一色「やぁ、いらっしゃい」
戦兎「どうも、お世話になります」
龍我「よろしくな!」
戦兎「バカ、敬語くらい使いなさいよ!」
龍我「バカって言うなよ、せめて筋肉つけろ!」
一色「あはは!まぁ気にしないで」
俺と万丈は、正式に入居を決めたアパート『寿荘』にやって来た。
前田「はい、これ部屋の鍵。205号室ね」
龍我「あざっス!」
戦兎「ありがとうございます、でしょうが!」
前田「まぁまぁ。それじゃ、ボクはこれで」
前田さんは鍵を渡してくれると、そのまま帰って行った。
俺達は部屋に荷物を置いた。
戦兎「さて、住人の皆さんに挨拶だ」
龍我「夕飯の時でよくね?賄いってことはみんな来るんだろ?」
万丈はそう言いながら窓を開ける。
窓の外には桜の木。蕾が見えるし、もう少ししたら花が咲くだろう。綺麗だろうな。
木の枝には、なんか丸っこい鳥が3羽並んでいる。綺麗な瑠璃色の羽だが、こりゃなんて鳥だ?
そう思ってたら……
鳥1「お、新入りかっチュン?」
鳥2「ようこそ寿荘へっチュン!」
鳥3「夕士みたいに驚いてぶっ倒れるなよっチュン」
ピシャッ。
万丈は黙って窓を閉めた。
戦兎「…………」
龍我「…………」
一色「戦兎く〜ん、龍我く〜ん。お昼ごはんだよ〜」
廊下から一色さんの呼ぶ声が聞こえる。
戦兎「……メシ、行くか」
龍我「……お、おう」
俺達は1階の食堂に向かう。
戦兎「……ん?」
ふと、玄関の床が目に入った。
足跡がたくさん見える。さっき来た時はあんなの目に入らなかった。
……その中に、どう見ても人のものとは思えないようなものがある。
鳥の足のような三本線や、獣みたいなもの。
やたら大きかったり、小さかったり…。
戦兎「…………」
前田『出るんだ、コレが』
戦兎(……まさか、これが……?)
「ただいま〜ッス!」
その時、一人の少年が帰って来た。
『おかえりなさい』
誰かが出迎え……って、今の誰だ?
女性の声だったが、目が届く範囲には男しかいないぞ…?
「あれ?新しく入った人っスか?」
戦兎「あ…おう。俺は桐生戦兎。んでこいつが俺の助手の…」
龍我「助手じゃねぇよ!…っと、万丈龍我だ」
「はじめまして!俺、稲葉夕士っていいます。条東商業高校の2年ッス。よろしくお願いします!」
少年…夕士と共に食堂へ向かう。
そして。
戦兎「……なっ……」
龍我「うおおっ!?」
なんか満員御礼なんですけど。
しかも明らかに人じゃないっぽい奴ら混じってるんですけど。
いや、フツーに人間とか犬とかもいるんですけどね?
なんかガイコツみたいなじーさんがお茶飲んでたり、動物っぽいやつらもいるし、なんかマスコットみたいなちっこい生き物もいる。
一色「いらっしゃい二人共。お、夕士くんおかえり」
夕士「ただいまッス!」
龍我「んじゃこりゃあ!?」
一色「おや、最初から全部見えるなんてめずらしいネ」
夕士「あれ、まだご存じないんですか。一色さん説明してないんスか?」
一色「あはは、まだ」
夕士「まったくもう、俺の時もそうだったじゃないスか…」
戦兎「……ゆ、夕士、これは…」
夕士「はぁ……では俺から。ここはですね。人間や妖怪、幽霊なんかもいっしょに暮らしてる、『妖怪アパート』なんですよ」
戦兎/龍我「「妖怪アパートォオオ!?」」