城ヶ崎家・莉嘉寝室
莉嘉「ねー金髪ー」
唯「どったの金髪」
莉嘉「無言でウチ乗り込んできたんだし、ちょっとしてほしいことがあるんだけど」
唯「暇だったからつい。いーよー」
莉嘉「んじゃこれ。ゲーム付けて」
唯「あにこれ」
莉嘉「ギャルゲー」
唯「は?」
莉嘉「女の子と恋愛するゲーム」
唯「ふーん。ばっかじゃね」
莉嘉「ギャルみたいなこと言わずに」
唯「ユイがギャルじゃなかったら誰がギャルなんよ。莉嘉ちゃんやったん?」
莉嘉「やった」
唯「マジか(笑)はー。何か最近CMで見るみたいな絵だね」
莉嘉「とりあえず文句言わずにやってよ」
唯「はいはーい。うわ、ユイみたいな娘出てきた」
莉嘉「この子は文香ちゃんみたいでしょ」
唯「この娘はまゆちゃんっぽいし」
莉嘉「美優さんみたいな人もいるよー」
唯「なんなのこのゲーム」
莉嘉「シンコレ☆シンデレラガールズコレクション!」
唯「は?」
莉嘉「シンコレ☆シンデレラガールズコレクション!」
唯「繰り返せとは言ってない」
莉嘉「黙ってやれ」
唯「何か選択肢出てきたケド?」
莉嘉「唯ちゃんこの女の子たちの中だったら誰が好き?」
唯「この文香っぽい娘」
莉嘉「ミーハー(笑)んじゃこっち」
唯「あ、オート機能あんじゃん。押すのめんどかったんだよね」
莉嘉「別にいいけど、まだ共通ルートだからオートにするとあと7〜8時間はかかるよ?」
唯「ウケる。ばっかじゃねーのこのゲーム。まあいいや、泊まりでやるよ」
莉嘉「そこまでしなくても」
唯「案外オモロイし」
莉嘉「パジャマとかは?」
唯「ない」
莉嘉「お姉ちゃんのでいっか」
唯「そういや美嘉ちゃんは?」
莉嘉「おしごとー」
唯「さすがに何時間もボーッと眺めてるのはお腹すきそう」
莉嘉「分かる」
唯「お菓子ある?」
莉嘉「お姉ちゃんのポテチならあるよ」
唯「ユイ飴ちゃんが食べたいなー」
莉嘉「文句言わない」
唯「ちぇー」
莉嘉「自分のこと名前で呼ぶ女とかナイよね」
唯「趣味が珍しい虫集めってクソガキ感出てるよねー」
莉嘉「趣味はシール」
唯「なんでカブトムシなんか好きなの?」
莉嘉「カッコイイじゃん」
唯「なんで貧乳なの?」
莉嘉「12歳に胸求めるとかヤバくない?」
唯「みりあちゃんのがあるよ」
莉嘉「上には上がいるし」
唯「逃げた」
莉嘉「唯ちゃんは体で弄れる部分ないもん」
唯「我ながらカンペキに近いプロポーションっしょ?」
莉嘉「その分頭にはなんも詰まってないけど」
唯「今生きれてるからいーの」
莉嘉「正直者ギャルの中で一番上手く生きてけるのアタシだと思ってるから」
唯「その心は?」
莉嘉「こーじょーしん。てきおーのーりょく」
唯「バカじゃん?」
莉嘉「少なくとも唯ちゃんよりは賢くなれるよ」
唯「あ、何か歌流れた」
莉嘉「共通ルート終わりだね。この歌が終わったら個別ルートに入るよ」
唯「そのルートって何」
莉嘉「そのままの意味。察しろバカ」
唯「へいへい。おー。日付け変更時の背景が変わった」
莉嘉「よく見てるじゃん。褒めてあげる☆ この娘のコレ綺麗だよねー」
唯「古本屋店主の一人娘……お客に恋しちゃ駄目でしょ」
莉嘉「出会いなんてどこに転がってるか分かんないってこの娘も言ってるから」
唯「……成程、この本の通りでした。半信半疑で読み進めていた恋愛小説も、こうして実体験を挟めば立派なハウトゥー本……」
