経介「ん……」
小窓から差し込んだ光が部屋を照らす。朝だ。
経介「眩し……」
経介は光に目を細めつつ、枕元に置いてあったスマホを手に取った。時刻は朝の6時だった。
ピコン
突然、経介のスマホの通知音が鳴った。どうやら誰かがLINEグループにメッセージを送信したらしい。
経介「こんな朝早くに、誰だろ……?」
経介が確認のためグループLINEを開くと、そこには送信者である有悟の名前と、とある一つのメッセージが表示されていた。
有悟<念のため生存確認がしたい。全員7時までに食堂に集まってくれ>
経介「生存確認……?あぁ、そうか。今日は、黒い侵攻の日か……」
経介はそう呟くと部屋を見まわした。ここに来てから10日ばかり経ったが、やはりそこにはいつもと同じ表情をした景色があった。
勿論、彼は今日の日のことを忘れていた訳ではない。忘れるなんてできるはずがない。ただ信じられないだけだった。彼は先陣を切ってこのゲームの実施が本当であると証明しようとした。だが、もしそうだとすると、今日クラスメイトの誰かが消えてしまうかも知れないのだ。いつもと何も変わらない様に見える今日この日にだ。どれだけこの人形ゲームが本当だと言える強い証拠を握っていたとしても、そんな話を簡単に受け入れることなど、彼に限らずどんな人間にもそう容易くできるものではないのだ。
経介「ちょっと早いけど、仕度して食堂行こ……」
~食堂~
ガララッ
有悟「おはよう!高穂君。君も早いな」
経介「あ、おはよう!担城くん。まだ早いはずなのに結構集まってるね」
有悟「あぁ。だが早いのに越したことはないさ」
経介「まぁ、そうだよね……って、あれっ」
有悟「ん?どうしたんだ?」
経介は何かに気付いて少し驚いた様子を見せた。
経介「小春じゃん、おはよ。こんな早くに来てるなんて珍しいね」
小春「おはよー経介。昨日は怖くて中々寝れなくてね……」
経介「あー、そっか……」
太一「オレも昨日は怖くて寝れたもんじゃなかったぜ」
青葉「私も全然寝れなかったんだよね~」
響香「私も~」
経介(みんなよく眠れなかったんだな……。それもそうか、黒い侵攻が本当だとしたらゲーム時間は4時からだし、寝てる間に殺される可能性だってあるもんな……)
青葉「あ、響香ちゃんもなんだ。あんなこと言われたらやっぱり怖いもんね……」
響香「あ、まぁそうなんだけど、私は……ね」
響香は青葉に向けていた目を別の方角へ向けてそう答えた。
青葉「……?」
経介「あれ、そういえば桜は?」
小春「んー、それがまだ来てないみたいなんだよね……」
経介「そっか、桜にしては珍しいね」
小春「んー、まだ7時までは時間あるし、来てなくても別におかしくはないんだけどね」
経介「そっか、そうだったね」
食堂の時計の針は6時45分を指していた。
有悟「おはよう!百園さん、沖鳥さん」
和奏「あ、おはよう担城くん」
唯「おはよう!」
ニコッ
有悟「おはよう!冷音君」
冷音「……はよ」
有悟「おはよう!~さん」
有悟「おはよう!~君」
その後も何人かの生徒がメッセージを読んで食堂に現れ、ほとんどの生徒が食堂に集結した形となった。
有悟「……さて、あと来てないのは二人だけか……?」
銘「祥子ちゃんと桜ちゃんだね」
有悟「あぁ、他の生徒は全員ここにいるみたいだな」
小春「桜ちゃん、遅いね……」
経介「うん……」
食堂の時計の針は、もうすぐ7時を指そうとしている。
美咲「祥子ちゃん遅いなぁ……、まだ寝てるんやろか……?」
千優(桜ちゃん、どうしたんだろ……)
生徒らがそんなことを思い始めた、その時だった。
ガチャ
突然、食堂の扉が開く音がした。誰かが食堂に入ってきたらしい。
美咲「あ……、祥子ちゃん!!」
有悟「おはよう!姫野さん。何かあったのかい?」
祥子「おはようございます。等野さん、担城さん。ギリギリですいません、疲れからか長い時間眠ってしまっていて……」
祥子は申し訳なさそうにそう説明した。
有悟「いやいや、何も謝ることはないさ。昨日は色々大変で疲れも溜まっていただろうし、オレも連絡が随分急になってしまったからな。まぁ、座ってゆっくりしてくれ」
