレは賛成だな。嘘つき野郎を炙り出せる良い機会になりそうだし」

 

 

凉太「オレもそれでいいけど、どーせお前らのどっちかが偽物なんだから、その偽物が黒の姫野に加担して白出しするせいで、姫野の白黒はお前ら視点でははっきりしないと思うけどな」

 

 

祥子「……っですから私は……!!」

 

 

凉太「……間違っていたら悪いが、オレは姫野の言い分よりも自分の占いを信じる。姫野に白出しした方が偽物の占い師だと判断するつもりだ」

 

 

祥子「……」

 

 

恵「……とりあえずはその流れで良さそうかな?」

 

 

菜華「じゃあこのまま何も起きなければ、3日後の人形探しはほぼ全員が「行わない」を選択する運びになるな」

 

 

和奏「えーっと……、そうだね!」

 

 

有悟「……よし、話も大方片付いたところだし、そろそろお昼にしないか?食事は大事だからな。昼休みが終わる前にしっかりと食べておかなければ!」

 

 

泰斗「ありゃっ、結構時間経ってんのな……」

 

 

 

教室の時計の針は昼休み終了の20分前を指していた。

 

 

 

秋子「うちもーお腹ペコペコ~」

 

 

太一「オレも結構腹減ったし、食堂行こうぜ。友輝も一緒に!」

 

 

友輝「お~」

 

 

蓮「オレらも飯行こうぜ」

 

 

凉太「そうだな。カレー食いてぇ」

 

 

美咲「祥子ちゃんも食べに行こ?唯ちゃんも!」

 

 

祥子「はい……!」

 

 

唯「……えと……うん、ありがとう!」

 

 

桜「あ、黒板消さなきゃ……」

 

 

千優「桜ちゃん手伝うよ!」

 

 

桜「ホント?いつもありがとね!」

 

 

小春「私も手伝う!」

 

 

桜「ありがと~!」

 

 

有悟「あ、あと次の授業は実験室集合だから忘れるなよ!場所は多目的棟2階の……」

 

 

碧「分かってるって(笑)有悟もさっさと食って遅刻しねぇようにしろよ!」

 

 

有悟「もちろんだ!!」

 

 

暦(眠い……)

 

 

 

そんなこんなで僕らの波乱の昼休みは、瞬く間に過ぎて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕らはその後、4月5日に人形探しを行わない選択をしたこと以外、至って普通の学園生活を送った。

 

 

そしてそれ以降、人形ゲームに目立った動きが見られないまま、僕らは4月9日の火曜日を迎えていた……。

 

 

 

 

 

4月9日(火)

 

 

~教室~

 

 

 

ガララッ

 

 

 

恒也「……あれ、高穂じゃん。どーした?」

 

 

経介「あ、いや、昨日教室に水筒を忘れちゃってね。思い出して取りに来たんだ」

 

 

恒也「なるほどな~」

 

 

真琴「……」

 

 

縁「……」

 

 

 

今日は人形ゲーム開始後初の黒い侵攻の前日ということで、学校は特別に休校となり、教室には僕を含めて4人しかいないせいか、とても静かであった。

 

 

 

経介「……日野くんは、何してるの?」

 

 

恒也「ん?あぁ、オレはいつも持ち歩いてる小説を読んでんのよ。寮より教室の方が日当たりが良くて暖けぇからな」

 

 

 

静かな教室には暖かな日の光が差し込んでいた。今日は雲一つない快晴である。

 

 

 

経介「へぇ、いつも持ち歩いてるってことは、その小説がとても好きなんだね……!」

 

 

恒也「……そうだな。これはオレの一番好きだった小説だよ」

 

 

経介「好き……だった……?それはどんな小説なの?」

 

 

恒也「……これは主人公と2人のヒロインの学園生活を描いた恋愛小説だよ」

 

 

経介(2人の……!)

