SWORD ART ONLINE fff 王の軌跡 作:天城時雨
まぁなんだ。こっちも見てくれる人にありがとう。
んでもってこれからもよろしくお願いします!
んじゃ、本編どぞ。
「えっと、し、失礼します?」
「なんで疑問形なんだよ。いいからさっさと上がりな」
そうやってびしょ濡れの年下の美少女を自分の部屋に押し込む。
ヤベェな。どう解釈しても犯罪くせぇ。どうしてこうなったんだっけ?
☆☆☆
「「あっ、すいませ………え?」」
そんな言葉が口からでたのと隣から同じ言葉が聞こえたのは全く同じタイミングだった。人参に手を伸ばす俺の隣には同じように人参に手を伸ばす美少女の姿があった。
黒くツヤのある後ろ髪は腰の当たりまで伸びており、前髪は目にかかり気味だ。その前髪から覗く黒目は驚きによって見開かれている。俺より遥かに小柄な彼女は小振りな唇を半開きにして固まっている。
と、そこまで考えた所で俺の体は動き出した。
「よう!和菜。珍しいな、お前が学校以外で外出してるなんて」
そう声をかけたことで彼女も現実に復帰したようだ。
「あっ、うん。こんにちは。リアルで会うのは久しぶり………だよね?」
───桐ヶ谷和菜
俺の2つ下の少女──俺が今高1だから中2だな──でゲーム仲間だ。先ほどの言葉からもわかるようにコイツが家から出るのは珍しい。マジで学校以外では外出してないんじゃなかろうかってレベル。肌も真っ白だし。
「ああそうだな。んで、どした?さっきも言ったがお前さんがスーパーまで来てるなんて珍しい」
「えっと、今日からスグが剣道の合宿で……。母さん達も仕事で泊まりがけの出張らしくて……。家に私しかいないから。その、ご飯の材料の買い出しに。」
「ああ、なるほどね」
どうやら自発的に出て来たわけではなかったらしい。まぁこの出無精が自分から外に出るとは思ってなかったけど。
「ええっと、菊斗も買い出し?」
「ああ。今夜はカレーにしようと思ってな。ありゃいい。うまいし簡単だし短いが日持ちもする」
「へぇ。私もカレーにしようと思ってたんだ。どうせなら一緒に回る?」
「そうだな。普段買い物してなさそうな誰かさんが傷んだ野菜買わないように見張ってねぇと」
「うっ………お、お願いします」
とはいえ単なる夕飯の買い出しだ。得に何があるわけでも無く買い物は終わった。アイスのせいで荷物が結構かさばるし重たくなったが………。後は帰るだけ。なんて甘い考えを許してくれるほどこの世界は優しく無いようで………
「………なぁ和菜さんや」
「………なんだい菊斗さん」
「俺の目には大雨が降っているように見えるんだが、気のせいだよな。この体をうつ無数の水玉もきっと気のせいだ」
「奇遇だね。私も大雨が降っているように見えるよ。それにかなりの水を体に浴びてるような気がするんだ」
そう、現在俺達は大雨の真っ只中にいる。
スーパーを出たまではよかった。チャリを押しながら和菜と世間話をしていたところ、急な夕立に見舞われたのだ。ともあれどうすべきかは明白で………。
「俺ん家まで走れっ!お前ん家よりは近いだろ!」
「う、うん!」
そうして冒頭まで至るわけだ。
ん?どうして俺の部屋にあげてたかって?んなもんちびっこ共がうるさいからに決まっとろう。奴らアイスを奪っていったかと思えばあれこれ余計なこと聞きやがって。「お持ち帰り!?」じゃねえよ!どこで覚えて来たんだそんな言葉。だいたい俺じゃ和菜に釣り合わねぇっての。
☆☆☆
「ほれ、とりあえず荷物置きな。風呂たまるまでまだかかるだろ」
「うん、ありがと」
女子と自室で二人っきり。しかも相手はかなりの美少女だ。とはいえ俺はあまり緊張していない。コイツとゲームするために俺の部屋に上げることは結構多いし、そもそもコイツとは友達だ。何かあるわけでもないのでいちいち緊張する必要もない。
「ね、ねぇ菊斗」
「ん?」
「えっと、お風呂入れるまであとどれくらい?」
「ああ、まあ大体5分くらいだろ」
「そ、そっか……」
コイツは毎回緊張してるみたいだが。まぁ友達とはいえ異性の家だ。緊張するのも無理はねぇかもな。
世間話をしながら待つこと約5分。『ピーーー』と電子音が鳴り響いた。どうやら我が家の給湯器は無事その仕事を終えたらしい。
「ほれ、風呂張り終わったぞ。先に入ってこい。風呂場は一回に下りて直ぐ左だ」
「うん。えっと、覗かないでね?」
「覗かねぇよ!ってか覗けるほど家の風呂場でかくねぇし!さっさと入ってこい!」
「はーい」
ま、まぁ緊張が解れたみたいでよかった。和菜は俺の部屋を出て風呂場に向かって行った。
ああ、ラッキースケベなんてないからな。振りじゃないぞ、ほんとだぞ!
