少女☆歌劇レビュースタァライト 君とキラめくために   作:レリ

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皆様、こんばんは!レリです!

お待たせしました!アニメ回での十一話です!

アニメでひかりがいなくなった時……マジでどうなんのって初見は思って見ていましたね。最後あたりの舞台少女心得―幕間―はいい曲ですよね。

それでは、どうぞ!



第十五話

「……ひかりちゃん」

 

 

あのオーディションから数日が経っていた。華恋はオーディションの後から姿を消し、学校を退学したひかりを探し続けている。

 

 

「今、どこにいるの?ひかりちゃん……」

 

 

どこまでも続く青い空を見上げながら呟く華恋。その華恋を物陰から見ている人物が一人いた。その人物は華恋とひかりのルームメイトのまひるだ。そして、そこに『彼』の姿はない……。

 

 

 

 

 

それからも時間は無情にも過ぎていき、オーディション最終日から数週間が経っていた。

 

 

華恋は以前ひかりがいたイギリスの王立演劇学園に電話をしたり、ひかりと行った水族館に行ったり、警察に行ったりなどをしてきたが結局ひかりは見つからなかった。ケータイにメールをしても返信はこない。電話をしても繋がらない。ひかりの所在はなにもわからぬまま、時間だけが過ぎていく。

 

 

そして、第百回聖翔祭も間近になってきて生徒たちはあわただしくなる。B組は舞台の制作により力を入れていき、脚本を作った雨宮をはじめ、キャストに選ばれた華恋たちがリハをしていく。これが聖翔祭までずっと繰り返し。朝は寝坊助の華恋も朝早く起きる。そして、ルームメイトのまひると一緒に登校をする。だが、華恋は寮の自分たちの部屋を出て少し歩いたところで立ち止まることが多い。立ち止まり、じっと見つめるその先は一つの部屋。そこを見つめる華恋の目はどこか寂しげだったとまひるは言う。

 

 

その部屋が空き部屋なのに……。

 

 

 

 

 

 

それからも数日が過ぎ、聖翔祭もあと数日という時のリハで華恋は思った。

 

 

(ひかりちゃんがいないのになんで私舞台なんかやってるんだろう……)

 

 

今までの華恋からすると、とんでもないことを思っているがそこで華恋は気づく。リハの最中だというのにも関わらず涙を流す。

 

 

「私、あんなに舞台が好きだったのに今、なんでって思っちゃった…………わかった…………わからないけどわかった気がする……ひかりちゃんは失くしてたんだ……大切なものを……」

 

 

その後、華恋は部屋に引きこもってしまうようになってしまった。

 

 

華恋がいないオーディションに参加した七人が集まってあのオーディションについてのことを話していた。その結果、あのオーディションは舞台少女にとって大切なもの、キラめきで運命の舞台が作られるということがわかった。そのキラめきは、参加した舞台少女から奪われ、集められたとなったもの。だが、ここにいる七人はなにも失っていない。なぜならそれをひかりが一人で肩代わりしたから、ということになる。

 

 

「なんで、神楽はんはそないなことをしたんやろ」

 

「奪えなかったんじゃないかな。華恋ちゃんのキラめきを」

 

「ついでにあたしたちも守られた……頼んでもいないのに……」

 

「でも、ひかりちゃんは全員のキラめきを肩代わりして今いったい……どこに……」

 

『……』

 

 

沈黙が流れる。だが、その沈黙を破った者がいた。机に手を当て、立ち上がった者、純那だ。だが、純那の顔は何かを思い出したような顔だ。

 

 

「じゅ、純那ちゃん?どうしたの?」

 

「……ねぇ、なな」

 

「な、なに?」

 

「私たちにも大変なことがおきてたみたい……」

 

「え?それって、どういう……」

 

「なな、一つ聞くわよ。あのオーディションから今までに『彼』はいた?」

 

「『彼』って、どうしたの?純那ちゃん。そもそも『彼』っていっ……たい……」

 

 

ここまで発言したななも驚愕と思い出した顔になる。そして、目から涙もこぼれる。

 

 

「私……たち……とんでもない……ことを……」

 

