事務所
蘭子「幸子ちゃーん♡」
芳乃「幸子さんー♡」
幸子「幸子です」
幸子(あれから数十分)
幸子(相変わらずお二人は全然離れてくれる様子もないし、志希さんはほんとに離れて見てるし、みくさんはお仕事行っちゃうし)
幸子(状況は何も好転していません)
幸子(どうも両腕に引っ付いてる二人は上手いこと折り合いつけたみたいで、接触せず仲良くやってるんですけど……)
幸子(どうするんですかこれ)
紗枝「おはようさんどすー」
友紀「おっはよー」
幸子「あ、友紀さん紗枝さん……おはようございます」
蘭子「……おはよう」
芳乃「ございますー……」
蘭子・芳乃「「ぐるるるるるるる」」
友紀「な、なに? コレ」
紗枝「幸子はんのカワイイが大暴走どすか」
友紀「え、何それ」
紗枝「適当」
志希「おはよーおはよー。今日もいい天気だね〜」
志希(にゃはは。また新しい被験体が来てくれた。あの二人はどんな反応なのかなぁ。う〜ん楽しみ♡)
幸子(って顔してますね)
紗枝「志希はん。何? またあんたはんの仕業?」
志希「のんのん。志希ちゃん無罪。イメージで語っちゃダメだよ?」
友紀「日頃の行いでしょ」
紗枝「自業自得やな」
志希「手厳しい☆」
紗枝・友紀「うっざ」
志希「手厳しい」
紗枝「で、志希はんのしわざちゃうならどういうことなんどす? 幸子はんは渡せれへんのやけど」
友紀「そうだよ。あたしたちの幸子ちゃんだよ? それ」
幸子「それって」
蘭子「誰が決めました? 名前書いてあるんですか〜〜???」
友紀「書いてないけど」
芳乃「では誰のものでもないですねー。いっそ名前を刻んでしまいましょうかー」
蘭子「ここに油性ペンが」
幸子「嘘ですよね?」
芳乃「所有物の証ですー。愛ゆえですのでー♡」
紗枝「は。幸子はんのカワイイ顔を穢すとかありえへん」
芳乃「穢すのではなく刻むのでー」
友紀「言い方の問題でしょ? 傷付いたらどうしてくれんのさ」
芳乃「ぷっ。つく訳ないのでしてー」
蘭子「ばっかじゃないですか?」
芳乃「ユニットだかなんだか知りませぬが、そのような妄言を吐くそなたたちに幸子さんは預けられませんねー」
蘭子「これからは私たちが幸子ちゃんをいただきますから」
芳乃「目障りですので早く次のお仕事へどうぞー」
紗枝「貧乳」
芳乃「今は関係ないですねー???」
紗枝「キレてんの?」
芳乃「特にー」
紗枝「器ちっさ」
芳乃「……」
友紀「キャラはどうした銀髪」
蘭子「黙れ年増」
友紀「あ?」
蘭子「あ?」
幸子「いつもより口の悪さ倍まししてません?」
志希「愛に塗れたオンナは醜くなるもの。いつだって時代がそれを証明している……」
幸子「ボクも女なんですけど」
志希「今日の幸子ちゃんはいい匂いだから実質異性!」
幸子「分からない」
志希「っていうかあたしの目に狂いがないなら、あの二人平常運転だと思うんだよね。気持ち高まってるけど」
幸子「平常運転」
志希「常時から幸子ちゃん大好きってコト」
幸子「それはそうですよ」
志希「わお」
幸子「二人がボクのこと大好きなんて常識です」
志希「すごい自信。分かっちゃった、茄子ちゃんのおまじないの効果」
幸子「え?」
志希「にゃはは」
