間桐 心現の聖杯戦争   作:Reidou Shion

3 / 3
2019/7月21日/大幅な編集を行いました。


第3話

 

 

 私は先月15歳になった、つまり時計塔に行くことが出来るようになったのだ。時計塔に入学している間に、礼装製作や研究の為の素材集めや、コネクションを作りサーヴァント召喚の触媒集めもしておかないといけない為、先ず時計塔で友人を作ろうと考えた。

 そんなこんな私は、父上の紹介でグレイアス・エルメロイ・アーチボルトと言う青年と出会い、形だけの友人関係ができた。

 アーチボルト家初代当主が父上と同期らしく、その3代目当主のグレイアスは、アーチボルト家の秀才と呼ばれる優秀な魔術師らしい。聖堂教会による魔女狩りから妻を救っているらしく、代行者をも撃退する戦闘能力を持っていると父上から聞いたので、対代行者の戦い方を教えてくれと頼み込んでみた所、『なんでキミにボクの魔術を教えなきゃ行けないんだ、けどまあ、体術ぐらいは教えてあげなくもない。』と言われ、私はニッコリと笑いながらその誘いを受けた。

 ついでに言ってしまうと、彼の口から出た声は所謂【ショタボ】と呼ばれる部類の声であり、顔も中性的である事から非常にモテるだろう、と言ってみた所、水銀を槍状に変形させて思い切り脳天を叩かれた。その後三日程は痛みが引かずに辛い思いをしたのはいい思い出である。

 

 

 

□◆□

 

 

 この数ヶ月、グレイアスは、人にモノを教える才能があるのでは無いだろうか、多少他を見下す姿勢あれど、生徒を導く事に関しては超一流だと思いてしまう程、彼の体術指導は覚えやすかった。グレイアスは私の才能の所為だと言っていたが、それを含めても彼が人にモノを教える才能は飛び抜けている。

 

 そして、ある日私はグレイアスの様子がおかしい事に気付いた。

 何があったのか聞いてみると、彼は水銀に意志を持たせ、擬似的に使い魔とする事で水銀の多様性を強化しようと試みていたそうだ。実際に、水銀を改造して生物とする試みをした所、どうしても犬や猫、ホムンクルスの様に意志を持たせることができないとボヤいていたので、私は体術を教えて貰った恩がある彼に助言をする事にした。

 

『───魂を入れてみたらどうだい?』『───なんだと?』

 

 そう、彼はまだ時計塔に来てから降霊科を学んでおらず、先代や初代の当主も降霊科を学んでいなかった様で、魂についての知識が欠損していたのである。実際、魔女狩りが頻繁に行われている当時において、降霊科とは主に殺された魔女の霊体等を研究する為の科目と化していた為に、魂と言う言葉を聞かなかったと言うのも理由の一つであろう。

 私は間桐の魔術に触れないレベルで魂系統の知識を彼に教え、研究を始めてから1年程経った後、意志を持つ水銀・【Mercurius incipit(始まりの水銀)】は完成した。

 研究が予想以上に上手く行き過ぎてしまい、下手すれば封印指定レベルでの性能を誇る水銀が完成してしまった。魂関係の魔術がグレイアスにはあまり適正が無かった為、私が手伝う事にしたが原因だろう。私達は封印指定を逃れる為に、敢えて時計塔にこの研究成果を提出する事に決めた。「現代魔術師が無機物礼装に魂を宿す方法」と言う研究成果を共(・)同(・)研(・)究(・)として時計塔に提出した所、降霊科のロードが興奮した様子で私達を質問責めにしたのは必然だったのであろう。

 

 

 

□◆□

 

 

 私は今、大掛かりな礼装を作製する為の準備に取り掛かっている。以前私達を質問責めにした降霊科のロードのコネを使い、霊墓アルビオンにて魔獣等の幻想種を狩り、素材を集めた。

 勿論、霊墓での素材集めにはグレイアスも同行させ、【始まりの水銀】を有効活用させてもらった。共同開発なんだから使わせて貰っても構わないだろう(グレイアスの意志はガン無視)。

 作っている礼装だが、恐らく私が生涯使い続けるであろう代物であり、上手く行けば父上も助ける事ができる。それ故、この礼装の存在は決して漏らしてはならず、グレイアスにも話していない。この礼装は理論的には完成する事は小規模実験を繰り返した為分かっているが、今回作るのは魂に干渉する礼装であり、その存在が知られれば時計塔の権力者や聖堂教会がこぞって回収(物理)しに来るであろう事は分かりきっている。

 礼装の内容だが、まず、私の計画を今のうちに話しておく。計画とは、「魂を浄化しそれを取り込む事で自信の存在を昇華させ英霊に対抗する為の力を手に入れる」と言うモノであり、その計画には魂を浄化する礼装が必要であり、それを使えば父上の魂を浄化する事ができると言うモノ。

 だが、擬似的な不老不死とも捉えられる方法がそんな簡単にできる訳が無く、父上には少しの間無機物に乗り移って貰わねばならない。だが、虫に人格を蝕まれるよりはマシであろう、例え父上が既に願いを忘れていたとしても、私は父上を救う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───そして二年が経った今、礼装は完成した。

 

 

 

 




感想、指摘、質問等ございましたら感想欄にドンドンコメント下さい、必ず返信します。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。