破壊の嵐を巻き起こせ!   作:oldsnake

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膨大な力には犠牲が付き物


雷槌暴走

鉄血の部隊を撃退した後、三人は行方不明に二人の捜索を開始した。鬱蒼とした森林地帯、その規模は1日で探し切れる物ではないがナイトメアのP.A.C.S【コキュートス】の機動力により捜索は捗っていた。

 

魔剣「ヒャァァァァァァァ!止めてぇぇ!」

 

バルカン「すげぇ早いな!」

 

ナイトメア「常にブースターを冷却してオーバーヒートしない様してるんだよ。だから常に絶え間なく立体的に高機動な動きが出来る!」

 

ナイトメアの能力によりブースターを常に冷却する事によりオーバーヒートする事は滅多にない。そのお陰で足場が悪い森林地帯を歩かずにすんでいた。

 

早く捜索出来るとはいえ目を凝らして探しても痕跡はもう既に無くなっていた。約三週間前の出来事だから足跡すら残って居ない。でも希望を持ち探していた。

 

バルカン「ん?うわぁ…沼だな。こりゃ沼って言うより泥沼だな… 」

 

ナイトメア「マーダーならここは通らないかもね。マーダー足場取られて機動力が落ちる場所なんて行きたがらないし。一応レーダーでまた見たけど反応はないよ」

 

魔剣「ちょっ、ちょっと待って… ゲロ吐いていい?うっ、上ってきた…!」

 

バルカン「車とかはいいけと乗り物酔い激しくないか?今度人形用の酔い止め渡して貰うか?」

 

魔剣「う、うn… 」

 

かなり激しく揺られていた為か魔剣は乗り物酔いになり沼地に嘔吐した。その後も捜索は再開したが手掛かり一つ見つからない。

 

そして日が暮れようとし本部に帰還しようと輸送ヘリに向かうした時、異変が起きた。

 

バルカン「ん?なんか黒い煙が上がってないか?」

 

ナイトメア「そうでs… って!輸送ヘリの方角!?…急ぐよ!」

 

魔剣「ま、待って!そんなスピー…… キャァァァァッ!!」

 

ナイトメアは察しが付いていた。これは非常に不味い。もうヘリは手遅でも、ヘリの機内には万が一の為に食糧や簡易修復キットなど色々と少しだが常備してある。

それまでも無くしてしまったら非常に不味い。戦闘は避けられない最小限で抑えれば大丈夫だ。

 

ナイトメアはブースターを全開にし速度を上げ輸送ヘリへと向かう。途中鉄血部隊と遭遇するも完全に無視し…。

 

そしてたどり着いた時には輸送ヘリは完全に燃え落ちていた。もう物質の回収は無意味だった。

 

そして燃えている輸送ヘリの前には黒いローブを被り死神の鎌の様な物を持った人物が此方を見ていた。三人はそれに気付き警戒した。

 

バルカン「魔剣、下がったろ… コイツ何かがおかしい」

 

魔剣「は、はいっ!!」

 

ナイトメア「随伴の鉄血兵が見当たらないのは明らかに何かあるよ絶対に。だから逃げよう」

 

バルカン「そうだn…… ッ!?」

 

いきなり距離を詰め大鎌で切り掛かってきた。バルカンは腕甲で大鎌の刃を防ぎ反撃に肩を殴ったがお構いなしに蹴りを入れたバルカンの小腹に命中した。

 

バルカン「クゥッ…!やるなお前!…ナイトメア周囲警戒!コイツは私が何とかするッ!」

 

ナイトメア「そうしてる!」

 

広範囲攻撃を得意とするナイトメアではバルカンごと凍らしてしまう。魔剣では一撃で仕留められるがこの高機動なヤツでは当たらない。

 

そう判断したバルカンは謎の敵と相対する。

 

バルカン「こう言う大振りな武器はな…!距離を詰めちまえば怖かねぇんだよ!」

 

バルカンは距離を詰める、しかし敵は距離を離した。バルカンはブースターを機動力し高速で殴り掛かる。

 

バルカン「くらいやがれっ!!……ッ!?」

 

殴りかかった瞬間、敵の胸の辺りが爆発、そしてバルカンはその爆発の破片をモロに受けてしまう。

 

バルカン「ッッ!?!(これは…!指向性地雷ッ!?コイツ胸に仕込んでやがったな…?!)」

 

その隙に敵は大鎌を振り上げた。バルカンは痛みを堪えブースターで距離を取った。その瞬間大鎌から銃弾の雨が降り注いだ。バルカンは更にブースターを使い銃弾を掻い潜り回避した。

 

バルカン「コイツ…!?(なんだこりゃ?少し手足が痺れ始めやがった… )」

 

身体に違和感が現れ始めたが相手は休ませる暇を与えてくれない。今度は向こうから向かって来た。バルカンは前走に高電圧の電撃を発生させた。だが効いていないのか突っ込んできた。

 

バルカン「(コイツ… 攻撃が効かない!?)」

 

更に言えば身体の痺れはさっきから激しくなって来ている。これは明らかに異常だ。何かしなければ死ぬ。

 

そんな緊迫した場面で何者かが通信に割り込んできた。その瞬間謎の敵は止まり攻撃を止め距離を取った。

 

アルケミスト『誰かと思えばお前か… 久しぶりだなバルカン』

 

バルカン「アルケミスト… お前の仕業か」

 

あんまりいい思い出はない。一回拉致して【傘】を打ち込んだ張本人だった。バルカンは単刀直入に話した。

 

バルカン「マーダーと私の妹を殺しにコイツを横したのか?」

 

アルケミスト『ははっ…!教えて欲しいか?まぁ、いいだろう。お前達は探してたんだろ?全くの無駄足なのに』

 

バルカン「お前ッ!?まさか!」

 

アルケミスト『マーダーは自爆した。そして私を大破させた。お前の妹の方は…。時期に分かる。その内お前の前に現れるぞ。

じゃあ、毒が回らない内にお前の仇の死神(グリム・リーパー)を倒せればいいな』

 

アルケミストの通信は切れた。そして最後の言葉に動揺した。さっきから感じる身体の痺れ、それが毒と分かったからだ。しかし、分かったらと言っても今は対策のしようが無い。

だが、バルカンは毒なんかよりも重大な事が耳に残っていた。それは【お前の仇】だった。

 

コイツのせいでペイロードは重症を負った。

 

コイツにフレイムは殺された。

 

コイツにデストロイヤーは殺された…。

 

 

頭に過ぎる怒り、憎い、の感情は電子空間での一年間で感じ、そして誰も殺したくない。その心に決めた感情を超えた。

 

バルカン「ぶっ殺してやる… ぶっ殺してテやル…

……ブッコロシテヤルヨォォ!」

 

ナイトメア「ば、バルカンッ!?」

 

不安定な精神は【雷槌(ニョルニル)】を暴走させた。

白と青色の装甲は黒く塗り潰され目は赤く光り辺り一帯に膨大な電力が放電し始め、死神を睨み始めた。

 

バルカン「グルルァァァァァッ!!!」

 

その目には最早理性は残っていない。獣の様に唸り声を上げ今まで以上の高速で死神へと突っ込んで行った。

 




ニョルニル暴走
見た目はシンホォでギアの暴走響の様になってます…


人はそんなに簡単に変わらないですから…

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