唯「失礼しました……。出会いとは、一期一会。本の虫でしかなかった私に、1日の楽しみを与えてくださったのは……あなたですから……」
莉嘉「めっちゃ覚えてる(笑)」
唯「んでもさ、もう告白して相思相愛になっちゃったけど、こっからすることあんの? 目的叶っちゃった臭くない?」
莉嘉「それだけならアタシわざわざ勧めないし。このゲームは、泣きゲーに分類されるんだよ」
唯「泣きゲー」
莉嘉「んじゃ休憩。お風呂行こ?」
唯「ほーい」
城ヶ崎家・浴槽
唯「うっひ〜〜〜……♡」
莉嘉「は、あ〜〜〜……♡」
唯「裸の付き合いってやつだねー」
莉嘉「……」
唯「おん?」
莉嘉「……誰かとお風呂入る度いっつも思うんだけど、この入浴シーンをSNSにアップしたらめっちゃパズる……」
唯「っつーか燃える」
莉嘉「炎上商法?」
唯「似たようなもんじゃね」
莉嘉「自撮りなんて9割○られる為に存在するんだからいーじゃん」
唯「(笑)」
莉嘉「児ポかな」
唯「児ポて。裏垢でも作れば?」
莉嘉「ネットストーカーとか怖い」
唯「裏垢って何って聞けよ。知ってんのかよ」
莉嘉「JSで処女卒業する時代だよ。ツイッターやってりゃ誰でも知ってる」
唯「美嘉ちゃんは知ってると思う?」
莉嘉「………………」
唯「だよね。は〜、広いお風呂きもちー♡」
莉嘉「だからって足伸ばすとアタシが狭いんだけど」
唯「いーじゃーん、ユイん家より広いんだもーん♡」
莉嘉「痛い痛い、足当たってる当たってる」
唯「えへへ、うりうりうり〜☆」
莉嘉「殺す」
唯「殺す……」
莉嘉「唯ちゃん身長いくつ?」
唯「ひゃくごじゅー…………真ん中くらい?」
莉嘉「プロフ登録したでしょ、覚えといてよ。……まあ大丈夫かな。彼シャツみたいになると思うけど」
唯「ああパジャマの話。何でもいいよー」
莉嘉「じゃあ裸ね」
唯「風邪」
莉嘉「バカはひかない」
唯「この風呂ギャルの匂いが染み付いてる」
莉嘉「なんかエロいねその台詞」
唯「?????」
莉嘉「ごめんギャルゲーのやりすぎで」
唯「こっわ」
莉嘉「あ、シャンプーそれ使って」
唯「ほーい。そういや入浴シーンあったよね。あの時はユイみたいな子が後ろから胸揉みしだかれてたケド」
莉嘉「揉む?」
唯「殺す」
莉嘉「殺す……」
唯「年下の友達とお風呂一緒に入るってのも変な感じだよー?」
莉嘉「ふーん」
唯「交代」
莉嘉「あ、髪の毛洗って」
唯「ウソやろ」
莉嘉「マジ」
唯「背中にユイのおっきなおっぱい当てててあげるねー♡」
莉嘉「殺す」
唯「殺す……」
莉嘉「シャンプー目入ったら痛いじゃん」
唯「はいはい……痒いところはございませんかー」
莉嘉「んー」
唯「ついでに背中も流してあげるねー」
莉嘉「んー」
唯「ついでに前も痛い痛い痛い!!」
莉嘉「殺す」
唯「それは抓るって言うんだよ!」
莉嘉「ぺっ」
唯「もう。はいザバー」
莉嘉「っぷう。よし出よ!」
唯「先出てていーよー。唯もうちょっと暖まるー」
莉嘉「おっけ。唯ちゃんの脱ぎたてパンツメルカリっとくね」
唯「殺す」
莉嘉「殺す……」
城ヶ崎家・莉嘉寝室
唯「おまたせー。美嘉ちゃんが帰ってきてたからお話しちゃってた」
莉嘉「そなの。唯ちゃん風呂上がりでもふわふわなんだねー」
唯「髪? これ自毛だし」
莉嘉「乾けばボリューム出るとかずっるい」
唯「そう言われても」
莉嘉「続きやろやろ」
唯「ほいよー」
