少女☆歌劇レビュースタァライト 君とキラめくために   作:レリ

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こんばんは。レリです!

めっちゃ久しぶりに一週間後に投稿です。

今回はいろいろキャラが出ます。モチーフキャラは後書きで。そして、零に新たな剣が!?

それでは、どうぞ!


第八話

トントントントン………

 

 

……チーン

 

 

包丁がまな板に当たる音、オーブンのセットしたタイマーの合図が鳴る。場所は学生寮、星光館のキッチン。キッチンからは香ばしい匂いが漂ってくる。

 

 

「ふんふふんふ~ん♪」

 

「これでよしっと。なな、そっちはどうだ?」

 

 

鼻歌を歌いながらオーブンから完成した料理を取り出すななにこちらの準備が整った零が聞く。

 

 

「こっちも終わったよ~。みんなを呼んでこないと」

 

「だな。お~い、みんな~。出来たぞ~!」

 

『は~い!』

 

 

零の声で七人分の返事がくる。すると、料理してたななとお風呂に入っているまひるを除く七人がリビングに入ってくる。

 

 

「おぉ~!まひるちゃん家のまひる芋の料理がこんなに!」

 

「なな一人じゃとてもできない量よね……」

 

「零君が手伝ってくれたからね。助かったよ」

 

「気にするな。俺がしたくてしただけだからな。あ、まひる!」

 

「なに?零君」

 

 

風呂から出たまひるがちょうどリビングの前の廊下を通ったので呼び掛ける。

 

 

「まひる芋、できてるよ♪」

 

「あ、わかった。部屋にお風呂セット置いてくるね」

 

「あいよ」

 

 

小走りで部屋に向かうまひる。

 

 

「いただきま~す!」

 

「こら、華恋。まひるを待たないのかよ」

 

「お待たせ~」

 

「あ、まひる。すまん、華恋のやつ先に食いやがった」

 

「あはは。華恋ちゃんはうちのお芋好きだからね」

 

『いただいてま~す!』

 

「……訂正だ。華恋だけじゃなく全員だった」

 

「あはは……」

 

 

ひかり以外が口を揃えてまひるに言うみんな。まひるは苦笑いしている。

 

 

「今年もと~ってもお料理のしがいがありました♪」

 

「量が去年より多い……」

 

「ななと俺の二人で料理したからな。どんどん作った」

 

「あ、そうなんだ」

 

「今年のまひる芋も最高だぜ~!」

 

「お芋、好きよね」

 

「Yes.This is お芋。ホクホクとした食感が……」

 

 

みんな美味しいだったり話したりして食事を楽しんでいる。

 

 

(華恋とまひるのレヴューの後とは思えない明るさだな。華恋、まひる)

 

 

そう、時間は華恋とまひるのレヴューから数時間が経過している。

 

 

(レヴューというか野球のようだったな。まひるの武器はバトンじゃなくてメイスだな)

 

 

嫉妬のレヴューは、今までのレヴューとはまた違ったものだった。野球のようなセットだったのだ。結果として華恋の勝利で幕を閉じた。

 

 

 

~♪

 

 

 

「ん?電話?誰だ?え?」

 

「どうしたの?レイちゃん」

 

「誰から電話?」

 

「悪い、ちょっと電話出てくるわ。みんなで食べててくれ」

 

「わかった。レイちゃんの分も残しておくからね」

 

「おう、頼む」

 

 

リビングを出て、自分の部屋に向かいながら電話に出る。

 

 

「もしもし、親父?」

 

『おぉ~、零。久しぶりだな』

 

 

電話の主は零の父親、岡峰一哉だ。

 

 

「そうだな」

 

『どうだ?新しい学校は?』

 

「問題ないよ。華恋とひかりもいるし」

 

『ほう、あの二人がいるのか。なら心細いことはないな。安心したよ』

 

「親父が心配なんて今日か明日は大雨か?」

 

『ひどいことを言うな……』

 

「冗談、冗談。で、わざわざ電話してくるとは一体どんな用件?」

 

『話が早くて助かるよ。実はな、どっかの女がまた剣を見つけたらしくてな』

 

「おい、その剣ってまさか……」

 

『お前の予想通りだと思うぞ。その剣はやはり誰も持てないことが確認された』

 

「まさかの二本目か。で、その剣を俺なら持てるかもしれないと?」

 

『ご名答。今、その剣をお前のところに送ってるから』

 

「は?送ってる?いつ届くんだよ」

 

『それは……』

 

 

 

 

ゴゴゴゴゴ………………

 

 

 

 