紗枝「何を当たり前のこと言うてはるん志希はん。うちらはただ幸子はんに悪い虫が付かんように思て」
芳乃「そういうのを、小さなお節介大きなお世話と言うのでしてー」
紗枝「あ?」
芳乃「幸子さんももう小さな子供ではないのですからー、自分の生きる道は自分で決めますよー? ねー」
幸子「はあ、まあ。なので離れてくれると」
芳乃「無理でしてー」
幸子(自分で決めれないじゃないですか)
紗枝「えろぅ調子乗ってはりますなあ。その辺にしといた方がええんちゃう?」
芳乃「わたくしの勝手ですゆえー」
紗枝「それ以上引っ付かれると幸子はんが臭なるわ」
芳乃「……今なんと?」
紗枝「く、さ、な、る、言うてん。つんぼ? 頭沸いてる?」
芳乃「幸子さん、しばし失礼しますねー」
幸子「え、ああ、うん」
紗枝「おーこわこわ。そないな殺意篭った目で見られたらうちチビってまいます〜」
芳乃「女子に向かってあろう事が臭いなどと、言っていいことと悪い事がありますねー」
紗枝「前からあんたはんのことは気にいらんでんな」
芳乃「こちらの台詞ですー。時折並べられるのはつくづく不快に思っておりましてー」
紗枝「こっちの台詞やわロン毛貧乳」
芳乃「それしか言えないのですか性悪チビ」
紗枝・芳乃「「………………」」
友紀「じゃあ蘭子ちゃんもどこっか?」
蘭子「嫌ですけぐえっ!」
友紀「意見なんて聞いてない。早くどけっての」
蘭子「く、首根っこを掴むな!!」
友紀「んな服着てるから掴みやすいんだって。ぽい」
蘭子「〜~~っ」
友紀「ほら、幸子ちゃん平気? あーもうこんなに服皺くちゃになっちゃって」
幸子「ボクは平気です。まあ、服も後でアイロンでもかければ」
友紀「聞いたよ、お仕事休まされたんだってね。よしよし。辛かったね」
幸子「いやそこまでては」
蘭子「分かりましたよ……」
友紀「何か言った?」
蘭子「分かりました! そんなに幸子ちゃんが大事っていうなら、勝負しましょう!」
友紀「勝負〜?」
蘭子「幸子ちゃんを賭けた真剣勝負です、紗枝ちゃんと芳乃ちゃんにも参加してもらいます」
紗枝「アホくさ」
芳乃「逃げるのでして?」
紗枝「やる意味ないだけどす。勝敗なんて目に見えてる」
芳乃「ならば紗枝さんは不戦敗ということでー」
紗枝「ああもう。っざいな、やるわ、やります」
蘭子「じゃあまずルールを」
まゆ「その勝負、まゆも参加していいですかぁ?」
蘭子「はぁ? 横槍は禁止――――げっ」
まゆ「あらぁ、まゆの参加はなしですかぁ? ショックです……」
紗枝「また面倒くさいのが……まゆはんいつからおったん」
まゆ「今来たところですよぉ、おはようございます♡」
幸子「おはようございますー」
友紀「はよー」
紗枝「おはよう」
芳乃「おはようございますー」
蘭子「……おはようございます」
志希「おはよ~」
志希(何だかんだちゃんと挨拶は交わすんだよね。調教されてるなあ)
まゆ「蘭子ちゃん、煩わしい太陽はなしですかぁ?」
蘭子「き、今日はおやすみです」
まゆ「残念。また聞かせてくださいねぇ、うふふ」
志希(幸子ちゃん幸子ちゃん)
幸子(な、なんですか急に小声で)
志希(志希ちゃんの考えが正しいなら、今すぐ逃げた方がいいと思うな)
幸子(と言うと……?)
