響子「逃げられちゃいました」
奈緒「必死の形相ってのはああいうのを言うんだろうなって」
響子「でも逃げたってことはやましいことがあるってことですよね。怪しい」
みく「ごく当たり前の反応だと思うにゃ」
奈緒「紗枝辺りに見つかるのも厄介極まりないし結果的に良かったんじゃないか?」
響子「でもまだ犯人じゃないって確証もないので」
奈緒「犯人だって確証もないだろ」
響子「ワトソンくん、捜査は決めつけで掛かって、間違っていたらごめんなさいでいいんです」
奈緒「どっかで聞いたいけすかねえ台詞だなおい」
響子「戻ってきたらまたやりますか」
みく「仕事場直行してるだろうし戻ってこないと思うけど」
響子「なら明日で」
みく「来るかなあ」
響子「来るまで待ちます」
みく「意外としつこいよね響子チャン」
響子「冗談はさておき、これからの作戦を考えないと」
みく「とりあえず刃物は禁止にゃ」
響子「はーい」
みく「す、素直」
響子「幸子ちゃんとみくちゃん以上に面白い反応してくれそうな人はいないので♡」
みく「…………」
響子「あ、乃々ちゃんは例外ですよ」
みく「はいはい」
響子「乃々ちゃんに刃物なんて向けられません。カワイソウで」
みく「可哀想」
響子「あーでも、本気で恐怖に塗れる顔って興奮する時ありますよね」
みく「ドン引きにゃ」
奈緒「ごめんちょっと分かる」
みく「え゙っ」
奈緒「漫画とかでは恐怖顔ふぇち、みたいな感じで意外に認知された性癖なんだよ」
みく「ええ……」
響子「奈緒さんきもーい♡」
奈緒「言い出したのはお前だろ」
響子「本気ではないので」
奈緒「あたしが無駄に性癖暴露したみたいになったじゃねえか」
響子「奈緒ちゃんが無駄に性癖暴露したんですよ」
奈緒「…………」
みく「作戦も何も、唯チャンが来るんじゃないの?」
響子「そういえばそうでした。とりあえずあの人にも聞いてみますか」
唯「おいっすー☆」
奈緒「おはー」
みく「おはよー」
響子「おはようございます、唯さん。早速なんですけど、ひとついいですか?」
唯「んあ? なぁに」
響子「Pさんの財布知りません?」
唯「Pちゃんの? 知らないよ」
響子「そうですか……ありがとうございます」
奈緒「…………」
みく「…………」
奈緒「え、終わり?」
響子「はい」
みく「うそやろ」
唯「?」
響子「だって知らないって言ってますし」
奈緒「いやいやいや、もっと脅したりとか」
響子「もー、私がそんな酷いことするわけないじゃないですか~♡」
みく「うそやろ」
唯「お。文香ちゃんまーたおっちんでるじゃん、ウケる~☆」
文香「(ちーん)」
唯「うりうり、今日はどうしたの? 誰かのパンツでも見た? 言い寄って反撃でもされた?」
文香「(ちーん)」
唯「なんかたんこぶ出来てない? 反撃されちゃったかぁ。よしよし」
文香「(ちーん)」
唯「可哀想だからユイのパンツ見せたげるね。ほれほれー(笑)」
文香「(ちーん)」
響子「……とまあ、ギャルゲーをこの事務所に広めた要因の1人ではありますが、あんな感じですし物盗んだりはしないでしょ」
みく「寝てる文香チャンの上で自分のスカート捲って遊んでる……」
奈緒「寝かせたのはお前だけどな」
みく「不可抗力にゃ」
奈緒「意味検索してこい」
響子「というわけで、調査は振り出しです。残念」
みく「そもそも1ミリでも進んでたかな……?」
響子「幸子ちゃんか唯ちゃんってとこまでは行ったんですけどね~」
奈緒「ぶっちゃけさ」
響子「はい」
奈緒「お前、誰かがPさんの財布盗ったとか考えてないだろ」
響子「ぎく」
みく「は?」
響子「待ってくたさい、まだオチには早いです!」
奈緒「駄目だ。もう芳乃呼ぶぞ」
響子「やーだー! やだやだ!!」
奈緒「みく」
