兎と龍の幽雅な日常   作:バンドリーマーV

8 / 10
妖アパ原作準拠で何話かちょっとシリアスです。


怪談inスクール

 

──夕士の高校で、ある不気味な事件が起こったそうだ。

 

誰もいない体育館の倉庫。そこから聞こえる声や、チラリと見える人影。

 

戦兎「よくある学校の怪談じゃねぇの?」

夕士「ここまでだけなら、そうなんですけどね…」

龍我「どういうことだよ?」

 

夕士「フールに焚き付けられて、その倉庫に行ってみたんですけど…途中で田代も勝手について来たんですけどね」

 

田代というのは、夕士のクラスメイトで英会話クラブでも一緒の女の子らしい。とにかく情報収集が大好きだとか。若干腐女子の気あり…らしいがそれは今は置いとこう。

 

夕士「壁にビッシリ段ボールが貼り付けてあって…それを剥がしてみたら…」

 

戦兎「みたら…?」

 

夕士「壁に文字と絵がビッシリ…それも女性を呪うものばっかり。女性を表すマークとかの上からメチャクチャに傷をつけたり、『死ね』、『殺す』、『狂え』、『苦しめ』…そんな言葉が細かい文字でビッシリと…」

 

龍我「うわ気持ちワリィ!」

 

戦兎「女を呪う念がそこに溜まってた…ってわけか…」

 

夕士「しかも、その後現れた三浦が…」

 

三浦というのは、夕士の高校にいる根暗な教師だとか。不純異性交遊に異常に厳しいらしい。

 

なんでも以前はお嬢様女子校に勤める熱血教師だったが、プライドの高い女子生徒達から陰湿な『教師いじめ』を受け続け、精神がズタボロになってしばらく引きこもり、今となっては『抜け殻』状態…らしい。

 

倉庫に入ったきた三浦は、その壁を見た瞬間…一瞬、その体か黒い煙に包まれているように見えたと言う。

 

さらには、

 

『女は、みんな死ねぇええええええッ!!』

 

とかトチ狂ったことを叫びながら田代って子を壁にブン投げたとか。

 

その時真正面で見た三浦の顔を、田代は覚えていないそうだ。

 

──『真っ黒だった』と言う。

 

 

 

戦兎「…………」

 

夕士「しかも、その後は何事もなかったように他のクラスで授業してたものの…だんだん具合が悪くなって、とうとう委員長が『大丈夫ですか?』って近づいて声かけたら…『近寄るなッ!』…って叫びながら苦しみ出したって。終いには泡吹いてぶっ倒れて、救急車で運ばれていきました」

 

龍我「んだそりゃあ…」

 

戦兎「…その委員長は女の子だった…ってわけか?」

 

夕士「はい…で、プチの精霊に探らせてみました。プチだし、詳しいことはわからないでけどね。…最初は倉庫にドロドロしたものを感じるって言ってたのに、三浦の一件の後にもう一度探らせてみたら…どこかに出ていったように、消えていると」

 

戦兎「部屋にいた『何か』が、三浦に取り憑いた…ってことか?」

 

夕士「俺はそう考えてます。さらに、さっき…」

 

なんと、三浦は帰宅中の田代を襲おうとしたらしい。

 

夕士は咄嗟にプチの精霊の力で三浦をぶっ飛ばしたらしいが、田代曰く、その顔はまた『真っ黒』だったと…。

 

秋音「夕士くんの推理は正しいと思うわ。三浦先生を抜け殻のようだと言ってたけど、その隙間に入りこまれたのよ」

 

フール「形のないものは、形あるものに入りたがるものでこざいますから」

 

両者の女への恨みがもたらした、最悪の『運命の出会い』。

 

それこそが…俺達も巻き込まれる戦いの始まりだった。

 

 

 

 

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