莉嘉「コンシューマーされたギャルゲーってのはね、基本的に付き合ってからが本番なんだよ」
唯「コン……?」
莉嘉「元々は基本PCゲームで、一般的な名称はエロゲーなんだけど、それから成人向け要素を排除して新システムなり新キャラなり新ストーリーなりを突っ込んだのがギャルゲーって言うんだ」
唯「莉嘉ちゃんオタクみたい」
莉嘉「全部このゲームが悪い」
唯「こっわ」
莉嘉「とにかく、こっからは更に物語が発展し続けるよ」
唯「おー、新キャラがまだ出てくるねー」
莉嘉「物語の深みを出してくれるルート専用サブキャラクター。時にはおじいちゃんから時には子ども……」
唯「え……文香ちゃん(仮名)この街からいなくなっちゃうの? 昨日まであんなに仲良しだったのに!」
莉嘉「そして明かされるヒロインの新事実……。主人公は果たして彼女を救うことができるのか!」
唯「そろそろ鬱陶しいから黙れ」
莉嘉「はい」
唯「そういや選択肢でなくなったね」
莉嘉「ゲームにもよるけど、ルートに入った後は選択しなくなったりするね。読んでけばエンディングに直行してくみたいな」
唯「それゲームとしてどうなの」
莉嘉「目つぶっといて」
唯「……」
莉嘉「……」
唯「…………っ」
莉嘉「はいティッシュ」
唯「………………っ、〜〜っ」
莉嘉「………………」
唯「……っ、は……! ぐす、う……ちーん!!」
莉嘉「……」
唯「う、うう……っ! 良かったね……良かったね、文香ちゃん……! 2人とも……っ!」
莉嘉「ね? 面白かったでしょ?」
唯「待って……余韻に浸らせて……」
莉嘉(うわぁ)
唯「ずずず……。は〜〜〜……。クライマックスにかかる曲良すぎだよ……」
莉嘉「分かる」
莉嘉(分かる)
唯「眠りながら本読んでるシーン見た時は、変な子だなぁって思っただけだったのに……そんな秘密があったなんて……」
莉嘉「分かる」
莉嘉(分かる)
唯「過去の幻影に囚われる文香ちゃんを救う為にさん付けから呼び捨てになる瞬間、鳥肌立ったもん……」
莉嘉「分かる」
莉嘉(分かる)
唯「なんかね、そうやって適当に肯定してもらうだけでも嬉しくなるの」
莉嘉「分かる」
莉嘉(分かる)
唯「はあ〜〜〜〜〜………………」
莉嘉「?」
唯「………………」
莉嘉「唯ちゃん?」
唯「とっても……ほんとにとっても面白くてさ、泣いちゃったんだけどさ」
莉嘉「うん」
唯「タイトル画面に戻ったら……ああ、終わったんだなぁって……虚無感が……」
莉嘉(うわあどっぷり)
唯「ふー……。んで、これ絶対終わるまで聞くまいと思ってたんだけどさ」
莉嘉「うん」
唯「何で名前の欄、『城ヶ崎美嘉』だったの」
莉嘉「お姉ちゃんのゲームだから」
唯「姉」
莉嘉「実はその数年後を舞台に描かれた、シンコレ☆シンデレラガールズコレクションⅡと、更にそこから数十年先の未来が描かれた、シンコレ☆シンデレラガールズコレクションⅢがあるよ」
唯「ちなみにそれは」
莉嘉「お姉ちゃんのゲーム。いつだったかお部屋入った時隅っこに隠れてたの見つけちゃった」
唯「ナイス美嘉ちゃん!」
莉嘉「ねえねえ、ギャルゲーやる前の自分と会ったらどうする?」
唯「人生損してるって伝える!」
莉嘉「だよね!!」
唯「とりあえず、残りの娘たちも攻略してこっか♡」
莉嘉「わーい♡」
唯「……あ。ユイが帰る時、ゲーム機と一緒に全部貸してくれると嬉しい」
莉嘉「あ、うん」
莉嘉(どっぷりだなあ)