 

 

経介「……それって、どんな結末なの……?」

 

 

恒也「……さぁな」

 

 

経介「さぁなって……、気になるから教えて欲しいけど……ダメかな?」

 

 

恒也「……教えるも何も、分からねぇんだよな。結末が」

 

 

経介「え……?」

 

 

恒也「この小説は未完でな。作者が自殺したんだ。それ以降、この物語の時計の針は止まったままなんだよ」

 

 

 

恒也は窓の外を眺めながら、落ち着いた声でそう言った。

 

 

 

経介「そうなんだ……、よく知らないでごめんね。……でも珍しいね、出版された小説とかって普通は……」

 

 

 

経介がそう言った時だった。

 

 

 

真琴「……おい、縁」

 

 

 

真琴が突然、縁の名前を呼んだ。

 

 

 

縁「……はい……」

 

 

真琴「喉渇いたから、ジュース買ってきて」

 

 

縁「え……いや、でも……」

 

 

真琴「いーから早く!どーせ暇でしょ?縁中学校からずーっと友達いないんだし」

 

 

縁「……」

 

 

経介(……酷いな。何もそこまで言わなくても……)

 

 

恒也「おい四宮、そこまで言う必要はねぇだろ」

 

 

真琴「……人の話に勝手に首突っ込まないでくれる?それに事実だし」

 

 

恒也「いーや、首突っ込まずにはいられないね。檻鶴どう見ても嫌がってんだろ。やめてやれよ。お前がやってるのは立派ないじめだ」

 

 

縁「……」

 

 

真琴「何?あたしらにとってはこれが普通なの。人を下げてヒーロー気取ってカッコつけですか?ちょーキモいんですけど」

 

 

恒也「……お前……」

 

 

 

怒りがこみ上げ、恒也が席を立とうとしたその時だった。

 

 

 

縁「あの!」

 

 

恒也「……何だ?檻鶴」

 

 

縁「えと……、気にしてくれてありがとうございます。でも、私は大丈夫ですから……」

 

 

恒也「……それ、本当か?」

 

 

縁「……はい」

 

 

恒也「……無理だけはするなよ。オレはいじめを見るのが一番嫌いで許せない。辛かったらいつでも相談に乗るよ」

 

 

経介(日野くん……!)

 

 

縁「あ、ありがとうございます!それでは私は頼まれた物を買って来ますので……」

 

 

 

そう言うと縁は教室を出て行ってしまった。

 

 

 

真琴「……」

 

 

恒也「……」

 

 

経介「……」

 

 

経介(……気まずい!!なんだこの嫌な空気は!いやまぁ確かにこうなるのも仕方ないけどさ!でも2人にこの関係のまま過ごして欲しくないし、何とか仲直りさせたいけど今の僕にはどうすることも……)

 

 

 

僕がそんなことに頭を悩ませていた時だった。

 

 

 

ガララッ

 

 

 

明「ふんふーん♪って、うおっ!お前らこんなとこで何やってんだよ……」

 

 

 

鼻歌を歌いながら明先生が教室に入って来た。

 

 

休校にも関わらず教室に生徒がいたことに驚いたらしい。

 

 

 

経介「僕らはまぁ……色々です。先生こそどうしたんですか?」

 

 

明「色々ねぇ……?オレは枷田から送ってもらったクラス写真を貼りに来たのさ。綺麗に印刷できたぞ~♪」

 

 

経介(写真を……!)

 

 

 

明はそう言うと教室の後ろの壁にクラス写真を貼り始めた。

 

 

 

明「ふんふーん♪」

 

 

経介(先生、上機嫌だなぁ……)

 

 

真琴「……ねぇ先生」

 

 

明「……なんだ?四宮」

 

 

真琴「明日誰か死ぬかも知れないのに、よくそんな呑気に鼻歌なんか歌ってられるね。今日9日だよ、分かってる?それにこのタイミングで教室にクラス写真貼るって、先生一体どんな神経してんの?」

 

 

恒也「……もしかして……!」

 

 

明「そうだな」

 

 

恒也「!」

 

 

明「確かに明日、誰かが居なくなるかも知れない」

 

 

恒也(……なんだよ……)

 

 

