境界線上のIRON BLOODED(※リメイク作品あり) 作:メンツコアラ
….冗談はここまでにして、誠に申し訳ございませんでしたァァァァァァァァァァァァッ!!!
本当にすいませんッ! ここまで待ってくださった方々、誠にありがとうございますッ!
それでは本編へ。
通りませ 通りませ
───通らない。
通りませ 通りませ
───通らない。いくら槍を振るっても。
行かば 何処が 細道なれば
───通らない。いくら槍を突き出しても。
天神元へ 至る細道
──何故だ….何故なんだッ….!
ご意見ご無用 通れぬとても
「──なぜ届かないんだッ!?」
そう叫びながらも、二代は蜻蛉切を振るい続ける。しかし、喜美が展開する術式に全て防がれる。
戦闘において、二代は素早さ、力、反射神経、技術等…戦闘に必要な要素の殆どが喜美よりも勝っている。確かに、喜美が奉納している『高嶺舞』は外部からの干渉が彼女の舞う代演の価値を上回ってしまうと無力化出来なくなるとはいえ、二代の槍捌きは既にその領域へ突入しつつある。だというのに、彼女の槍は喜美の柔肌に傷一つどころか、触れる事すら出来ない。
無論、その原因が分からない訳でもない。
あの羽織…正確には、今喜美が纏っている羽織の刺繍が今の彼女の絶対防御の要となっているのだろう、と二代は目安をつけている。だが、原因が分かったとしても理屈が分からないでいた。
理屈不明の絶対防御。過ぎ去っていく時間。この二つはじわじわと二代の集中力を削っていく。
「なんなのだッ!? その刺繍はッ!?」
「さっき鉄の華だって言ったでしょう? ほんの少し前までの会話すら覚えられないなんて、貴女、鳥頭かしら?」
「バカにするなッ! 一体、なんの術式を使っているッ!? 完全防御だとしても、たかが刺繍一つにそんな術式を籠めることは「ただの刺繍よ」──なん、だと….?」
「まさか完全防御の術式だと思った? でも残念ッ! 言ったでしょう? 私の術式はエロ系とダンス系だって」
「ふざけるなッ! なら、その防御力はなんなんだッ!?」
「知りたい? 知りたいわよねぇ? でも、残念ッ! すぐには教えないわッ! まずは前置きッ! 耳の穴をかっぽじって聞きなさいッ!」
舞を奉納しながら喜美が語るのは一つの物語。
ここではない、遠い何処か。
遥か彼方の地に、二人の孤児がいた。人として扱われず、忌み嫌われ、それでも日々を過ごしていた。そんなある日、二人の内の一人が問いかける。
『ねぇ、次はどうすればいい?』
孤児は答えた。『行くんだ』と。
ここではない何処か、食べ物も暖かい場所も、自分達が今持っていない全てがある場所。自分達がいるべき本当の場所。
孤児は手を差し出し、『あとは行けば分かる』と笑ってみせ、もう一人はその手を取る。
やがて、孤児たちは青年となり、そんな彼らを慕い、多くの者たちが集い、ある旗印を掲げ、自分達の本当の居場所へ歩み始めるのだった。
「──それこそが鉄華。決して散らず、永遠に咲き続ける鉄の華。
勿論、別れが無かった訳じゃない。仲間の死が無かった訳じゃない。それでも青年たちは止まらなかった。
彼らには覚悟があった。
決して折れない意志があった。
この刺繍はその体現。私自身が皆を引き連れる高嶺であり続けるという覚悟の意思表示。この覚悟を越えない限り、私の高嶺舞を越えることはない。
貴女にその覚悟は有るかしら?」
「….….….….まれ」
「有るわけがないわよね? 勝てないからって逃げている貴女には」
「──黙れぇッ!!!」
槍を上段から振り下ろす二代。だが、ただ感情に任せて振り下ろされた槍が高嶺に届く訳もなく、乾いた音と共に弾かれた蜻蛉切に腕を持っていかれ、彼女の胴ががら空きになる。
「目を覚ましなさい。貴女は三つの間違いを犯している。
一つ目は私みたいないい女に逆らったこと。
二つ目は仕える相手を間違えていること。
最後に三つ目。これが最も重要。
たった一回負けたからって、敵わない相手だからって諦めてんじゃないわよ。何度でもアタックして、その諦めきった覚悟を叩き直しなさい。もし無理だって言うのなら、私が叩き直してあげる。文字通りね──」
喜美がハードポイントに展開された術式から飛び出した黒い棒状の何かを掴み、それを引っ張り出す。
それは武器だった。長さは喜美の身長と同等。槍のように見えるが、その特徴的な形状から突き出すというよりもメイスや大槌のように叩きつける事に特化した武器だと分かる。
「──さあッ! 歯を食い縛りなさいッ!!」
無防備な二代の胴に、喜美は武器…超大型メイスを叩きつける。
…この日、智のズドン、直政のバコン、ネイトのドカンに加え、喜美の『ドゴシャァァァァンッ!』が武蔵の擬音に加わったのだった。
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トーリとホライゾンの対話までキング・クリムゾンしていい?
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問題なしd(^-^)
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ダメです(ヾノ・∀・`)
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いいからバルバトスをよこせ