志希(多分ね、まゆちゃんは幸子ちゃんにガチ恋する方だと思う。蘭子ちゃんと芳乃ちゃん以上に)
幸子「え゙っ」
まゆ「ん? どうしたんですか、幸子ちゃ――――」
まゆ「 き ゅ ん ♡ 」
幸子「えっ」
紗枝「今なんか」
友紀「やな予感が」
志希「みんな争い中止! 早くまゆちゃんか幸子ちゃんを捕獲!!」
志希「――――――」
志希「もう遅かった」
蘭子「……幸子ちゃんとまゆちゃんが消えた……」
志希「具体的には、超速でまゆちゃんが連れ出しちゃったね」
芳乃「幸子さん、幸子さん……」
紗枝「芳乃はんがふらふらしよる……。なあ志希はん、何があったん。なんかおかしいって皆」
友紀「そーだそーだ、説明しろー」
志希「ああまあ、二人にもちゃんと話しておかないとか……めんどくさ」
*
紗枝「なるほど……茄子はんの朝番組かあ」
友紀「胡散臭……くもないか。あの人なら」
志希(みんなこの反応だにゃあ。おもしろ)
芳乃「幸子さん……幸子さん……」
蘭子「幸子ちゃん……うう……」
紗枝「禁断症状みたいなっとる。えげつな」
友紀「でもなんであたしたちには効果ないんだろ」
志希「んにゃ、あると思うよ。ただ元々幸子ちゃん大好き〜♡ だから効果薄いだけ」
紗枝「ほなら志希はんとみくはんはなんで平気なん?」
志希「正確には平気じゃないし予想だけど、多分ここ最近で文香ちゃんと茄子ちゃんと幸子ちゃんに深く関わった人ほど、症状が深くなってるんだと思う。それで大した関わりがなかったあたしたちみたいなのは幸子ちゃんを性の対象として見ちゃう程度で収まってるんだろうね。そこの二人はたしか最近文香ちゃんの家に泊まりに行ってるらしいし、今までとのギャップで今廃人みたいになっちゃってるだけで、好きの容量は上限があるのなら二人と大差ないと思うし、だけどもし上限がないのなら問題はまゆちゃん。まゆちゃんも文香ちゃんの家に泊まりに行ったり年始は茄子ちゃんと過ごしてたり普段から幸子ちゃんと割と一緒にいることが多いし何よりあの性格だから早くしないと何しだすか本気でわかんないし大変な」
紗枝・友紀「「10文字以内でまとめろ」」
志希「幸子ちゃんがヤバイ」
蘭子「幸子ちゃんの貞操を守らないと」
芳乃「まゆさんの魔の手から……」
紗枝「早いとこ手分けして探しまひょ」
友紀「何されるかわかったもんじゃないしね」
志希「ねえ、あたしが見つけたら犯していい?」
「「「殺すぞ」」」
志希「殺す……」
???
幸子「んーーー! んーーー!!」
まゆ「うふふ……♡ 手鎖されて口を塞がれた幸子ちゃんも可愛い……♡」
幸子「……! っ!!」
幸子(怖い怖い怖い怖いやられるやられるやられるやられる)
まゆ「何を言ってるのか全く分かりませんけど何を思ってるかは分かりますよぉ、式は国内がいいですよねぇ♡」
幸子(びっくりするぐらい何もわかってない!)
まゆ「え? ハネムーンも国内? 幸子ちゃんは日本好きなんですねぇ、可愛い♡」
幸子(ちょっと何言ってるか)
まゆ「大丈夫です、既成事実は女の子同士でも頑張れば作れますから♡♡♡」
幸子(何も大丈夫じゃない!)
まゆ「ということで……うふふふふ♡♡」
幸子「〜〜っっ!!!!!!!」
幸子(誰か! 助けてくださいーー!!)
文香「そこまでです!」
まゆ「その声は! ……うっ、眩しい」
幸子(眩しい……! 真っ暗でここがどこかも分からなかったけど、これで……!)
文香「とうっ!」
幸子(文香さんがなんかよく分からないけど高い所から飛んだ!)
文香「いだっ!!!」
まゆ・幸子「「………………」」
文香「だ、大丈夫です、平気です」
まゆ「な、何ですかあなたは」
文香「ふふふ、なんだかんだと聞かれたら!」
茄子「答えてあげるが世の情け!」
幸子(何か増えた!)
