そして、かつて正義を歩み貫こうとした人形の
「平和」に関する記憶の一部である。
某地区
犯罪が多発する街、治安はお世辞にもいいとは言えないが夜出歩かなければ問題がない程度だった。
「コラ!スリしちゃダメって言ったでしょう?」
「ご、ごめんなさい…」
「毎回毎回〜… ほら私の配給あげるからもうスリしちゃダメだからね!」
10〜20代の少年を叱るカーボーイハットを被った金髪幼女と言う絵面は奇妙に見えるが、幼女はこう見えても戦術人形、人間の少年程度なら簡単に捕縛する事など容易だ。少年は配給を受け取ると走り去っていった。その後ろ姿を見ながら幼女は呟いた。
「皆んなが笑顔になれる様な◼︎◼︎地区に出来たらいいな」
S13基地
コルト「ん…… ふぁ〜… 昔の夢なんてワタシらしくないな〜…… 本当
ングググ…プハァ!寝起きのヌカコーラはやっぱり最高だね!」
戦術人形は夢なんて見ない、しかし過去をフラッシュバックする事がある。大事な記念日、トラウマを…。
コルト「はぁ… さてと…指揮官起こしに行こ!」
リホ指揮官を起こし【コルトSAA】に空包を一発装填し指揮官の寝泊り部屋、事務室と見て回った、しかしそこには誰もいなかく、たまたま通り掛かったタチャンカに指揮官が何処にいるか聞いた。
コルト「タチャ〜 指揮官何処いったの?」
タチャンカ「指揮官は本部に呼ばれて昨日の夜から出ていったぞ?」
いつもの緑色のスペツナズヘルメットを被った顔と肌を見せない重装備、それで毎日のリホ指揮官と日常業務をこなしている。こんな重装備、冬はまだしも夏どうなるか心配なところだが…。
コルト「そう… ありがとね〜☆」
タチャンカ「そうだ、コルト。模擬戦やってくれないか?作業ロボットのお陰で最近余裕が出来ただろ?これでも第二部隊の一員なんだから」
コルト「ん?いいよ〜 最近つまらなかったからね☆」
万能者から貰った8体の【作業ロボット】、そのお陰で作業の日程が遅れずに戦闘訓練が出来る様になった。最初は万能者からの贈り物と言う事もあって警戒されていたが今では大切に扱われていた。
コルト「あっ… でもグラートとやりたいな!だって強そうじゃん!」
タチャンカ「止めとけ… 前に一回だけお前抜きの第二部隊と模擬戦した時の惨敗見ただろ?正直あのMSF製の自律兵器になんて敵わない」
コルト「準備すれば勝てそうだと思ったよワタシは☆」
訓練が出来るようなり、コルト抜きの第二部隊とグラートで模擬戦をした事があった。機銃は禁止したものの結果、踵部分の車輪による俊敏な動きで翻弄され、手加減された蹴りで全員蹴飛ばされて約3分で決着が付くという惨敗に終わっていた。
タチャンカ「グラートとやるより、まずは第二部隊とだコルト」
コルト「もう… 分かったよ、あの雑魚達とやればいいんでしょ」
タチャンカ「お前… 言い方に止めろよ。色々と面倒になるから」
この後、
誰しもは最初は正義や希望を胸に抱き期待する
しかし
この世界の正義や希望を
期待していいのだろうか?