○夕士視点
──俺と秋音ちゃんは、なんとか三浦に取り憑いた怨念を払うことに成功した。
しかし……
『なんで俺が、あんな目にあわなきゃいけないんだよ!俺は悪くないぞ!あのガキどもが全部メチャクチャにしたんだ!』
『なんでだよ…!俺は一生懸命やったんだぞ!一生懸命やったんだッ!』
奴は自分の非を一切認めなかった。
確かに前の学校にいた女子生徒達のやり方は陰湿だったし、傷付くのは無理がない。
それでも、三浦のほうも自分のやり方を信じて疑わずに押し付けたところがあったんだ。
両方が悪いんだ。
それなのに、自分を"いじめた"女子生徒達を恨むだけで自分の弱さを認めようともしない。元々甘ったれた人間だったのかもな。
だが、そこまでならもうほっときゃあよかったんだ。だってのに…!
夕士「くっ…!てめぇ、何考えてやがる…!」
三浦は、ナイフを手にして俺に襲いかかってきやがった。
三浦「わかってるよ…わかってるよッ!でも、もうどうしょうもないんだよ!気が収まらないんだよ!」
震える手で、泣きながらナイフを構える三浦。
その目は虚ろだった。
三浦「このまま、何もかもブチ壊したほうがいい気がするんだ。そうだろ?お前もそう思うだろ?」
夕士「バカか、てめぇッ!そりゃ逃げてるだけだろうが!てめぇも大人だってんなら、逃げないで向き合えよ!」
三浦「逃げてなんかないよ。なんでそんなこと言うんだ?わかんないよ」
チィッ…!完全にイカれてやがる!
三浦「アハハハッ!!」
ナイフを構えて突っ込んで来る三浦。
夕士「バカ野郎が…!」
俺は『プチ』を開く。
夕士「審判ッ!ブロンディーズッ!」
ドガァアンッ!!
三浦はぶっ飛び、俺達がいた美術室は半壊した。
夕士「力!ゴイエレメス!」
俺は魔人形ゴイエレメスを呼び出して瓦礫から助け出してもらった。
フール「ご主人様!ご無事ですか!」
夕士「左肩外れた…!クソッ!」
俺は三浦に近付くが……
夕士「……ん?」
赤黒いスライムのような"何か"が飛んできて…気絶した三浦の口から入り込んでいく…!
夕士「な…なんだ!?」
『──オォオオオッ!!』
三浦は、異形の怪物に姿を変えて立ち上がった。
夕士「なっ…!うわっ!!」
俺は成す術なく吹き飛ばされ、窓から放り出された。
夕士「うわぁあっ!!──くっ、女教皇!ジルフェ!」
風の精霊の力で落下の衝撃を多少やわらげて着地するが、三浦が変貌した怪物は追ってくる。
夕士「塔!イタカッ!」
俺は雷の精霊の力で雷を落とすが、一切効いた様子は無かった。
夕士「マジかよ…!?うわっ!!」
無茶苦茶に火の玉を乱射する怪物。
生徒達も気付いて逃げまとっている。
夕士「オイオイこれはマジでヤバくないか…!」
その時…
戦兎「夕士ッ!!」
夕士「戦兎さん!?」
戦兎さんがバイクでやって来た。
○戦兎視点
戦兎「夕士ッ!!」
夕士「戦兎さん!?」
謎の反応を感知し、マシンビルダーで夕士が通う条東商業高校にやって来た俺は、信じられないものを見た。
戦兎「スマッシュ…!?」
新世界に存在するはずのない存在…スマッシュがそこにいた。
戦兎「夕士、あれは…!」
夕士「三浦です…!」
戦兎「三浦!?」
夕士「三浦の野郎、ヤケ起こしてナイフ持って襲いかかってきやがったんです…!プチの力でぶっ飛ばしたんですけど、なんか赤黒いよくわかんないのが飛んできて、三浦の口から入り込んだら、あぁなって…!」
どういうことだ…?
だが今は…やるしかない!
戦兎「夕士…離れてろ」
俺はビルドドライバーを取り出し、腰に巻く。
戦兎「──さぁ、久々の実験を始めようか」
俺がフルボトルを振ると、数式が宙に現れ、流れる。
夕士「え、式?何!?」
俺はフルボトルをビルドドライバーにセットする。
《ラビット!》
《タンク!》
《ベストマッチ!》
俺はビルドドライバーのレバーを回転させる。スナップライドビルダーが形成され、そして……
《Are you ready?》
戦兎「──変身ッ!」
《鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!》