「急にどうしたの!?ばななちゃん!」

 

「なな、みんなに説明するの任せていい?私、『彼』の……零の部屋に行ってみる。何かあるかもしれないし」

 

「え?零って……」

 

「うん、わかった。説明が終わったら私も向かうね」

 

「ええ、お願い。…………皮肉なものよね。一度好きになった人のことを忘れるなんて…………」

 

 

そう言って純那は寮に向かって走り出した。この二人のやりとりを見ていた五人はまだわかっておらず首をかしげている。

 

 

「ねぇ、みんな。覚えてる?『彼』のこと」

 

「『彼』って一体誰のこと?」

 

「……そうだよね。私たちが忘れてたんだからみんなも忘れてるよね」

 

「大場さん?」

 

「みんなもわかるはずだよ。『彼』……岡峰零君のこと……」

 

「岡峰……零……………………っ!!」

 

「まひるちゃんは思い出したかな。他のみんなは……思い出したみたいだね」

 

 

ななの言う通り、全員が驚愕の表情をしている。まひるに至ってはななと同様、涙を流している。

 

 

「…………んで」

 

「え?」

 

「……なんで私たちは……」

 

「……岡峰君のことを……」

 

「……忘れてたんだろうな……」

 

「……忘れてたんじゃない……」

 

「え?」

 

「……私たちの記憶から存在ごとなくなってた……」

 

『!!』

 

「……な、なんで、零君の存在ごとがなくなってたんだろう」

 

「……考えられるのは、あのオーディションが関係してる。ううん、ひかりちゃんが関係してるんだ」

 

「どういうことですか?」

 

「零君がいなくなったのを思い出すと、あのオーディションからなんだ。しかもその時にひかりちゃんもいなくなった。同時にいなくなる、しかも私たちの記憶からなくなってたってのも考えるとひかりちゃんが関係してるってことになる」

 

「ってことは……」

 

「零君は、ひかりちゃんにとってのキラめきなんだ」

 

『!!』

 

「ひかりちゃんがキラめきをなくしたことによってひかりちゃんにとってキラめきの零君もいなくなったってこと?」

 

「たぶんね。だから今純那ちゃんが寮の零君に部屋に行ったの。零君が何か残してるかもしれないし。じゃあ、私も行くね」

 

「なな、寮まで送るぜ」

 

「え、いいの?双葉ちゃん」

 

「バイクのほうが早く着くからな」

 

「ありがとう、双葉ちゃん!お願い!」

 

「私たちは学校に岡峰君……いえ、零君の手がかりがないか探してみます」

 

「ななは早く寮に」

 

「ありがとう、みんな!」

 

「香子、頼んだぞ」

 

「双葉はんのぶんも頑張りますわ」

 

「あの香子から頑張るって言葉が……嬉しすぎて涙が出るぜ」

 

「双葉はん!それどういうこと!?」

 

 

香子のツッコミに少し笑いがおこる。

 

 

「よし、行くぞ、なな」

 

「うん、双葉ちゃん」

 

 

そして、双葉にバイクで寮に送ってもらったななは急いで零の部屋に向かう。零の部屋の前に着くと華恋と純那がおり、華恋は泣いている。

 

 

「華恋ちゃん、思い出したの?」

 

「うん。部屋にいるときにやっと思い出せたの」

 

「そういえば前からこの部屋を見てたんだっけ。その時は思い出せなかったんだ」

 

「うん。何かものすごく大事なことを忘れてる気がするってレイちゃんの部屋の前を通る時に毎回思ってたんだ」

 

「そっか。純那ちゃん、部屋には入れるの?」

 

「それを今から確認するところなの。鍵は……開いてるみたいね」

 

 

純那が部屋のドアノブを下ろし、ドアを少し開けた。

 

 

「それじゃあ、入るわよ」

 

「うん」

 

「わかった」

 

 

純那は勢いよくドアを開け、三人が中に突撃する。部屋の中はきれいに整理されており、ここが零の部屋だとすぐにわかる。だが、そこに零はいない。

 

 

「欲を言えばここに零がいればいいと思ったんだけど……」

 

「そう簡単にはいかないってことかな」

 

 

