電子空間で死神とペイロードのもはや戦闘とは呼べないモノとなっている頃、現実世界ではペルシカに呼ばれたバルカンが16Laboの研究室に入室していた。
バルカンはまた何か変な薬でも飲まされるのではないかと少し身構えていたがペルシカの複雑な表情から察するに別の案件らしい。
バルカン「来たぞペルシカ、なんの……… おい、このモニターに映ってるのはなんだ?」
ペルシカ「……バルカン、今死神の戦闘データの収集だけど… これはもはや戦闘ではないわね… こんな残虐な妹の姿、兄のバレットに見せられないわよ…」
バルカン「ペイロード…………
…こ、こんなのおかし過ぎるだろ…… ペルシカ、なんでこんな事をした?あぁ?」
ペルシカ「死神ちゃんが言い出したのよ…『この電子空間を使ってペイロードの復讐心が無くなるまで私を撃ちまくって殺しまくればいいデスよ』って… 反対したけどどうしてもって言うから…」
バルカン「あんなに撃たれて…死神は感覚が無いのか?」
ペルシカ「いえ最初から普通に貴方達と同じように感覚はあったわよ。それでもリバイバーのレーザーを全身に浴びても、ナイトメアの冷凍攻撃を足に受けても動じず反撃して来たのよ…」
バルカン「嘘だろ… 」
驚きだった。初めてあった時から感覚や感情が無いと思っていた。しかし、感覚があり、それを踏まえて自分の攻撃やリバイバーのレーザー、ナイトメアの冷凍を食らっても尚、動じていない事に…。
それよりも目に入るのはペイロードの復讐心、肘や肩、膝と関節を重点的に撃ち、再生した瞬間に再生した箇所を更に撃ち込む…。ただただ苦しめる様な拷問の様な戦い方をしている。
バルカン「ペルシカ… あの空間に入れるか」
ペルシカ「何する気?」
バルカン「止めに行くんだよ。この戦いを」
ペルシカ「ならいいわ。行きなさい。だけども "もしも" があったら止めるわ。で、貴方の装備は?」
バルカン「いらねぇよ。この戦いを止めるには武器は余計だと思うからな」
ペルシカ「なら準備するから貴方も準備してね」
そして数分後、バルカンは電子空間へと入っていった。
ペイロード「まだ強気でいられるなんて…、まだ苦しめ方が足りなかった様ですね…ッ!さっさと泣き喚いて精神ブッ壊れなさいッ!鉄屑がこの世から消えろ!お前なんか幸せになっちゃいけない奴なのよ!」
死神「グギィ………(痛いデェス… 流石に鉛玉受け過ぎて意識が朦朧と…… コーラップスが切れる… こんなのハジメテデス…ネェ…)」
かなりの時間、死神は無抵抗で撃たれて続けていた。その為かコーラップス液の容量が無くなり再生も少しずつ遅くなっている。
ペイロード「鉄屑、貴方は私の仲間と他にも色々と殺したんでしょ?本当は現実世界でコアブチ抜きたいのだけどもね… 」
死神「ソ、ソうデスか… ならココでブチ抜け…バいいデスヨ… 」
ペイロード「どうせ死なないから殺しても意味ないじゃないですか。だから… 貴方が狂うまで私は急所を外して撃ち続けるのをやめない… こういう風にねッッ!」
ペイロードは再び銃口を向けようとした。
その時、誰かが腰に腕を回しガッチリホールド、突然の事に振り解こうとしたが余りにも力が強く振り解けない。
バルカン「ペイロードォォォッッ!目を覚ましやがれッッ!」
ペイロード「…………ッ!?」
その一言により誰がこんな事をしているのか分かったが、次の瞬間、ペイロードの身体は宙に浮いた。そして…。
バルカン「うぉりゃぁ!」
ペイロード「グギャァッ…!?」
バルカンのジャーマンスープレックスがペイロードを襲った。人間でも人形でも出ちゃいけない音が鳴り響く。そして頭へ強烈な衝撃が走り余りの痛さに血が流れる頭を押さえて動けなかった。
因みに、ペイロードがジャーマンスープレックスされた場所はアスファルトの上だったり…
人間だとまず間違いなくヤバイです…。
人形でもヤバイけど…