祥子「ありがとうございます……」
祥子はそう言うと、美咲の隣の席に腰掛けた。
有悟「さて、姫野さんが来て7時になったが、まだ淀屋さんが来てないな……」
菜華「……確かにもう7時だけど、まだ見に行かなくても大丈夫じゃないか?姫野さんみたいに連絡に気付かずに寝てるのかも知れないし」
恵「僕もそう思うな~」
有悟「なるほど、硯さんや西木さんたちはそれでいいか?君らが一番不安に感じてるだろうから、この考えに対して意見をもらいたいのだが」
小春「え、あ、私は……うん。あと10分くらいなら待ってられる……かな」
千優「私も、そのくらいなら待ってられます……」
有悟「……分かった。なら7時10分まで淀屋さんを待とう。それでも来なかったら、彼女の部屋まで様子を見に行こうか」
友輝「了解~」
小春(大丈夫……だよ、ね……?)
そのまま彼らは様々な思いを胸に、桜が食堂に現れるのを待った。
そして時刻は朝の7時10分を迎えた。
有悟「……時間だな」
雪紀「結局、来なかったね……」
蓮「普段からしっかりしてる人なだけに心配だよな」
暦「もっ、もももしかしてもう既に……」
初「は?なんだよお前!突然怖えーこと言うなよな!」
暦「ひぃぃ!!ごめんなさいぃぃ!!」
茜「や、暦ちゃんがそう考えるのも無理はないと思うよ。元々はそれを確認するための有悟くんの提案だもん」
初「でもよ~」
茜「うん、分かってる。私だって不安だよ。でもきっと大丈夫、だから一緒に様子見に行こ?」
初「んー怖えけど、そうだな。行くか~」
有悟「淀屋さんの部屋は確か、今オレらがいる場所のちょうど真上の辺りだったよな」
有悟がそう言って食堂を出ようとした時だった。
小春「あ、いいよいいよ」
有悟「うん?」
小春「女子の何人かで様子見に行くから、有悟くんはここで待ってて。ほら、私たちもう高校生だし、それに様子見程度なら何人も要らないし……ね」
有悟「うむ、それもそうだな。じゃあ様子見は頼んだぞ」
小春「うん。分かった!」
小春たちがいよいよ桜の様子を見に行こうとした、その時だった。
バタンッ
食堂の扉が勢いよく開いた。
「ハァハァ……」
太一「あっ」
友輝「おっ」
秋子「あー!」
小春「桜ちゃん!!」
経介「桜!!」
桜「ハァハァ……、ごめんなさい。遅れちゃって……」
そう謝ると桜は、扉に俯いてもたれ掛かった。肩で息をして、とても疲れている様子だ。
有悟「いや、寧ろ謝らければならないのはこちらの方だ。突然の連絡ですまなかったな」
桜「いやいや、私の注意が足りなかっただけだよ、ごめんね……」
有悟「うーむ……」
菜華「何にせよ、無事で良かったな」
恵「だね~♪」
初「ほら見ろ!ちゃんと生きてるじゃねーか!」
暦「ゴッ、ごごごっ、ごめんなさい……」
そう言う初も緊張が解けた様子で、彼女だけに留まらず、桜の到着によって食堂全体が安心感に包まれた。
有悟「よし、これで生徒全員の無事は確認できた。まだゲームの時間だし、油断はできないが一息ついて腹も減ってきたことだろうし、今日一日の平穏を願ってみんなで朝食と行こうか!」
生徒「お~!」
小春「桜ちゃんこっち来て座りなよ!そこでもたれ掛かってるのも疲れるでしょ?」
千優「ここの席空いてるよ!」
桜「う、うん。ありがと……!」
フラッ
経介「っと、危ないよ」
こちらに来ようとしてフラついた桜を咄嗟に経介が支える。
桜「あはは、ごめんね。全然体力無いからさ……」
経介「大丈夫大丈夫。体力無いのは知ってるから……って、あれ?」
桜「……?どうかしたの?もしかして私、顔に何か付いてる?」
経介は桜の顔を見て、あることに気が付いた。そんな経介の反応に桜は恥ずかしそうに両手で顔を隠した。
経介「桜、眼、赤いよ。大丈夫?」
桜「え、あ、ホント?」
経介「うん。充血してるみたい」
桜「えぇ……、ありがとう」
桜は経介の指摘に礼を述べつつも、やはり恥ずかしそうに顔を隠したままさっさと自分の席へと向かって行った。
経介(泣いてた。のかな……?)
