亜空の使者 ートラックに轢かれた運命は通りすがりの救世主ー   作:豚野郎

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実に一ヶ月ぶりの投稿。諸事情で投稿が大分おくれてしまいました。ごめんなさい。


さわやかヤンキーがオレを襲った

 オウイエス。ここでボス登場。籠に捕われた二人が必死にもがいているが、自力では抜けられないらしい。

 

「ああ〜、ここたしか、重要な分岐点じゃなかったっけ?」

「おい、ボサッとしてねえで助けるぞ!」

 

 カービィにどつかれて浮いていた気分が元に戻る。

 そうだ、早く助けなくてわ……!

 ボスパックンに飛びかかる俺達の目の前に、黒い陰が立ちはだかる。

 

「………………!」

 

 俺達の渾身の攻撃は、その陰に容易く受け止められ、地面に叩き付けられた。

 陰の正体は、なんとも見覚えのある、ボスキャラだった。

 

「……………ザント」

 

 ゼルダの伝説トワイライトプリンセスに登場するストーリー全体の中ボス的な存在。やり込んだオレとしては、ダンジョンもボス攻略も、ラスボスのガノンドロフよりも難しかった。

 三角柱の様なかぶり物と民族衣装に似た黒い服を纏ったザントが口を開く。

 

「何やら面妖な気を感じて来てみたら、どうやらお前がその正体みたいだな」

 

 ———すでにバレかけてるっ!?

 なんだよ面妖な気って!オレ、ただのファイターですから!そんな、間違えて死んだから他の世界で転生したとかそんな設定なんかこれっぽっちもないただのガンダムファイターだから!!

 

「これからの計画に差し支えては困るのでな…………」

 

 ザントの頭上にポータルが現れ、その中から、巨大な骸骨が落ちて来た。

 骸骨と言っても、人間のそれとは違っていないのは胴体と手だけで、下半身は無く頭は大きな肉食動物みたいな物だ。

 うん、こんなボスキャラいたな。

 

「こんな、『荒野』にある観光物なんか出してどうする気だ!?」←マリオ

 

 え!?このボス観光物なの!?

 

「ふ、見ているが良い。この骸骨はもともと、大昔にとある処刑場で飼われていた魔物が処刑場の撤廃と共に処分された成れの果て…………」

 

 そう言い、ザントは懐から漆黒色の剣を取り出すと、骸骨の眉間に突き刺した。

 一瞬、骸骨がビクッと跳ね上がり、ほのかに赤く光ったかと思うと、骨を軋ませ起き上がりだした。

 ハーラ・ジガント………だっけ?このボスの名前。

 

「———さて、やることはやった。私は先に戻りますぞ。あとは任せました、エイシャント卿」

 

 ブッ、と残像をなびかせてザントが消えた陰から新たな陰が現れた。

 全身を緑色のマントで覆い、足下のバーニア装置で浮いている。

 バーニア装置の下に取り付けられた×マークの付けられた卵みたいな物がボスの後ろに落とされる。

 

「…………………」

 

 それだけを済ませると、緑のマントは何処かへと飛去ってしまった。

 球体の脇から白いロボット二機が現れ、球体とドッキングしたかと思うと、バカッと開いた。中身にはなにやら300と書かれた数字があり、時間が経つに連れて299、298と減って行く。

 

「ば、爆弾だ!」

「なんだか知らねえがさっさと壊すぞウスノロ!」

「早くしろ!どうなっても知らないぞ!」

 

 またもやカービィにどつかれてハッとなる。ダメだ。まだ状況に思考がついて行かない!

 

「———うおっ!?」

 

 ボスパックンの脇をダッシュで抜けようとしたマリオが、ハーラ・ジガントのビンタ一発で空の彼方へと消えて行った。

 

「「マジで!?」」

 

 二人して絶叫!なんでなんで!?普通、もうすこし優しめに設定されてるでしょ!?

