「見えてきたよ相棒!あれがムツキだよ!」
「おー!あれがムツキか!結構でかいんだな。」
俺達は二十分ほど歩き、ようやく目的地であるムツキが見えてきた。周りは高い壁に囲まれいて、その壁には大きな門がついている。ここからでは中がどうなっているかはわからなかった。
「到着まであと少しだね。じゃあそろそろ私をしまいなよ。」
「ん?何でだ?」
「相棒は見えないかもしれないけど、門の前には怪しいやつがいないか監視してる監視役がいるんだよ。剣を出したままの人がいたらとりあえず止めるでしょ?」
「確かにそうだな、でもしまえるものはもってないぞ?」
俺がこの世界に来たとき、何か持っている訳ではなかったので、今は相棒である聖剣エクスカリバーと、白いフリルがついた服とスカートを身につけているだけで、それいがいは何持っていない。
「そんなの私がさっさていたとこに戻すだけでしょ?」
「なるほど、最初は...ってえぇ!?つまりそれって...」
「うん、もちろ...」
「わかったからそれ以上喋るな!!!」
恥ずかし、ただただ恥ずかしい。初めに抜いたときは理解が追いついてなかったから何も考えずに相棒を抜くことが出来た。だが今は違う、ここの世界に来てから時間がっているので意外と冷静だ。
「こんなとこで...完全に痴女じゃないか...」
「それに関しては大丈夫だよ、魔法で見えないようにしてるからね。」
「聖剣になるだけじゃなくて魔法まで使えるのかよ。」
「もちろん。それにこの結界は魔力が結構強い人じゃないと存在にすら気づけないから大丈夫だよ。」
「そう言われても...と言うかそもそもその大きさじゃ無理じゃないか?」
「安心して!空間魔法使うから。」
「まじかぁ...」
ずっとうじうじしていても仕方がないので、俺は決心を固め、下を脱いで地べたに座る。
「くうぅ.....」
そして相棒の先端を入れたその時、
「相棒」
「ななな、な、なにぃ!」
「何か近づいて来てるよ。」
「い、いまぁ!?」
ものすごく集中していたので気づかなかったが、遠くの方から音が聞こえる。この音は、
「馬車だね。」
「で、でも見えないんだよね?」
「魔力がかなり強い人が乗ってるね。」
「え、えええぇ!?」
そんなやりとりをしているうちに馬車の音はすぐそこまで迫っていた。
「あ、相棒...これは...まずい状況なの?」
「えーとねぇ、かなりまずい状況かな。」
「え!?どど、どうすればいい?」
「この状況だと...どうしようもない。」
その時、
「...ん?ちょっと止まって。」
馬車が目の前で止まり、中から赤い髪をした魔女のような格好をした少女が降りてきた。
「こんなとこに認識阻害の結界...しかもかなり強いわね。ここまでで良いわよ!」
赤い髪の少女がそう言うと馬車は街の方へ走っていった。
「さて、やりますか!」
赤い髪の少女はそう言っているが、俺としては絶対にこの結界を壊されたくない。
「ほら、見られたくないなら早くしないと。」
「で、でも...」
「ここをこうして...よし、できた!」
結界にじょじょにひびが入っていく。そしてついに、
「あ、あああああああ!!!!」
結界が完全に消滅した。
「.....................?」
目が合った瞬間、赤い髪の少女の動きが止まる
「........................」
「....................??」
「ど、どうも.........」
「.................!?」
赤い髪の少女が再稼働した。
「あ、安心して。私は何もみてないから。」
「ちょ、ちょっとまっててぇ!!」
赤い髪の少女には待ててもらい、今は急いで相棒をしまうことにした。
「...どんな状況だったのか教えてもらってもいいかしら?」
「そうですね...実は記憶喪失みたいで...いつのまにか野原に寝てたんです。そして下の方に違和感を感じたので、触ってみたら剣が入ってました。」
説明になっているのかわからないけど、俺だってこの状況を理解できていない。むしろ俺が説明してほしいくらいだ。とりあえず相棒のことは内緒にしておこう。
「な、なるほど。あなたもいろいろ大変なのね。」
「はい。なので近くの街でこれからのことを考えようかなと。」
「そうなのね...じゃあ私の妹にならない?」
この人はいきなりなにを言っているんだ。
「え、は...え?」
「実は私ずっと妹が欲しいと思ってたんだよね~。ね!?あなたも生活する場所が必要でしょ?」
「ま、まぁ必要ですけれど...」
「よし!じゃあ今から妹ね!決定!」
どうしよう、この人めちゃくちゃ強引だ。
「そう言えば自己紹介してなかったわね。私はシェリー。シェリー・スパイルよ。あなたは記憶がないのよね...じゃあ今からルーシィね!ルーシィ・スパイル。いい名前でしょ?」
「は、はいルーシィですか。いい名前だと思います。」
「よし!じゃあ行こっか、私達の街へ!」
「お、おー!」
シェリーさんの勢いが強いのでいつの間にか妹になってしまった。でも悪い気はしない。この世界のことは何もわかっていないので頼れる相手がいるのは良いことだ。
(私と話しているときと言葉づかい違いすぎない?)
と相棒が直接語りかけてくる。
(俺は人見知りなんだよ。知ってるだろ。)
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