真琴「うわ、分かっててやってるとか頭おかしいでしょ」

 

 

明「頭がねぇ。オレはただ、今この瞬間を楽しんでるだけだよ。明日は明日、今日は今日だ。オレはお前らにもいつ死んでも後悔のないよう、毎日を過ごして欲しいと思ってる。だからオレは、その見本にならなきゃいけない」

 

 

真琴「……は?ふざけるのも大概に……!」

 

 

明「ふざけてなんかいない。これが双子島学園教師の、あるべき姿なんだよ」

 

 

 

明は妙に落ち着きのある声でそう言った。

 

 

 

真琴「何だよ……、お前……」

 

 

経介(双子島学園教師の、あるべき姿……)

 

 

恒也「……」

 

 

明「と、まぁそんな訳で、お前らも折角休校にしたんだから、外行って色々楽しんで来いよ!オレは用事があるから職員室に戻る!じゃあな!」

 

 

経介「あ!ちょっと待って下さい、先生!」

 

 

 

ガララッ

 

 

 

明はそう言うと教室を出て行ってしまった。

 

 

 

恒也「……」

 

 

 

ガララッ

 

 

 

経介(日野くん……!)

 

 

 

真琴「……」

 

 

 

ガララッ

 

 

 

経介(四宮さんも……!)

 

 

 

こうして教室は僕一人だけとなった。

 

 

 

経介「……今を楽しむ。か……」

 

 

 

ヴーッヴーッ

 

 

 

経介「わっ!」

 

 

 

突然、一人静かな教室に振動音が鳴り響いた、経介のスマホのバイブレーション機能が作動したのだ。誰かから電話がかかってきたらしい。

 

 

 

ヴーッヴーッ

 

 

 

経介「びっくりしたなぁ、誰だろ……?」

 

 

 

経介がそう言って画面を確認すると、それは小春からの着信であることが分かった。

 

 

 

経介(小春から……!なんだろ……?)

 

 

経介「はい~?」

 

 

小春「あっ、経介!突然ごめんね!」

 

 

経介「うん。別にいいけど、どうしたの?」

 

 

小春「えっとね、今島の南西にある海岸に来てるんだけど、景色がすっごく綺麗なの!」

 

 

経介「南西の海岸?へぇ、そんなに綺麗なの?」

 

 

小春「そう!だから経介にも見て欲しいなって思って電話したの!今隣に桜ちゃんもいるんだけど、すぐ来ることって出来ないかな……?」

 

 

経介(……2人は、今を楽しんで生きてるんだな……)

 

 

 

ふと、経介の頭に先程の先生の言葉が蘇った。

 

 

 

経介(……確かに、今どれだけ悩んだって、それは意味のないことなのかも知れないな)

 

 

小春「経介?」

 

 

経介(……僕はゲームのことなんて忘れて、毎日24時間を楽しんで生きるなんてことは出来ないけど、息抜きをするのは必要なことだよね)

 

 

小春「おーい、経介ー?」

 

 

経介(何より、僕の体がそうしたいってうずうずしてる。やっぱり僕はどんな状況になったって、2人と過ごす時間が本当に好きなんだ。それだけは変わらない)

 

 

 

そう気付いた経介の顔に、自然と笑みがこぼれた。

 

 

 

小春「経介ってばー!!」

 

 

経介「ごめんごめん!ちょっと考え事しててさ」

 

 

小春「考え事~?」

 

 

経介「うん。それで、南西の海岸だったよね?すぐに行くから待ってて!」

 

 

小春「……うん!」

 

 

 

僕は小春の返事を聞く前に、2人の待つ海岸へと走り出した……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガララッ

 

 

 

縁「真琴ちゃん、ジュース買って来たよ……ってあれっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~同日20:00 銭湯~

 

 

 

理央「あ"~、いい湯だ!」

 

 

響香「おっさんみたいな声出さないの……」

 

 

理央「出ちゃうね!これは!」

 

 

柚季「分かるよ!あったかくて落ち着くよね~♪」

 

 