 

『ァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアア!!』

 

「……………どうするよデスティニーさんよぉ……数は一緒。デカさパワーで万事休すと来た………」

「どうするもなにも…………」

 

 大剣を握る掌に力が入る。よし、ようやく思考が追いついて来たみたいだ。

 

「———1対1でケリ付けるしか無いでしょ」

「どっちがどれをヤル?」

「お前は二人を助けてくれ。その間、オレはコッチの骸骨を片付ける」

 

 うろ覚えだが、コイツの倒し方は覚えている。籠から姫を出すだけの簡単な作業はカービィに任せよう。

 

「オレは構わないが、負けるなよ」

「当たり前だ。さっさとコイツらを倒して逃げるぞ」

「止めないのか?」

「バカ言え。ここには俺達しかいないんだ。爆発から逃れる方が懸命だ」

「はいはい、サイですか」

 

 それだけの会話を交わし、おれは目の前のハーラ・ジガントへ、カービィはボスパックンへと走る。

 

『グルォォ!!』

 

 放たれたビンタを短いジャンプで回避し、頭部に突き刺さる剣へと大剣を振り下ろす。

 

『ルルルル…………』

 

 大剣が漆黒の剣をかすめる。ボスが少しひるみ後ずさるが、決定打とはならなかったようだ。

 そう、額に刺さる剣がヤツの弱点だ。アレを破壊すればボスの動きが止まるはず……。

 バコッと、骨粉を撒きながらハーラ・ジガントの口が開き、こちらを向き、その巨大なあぎとから炎が吹き出す。

 

『……………ォォォォォォオオオオオオ』

「…………やべえ!!」

 

 横に跳ぶが、放射状に広がる火炎には有効的ではなく、下半身丸ごとが炎に包まれた。

 

「あっっっつうううう!!」

 

 熱さのあまりに下半身の装甲が所々ぶくぶくと泡立つ。

 白い煙を巻きながら、ボスの足下に飛び付く。

 

「やってくれたな!」

 

 ボスの身体を支えている腰骨に大剣を力一杯に叩き付ける。

 長年ほったらかしにされて半分風化していた骨にたちまちのうちにひびが入る。

 

「これでフィニッシュ!!」

 

 もう一度大剣を振り下ろし、腰骨を完全に破壊する。

 

『ルルルルルゥ………!』

 

 支えを無くしたハーラ・ジガントは、スタジアムに腹打ちになる。

 

『……………ゥゥゥゥゥゥ…』

 

 衝撃で肩の骨は完全に外れ、連なっていた肋骨は一本残らず粉砕。邪悪な闘志が宿っていた双眸は光を失っていた。

 

「こっちは片付いた。そっちはどうだ?」

「ああ、ゼルダ様の方は助けた。あとはピーチ様を助けるだけだ」

 

 その一言の間に、ピーチの入った籠が破壊され、地面に転がる。

 トドメにゼルダが掌から魔力で生み出した火球をボスの顔面にお見舞いし、程なく沈んだ。

 籠からはい出すピーチに手を差し伸べる。

 

「さあ、早く逃げるぞ!」

「ふふふ…………さっきの二人のやり取り、なかなか様になっていましたよ………」

「まだそんなこと言っているのか!?」

 

 その細い腕を強引にたぐり寄せようとした次の瞬間、黒い閃光がオレを襲った。

 

「ッッッ…………!?」

 

 ピーチの手からはじき出され、息すら止まる激痛が身体を駆け巡る。

 ステージに転げ回り、どうにか立ち上がってうつろな目線を襲撃者に焦点をあわせる。

 ———やったのはエイシャント卿とか呼ばれていたやつか?それとも…………

 

「………バカな……ダークキャノンを受けてフィギュア化しないとは。一体何者だ………?」

 

 目に止まったのは緑のマントではなく、黄色い帽子とゴーグル、肩口をギザギザに切ったジャンパーだ。

 その手元にはその身長にも及ぶ砲身を持った巨大な銃だった。オレを襲った光線は恐らくアレによる物だろう。

 ———コイツも知っている。まあ、ゲームではあまり使わなかったけど……。

 

「お前、ワリオだな?」

「…やれやれ、オレも随分有名になったもんだな」

 

 フッと鼻を鳴らし、さわやかな声を漏らす。比喩とかじゃなくてマジで。

 おおう、ここまで見た目と中身が違うと驚きを通り越して声が出なくなるな。

 