桜が食堂に現れてから、15分くらいが経っただろうか。朝食を取り終え、席を立つ者もちらほらと出てきた。
小春「じゃあ、ちょっと桜ちゃんと買い物行ってくるね!」
経介「え、ちょっと待ってよ!もうすぐ食べ終わるからさ!」
桜「いいよいいよ、ゆっくり食べてて!私の目薬買いに行くのについてきてもらうだけだから!すぐ戻ってくるよ」
経介「んー、そっか。分かった!充血、早く治ると良いね。いってらっしゃい!」
桜「うん、ありがと!」
小春「行ってくる!」
千優「私もちょっと出掛けてきます……」
経介「あ、分かりました~」
碧「オレらもどっか行こうぜー」
凉太「通り行こうぜ、買いたいもんがあるんだよ」
蓮「行くかー」
秋子「うちらも買い物行こうよ~、スポーツ用の靴が欲しい!」
太一「おー、いいぞ。行こうぜ」
友輝「荷物は自分で持てな~」
秋子「何も聞こえなーい!!」
祥子「今日はちょっとお先に失礼しますね……!」
美咲「分かった!何かの用事?」
祥子「いえ、そうと言う訳ではないのですが……」
美咲「そかそか!うちは唯ちゃんとお出かけするから、暇になったら一緒にブラブラしよな!じゃあいってらっしゃい!」
祥子「はい!行ってきます!」
唯「いってらっしゃい~!」
恵「ばなな~、食べ終わったらカフェ行こ。カフェ」
菜華「そうだな。そこでまたゆっくりと話でもしようか」
恵「やった~♪」
ガタッ
柚季「どーしたの?トイレ?」
理央「ううん、違う違う、ちょっと外で調べたいことがあってね……」
柚季「調べたいこと?」
理央「そ!」
瞳「どこ行くか知らないけど気を付けてね!」
青葉「迷子にならないでね~(笑)」
理央「大丈夫!ありがと!」
そう言うと理央は出て行ってしまった。
青葉「ねぇ、今日は島探索にでも行かない?」
柚季「いいね~!島探索!2人も行こ!」
瞳「私は大丈夫だよ~!」
響香「私は……今日はいいや」
青葉「え、珍しいじゃん。どうかしたの?」
響香「んー、ちょっと気乗りしなくてね……」
瞳「……珍しいね」
青葉「今日は何だかいつもと違うね。体調悪いなら言ってよ?無理は禁物!」
響香「うん、分かってる。大丈夫だから気にしないで」
青葉「だと良いけど……」
柚季「響香ちゃんはここに残るの?」
響香「そう……だね」
柚季「そっか……、了解。また今度どっか行こうね!」
響香「……分かった!いってらっしゃい」
瞳「悩みとかあったらいつでも言ってね。それじゃ、行ってきます!」
響香「うん……、ありがと!」
穂乃香「ねぇねぇ、和奏!」
和奏「どーしたの?」
穂乃香「今からお兄ちゃんと大通りで服を買いに行くんだけど、和奏もついてきてくれないかな!」
和奏「勿論いいけど……、どうして?」
穂乃香「いやぁ、お兄ちゃんどれも似合う似合うって言うから参考にならなくて……」
冷音「なっ……」
和奏「あはは、そう言うことね!分かったよ」
穂乃香「ホント?ありがと!」
和奏「おうよ!」
舞人「……なぁ、前から思ってたんだけどお前の妹と百園って結構似てね?」
冷音「…………フンッ」
舞人「フンッって何だよ……」
