境界線上のIRON BLOODED(※リメイク作品あり)   作:メンツコアラ

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まず始めに……4ヶ月近くも開けてしまい、すいませんでした。
いや、エタった訳じゃないんです。ただ、色々とありまして……はい。単純に投稿を忘れていました。申し訳ございません。

こんな私ではありますが、これからも応援してくだされば幸いです。


それではどうぞ。


#8 前夜祭

◇◆◇午後2時 17分

   三河・各務原一之関への街道◇◆◇

 

 

 

 

 

 木々が立ち並び、日の光が木の葉の間から覗くその場所で、酒井と二人の初老の男性、一人の少女が対峙していた。

 

 

「これはこれは。松平四天王の内、榊原・康政殿と本多・忠勝殿の御二人がお出迎えとはねぇ。井伊の奴はどうした?」

 

 

 酒井の何気ない質問に老眼鏡を掛けた男性『榊原・康政』が答えようとするが、それを隣に立っていたがたいのいい男性『本多・忠勝』が手で制した。

 

 

「おいおい。俺には秘密なのか?」

 

「すまんな。井伊の奴は重要な用事があって席を外しているんだよ。お前にも話せないような、な」

 

「なるほどねぇ……」

 

 

 忠勝の言葉に納得したように頷く酒井だったが、老いたとはいえ彼も松平四天王の一人。忠勝の言葉に嘘が含まれていることを見抜いていた。

 

 

「(来れないのは本当で任務ってのが嘘だな……だが、井伊程の奴に何があった?)……まあ、深くは聞かないでやるよ」

 

「……すまんな。

 ───ところで、お前の方こそ、()()()はどうした?」

 

 

 ───(゜゜;)(。。;)キョロキョロ

 

 

「アイツ?」

 

「三日月のことだよ。葵・三日月。今日連れてくるように頼んだろ?」

 

 

 ───(゜.゜)ピクッ

 

 

「あー、三日月ね……」

 

「どうせ、近くに待機させているんだろ? 俺に気配を覚らせないったぁ腕を上げたもんだ」

 

 

 ───(゜_゜)ソワソワ

 

 

「いやぁ……その件なんだけど、三日月の奴、大切な用事があるからって断られちまってなぁ」

 

 

 ───(|| ゜Д゜)ガーン

 

 

「マジかよ。なんで無理矢理にでも連れて来なかったんだ?」

 

「無理に決まってるでしょ? アイツの身内の用事だったんだからそっちを優先させてあげなって。

 ……ところで───」

 

 

 酒井の視線が、忠勝の後ろであからさまに『ショックを受けています』と言いたげな少女に向けられた。

 

 

「さっきから百面相したり、オーバーリアクションしているのってダっちゃんの娘さんだよね? どうしたの?」

 

「あーいや、大した理由はないんだ。ただ、こいつと三日月にはちょっとした関係g「父上、そこからは拙者が」」

 

 

 忠勝の言葉を遮り、後ろでorz状態から立ち上がった少女が前に出で、一礼する。

 

 

「───改めて、拙者、本多・忠勝が娘、本多・二代と申す者で御座る。以後、お見知り置きを」

 

「お、おう……」

 

 

 時代錯誤な挨拶ではあるが、その堂々とした佇まいにたじろぐ酒井を無視し、少女『本多・二代(ふたよ)』は語った。

 

 

「本日、三日月殿を呼んで貰ったのは、拙者の個人的な都合で御座いまして……実は拙者にとって、三日月殿は越えるべき壁でございまして、武蔵が三河に来るこの機会を狙って、父上から酒井殿を通して、三日月に声をかけて貰ったので御座る。まあ、本人は来ませんでしたが……」

 

「越えるべき壁、ねぇ……ダ娘ちゃん、三日月とヤりあった事あるの?」

 

「いえ、一度も。しかし、三日月は()()()()()()()()()()()()()()()()()ですので、戦ってみたいと思うのh「ちょい待ち、ダ娘ちゃん」……何か?」

 

「今、ちょっと耳を疑うような事が聞こえたんだけど……誰が勝てないって?」

 

「父上で御座る」

 

「誰に?」

 

「三日月殿で御座る」

 

「……………………本気(マジ)で?」

 

 

 酒井の視線が二代から忠勝に移るが、明後日の方向を向いて下手くそな口笛を吹いて視線を合わせようとしない忠勝の姿から真実であると理解する。

 

 

「───……ふッ」

 

「てめぇッ! 笑うんじゃねぇよッ!!」

 

「いや、ごめんごめん。でも、あのダっちゃんがミカに負けるなんて……くくッ」

 

「負けてねぇッ! 勝てないってだけだッ! だいたい、あのガキ自体がおかしいんだよッ! なんだよ、あの戦い方ッ!? 何度も修羅場を潜り抜けなきゃ、あんな動き、普通は出来ねぇぞッ!」

 

「さぁ? 俺に聞かれても分からねぇよ。ただ、これで "東国無双" の称号は取上だな」

 

「取り上げられてたまるかッ! くそ……覚えてろ、葵・三日月ぃぃぃぃッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───へくちッ……」

 

「ミ、ミカ、風邪?」

 

「分かんない。急に出た」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 準備はいいか?