みく「了解にゃ。……たしかこの辺に……あった、はいどうぞ」
響子「法螺貝しまって!!」
奈緒「はい耳閉じてー。ぶおおおおおおおおおお」
唯「耳ーーー!!!!」
奈緒「あっごめん」
芳乃「――――呼びましてー?」
響子「あ~……。来ちゃった……」
奈緒「相変わらず早いこと、ちなみにどこにいたんだ?」
芳乃「秘密でしてー」
みく「マジもはや魔法にゃ」
奈緒「まあいいや。Pさんの財布が無くなったみたいなんだけどさ、探してくれない?」
芳乃「はいはい。お安い御用でしてー」
響子「もー……」
みく「……っていうか、こんな方法があるのにみくたちはあんな目にあったの……?」
奈緒「響子の気まぐれ」
みく「納得いかねー!」
唯「ユイの耳ーーーー!!!!」
芳乃「むむむー」
奈緒「ありそうか?」
芳乃「むむー……」
響子「……おや?」
芳乃「……残念ながら、近場に財布らしき気は一切感じられませぬー」
奈緒「えっ」
みく「えっ」
唯「みみ……」
芳乃「言葉通りの意味ですよー。おそらく、誰かの手の中か、あるいはもっと別の場所にあるかー」
奈緒「マジかよ」
響子「これはやはり調査の必要アリですね!!」
みく「急に元気になった」
響子「だから言ったじゃないですか、誰かに盗られたんだって!」
奈緒「響子自身信じてなかった癖によく言うよ」
響子「それはそれ! これはこれ!」
奈緒「よく言うよ」
響子「ちょうど今Pさんから連絡も来ました。見つからなかったそうです。これは本格的に探さないと!」
みく「めっちゃ嬉しそう」
奈緒「どうしても探偵ごっこがやりたいんだな」
唯「あ、治った」
響子「それじゃあ、まずは改めて情報をまとめて――――」
茄子「――――おはようございます~」
響子「NO!!!!!」
茄子「きゃっ」
唯「海老反り響子ちゃん」
響子「どうしてこのタイミングで茄子さんが来るんですか!! 今から大冒険が始まるところなのに!!」
奈緒「キャラ崩れてんなー」
茄子「えっと……ごめんなさい?」
響子「謝るくらいなら何もせず座っててください!!!」
奈緒「朝の挨拶もしてないじゃん」
みく「響子チャンがこんなに取り乱してるところは中々見れないレア映像にゃ。動画撮っとこ」
奈緒「あ、後であたしもちょうだい」
みく「グループLINE載せとくにゃ」
奈緒「(笑)」
茄子「どうしたんですかー、響子ちゃんらしくもない」
響子「言いません! おすわり!」
茄子「えー、けちー」
響子「お! す! わ! り!」
茄子「わんわん♡」
響子「芳乃ちゃん!」
芳乃「はいー」
響子「今すぐ茄子さんを連れてお仕事に向かってください!」
芳乃「えー」
響子「また愛梨さんと一緒にお菓子作ってあげますから!」
芳乃「しゃーなしでしてー。ほら茄子さん、行きますよー」
茄子「わんっ♡」
芳乃「しかし大きい犬ですねー。いえに居たらとても邪魔そうですー」
茄子「ひどい」
みく「縁起は良さそうだけどね」
奈緒「一家に1人茄子さん」
茄子「みくちゃん……奈緒ちゃん……♡」
芳乃「置き場の分邪魔なだけでしてー」
茄子「ひどい」
響子「ほらほら、喋ってないで行ってください! 何か起こる前に!」
奈緒「ごめんな、呼び出しといて」
芳乃「構いませぬよー。ほら犬、こちらでしてー」
茄子「あーれー♡」
みく「………………」
奈緒「………………」
唯「仲良しだよね」
みく・奈緒「「確かに」」
響子「さてさてさてさて、オチ担当は二人ともいなくなりました。頑張って調査しましょう!」
奈緒「調査ねえ」
唯「ユイもやるー☆」
みく「昨日Pチャンと一緒に居て、まだ会ってないのって……」
奈緒「順当に言ったら、もう子供組の誰かなんじゃないか?」
みく「だね」
唯「子供組」
奈緒「梨沙かみりあか桃華」