「まあ、こっちも暇じゃない訳でな。仕事をさせてもらう」

 

 ワリオが手にする銃口が煌めき、矢印状の光線が発射される。

 とっさに横に回避をとる。

 しかし光線はオレの目の前で屈折し、オレとは逆方向に飛んで行った。

 

「まさか………!」

 

 斜線の延長線上、そこにはピーチ姫がいた。

 胴体を貫かれたピーチは、宙でフィギュア化する。

 

「さて、時間もない訳だし、さっさと帰らせてもらいますか」

 

 オレには目もくれず、のそのそとピーチのフィギュアに歩み寄るワリオ。

 

「ま、まて!」

「一つ教えてやろう」

 

 ワリオの言葉に足が止まる。

 ピーチを小脇に抱えて顔3割をこちらに向けると、少しにやついた目つきをこちらに向けた。

 

「後ろの、忘れてないか?」

「何を———」

 

 突如、激しい衝撃に襲われる。視界が一気に真っ暗になり、パニックになる。

 周りを見渡し、赤黒い光を二つ見つける。これは何処かで———

 

「まさか!?」

「なあ、言ったろ?」

『グルルルルル………』

 

 ハーラ・ジガントの口の中ダーーーーーーーッ!!

 そうだ、動きを止めただけで頭の剣を壊してなかった!

 

「大丈夫か!?」

「ああ!なんとかな!」

「今助けてやる!」

「いや、先に逃げろ!」

 

 このまま爆弾に巻き込まれるより二人だけでも逃がした方が良い。

 それを察知したのか、二人はそれ以上何も言わなかった。

 

「…………わかった」

 

 二人は恐らく逃げただろう。

 ———さて、どうしたものか。

 時間はあまりないハズだ。オレもここから早く逃げないとな。

 こんだけ狭いとアロンダイトも振り回せないしな………。

 

「たしか、ここに………」

 

 あった。

 左側の背中に下から手を回し、取っ手を手前にスライドさせる。暗くて見えないが、恐らく手にしているのは長距離ビーム砲だろう。狙いが定まらない訳だがかまわずぶっぱなす!

 

『ルォォォォォ!!』

 

 前歯に当たったみたいで、大穴が空く。すかさず飛び出し、ボスに振り返る。

 そこには頭だけになって浮遊しているハーラ・ジガントがいた。ああ、第二形態だっけ。

 爆弾のタイマーはすでに30秒を切っている。

 

『ルルルォォォオオオオオオオ!!』

 

 突進してくる頭部をひょいと躱し、額に刺さった剣に手をかける。

 

「一か八か!!」

 

 頭にしがみつき、剣をグイッと強引にひねる。

 

『オオオオオオオ!!』

「やった!」

 

 ハーラ・ジガントが剣をひねった方向に曲り、突進し始めた。これなら行けるぞ!!

 そのまま剣を上手いことコントロールし、スタジアムの外へと飛び出し全力前進する。

 程なく後方で巨大な爆発が起き、その衝撃波が身体を襲い、ハーラ・ジガントの頭から投げ出される。

 

「いでっ!」

 

 地面に墜落。

 目の前を見ると、スタジアムだった物がなにやら黒い球体によって丸ごと覆い込まれていた。

 そのままぼーっとしていると、目の前に因縁深い骸骨が落ちて来た。

 だが、反応がなく、双眸からも光が感じられない。

 

「…………………あ」

 

 手元に黒い剣が残っていた。放り出された時に抜いちまったんだなこれ。

 その後、アロンダイトで剣を撤去した後、少し悩む。

 

「さてさて———」

 

 ———どこに行こうか。

 目の前に広がる風景を大まかに分けると、平野を超えた先にある森と山岳地帯。

 ここも分岐点みたいな物なんだろうか。悩みどころだ。

 

「………………………………森にしよ」

 

 悩んだあげくの決断。理由は山を登るのが嫌だからだ。

 そうと決まったからには迅速な行動だ。森へと歩みを進める。

 

 

 

 

 




最後はすこしやっつけで書いたので乱雑になってしまいました。
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