 肝は座っているか?

 さぁ、度胸を試すときだ

 

 

 

配点《肝試し》

 

 

 

 

 

 

◇◆◇午後7時30分

    武蔵アリアダスト教導院玄関前◇◆◇

 

 

 

 

 

 

「さて、貴様ら。揃っているか?」

 

 

 肝試しに集まった三年梅組の顔を月明かりのみが照らすなか、シロジロの問いかけに御広敷が手を上げた。

 

 

「トーリくんがまだであります。あと、地元の小等部の子たちは何処に───」

 

「バカ者ッ! 大事なのは親だッ! 何故なら、小等部の財布は親なんだからな」

 

『お前もバカだよッ!』

 

 

 

 

 

 

 

「あの……少しいいですか?」

 

「なんだ、浅間? 金のかかることはダメだぞ」

 

「かかりませんって……最近、末世が近付いているって噂がありますよね? 実際、各地で怪異現象が起こっていまして。その現象の一つに『公主隠し』っていう神隠しがあるから、皆に気をつけて欲しくて」

 

「『公主隠し』か……基本、一昔前の都市伝説だと思ってたんだけど、去年、極東でも一件発生したと報告がある」

 

 

 ネシンバラが『公主隠し』に関する過去のスレを見返し、被害者の名前を流し見て、去年の被害者の名前の所で止める。その人物こそ、

 

 

「正純のお母さんの事ですn「ヒィィィィィッ!?」───きゃッ!? ちょっ、喜美ッ! いくら怖いからって急に叫ばないで───って、ミカッ!?」

 

「くる、しい……」

 

 

 酸素が肺に行き届いていないのか、喜美が怖さを紛らわす為に抱き枕にしていた三日月の顔が青く染まっていく。

 『離して』と何度も喜美に訴えるが、抱き締めている当人は『聞こえないッ! 聞こえないッ!』と叫び、余計に腕の力を強めていくのだった。

 浅間も必死に引き剥がそうとするが、離れる気配はなく、三日月が絞め落とされるまで後僅か……そんな時、救いの手が現れた。

 

 

「オッケーッ! 遅れた───って、なにやってんの? ブラザーが今にも姉ちゃんのハグで沈みそうなんだけど?」

 

 

 何故か階段を登っての登場でなく、教導院の扉を開けて登場するトーリに皆の意識が向けられる。当然、それには喜美も反応し、怖い話から意識が逸れ、腕の力が弱まった。

 すぐさま三日月を回収する浅間。

 

 

「だ、大丈夫ですか、三日月?」

 

「うん、なんとか」

 

「おぉおッ!? 羨ましいなぁ、ブラザーッ! 武蔵一の巨乳が揉み放題じゃねぇかッ!」

 

「なッ!? トーリくんッ! 三日月に変なことをさせようとしないでくださいッ!」

 

「智、苦しい……」

 

「あら、智ッ! 貴女、私から賢弟を奪っておいて自分も絞め落とそうとしているじゃないッ! しかも御自慢の巨乳でッ! オッパイでッ!」

 

「喜美も大声で言わないでくださいッ!」

 

「うるさいぞ、貴様ら」

 

 

 

 

 ───この場に集まっている者たちは、この時までは信じていた。

 トーリの告白が成功しようが、しまいが、自分達の日常が変わることはない。世界はずっと今まで通りの姿でいる。

 

 そう……微塵も疑っていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇三河・新名古屋城◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、始めようか。最後の授業(三河崩壊)をッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まったく……トーリくんも喜美も三日月に変なことをさせ過ぎです。三日月まで変態になったらどうするつもりなんですかッ!
ここは常識人である私がしっかりと三日月を守ってあげないと───って、直政、どうしたの?
……え? 私も同類?


次回、境界線上のIRON BLOODED 
『三河の花火』



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心から御待ちしていますね。

トーリとホライゾンの対話までキング・クリムゾンしていい?

  • 問題なしd(^-^)
  • ダメです(ヾノ・∀・`)
  • いいからバルバトスをよこせ

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