1日後、目が虚の状態となり項垂れた弱々しい姿のバルカンが朝食を食堂で食べていた。いつも食べている定食、の筈が全く美味しくなく寧ろ食べたく無くなる。
半分食べた後、隣で騒いでいたRPG-7に朝食を分けてバルカンはブラブラとした。
そして訓練の時間になるも訓練をすっぽかし、ベンチに寝そべってサボっていた。
バルカン「…逃げちまった……。ペルシカにお願いするかな…
こんな弱い自分に価値はあるのか?こんなただ他の戦術人形達より少し力の強いだけの人形に?
…どれだけ考えてもマイナスな事しか考えられず自分を責める事しか出来ない。
そんな時、スカートのポケットに入れていたスマホから着信が鳴りメールを見てみた。
バルカン「『今すぐ来なさい』か… 了解…」
メールの主はペルシカ、ただ何ま聞かされずに『今すぐ来なさい』の一言だけ。普段なら色々と嫌な予感やら感じる筈がバルカンは何も考えず16Laboの研究室へと向かった。
ペルシカ「貴方サボったでしょ?」
バルカン「すまん…」
まず研究室に着くとペルシカの第一声はこうだった。流石にサボった事はジュリコからペルシカに伝わっていた。
ペルシカ「ジュリコには訳を説明したわ。まぁあんな事があって逃げたくなるのも分からないでも無いけど…。」
バルカン「ありがとうペルシカ。それと丁度良かったよ。
…なんて言うかその〜…私は… 戦術人形をやめたい…。」
ペルシカ「無理ね」
間を置かず即答たった。ペルシカは弱々しい姿になったバルカンに向かいため息を吐きながら喋った。
ペルシカ「貴方の身体には16Laboの技術の結晶って言っていい程最先端の機密技術が使われてる。貴方が居なくなったら悲しむ人が沢山いるのよ。特にスミス。もしそうしてら貴方にベッタリくっ付いて説得すると思うわよ?」
バルカン「私は二度と引き金を引きたくない…。鉄血にも仲間意識や家族って意識はある。人類人権団体の兵士もだ。鉄血とは言え、人権団体の人間とはいえ殺す事が当たり前になって…… それで昨日の夜、自分の手が一瞬血塗れに見えたんだ…。」
ペルシカ「そ、そう……」
バルカン「もう、自分の大切な物を守る為に…敵の大切な物を奪うのが嫌になった…。」
自分の大切な物を守る為に敵の大切な物を奪う。当たり前の様にして来た事、普段なら、殺される前にやった。始末しないと被害は拡大していた。で割り切れるが…。
ペルシカ「貴方らしく無いわね、こんな事考えてたなんて…。ジュリコにはこれから
その間に考えてなさい。その問いに自分なりの答えが出るまで。スミスにこの事話して置くわ。この事は情報統制しているとは言えこんな弱々しくなってる彼女なんて見たくない筈だからね」
そう言うとペルシカは引き出しから一般の注射器を出してバルカンに渡した。
ペルシカ「これは元々は犯罪組織で使われたいた人形用の麻薬だった者を私がリメイクした物。
効果は一定時間の罪悪感の喪失、気分の高揚、攻撃性上昇よ。中毒性がかなり強かったのを無くすのが大変だったのよ?もしもの時に使いなさい、でも… その、時が来ない事を祈るわ。」
バルカンは無言で受け取ると礼をし研究室から出て行った。その後ろ姿を見たペルシカは不安に思うも、そこは彼女の1ヶ月後の【答え】に任せる事にした。もしその時彼女がどんな決断を降したとしても受け入れるつもりだった。
ペルシカ「大丈夫かしら…。……?」
スマホに電話が掛かって来た。その相手はグリフィンの情報部、ペルシカはすぐに電話に出た。
ペルシカ「もしもし〜、ええ……… 嘘でしょ!?何処から情報が?
…分かったわ。貴方たちはその情報元を探して突き止めて。それと回収部隊は?……… ええ、分かったわ。じゃ切るわね」
電話を切りペルシカは、ため息を付いたあとコーヒーを飲み切り、頭を抱え悩み出した。
ペルシカ「情報統制は完璧だった。なのに何故
この事を知っているのはグリフィン本部だけの筈……」
いや、違う。この事実を知っている勢力がいる。この状態を作りだし情報を流して一番得をする勢力がいる…。
ペルシカ「鉄血の仕業ね……」
この日、グリフィンの厳重な情報統制も虚しく鉄血の手により、EA小隊が壊滅した事実が知れ渡ってしまった。
バルカン、謹慎中だが精神状態が不安定な為1ヶ月の休暇。
そして鉄血によりEA小隊壊滅の事実が世に出回る事に…