頼むから!
格闘訓練場…
バルカン「何者なんだよ!お前!」
メイド人形「ただのメイド人形ですが何か?」
バルカン「ただのメイド人形がこんな戦闘慣れしてる訳ねぇだろ!」
バルカンに喧嘩を売ったメイド人形、勝負は決まっているような物、だった筈だった…
しかし、勝負は意外にもメイド人形が勝ってしまいバルカンは困惑していた。
バルカン「ふぅ…お前がその気なら…
全力で逝かせてもらうぜッッ!」
バルカンは大人気無くリミッターを外し正真正銘の全力で殴り掛かった。
メイド人形は避け距離をとった。
メイド人形「そんな攻撃当たりませんよ?」
バルカン「動くなよ!動くと当たらないだろぉ!」
さっきより早くそして力強い攻撃の連撃、しかし全くカスる気すらしない。それでもバルカンは全力で殴り続け意地でも勝とうとしている。
バルカン「当たれぇぇぇ!この頭デッカチ野郎!」
メイド人形「だから当たりませんよ。だけど…そろそろ攻めましょうか」
メイド人形は回避に徹していたが突然姿勢を低くし構え始めた。
バルカン「やっとやる気になったかこの野郎!ぶっ飛ばしてやんよ!」
メイド人形「隙が大きくて身体の使い方もよく分かってないですね。攻撃ってモノは…こうやるんです…!」
低い姿勢から放たれた肘打ちと掌底はバルカンより威力は当然無かった。しかし鋭く、そして確実に身体の正中線に5発打ち込まれた。
バルカン「ギィッ!?クソ痛えぇェェ!あぁ!くそ!」
バルカンは倒れはしなかったが相当な痛みに耐えていた。
メイド人形「頑丈ですね。私も時間が無いので…」
バルカン「まだだ!まだ終わってねぇ!メイド人形に負けたってなればマーダーに笑われるだろ!それは嫌なんだよ!だから絶対勝つ!」
メイド人形「はぁ…もう時間が無いのに…」
メイド人形はバルカンに距離を詰め肘打ちと掌底をバルカンに叩き込む
バルカン「ギャァッ!?負けるかぁ!」
バルカンは痛みで怯んだが堪えて殴り掛かろうとする。しかし目の前にはメイド人形が姿を消していた。
バルカン「居ねぇ!?ウギャッ?!」
バルカンは辺りを見回そうとする。しかし突然後ろから気配を感じ振り返ろうとした。
メイド人形「時間が無いので気絶でもしてて下さい」
バルカン「…ガッ!……」
後ろから強烈な痛みを感じバルカンの意識はブラックアウトしていく。
メイド人形「やっとどすか…拝み連拳 破魔の型でやっと…ですか。ペルシカリア様も相当な人形を作りましたね…」
2日後…
バルカン「教えてくれ!頼むから!」
メイド人形「何をですか?メイドの心得をですか?」
バルカン「違う!その…おがみれんけん…なんとかって奴をだ!頼むから。」
メイド人形「何の事ですか?」
バルカン「とぼけてんじゃねぇ!」
その後、余りにも執拗なバルカンの頼みにメイド人形は渋々教える事にした。