その後も何人かの生徒が退出し、食堂に残った生徒は13人となった。
泰斗「結構減ったな」
有悟「皆行きたいところがあるのだろう!」
経介(早く帰って来ないかな……)
恒也(今日はここで本読むか……)
銘「私らはどうしよっか?」
茜「私は本見に行きたいけど……、ここでみんなと居た方が安心するかな……」
梢「だよね~、こういう日の外って何か起きそうで怖いし」
怜菜「……屋内の方が逃げるところが無くて返って狙われるかもね」
梢「えっ、やめてよ怖い……」
怜菜「……冗談よ」
響香「……」
初「雪紀はそのベレーいつも被ってるけど何でだ?」
雪紀「これ?これは私の宝物なんだ♪だから肌身離さず被ってるの!」
初「そうなのか~!」
白夜「ホント、似合ってるよ」
雪紀「えへへ……、ありがと!」
泰斗「……あとちょっとで朝のゲーム時間は終わりだな。このまま何も起きなきゃいいけど……」
食堂の時計の針は7時45分を指していた。
有悟「そうだな。皆に伝えるのを忘れていたが、また昼も呼び掛けをするつもりだ。そこで出て行った生徒の安否も確認できるだろう」
初「えー、また全員ここに集めんのか?私は別にいいけど……遠くに行った奴らはここに戻るのめんどくねーかー?」
銘「うーん……まだ色々と半信半疑な状態だし、初ちゃんの言ってることも一理あるけど私はみんなの安否はしっかりと確認したいかなぁ……」
有悟「確かに多少面倒ではあるが、オレもその手間を惜しんでも安否の確認をするのが大切だと思っている」
初「そうか~」
梢「何にせよ、みんな無事なのが一番だよ~」
泰斗「だな。間違いねぇ」
暦(寝よ……)
~同時刻 島内 南部~
青葉「いや~、落ち着いたところだったねぇ」
柚季「うんうん!たまたま出会ったおじさんも優しい人だったし!田園風景ものどかで素敵だった!」
瞳「ね!次はどこを探索する?」
青葉「そうだねぇ~、じゃあ……」
青葉が次の提案をしようとした、まさにその時だった。
「きゃあああああああ!!!」
3人「?!」
突然、誰かの叫び声がした。
青葉「何?!今のって……悲鳴……?!」
瞳「も、も、もしかして……!!」
柚季「……今の声、南西の方から聞こえたよね。確かあっちには海岸があったはず……、行ってみよ!! 」
~食堂~
梢「……あと数分で8時だね……」
恒也「……何か緊張してきたな……」
経介「分かる。1分1秒が凄く長く感じる……」
怜菜「高穂くんは自称占い師みたいだし、尚更緊張してるんじゃないの」
経介「ま、まぁ自称って言うか本当なんだけど、そうかも知れないね……」
雪紀「んー、そんなに身構えなくても大丈夫じゃない?私たちも他のみんなもきっと無事だよ!」
白夜「だと良いけど……」
有悟「根拠は無いがポジティブなのは良いことだ!オレらも双葉さんを見習って全員無事だと信じようじゃないか!」
一同「おー!」
響香(全員、無事…………)
そんな明るい雰囲気が食堂に漂う一方で、響香だけは不安を拭いきれない表情をしていた。
スッ
彼女は不安の表情を浮かべたまま、スカートのポケットからスマホを取り出した。そして……
プルルルル
暦(……ん?電話の音……?)
