かなり遅れましたが完了致しました
邂逅
また、不思議な夢を見た。
辺り一面宇宙だった。
そこには翼を持った大きな懐中時計とピンク色の戦艦が飛んでいた。
ピンク色の戦艦は大きな懐中時計を追いかけながら攻撃を放っていた。
大きな懐中時計はダメージを受けながらも負けじとばかりに攻撃をしかける。
そして遂に決着がついた。
勝ったのはピンク色の戦艦だった。
敗れた大きな懐中時計は爆発を起こしながらも墜落する。
しかし、最後の抵抗と言わんばかりに大きな懐中時計はピンク色の戦艦に向かってレーザーを放った。
ピンク色の戦艦はレーザーを右ウィングに受けて大きな懐中時計と同じ様に墜落するが。
ピンク色の戦艦の艦首部分が射出される。
射出されたのはあのピンク色の戦士だった。
ピンク色のロボットに乗ってピンク色の戦士は大きな懐中時計に立ち向かった。
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ジリリリリリリリリリリ!
「んぅ?」
目覚まし時計の音と共に星空は目を覚ます。
時計を見れば6時を指していた。
星空はゆっくりとした動きで目覚まし時計を止めるとムクリと起き上がり大きく欠伸をする。
「……また変な夢見た。」
今度は宇宙空間での戦い。
違う所といえば、今回の夢は第三者視点であること。
あの夢はまるで、自分からの視点のようだった。
「朝ごはん食べよ……。」
しかし、いつまで経っても全くわからず、埒が明かないと感じた星空は朝食をとることにした。
星空は朝食を食べ終えた後、やちよに出かけることを伝え、身支度をして出掛けた。
「行ってきま~す!」
「行ってらっしゃい。」
☆
『コチッ…コチッ…コチッ…コチッ…』
『パラッ…』
時計の音が鳴り響く。
それ以外にも紙のめくれる音が響く。
一室に二人の青年がいた。
一人は椅子に腰掛け、本を黙々と読み続ける銀髪蒼眼の青年。
もう一人はベッドに腰掛け、何もせずにいる長い黒髪に赤い眼の青年。
二人はお互いに喋らず、静かに過ごしている。
途端。
「…………っ!」
彼の頭にビジョンが浮かぶ。
_____白いローブを羽織った少女が黒い長髪の女性に襲われている所。
近くにはアルビノ少女がいてその顔に驚愕が現れている。隣にいる変わった形状をした剣を持つ女性も驚愕していた。
よく見ると白いローブを羽織った少女の腕には変わった白い生き物がいた。_____
「…………行くぞ。」
「わかりました。」
銀髪蒼眼の青年が立ち上がると、ベッドに腰掛けていた青年も立ち上がる。
すると、その青年は身体を紫色の粒子に変え銀髪蒼眼の青年の中へと入って行った。
青年は確認すると、外へと続く扉に向かって行に、その扉を開けた。
【ZI-O】
閉まる直前、そんな音が聞こえた。
☆
「どっこいこ~かな~。」
星空はスキップ等をしながら商店街を進んでいた。
星空は成り行きに任せると言った感覚で辺りを見渡していた。
その様子を周りで見ていた人達は微笑ましそうにしていた。
「あっ!!」
ふと、星空は遠くに知っている人物を二人程見つけた。
そのうちの一人は都ひなのだ。
そして、もう一人の人物は星空が最も会いたい人物。
それを確認するやいなや、猛ダッシュでそれに向かって行った。
ひなのは星空が猛ダッシュでかけて行くのに気が付いた。
その人物はまだ気づかない。
やがて、その人物との距離が縮まっていき。
「十七夜さ~〜〜ん!!」
「!?」
星空はその人物『和泉十七夜』と呼ばれる人物に抱きついた。
十七夜は突然の事に目を丸くさせたが、抱きついたのが誰なのかわかると優しく微笑み、星空の頭を撫でた。
「なんだ、星空か。久しぶりだな。」
「久しぶりです!」
星空は嬉しそうに十七夜に抱き着く。
しかし、星空の筋力は魔法少女の姿でなくとも強い。
その為、嬉しくて強く抱き始める。
当然十七夜は、苦痛を感じる。
「か、星空。嬉しいのはよくわかった……。だから少し離れてくれ……。」
「~〜♪」
十七夜は必死に星空に訴えかけるが、星空は嬉しさのあまり十七夜の声が届いていない。
そう言ってる間にもギリギリと抱き着く力が強くなっていく。
周囲の人もどうやって助けようかと慌てている。
「コラー!星空ー!」
『ガンッ』
「へぶっ!?」
突如として星空の頭に激痛が走る。
ひなのがそれを見かねて星空の頭を思いっきり叩いたのだ。
星空は、あまりの痛さに頭を押さえる。
しかし、叩いた本人も痛かったのか後ろから「いてて……。」という声が聞こえる。
