処刑人がアルバイトしているレストランで昼食を食べた日から数日後、バルカンはいつも通り教官であるジュリコの厳しい訓練を終え、部屋で羽を休めていた。
戦術人形と言えどかなり厳しい訓練だ。身体を鍛えても何も意味が無いのに何故やる必要がある?という恒例となった考えが頭を過ぎるがそれよりも身体も心もヘトヘトでベッドで寝っ転がっていた。
バルカン「疲れた… キツイ〜…。はぁ、なんでこんな事やってんだろ…?」
未だに分からなかった。だがそんな事よりも今は余り動きたくない。バルカンはゆっくりと目を閉じ、
…
…
…
ピピピピピピ…!ピピピピピピ…!
突然の通信機の着信音でバルカンは目を覚ましす。晩御飯かと思いきやまだ3時。なんだろう?と思い通信にでた。
バルカン「おい、なんだ?今寝てたんだが?」
ペルシカ『バルカン…!急いできなさい…!緊急事態発生よ!』
バルカン「分かった!なんなんだよ!」
ペルシカ『いいから早く来なさい…!』
どうやらかなりの緊急事態らしい、バルカンは寝起き重い身体を起こし身嗜みを整えると急いでペルシカのいる16Laboへと向かった。
数分後、16Laboの研究室に着いた頃にはいつも以上に散らかった研究室内にペルシカは満身創痍な状態でイスにぐったりと腰掛けていた。バルカンは何が起こっているかペルシカに聞くと予想だにしない答えをした。
バルカン「何が起こったんだペルシカ!いつも以上に部屋散らかってるしよ!」
ペルシカ「はぁ、はぁ、バ、バルカン… 落ち着いて聞いて…?」
バルカン「早く言えよ… 勿体ぶるなよ〜」
その一言は余りにも信じ難い事だつた…。
ペルシカ「突正体不明の鉄血ハイエンドモデルに襲われ…… フレイム、デストロイヤーの反応途絶、マーダーとM134ミニガンの消息不明、ペイロードは重体で運び込まれて来たわ… 」
バルカン「お、おい… 冗談だろ?な?幾ら鉄血に新型と言えどEA小隊が負ける訳……」
ペイロード『いえ…… 完全に負けました… そして目の前でフレイムさんもデストロイヤーちゃんが殺される瞬間も…』
バルカンは声のした方向を見ると画面の中のペイロードが話していた。どうやらペルシカがメンタルを一旦義体から抜いたらしい。
バルカン「嘘だろ?…ペイロード!なんかのドッキリだろ!?嘘だと言ってくれよ!」
ペイロード『そんな縁起の悪い嘘なんて吐きませんよ!』
ペルシカ「残念だけど… 突然の事で私も耳を疑ったわよ…。」
二人の真剣な眼差しで嘘なんて吐いていないという事は分かった。だが余りにも受け入れ難い現実にバルカンは固まりフリーズ、そしてゆっくりと口を開いた。
バルカン「おい… その正体不明の鉄血ハイエンドは何処にいやがる?
直々にぶっ殺す… !殺してやる…!絶対にぶっ殺す…ッ!!」
ペルシカ「落ち着きなさいッ!!」
ペイロード『今は無理ですバルカンさん!』
バルカン「私の仲間を…!妹を殺した鉄血をぶっ殺してやる…!邪魔すんな!」
ペルシカ「これはもう止まるつもりは無いようね…
…仕方ない…【止まりなさい】」
バルカンは二人の静止を振り切り、武器の保管してある場所へと向かおうとした。流石にバルカンを止める事が出来ないと判断したペルシカは今まで使わなかった人形に対しての命令権を使いバルカンの足を止めた。
バルカン「ペ、ペルシカ… 止まるな!ここで行かなきゃ私は絶対に後悔する!何もしないで見てるだけなんて嫌だ!行かせてくれ…!」
ペルシカ「敵の情報もまだ分かってない中突っ込む気?我武者羅に突撃してゴリ押しで勝とうとする気なの?」
バルカン「う…… 」
ペルシカ「…バルカン… いい加減、大人になりなさい…ッ!!
【名称 : M61A2バルカン・シャットダウン】」
バルカン「や、止めて…く…れ……よ…」
バタンッ……
ペルシカの苦渋の決断で命令権を行使しシャットダウン、バルカンはその場にうつ伏せで倒れ意識を失った。
ペルシカはバルカンが動かなくなった事を確認するとゆっくりと椅子に座りコーヒーを一息吐いてからコーヒーを飲んだ。
ペイロード『かなり強い命令権限ですね… 』
ペルシカ「はぁ… 開発者専用の権限、指揮官の行使できる権限の上位互換、まぁ、こんな感じよ、ほぼこういう事態にしか使わない奴よ。」
ペイロード『そうなんですか… 』
被害報告書
生存者
ペイロード
(重症な為、今は電子空間に居る)
行方不明者
マーダー
M134ミニガン
戦死者
フレイム
デストロイヤー
実質、EA小隊壊滅…