自分の今いる場所とS13基地の事務室を繋ぐ【ワームホール】という能力が発現した。その能力はどう言う物なのか?どう言う性質で欠点はないのか?気になったリホ指揮官はその能力を検証する事にした… …のだが色々とあり過ぎてお腹が減ったし眠いので明日にする事にした。
そして次の日の朝、いつもより増々で空砲をくらいつつも起き、朝ご飯で合成品で作られたシーフード味のカップラーメンと合成チョコレート(どちらも味は微妙)を食べてお腹を満たした後、リホ指揮官は運動場でスマホをドラム缶の上にビデオモードでセットし能力の検証をしようとした。
リホ「…さて、ワームホールの検証始めるで、まずはワームホールで1m移動、そしてワームホールの起動時間の計測、その他不具合を記録」
リホ指揮官はワームホールを起動させた。その時間は起動した瞬間のラグは0.01秒未満、つまりほぼ起動に要する次回は無かった。
その後、同じ検証を1m、10m、20m、と検証をしてみたが特にそれといったラグや欠点もなかった。勿論ワームホールでの移動も異常は見られず移動が可能だった。
思いのほか上手くいったのでリホ指揮官はS13基地から正月に行った神社の近くの路地裏に移動する事にした、だいたいの距離は約100km以上、距離なんて測ったらから分からない。その為縦軸、横軸、標高だけの座標データだけを頼りにワームホールを起動させる事にした。
狙いは幅約5mの路地裏、地面からの高さ3mにワームホールを起動させる。無理かも知れないと思いつつもやってみた結果、思いのほか少し10秒程で起動出来てしまった。
リホ「早… テレポートの施設込みで3分かかる筈なんやけど10秒とはの…」
思いのほか使い勝手が凄く良い能力だった。
そして次の検証は下向きに入り口、横向きに出口のワームホールを作り出し物を落下させてらどうなるのか?と言う検証だった。取り敢えず石を入り口に落としてみた。
落下した石は横向きの出口から勢いよく出てきて曲線を描き地面に落下した。つまりもし石がレーザーや銃弾だったら弾道の向き、それどころかゼロ距離でレーザーや銃弾をぶっ放す事ができるヤバイ代物だった。
下手したら弾道ミサイルをなんの前触れも無く敵の本拠地に直接叩き込んだり、敵のリーダーだけを神隠しの様に攫ったりする事すら可能な力だった。
リホ「エゲツないわ〜…(現実逃避)」
そして最後の検証はワームホールの間に物を挟みワームホールを止める検証だった。
取り敢えず重機使って鉄骨をワームホールに挟んでみた。そして鉄骨が挟まっている状態でワームホールを止めた。
その結果、綺麗な切断面で切断された鉄骨が出来上がっていた。熱すら発さず、音すら出ない。更に射程が凄まじい程長い… 暗殺にも使える能力だと確信した。
しかし、もしこの事が知られたらと考えるとリホ指揮官はゾッとした。もし敵対勢力に拉致されたら監禁、脅迫、解剖されるのは確定だった。逃げる事は出来ても周りの人にまで危害が及びそうな能力だった。
その血を持つということは・・・・・・相応の責任と覚悟が必要・・・・・・そのことだけは覚えておいてね
白いドレスの少女の言葉が脳裏によぎる。そしてその責任と覚悟は多分まだまだ一部に過ぎないと思うと少しだけ怖くなった。
リホ「はぁ… ほんと幸運なのか不運なのか…
…そんな事より目の前の事を片付けますか…!まだまだ朝やし今日も事務作業が待ってるからの!」
分からない先の事に怯える事より目の前の仕事を片付ける事にし、スマホからビデオした検証動画を消して事務室へ行き日常業務に集中し励むリホ指揮官だった。
ヤベェぐらい強い能力だけど…
厄ネタでもある能力ですな