相当来たます…
壊滅したEA小隊、ペルシカが先に行ったのは情報統制だ。このグリフィンの戦力の一部が壊滅した。という事実人類人権団体過激派や敵対組織に伝わらないようにだ。
そして次にしたのは隠密や工作活動に適した戦術人形により斥候部隊によるフレイムの残骸の回収だ。
仮にも16Labo謹製の初の火炎放射器の戦術人形。その為機密情報漏洩防止の為バックアップは取っていない。なので死体から一回記憶媒体を取り出し、その記憶媒体からバックアップを取らなければならなかったからだ。
因みにデストロイヤーは、と言うと…
デストロイヤー「え?……私、死んじゃったの?」
ペルシカ「ペイロードの視覚映像見たけど首チョンパされてたわよ?」
デストロイヤー「ほ、本当?…ん?身体が… 胸も… 小さいし無い……」
一回首を摩る。その時自分の身体の違和感に気付いた。デストロイヤーのバックアップは意外に簡単に出来てしまっていた。まぁ、スタイル抜群で胸がD以上あるガイアボディでは無く、子供体型なデストロちゃんになってしまったが…。そんな事実を知りこの世の終わりの様な顔をした。
一方、バルカンはと言うとバックアップ。それがあるとは言えペイロードは重症、フレイム、デストロイヤーは殺され、マーダーと自分の妹であるM134ミニガンを行方不明になった。そしてEA小隊壊滅。
そんな事実を唐突に突き付けられ精神状態が不安定と化していた。やり場の無い怒りや憎しみイライラする。
自分が呑気に訓練している間にEA小隊は壊滅した。そんな時、側にいてやれず、何も出来ない自分の無力さに…。
バルカン「こんなんじゃ、何も守れやしねぇじゃねぇか…。スミス救出作戦の時と同じだ…。あの時、もっと強かったら… 迷いが無かったら…。結局今も昔も変わらない… ドリーマーに殺され掛け、傘を入れられて… コレクターの小細工に引っかかって殺され掛けるわ…。
結局私は何も守れやしないのか?…ただ敵を壊す事しか出来ないのか私は…。」
今考えれば、一方的に人類人権団体過激派や鉄血の基地や大部隊を破壊し、蹂躙し、殺し回ってきた。それが任務だからと信じて疑わなかった。
バルカン「ヒャッ……!…は、はは…」
さりげなく自分の手を見てみた。普通なら清潔で綺麗な手の筈が…。
…血に濡れ真っ赤に染まった手に見えた。
その瞬間、声を揚げ腰を抜かし怯えた。恐る恐るもう一度観るといつも通りの綺麗な手たった。
バルカン「そりゃ…、そうだよな…、散々鉄血兵や人間の兵士を殺して来たんだ…。この手が綺麗な訳が無い、血に濡れた汚い手になるのも当たり前か…。
…もう、戦いたくない…普通に暮らしたい…。もう嫌だ… 怖い…」
仲間を失った事による極度のストレス、その場にいてやれなかった自分に対する無力感、そして今までの感じなかった罪悪感。その三つはバルカンを苦しめ始めに感じた復讐や憎悪の感情を上回る事態と化していた。