少女☆歌劇レビュースタァライト 君とキラめくために 作:レリ
まさか一ヶ月以上経ってしまうとは思ってませんでした。ごめんなさい!なかなか浮かばなかった……
ってことで第三話です。どうぞ。
「れ、レイちゃん……」
「華恋、お前は下がってろ。落ち着いたら来ればいいだろう」
「う、うん」
落ち着きを取り戻すまで華恋は少し後ろに下がっていき、座り込む。
「さて、星見。わかってると思うけど俺はレヴュー事態が初めてなのでね。少しぎこちないがよろしく頼む」
「こちらこそよろしく。だけど、やるからには全力でいくつもりだから」
「それでいいよ」
星見は矢を構え、俺は夜天の剣を構える。
(彼女の命中精度は高い。遠距離を続けるとこっちが不利になるな。まずは接近だな。タイミングは……)
ヒュンッ!
キンッ!
「今!」
放たれた矢を斬り、すぐにダッシュし間合いを詰める。
カキンッ!
「えっ!?」
「やあっ!」
「あぶねっ!」
剣を降り下ろしたら弓で受け止めた。その瞬間に矢を一本出し、投げてきた。
「矢を投げるとはな。びっくりしたわ」
「まさかあの至近距離で避けるなんて」
「お互いびっくりしたってわけだな」
「そうね。でも今度は当てる」
「その意気やよし!」
夜天の剣を構え直し、再度突撃する。
「結構殺陣が上手ね」
「あ~レヴューだからやっぱ殺陣だよな。華恋でさえもあんなキレの動きをするとは思ってなかったわ」
「それ、愛城さんが聞いたら怒るでしょうね」
「聞こえてないから大丈夫ってことで」
「私が愛城さんに伝えてもいいけど?」
「勘弁してくださいよ、星見さんよ~」
「隙ありっ!」
「よっと」
キンッ!
隙をつかれようとしてもなんなく斬る零。
「強い……」
「星見も充分強いよ」
「ありがとう。でも、負けない!」
ヒュンッ!
キンッ!
「え……」
「……待ちかねたぞ」
矢を斬ったのは零ではない。矢を斬ったのは……。
「華恋!」
そう、矢を斬ったのは今まで後ろにいた華恋なのだ。
「遅くなってごめんね、レイちゃん!」
「ホントだよ。遅すぎるわ」
「そこまで!?」
「冗談だ。とりあえず助けてくれてありがとう……か?」
「素直にお礼言ってよ!」
「言ったわ。それと、華恋。星見が待ってるぞ」
「わわっ!ごめんなさい、星見さん!」
「別に待ってなんか……いえ、とりあえずそれはいいとして。愛城さん、リベンジの続き、しましょうか」
「うん!」
戯曲:The Star Knows 再演
(そういや、華恋と星見がやってる時は歌を歌いながらやってたっけ。俺、全然歌ってなかったけど。まあ、曲を知らないから当然か。さて、ここは華恋に任せて俺は遠くで観察するとしますか)
そう思いながら気配を消して二人から離れる。気配を消していたため、二人は全く気づいていない。
「私は、スタァになるためにこのオーディションを受けたの。このオーディションはチャンス。私はこのチャンスを逃すわけにはいかないの!私は私の星を手にいれて、私の舞台を終わらせない!これで、決める!!」
ヒュンッ!
キンッ!
「ノンノンだよ!一度で終わりじゃない!私たちは何度でも舞台に立てる!!」
(華恋……)
「情熱とキラめき。わかります。それが舞台少女の力」
隠れて華恋の言葉を聞き、彼女も夢を叶えるために努力してきたため、その言葉はなにか重みを感じる。
「諦めない……私だって舞台少々よ!私だって、スタァになりたいの!!」
「私は!ひかりちゃんと二人でスタァになる!!」
シャキンッ!
「星見の上掛けが……」
「あの星だけが未来を知っているのなら~空を見上げてそっと手を伸ばす~」
舞台の幕が閉じる。
「ポジションゼロ!!」
「オーディション二日目、終了します!」
「はぁはぁ……」
息を切らしているが彼女の顔はとてもいい笑顔だ。
「彼女が、なぜ最初から選ばれてなかったのか、わかりました。二人で一つの運命」
「華恋とひかり……二人の夢……か」
ステージではセットに幕が被さっている。その一部に華恋が走っていく。
「華恋、なにしてんだ?そこに星見がいるなんて確証は……」
バサ……
「お疲れ」
「いや、そこにいるんかい」
離れた場所でツッコミをいれる零。二人の会話はなんとか聞こえる距離だ。
「考えすぎかな、私」
「え?」
「だって、単純な方が強そうなんだもん」
「え、単純ってひどいよ~」
「よいしょ!」
「えっ」
「ふぅ~、でもこれで終わりじゃないもんね。だったら最後までやりきるだけよ。力の限り、スタァを目指して、ね?」
「星見さん」
「純那、でいいよ」
「わかった、じゅーんじゅん!」
「いきなり~?」
「こっちも華恋でいいよ!」
「そうよね、バ華恋って呼ばれてたもんね」
「え、ちょっ、じゅんじゅんひどいよ~」
(仲良くなれてよかったな、華恋。さて、都合よく終わったし、俺も早くここから出るか)
「そういえば零は?」
「あれ、レイちゃんどこに行ったんだろう……ってじゅんじゅん、今レイちゃんのこと」
「う……だって、今さら名字で呼ぶのも……」
「いいんじゃないかな!レイちゃんなら許してくれるよ!」
「幼馴染だからよく知ってるってやつ?」
「うん!」
(なんか名前で呼ばれてる……出た方がいいのかわからないな。俺も名前で呼んでってことだよな?マジか~)
「あっ!レイちゃんいた!」
「え?……うおっ!?」
いつの間にか目の前に華恋と星見がいた。後ろはセットがあるので逃げられない。
「こんなところでなにしてるのよ」
「え、あ、いや~……なんというか」
「言い訳はいいからさっさと行くわよ。華恋に零」
「うん!ほら、行こ!レイちゃん!」
「わかったから押すなって華恋!あとなにどさくさに紛れて俺の右手を引っ張ってんの?純那は」
「細かいことは気にしない!行くわよ!」
「お~!」
「だから自分で歩くって!!」
こうして謎のオーディションに飛び入り参加し、その二日目のオーディションが幕を閉じた。
第三話を読んでいただき、ありがとうございました。
なるべく早く投稿すると言っておきながら一ヶ月。申し訳ありませんでした!!次はいつ出せるかわからないです……。別作品の方も書いてるので……。じゅんじゅんの話し方が合ってるのかわからない!次回はオーディション三日目を書いていこうと思ってます。では、皆様、お待たせしてしまってすみませんでした。レリでした!