文香「幸子ちゃんがピンチの時、颯爽と使っていない空き部屋に現れる一筋の花……」
茄子「扉の鍵を閉めても、先に部屋に居れば問題ありませんからね〜。あ、一輪の花!」
幸子(使ってない空き部屋だったんですね。ロッカーから降りてきたんですか)
文香「茄子さん、幸子ちゃんのお口を」
茄子「はい〜、はっ!」
幸子「ん゙っ。……あ、口のロープが解けた……」
まゆ「ばんなそがな」
幸子「ばんなそがな」
茄子「ふふふ、茄子さんにかかればあら不思議、幸運な事に幸子ちゃんの口のロープは結び目が緩んじゃうんです♡」
まゆ「相変わらずぶっ飛んだ人生チートぶり。まゆも思わず感服します……ですが」
幸子「えっ? ……ぎゃーーーーっ!!!!」
まゆ「コレならどうですか? 幸子ちゃんを人質にとりました、この可愛いお顔を傷付けられたくなければ、今すぐ部屋から出ていってくださいねぇ♡」
幸子「刃物ーーーー!!!!!」
まゆ「ごめんなさいねぇ、ほんとはこんなことしたくないんですけど、二人の将来のため……!」
文香「く、なんと卑怯な……!」
茄子「こんなことも! 茄子さんにおまかせです♡」
まゆ「いくら茄子さんと言えど、拘束された幸子ちゃんの目の前に突き付けたナイフ……どうしようもありません!」
茄子「それはどうでしょう。……あら? まゆちゃん。そのナイフ、どこかおかしくありません?」
まゆ「何を馬鹿な、そんな見え見えな嘘に」
幸子「……あ、これ、おもちゃのナイフですね。先端がぐにゃぐにゃです」
まゆ「ばんなそがな!」
幸子「ばんなそがな」
まゆ「っく……! でも幸子ちゃんは渡せません! この部屋から出て行けば……!」
文香「こんなこともあろうかと! 扉を閉めると外のほうきが扉をロックする仕組みにしてあります!!」
まゆ「な、なんだってーー!!!」
茄子「文香ちゃん!」
文香「はい! トドメですまゆちゃん! 必殺……!」
文香「アンリバー……ブレイク!!!」
まゆ「あご……っ」
茄子「命中!!!」
文香「やりました……」
幸子「本をぶつけただけですよね。まゆさん? まゆさーん?」
文香「はあ、はあ、激しい、戦いでした……」
茄子「そうですね……。文香ちゃんも、そんなに傷付いて……」
幸子「さっきロッカーから降りて足首挫いただけですよね」
文香「巨悪は退治しました……。幸子ちゃん、大丈夫ですか?」
幸子「ボクよりまゆさんがやばそうです。コブとか出来たら一大事ですよ?」
茄子「かくして、幸子ちゃんの危機は去った」
幸子「モノローグ入れない」
茄子「鷺沢文香と鷹富士茄子が原因で始まったこの戦いは、彼女たち自身の手で幕を下ろしたのだ」
幸子「はあ」
文香「幸子ちゃん……驚かず聞いてください。今日幸子ちゃんがモテモテになったのは、何を隠そう私たちのせいだったんです」
幸子「知ってます」
文香「なんと」
幸子「で、こんな事になったからには、治してくれるんですよね?」
文香「無理です」
幸子「は?」
茄子「なななんとぉ! そのおまじないの効果は、今日1日持続するんです!」
幸子「は?」
文香「ちなみに私たちにも作用します。ああ、幸子ちゃん……」
幸子「ちょ」
茄子「ここで待っていたのも、まゆさんに捕えられた幸子ちゃんを助けるついでに可愛がるためだったので……うふふふ♡♡♡」
幸子「ひ……っ」
文香「それでは」
文香・茄子「いただきます♡♡♡」
幸子「だ……っ!」
幸子(誰か助けてーーー!!!)
「「「ちょっとまったーー!!!」」」
文香「!?」
幸子「た、助か……」
芳乃「ほぉら、ここでしてー」
紗枝「うちの幸子はん二人占めとかええ度胸やないの」
友紀「ケツバットでそのでかいお尻もっとでかくするよ!」
蘭子「幸子ちゃんーーーーっ♡♡♡」
幸子「てないーーっっ!!!!」
芳乃「わたくしたちを出し抜けるとでも思っていたのでしてー?」
文香「ち……っ。仕方ないですね、全員で愉しむということで妥協しましょう」
茄子「今舌打ちしました?」
文香「幸子ちゃんもいいですよね?」
茄子「今舌打ちしました?」
幸子「良いわけないですけど!」
文香「答えは聞いてません」
紗枝「どの道もう幸子はんに逃げ場あらしまへんし……♡」
蘭子「幸子ちゃんーーーー♡♡♡」
まゆ「うう……何が……? あ! 幸子ちゃんが!」
茄子「あらあら、まゆちゃんも起きてしまいましたねぇ」
幸子「な、な、な……!」
友紀「さあ、観念して……」
「「「幸子ちゃ〜〜〜ん♡♡♡」」」
幸子「なんなんですかこれはーーーっ!!??」
*
志希「かくして」
志希「昭和みたいなノリで、幸子ちゃんの騒がしい1日は幕を閉じたのであった」
志希「ちゃんちゃん」
幸子「納得いかなぁぁああーーいっ!!!!」