響子「ファザコンかマセママガキかプロデューサーさんの好み」
みく「色々言いたいことはあるけど、Pチャンの好みって?」
響子「まゆちゃん曰く、ああいう髪型が好みらしいですよ」
みく「へー……」
響子「毛量足りませんね(笑)」
みく「さすがにキレそう」
唯「ユイはどうかな? Pちゃん的に」
奈緒「………………」
みく「………………」
響子「………………」
唯「な、なんで黙んの」
響子「絶対好きじゃないですか舐めてます? 殺しますよ」
唯「ええ……」
奈緒「そういう響子だって、やろうと思えばできる髪型じゃん?」
響子「そうですけど、一応好きでやってますし、何より」
唯「何より」
響子「まゆちゃんと被るのでノーサンキュー」
奈緒「個人的な理由すぎる」
みく「まゆチャンのこと嫌いなの?」
響子「大好きですけど? 私の認める恋のライバルですから!」
奈緒「(笑)」
響子「あ?」
奈緒「許して」
梨沙「――――おはよ。あれ、何だかお揃いみたいね」
奈緒「おーすヴァリサ」
みく「おはようにゃヴァリサチャン」
響子「おはようございますヴァリサちゃん」
唯「はよーヴァリサちゃん☆」
梨沙「ん」
みく「ヴァリサチャン、いきなりだけど、Pチャンの財布のこと、何か知らない?」
梨沙「財布?」
響子「ただいま調査中であります!」
梨沙「何そのテンション」
奈緒「妙に楽しんでてさあ、知ってる事あったら教えてよ」
梨沙「ふーん。知ってるわよ」
響子「え! どこで見ましたか!」
梨沙「見たっていうか、コレでしょ」
唯「あー! Pちゃんの財布ー!!!」
みく「どこで見つけたの!?」
梨沙「あのバカアタシの家に忘れてったのよ」
響子「バカ……?」
梨沙「……プロデューサー、アタシの家に忘れてったのよ」
響子「よろしい」
梨沙「送ってってくれたんだけど、パパがお礼にってお家に上げたのね。その時ポケットからずり落ちちゃったみたいで」
奈緒「なるほど……。あれ? 事件解決じゃね?」
みく「解決だね」
唯「えー? もう?」
響子「………………」
みく「響子チャン?」
響子「……納得いきません……」
梨沙「そう言われても」
響子「納得いきません!!!」
梨沙「そう言われても……」
響子「何で出てきちゃうんですか! そんな弱いオチでヴァリサちゃんはいいんですか!」
梨沙「っていうかアタシ今日オフで態々これ届けに来たんだけど」
響子「知りません! もう怒りました!! ヴァリサちゃんを智絵里ちゃんと藍子ちゃんのお仕事に同行させます!!!」
みく「うわ」
梨沙「はぁ!!???!?」
響子「私はもっと探偵ごっこしたかったのに! いきなり現れて水さすからいけないの!! プロデューサーさんに言いますから!」
梨沙「ば、ばか! 考え直して!」
奈緒「こうなったらもう駄目だろ」
梨沙「やだ!!!!!!」
響子「もしもしプロデューサーさんですか!? 例の枠はヴァリサちゃんでお願いします! 的場梨沙ちゃん!! はい! 怒ってません!! では!!」
唯「怒ってるよね」
梨沙「あぁ……」
響子「これ胃薬です!! ふんだ!」
梨沙「………………」
唯「なむ」
梨沙「ウソでしょ……?」
みく「頑張って」
梨沙「ウソでしょ…………」
奈緒「犯人って訳でもないのにやり過ぎだとは思うけどなあ」
響子「もう知りません! はい解散!!」
梨沙「………………」
文香「……梨沙さん……」
梨沙「文香……?」
唯「起きてたんだ」
みく「急に来るね」
文香「苦しい時は、私のおっぱいに飛び込んで来てもいいんですよ」
梨沙「………………」
文香「……ふふ。これで梨沙さんも私にドキムネ間違いな」
梨沙「死ね」
響子「次回! 的場梨沙の憂鬱!!」
梨沙「……ホントマジで勘弁して頂戴……」