青葉「んー、あったかいけど私長いこと入ってると……」

 

 

瞳「……」

 

 

 

ブクブクブク

 

 

 

青葉「こうなるから」

 

 

理央「瞳大丈夫?!こうなるからじゃなくてね!!」

 

 

響香「もう逆上せたの?まだ10分くらいしか経ってないのに」

 

 

柚季「いや、10分は十分長いよ……」

 

 

青葉「あ、もしかして柚季ちゃんも長居できないタイプ?」

 

 

柚季「……恥ずかしながら(笑)」

 

 

響香「無理しないでいいよ。3人が倒れる前に出よっか」

 

 

柚季「響香ちゃん助かる……」

 

 

瞳「うっ……」

 

 

響香「瞳、起きて!出るよ!」

 

 

青葉「理央ちゃんも出よ?」

 

 

理央「んー、私もうちょっと居てたいかなぁ」

 

 

柚季「いいよいいよ、外で待っとくし!」

 

 

理央「ううん、大丈夫。響香が残ってくれるから!」

 

 

響香「えっ、私?!いや、別にいいけど……。青葉、瞳のこと頼める?」

 

 

青葉「うん、大丈夫だよ!ごゆっくり~」

 

 

響香「ごめんね!」

 

 

柚季「ごゆっくり~!」

 

 

瞳「うぅ~」

 

 

 

そのまま響香と理央の2人は、浴場から3人が出て行くのを見送った。

 

 

 

理央「あの子ら大丈夫かな?フラフラだったけど……」

 

 

響香「心配だったからついて行こうと思ったのに!」

 

 

理央「ごめんごめん(笑)でも私、響香と2人きりになりたくてさ」

 

 

響香「えっ、何?」

 

 

理央「大したことじゃないんだけど、ちょっとお話が……ね」

 

 

響香「……?」

 

 

 

 

 

 

 

~同日22:00 寮棟2階~

 

 

 

美咲「おやすみ!祥子ちゃん」

 

 

唯「おやすみ!」

 

 

祥子「おやすみなさい!」

 

 

 

バタン

 

 

 

美咲「さて、うちらも部屋に戻ろっか!」

 

 

唯「そう……だね!」

 

 

 

唯は今日もニコニコしている。

 

 

 

美咲「……今日は色々ありがとね!ご飯とかショッピングとか展望台までついて来てくれて」

 

 

唯「ううん、大丈夫!」

 

 

美咲「最近色んなとこ連れ回しちゃってるから、迷惑じゃないかなぁと……」

 

 

唯「全然!迷惑じゃないよ!」

 

 

美咲「ホント?なら嬉しいんやけど……」

 

 

唯「ホントだよ!今日の展望台とかも楽しかったよ!晴くんの星についての熱い語りにはびっくりしたけど……」

 

 

美咲「あの子は晴れてる日の夜はいつもあそこに居て、いつも楽しそうに星のこと語ってくれるんよ!」

 

 

唯「へぇ!意外だね!」

 

 

美咲「うちも最初はびっくりした!また行こな!」

 

 

唯「うん!」

 

 

美咲「それじゃ、おやすみ!」

 

 

唯「おやすみ!」

 

 

 

バタン

 

 

 

唯「……はぁ……」

 

 

 

部屋に入ると、唯のいつもの笑顔は嘘の様に消えた。

 

 

 

唯「……ただいま、私」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~4月10日(水) 寮棟n階とある部屋~

 

 

 

コンコンコン

 

 

 

ガチャッ

 

 

 

生徒x「いたのか、あまりに静かだからいねぇのかと思ったぜ」

 

 

生徒y「……」

 

 

生徒x「それで今日は……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生徒x「誰を殺るんだ?」

 

 

 

血にまみれた黒い侵攻が今、始まる……

 




まずはここまでのご精読ありがとうございました!いよいよ!いよいよゲームイベントが動き出しました!真の占い師は誰なのか?最後の会話は誰と誰のものなのか?気になるその答えは……ずっと先にあるかも知れません(笑)

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