なんてくだらないこと考えてたら扉がノックされた。
「ん、誰だ?」
「アタシだけど」
「ああ、真理か。どうぞ」
そう言って入ってきたのはこの孤児院で唯一の双子の片割れ、真理だった。彼女はまぁ、かなり男勝りな所がある。そんな彼女が何の用だろうか。
「どした?何か急ぎの用でも──」
「ふっふっふ、これを見たまえ!」
「なっ!それは!?」
「そう、これは菊兄が大事に保管していたSAOβテストの応募ハガキ!」
そう、やつの手にあるのは俺が大事に保管していたSAOβテストの応募ハガキ。SAOとは大手電気メーカー『アーガス』が作り上げた完全フルダイブ型のVRMMORPGだ。これは1ゲーマーとして是非βテストに応募しなくては。そう思って応募ハガキを書いたのだが……。
「何故それをお前が……。いや、それよりもそのハガキをどうするつもりだ!」
「そんなの決まってんだろ。アタシの名前で応募してやるんだ」
「んなっ!なんでそんなことを!?」
「今日の仕打ちを忘れたとは言わせねぇぞ。意味なく雑用させやがって」
雑用?っと思って直ぐに答えに行き着く。今日、パンケーキを焼いていたときに絵里と一緒に洗濯物を干す手伝いに行かせたんだった。
「いやいやそんな理由で──」
「うるせぇ!嫌なら取り返して見せろ!」
そう言って真理は部屋から飛び出して行った。
「いやいやいや、待ちやがれゴラァ!」
俺も直ぐに部屋を飛び出す。奴は一階に逃げたようだ。何としてでも取り返さねぇと。
「うひゃー!」
ガキかあいつは!叫び声を上げて階段を下りていき、そのまま左にカーブ。俺も急いでそのあとを追う。奴はどうやら脱衣所に飛び込んだらしい。
この時の俺は少なからず冷静ではなかった。目の前の出来事に気を取られすぎて脱衣所に誰か居ることをすっかり忘れていたのだ。加えてタイミングも悪かった。
まぁ何が言いたいかと言うと──
「へ?」
脱衣所で用意してあった着替えを身につける直前、つまるところ全裸の和菜とばっちり目があった。必然的にその全身も目に入る。
「き、キャァァアアアアア!!!」
誰だよラッキースケベなんてないとか言った奴。バリバリあんじゃねぇか。和菜の悲鳴を聞きながら頭の片隅でそんなことを考えていた。
うん、強引だってことは分かってる。しょうがないじゃん、ふと思いついたんだから。
それよりも!やっとSAOの文字が出て来たよ!マジでちょっとだけですけど。
ってかもっといっぱい書きたいことあんだよね。得にAWとのコラボ的なのを書きたい。まぁかけたとしても当分先でしょうけど。
っとすみません。ここで多作品の宣伝をば。
ええ、私の処女作である『角持つ少年人理を救え』という作品でアンケートを取ってます。どうかご協力お願いします。極論FGOの鯖5騎適当に書いてくれればそれでいいです。オナシャス!
さて、
このような駄文を手に取っていただきありがとうございます。
誤字報告、アドバイスお待ちしています。
では、またいつか。