三人は整理された部屋の中を隅々まで見ていく。

 

 

「あ」

 

「華恋?」

 

 

華恋が声をあげ、純那とななが見ると華恋の手には一つの手紙があった。

 

 

「手紙?」

 

 

華恋はなにも言わずに手紙の裏側を見る。

 

 

『!!』

 

 

そこには、『華恋たちみんなへ』と書かれており、下のほうには小さく零よりとある。すぐに華恋が中から紙を出し、零が綴った言葉を読んでいく。

 

 

『あのオーディションに参加したみんなへ。

 

 

これを読んでるってことは俺の存在に気づいたってことだろうな。だから、これを残す。

 

 

あの後、俺は普通に登校してクラスに入ると誰もが俺に気づかないことになっていた。華恋でさえも目の前に立っているのに全然気づかないことに最初は驚いたが、ひかりが退学すると貼り紙があったからひかりに電話をしても繋がらないし、どこにいるのかもわからないので、誰も俺の存在に気づいてないのを利用して探すことを決めた。探していくうちに一つの考えに至った。だから、この考えを確実にするためにある物で答えを導き出した。その時に使ったやつは隣に置いておく。だが、その答えはここに書けない。これは華恋が自力で気づくことだ。華恋ならすぐにわかるはずだ。俺は先にその答えのほうに行く。時間はいくらかかってもいい。ゆっくりと確実に答えに突き進め。純那たちはその華恋のサポートを頼む。みんなの力で答えまでの道を導き出し、切り開くんだ。その先に俺とひかりは必ずいる。待っているからな、華恋。

 

 

零より』

 

 

「零……」

 

「レイちゃん……ごめんね……幼馴染なのに、気づけないなんて……本当にごめんね……」

 

 

華恋は手紙を読んでる時に涙を流して、読み終わった後もすすり泣く。

 

 

「手紙にある物って?」

 

「たぶんこれじゃないかしら」

 

「……それってひかりちゃんが持ってた『スタァライト』の戯曲本だ」

 

「ここから答えを見つける……か。華恋、手紙に書いてある通り、ここからは華恋がやることよ」

 

 

純那はひかりが持っていた『スタァライト』の戯曲本を華恋に差し出す。

 

 

「……うん、頑張る!」

 

「ええ、頑張ってね。零の頼みもあるから私たちもできるだけサポートするわ」

 

「うん!お願い!」

 

 

華恋と純那のやりとりを見ながら微笑み、もう一度机に目を向けるなな。すると、零からの手紙が入っていた包み紙に違和感を覚え、手に取り開けたところを逆さまにして右手に落ちてくるように何回か振ると、なにかが出てきた。

 

 

「ねぇ、これって……」

 

「あ!それ!私とひかりちゃんがレイちゃんにあげたペンダント!どこにあったの!?ばなな!!」

 

「手紙と一緒に入ってたみたいなの」

 

「零が置いていってしかも包み紙の中にってことは……華恋」

 

「わかってる」

 

「はい、華恋ちゃん」

 

 

ななから零のペンダントを受け取り、身につける華恋。

 

 

「これでレイちゃんはここにいるよ。レイちゃん、私頑張るから」

 

 

零のペンダントにそっと手を添えて呟く華恋。

 

 

「よし!じゃあ、さっそくやろっと!」

 

「やる気は素晴らしいけどまずなにからするの?」

 

「……なにからすればいいんだろう」

 

 

この華恋の言葉にななはずっこけ、純那は頭を抑えてため息である。

 

 

「この本を使うってことはわかるんだけど……」

 

「焦らないでゆっくりとやっていきましょう。零もそう言ってたでしょ」

 

「……うん、そうだね。ゆっくり考えてみる。じゃあ、私、部屋に戻るね。ありがとね、じゅんじゅん!ばなな!」

 

「ええ」

 

「頑張ってね」

 

 

 

 

 

その数日後、華恋はスタァライトを訳する事にして、学校でも寮でも訳すのに頑張るのだった。零が言っていたように華恋をサポートしていくみんな。

 

 

そして、教室で華恋はスタァライトのある部分を訳すと、ある考えが浮かび、それが答えなのだと直感で教室を飛び出しある場所に向かう。

 