「す、すまない。助かった……。」
「あーいや、大丈夫だ。…………いてて。」
ひなのはそう言いながら、叩いた手をフーフーとした。
星空は自分を叩いたひなのに涙目で「痛い」と訴えていた。
ひなのは自業自得だというふうに「フンっ」とそっぽを向いた。
「君は星空の友達かな?」
「あぁ、都ひなのだ。」
「私は和泉十七夜だ。よろしく頼む。」
ひなのと十七夜はお互いに自己紹介をして握手をした。
ひなのは握手し終えると星空へと視線を向けた。
「お前は無駄に力が強いんだから気をつけろ!」
「無駄には無いでしょ!?無駄にって!?」
星空は涙目になりながらひなのに訴える。
それを見た周囲の人は苦笑いでそれを見守っていた。
☆
「そう言えば十七夜さんはどうしてここに?」
「みたまに会うのが目的ってのもあってな。」
あの後ひなのとは別れ、星空は十七夜と共に歩いていた。
星空が十七夜にここに来た目的を聞けば、十七夜はみたまに会おうとしていた事が判明した。
「それともう一つ。」
「?」
「最近、神浜市で稀に怪人を見かける、という事があってな。ここにもいないかと思って探しに来てる。」
怪人。
それは神浜の中でたまに見かけるという不気味な怪物。
侍だったり、悪魔だったり、幽霊と様々。
やっている行動は主に人命救助。
危ない所に颯爽とやって来る謎の怪人として知られている。
「んー、でも最近その怪人の話聞かないなぁ。」
「そうか。まぁとりあえずみたまの所に行こう。」
「はーい!」
星空は嬉しそうに手を上げた後、十七夜と手を繋いでみたまと呼ばれる人物の元へと向かう。
その際、星空が恋人繋ぎしてきて十七夜が動揺した。
☆
「みたまさーん!お客さーん!十七夜さんだよー!」
星空は入口のドアを勢いよく開けて入っていく。
そこにいるのはのほほんとした雰囲気を出す少女がひとりいた。
「あら~星空ちゃん。いらっしゃ〜い。あら?」
のほほんとした雰囲気の少女『八雲みたま』は、星空が連れてきた十七夜の存在に気づいた。
「十七夜も来ていたのね、いらっしゃ~い。」
「……あぁ。」
みたまはそんな十七夜の様子を不思議に思って、手に視線を向ける。
「あら、仲良しさんね♪」
「〜~!か、星空、もういいだろ。ありがとう。」
「?うん。」
十七夜はみたまにからかわれ慌てて手を離す。
星空はそれを不思議に思うが笑顔で答える。
「それで十七夜、今日はなんの用事?」
「いや、みたまの様子を見に来ただけだ。」
「わざわざ心配してくれたの?うふふ、ありがとう。」
(みたまさん達の方が仲良しさんな気がする。)
そんな十七夜とみたまの様子に星空は若干、嫉妬しながらも十七夜のもう一つの目的を思い出した。
「あっ、そう言えば最近話題になってた怪人を探してるって言ってた。」
「むっ、それもそうだったな。」
「あら?怪人?」
星空と十七夜がそう言うとみたまはふと考え込んだ。
「それなら魔法使いと指輪を合わせたよな怪人が数週間前に来たわよ?」
「「!?」」
みたまの爆弾発言に二人は驚愕する。
魔法少女でも無い怪人がここに来る事はありえないと思っていたからだ。
「それは本当か!?」
「みたまさん大丈夫だった!?」
「大丈夫よ。ただこの姿で魔力の調整ができるか試してみたかったって言ってたし。」
「「ちょ、調整?」」
みたまの発言に二人は疑問を持つ。
しかし、星空は先程みたまの言った爆弾発言に気になるワードを思い出す。
『魔法使いと指輪を合わせたよな』
つまり、その怪人は魔法が使えるということ。
「それ以外は何もしてこなかった?」
「えぇ。調整出来なかったことにちょっと残念がってたけど何もしてこなかったわ。」
「そ、そうか。」
みたまの言葉に十七夜は安心しソファに寄りかかる。
それと同時に入口からガチャっと音がして彼方達はそちらに視線を向けた。
「調整屋ー!いるかー?」
「いるわよ~。」
「そもそも居なかったら扉開かないよ。」
入ってきた人物にみたまは答え、星空はツッコミを入れる。
入ってきたのはいかにも頼もしそうな雰囲気の少女『
ふと、ももこの後ろを見れば見覚えのない少女がいた。
何処かの学校の制服を着て、ピンク色の髪を後ろで結んだ大人しそうな子だ。
その娘はこちらを見るとペコリとお辞儀をした。
「あら?ももこ、その娘は?」
「あ~ちょっと訳ありでな。」
ももこはそう言いながら頭をかく。
ももこがなんと言えばいいのかと悩んでいる中、星空はその少女の元へと向かって行った。
「初めまして!私は、遥花星空。君は?」
「えっと……私は
こうして