響香「……」
プルルルル
暦には響香のスマホから電話の発信音が、小さく鳴っているのが聞こえた。他のみんなは気付いていないみたいだが、どうやら誰かに電話をかけているらしい。
プルルルル
響香「出て。お願い……!!」
続いて、響香が小さな声でそう言ったのが暦の耳に届いた。
プルルルル
暦(まだ鳴ってる……、出ないのかな……?)
依然として、スマホの発信音が小さく鳴り響いているのが暦には聞こえた。そしてついに……
響香「……あっ!もしもし!」
暦(あ、繋がったみたい。良かった良かった。……そう言えばどんなことを話すんだろ?プライベートなことだし小声で聞き取り辛いけど、気になるからちょっとだけ……)
梢「あとちょっと!あとちょっとだよ!」
泰斗「5、4、3、2、1……」
初「0!!よっしゃー!8時になったぞー!」
有悟「うむ、これで一先ずは安心だな」
茜「やー、ポジティブにとは言ったものの緊張したねぇ!」
雪紀「うん。当の私も最後の1分くらいは緊張したよ~(笑)」
白夜「無理もないよ!」
恒也「とりあえず、ここに居る生徒は全員無事みたいだな。良かった」
経介「そうだね。後は……」
経介が何かを言いかけた時だった。
ガタンッ
「?!」
突然、食堂の椅子が勢いよく倒れた音がした。
音がした方を振り返って見ると、倒れた椅子の前に響香が右手にスマホを握り締めて立っていた。
初「何だよ、お前かよ~、びっくりさせやがってよ~、物は大切に扱えよな~!」
響香「……」
怜菜「……?どうかしたの?表情が優れない様だけど」
響香「……そだ」
怜菜「え?」
泰斗「うおっ!?」
有悟「……っおい!!食堂で走ると危ないだろ!!」
バタンッッ
響香が何かを呟いたかと思うと、次の瞬間、彼女は血相を変えて食堂を飛び出し、どこかへ走って行ってしまった。
有悟「……全く、椅子も直さずに突然飛び出して行って何だと言うんだ」
泰斗「……なぁ、今の泡瀬の顔見たか?」
銘「うん。凄く青ざめてた」
恒也「いつもの泡瀬の感じとは全然違ってたよな……。」
先程までの明るい雰囲気とは一転して、食堂には不安の念が広がって行った。
経介「……ねぇ!桶川さん!」
暦「っはいぃっ!!」
経介「桶川さん、泡瀬さんの近くに座ってたよね。泡瀬さん、誰かと電話をしていたみたいだけど、ひょっとして誰と何を話してたか聞いてたりした?」
そんな雰囲気の中、経介は戸惑った様子を見せていた暦にそう問いかけた。すると暦から、こんな返答が返って来た。
暦「えっ、えっと……、誰と話をしてたかとか、詳しい会話の内容は分からないですけど、南西の海岸って言葉は聞こえました……」
経介「南西の海岸……?それって……!!」
初「な、なぁ、何かやべぇ雰囲気じゃねぇか?」
茜「何か、嫌な予感がする……」
有悟「桶川さんは南西の海岸と聞こえたと言ったな。だとすると泡瀬さんはそこに向かった可能性が高い」
経介「うん。それに泡瀬さんのあの表情……、ありがとう桶川さん。みんなで急ごう、南西の海岸に!!」
その後僕らは、急いで南西にある海岸へと向かった。そしてたどり着いたその場所には、目を疑う様な衝撃の光景が広がっていたんだ。
祥子「……」
瞳「うぅっ……」
青葉「何でよぉ……」
柚季「どうして……?」
響香「しっかり!!しっかりして……」
響香「理央!!!」
そこには、彼女の体を抱きかかえて何度も何度も必死に呼び掛ける響香の姿と、響香の膝の上で額から血を流して倒れている理央の姿があった。
まずはここまでのご精読ありがとうございました!いよいよ事件が起きてしまいましたね……。そんな事件を目の当たりにした彼らは何を思い、何を感じるのでしょうか?それぞれの思いが交錯して、物語はゆっくりと進んで行きます……。それではまた次回、お会いしましょう!