「なんだ?この重低音は」

 

「レイちゃん!!」

 

「うわっ!ビックリした!!」

 

 

いきなり重低音が聞こえたと思ったら部屋のドアをすごい勢いで開けてきた華恋に驚く零。

 

 

「大変だよ!外になんか大きい車が停まってるの!!」

 

「は?大きい車?」

 

『おぉ、着いたか』

 

「おい、親父。まさかとは思うが」

 

『言ったろ?送ってるって』

 

「ちょっと、零~!零にお客さんよ~!」

 

「親父、後でお話しようか。わかってる!すぐに行く!!」

 

 

電話を切って急いで外に出る。外に出ると華恋の言う通り大きい車が停まっている。

 

 

「って、装甲車かよ!!しかもめちゃくちゃデカイやつだし!!」

 

 

大型の装甲車の後部のドアが開く。すると、よく知っている人が降りてくる。

 

 

「久しぶりだね。零」

 

「え、き、如月綾斗さん!なんであなたが!?」

 

 

降りてきたのは岡峰一哉の部下、如月斗真(きさらぎあやと)さんだった。

 

 

「え、なんで綾斗さんが?てかこんなデカイ装甲車で来るほどとんでもねぇ剣なの?」

 

「詳しくは車内で。あの方が待ってるよ」

 

「まあ、わかりました。みんな、すまんが行ってくる」

 

「う、うん。いってらっしゃい……」

 

 

装甲車の中に入る零。すると、剣が入っていると思われる大きな鉄の箱がある。後は大きな画面がある。すると画面が光り、誰かが映り出される。

 

 

『お久しぶりです。零君』

 

「桐谷優里総理大臣。お久しぶりです」

 

 

画面に映ったのは日本で珍しい女性の総理大臣、桐谷優里(きりたにゆり)さんだ。ちなみに一哉の後輩だ。

 

 

『そう畏まらないでください。あなたのお父上には頭が上がらないのですから。それに、敬語はやめてくださいとも言っていたはずですが』

 

「いや、流石に総理大臣に敬語を使わないというのは……」

 

『まあ、いいでしょう。それでは、今日ここまで来た理由ですけど。あなたの所有しているのとは別に新たな剣が発見されました。その剣は誰も持つことができないのです。それで、一本目を持つことができたあなたなら持つことができるのではないかと思ったのです』

 

「なるほど。で、その剣はこの中に?」

 

『はい。今開けます』

 

 

 

プシュー……ガゴンッ!ゴゴゴ……

 

 

 

重そうな音を鳴らしながら箱の蓋が開かれる。すると、その中には新たに発見されたと思われる深紅の剣が姿を現す。

 

 

「これが……」

 

『触ったり、持ってみてください』

 

「了解です」

 

 

そう言われ、剣に触れると一瞬紅い剣が光ったように見えた。柄を握り、持ち上げる。

 

 

『……やはり、持てましたか』

 

「……なんか持てました」

 

『ちなみに重さはどうですか?』

 

「夜天の剣より少し軽いですね。こいつ」

 

『では、前回同様その剣をあなたに託します。軽いのならもう一本の剣とその剣で二刀流にするというのもありですね』

 

「そうですね。一本だけだとなんか変な違和感があったんですよね。もしかしたらこいつが来るのを無意識で待っていたのかもしれません」

 

『そうなのですか。あ、その剣には名前がありません。なので所有者のあなたが名前をつけて下さい』

 

「いきなりですね……そうだな、紅くて華のデザインがある……紅い華……紅華の剣……うん、こいつの名前は紅華の剣(こうかのつるぎ)にします」

 

「紅い華で紅華ですか。安直ですね』

 

「ネーミングセンス0の自分に何を期待してたんですか」

 

『ふふ。では、これで今日の用事は終わりました。お父上と理亜さんによろしくお伝えください』

 

「わかりました。わざわざありがとうございました」

 

『いえ、それでは失礼します』

 

 

電話が切られ、画面が暗くなる。ちなみに優里さんが最後に言った名前は零の母親、岡峰理亜(おかみねりあ)だ。いつまでも車内にいるのは嫌なので紅華の剣を持ったまま外に出る。すると、華恋たち全員が出てくるのを待ってましたと言わんばかりに走ってくる。

 

 

「レイちゃん!車の中でなに話してたの!?」

 

「その手の剣はなに?」

 

「一体誰と話したのよ」

 

「自衛隊がここまで動くなんてあなたは何者なのですか」

 

「詳しく聞かせてもらおうじゃない」

 