その場所はオーディションの入り口であるエレベーターだ。だが、そこにエレベーターはなく、ただの壁だ。そこに華恋は持ってきたバールを壁に突き刺し、壁を削っていく。

 

 

「答えて!ひかりちゃん、レイちゃん……ううん、『零君』!!」

 

 

バールを振り上げ、叫ぶ。

 

 

「私たちはスタァライト、してなぁぁぁいっ!!」

 

 

その時、華恋の手に懐かしい感覚を感じた。華恋はその感覚がすぐにわかり、なにも言わずにバールを振り下ろした。

 

 

 

ガゴンッ!!

 

 

 

「っ!」

 

 

今までとは違う手応えと音に壁を見ると、そこには壁ではなくエレベーターの扉になっており、バールは扉の真ん中に刺さっていた。

 

 

「ふっ…………うぅ…………」

 

 

扉に刺さったバールを使って扉を開けようと力をいれるがなかなか開かない。すると、華恋が身につけている零のペンダントが輝いた。その瞬間、エレベーターの扉が開かれた。華恋は勢い余って転びそうになるがなんとか耐えた。扉の先に待っていたのは地下へと続く階段だった。

 

 

「……行くよ、ひかりちゃん、零君」

 

 

華恋はその階段をゆっくりと降りていく。

 

 

 

 

舞台少女心得 幕間

 

 

 

 

降りていきながらオーディションに参加したみんなから言葉を受けとる。

 

その言葉は……。

 

 

「舞台で待ってる」

 

 

華恋は階段に降りきり、地下劇場の入口の扉の前に立つ。入る前に後ろに振り向く。後ろの階段には一緒に降りてきたみんなが座っている。

 

 

「舞台で待ってて」

 

 

華恋はそう言い残し、地下劇場へと入っていった。

 

 

 

 

地下劇場のステージには、真ん中に星降りの塔を小さくしたようなものが置いてある。それを華恋は見つめていると、どこからかケータイの着信音が鳴り響く。見ると、星降りの塔の前にひかりのケータイが置いてあった。

 

 

「あれって、ひかりちゃんの!」

 

 

華恋は走ってひかりのケータイを拾い上げると、一つのチケットになった。そのチケットには運命のレヴューと書かれており、キャストは神楽ひかりで小さく『覚えてる?あの約束のこと』と書いてある。

 

 

華恋はチケットを見た後にもう一度星降りの塔を見ると、先ほどまで開いてなかったところが開いており、中に入れる。

 

 

「聖翔音楽学園第99期生、出席番号一番、愛城華恋!入ります!!」

 

 

華恋は星降りの塔に入っていった。

 

 

 

誰もいなくなり、静まりかえったステージに足音が響き、人が歩いてきて星降りの塔の前に立ち止まり、なにかを拾う。そこには別のチケットが。チケットには『待ってる』とただそれだけが書かれていた。その人は口角を上げ、チケットをしまい、中に入っていった。

 

 




お読みいただきありがとうございました!

いや~、前々から考えていたからすごい書きやすかったわ~。遅くなった理由は書き終わったから自分で読んで訂正するところを直しての繰り返しで、しかも今週の月曜に体調不良になってしまったんですよね……。今も本調子ではないんですが……。それで遅れたってところでしょうか。書き終わったのは先週ですね。さて、次はアニメ最終回だ。どう書こうかな……。ネタが浮かばなくて全然進まない……。

さて、皆さんはスタリラでポルックスの栞を手に入れましたか?私はジェムがなくて必死に貯めてる最中です。課金はひかりの誕生日ガチャでしちゃったのでできないです。昨日ステップ一の五連を引いたら最初にダウンロードが入ったので今のダウンロードはなに!?って思いながらタップしたら虹が一枚あったのでまさか五連で!?って思ったら持っていなかったメモワール…………うん、なんとなくわかってたけど残念なのは変わらないなって思いました。今はステップ二に挑戦するために必死です。明日までだからはやくしないと。

それでは皆様、体調管理と新型の肺炎ウイルス、コロナウイルスに充分お気をつけください。

レリでした!

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