「だぁぁぁぁっ!!わかったわかったっ!!後でちゃんと説明するから今は離れろ!!綾斗さんたちが帰れないだろ!!」

 

「あ、そうだった」

 

「ごめんなさい」

 

「いえ、大丈夫ですよ」

 

「綾斗さん。本日はありがとうございました。親父にはきつく言っときます。自分の部下をパシりみたいに使うなと」

 

「お気遣い感謝するよ。でも大丈夫だよ。自分が好きでやっていることだから」

 

「そう言ってくれると助かります」

 

「じゃあ、僕は行くね」

 

 

自衛隊の敬礼をした綾斗さんに零も敬礼する。そして、綾斗さんが乗った装甲車がゆっくりと前進し、帰っていった。

 

 

「それじゃあ、レイちゃん。話してもらうよ」

 

「わかってるよ。リビングで話す」

 

 

リビングに移動し、紅華の剣を床に置く零。

 

 

「さっき車の中で誰と話していたのかだけど、桐谷優里さんと話してた」

 

「桐谷優里って……桐谷優里総理大臣!?」

 

「ご名答。純那」

 

 

さすが学級委員長なだけあってこういうのはすぐに理解する純那。

 

 

「レイちゃんと総理大臣ってどんな関係が?」

 

「親父の後輩だよ。なんでも昔、親父に助けられてそこから親父を慕うようになったんだと。で、もともと頭もすごくよかったから総理大臣になれたって言ってたな。慕っている人の息子にも親父ほどではないけど信頼しているんだそうだ。総理大臣にむかってタメ口で話してもいいとも言われてるし」

 

「零君のお父さんってそんなにすごいんだね」

 

「総理にもなれたかもしれない親父がなぜ自衛隊にいるのかと思うよ。自衛隊ではめちゃくちゃ偉いらしいしな」

 

「で、その紅い剣が今回の用件?」

 

「そ。こいつは紅華の剣って名前をつけた」

 

「やはりその紅華の剣も夜天の剣と同様に重いのですか?」

 

「試しに持ってみろよ」

 

 

何人かが紅華の剣を持ち上げようとする。しかし誰も持ち上がらない。

 

 

「やっぱり持てないのか……」

 

「零は持てるんでしょ?夜天の剣と比べてどうなの?」

 

「夜天の剣よりかは少し軽いよ。夜天の剣と紅華の剣を両手に持って二刀流ができる」

 

「もう零はとんでもない人だというのがわかったわ……」

 

「なんか呆れられてる……」

 

「当然だと思うけどな~……」

 

「まあ、この剣の話は終わりだ!結構時間経ってしまったけど残りのまひる芋の料理を食べようぜ」

 

「うん!あ、そうだ、レイちゃん!いいもの見つけたんだよ!」

 

「いいもの?」

 

 

そう言うと華恋はリビングにあるテレビをつける。するとDVDかなにかが入っているのか、それが再生される。画面には北海道のテレビ番組が映し出される。画面が切り替わり、中学生のまひるが映る。

 

 

「あぁ~!忘れてた~!ダメェ~!!」

 

『どんなスタァになりたいですか?』

 

『スタァ!?えっと、大切な、大切な人たちを笑顔にできるような暖かいスタァになりたいです!』

 

 

画面のまひるの笑顔は現在のまひると同じキラめいている笑顔だった。

 

 

「ね!まひるちゃん、可愛くて暖か!そして、と~っても朗らか!」

 

「うん。キラめいてる」

 

「確かにキラめいてるな」

 

 

そう言いながらまひるの方を見るといい笑顔だった。その笑顔は今まで零が見た以上の笑顔だったのだった。

 





第八話をお読みいただき、ありがとうございました。

さっそくですが登場キャラの説明です。

岡峰一哉……機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズのラスタル・エリオンがモチーフ。モチーフがモチーフなだけに一哉もめちゃくちゃ偉いです。

桐谷優里総理……機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズのジュリエッタ・ジュリスがモチーフ。一哉の後輩であり、先輩である一哉を慕っている。名前はジュリの部分のユとリをとって優里にしました。

如月綾斗……学戦都市アスタリスクの天霧綾斗がモチーフ。零に次ぐ実力の剣の使い手。


こんなところですね。そして、零に託された新たな剣。わかった方が多いかと思います。紅華の剣はSAOアリシゼーションのキャラ、ユージオの剣、青薔薇の剣の赤バージョンです。ちなみに青かったら蒼華の剣(そうかのつるぎ)にしてました(たった今思い付いた名前)。


それでは、おやすみなさい。レリでした!

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