「巫上のビルの幽霊少女ねぇ…」
飲みかけのコーヒーを片手に荻野は目を細めながら書類を再度読み始める。
「はい、それでもう少しあのビルの事について調べてみたんですが…」。
話しの内容をまとめると、なんでも巫女ビルには何年か前にビルのオーナーが借金の問題で家族の人と揉め、その時にキッチンに置いてあった包丁で家族を刺し殺した後自分の頸動脈も切って自殺をしたらしい。
それ以来何日かしたらあの幽霊少女を夜中に目撃した人が続出したらしく、噂ではその時に殺されたオーナーの娘があの世に行くのが怖くなって幽霊になってこの世にとどまり続けているが、一人だと寂しいので時々夜中に現れては同じ仲間を探しているとか、もしくは殺された時の怨みがまだ残っていて自分以外の人が自分と同じような目に合わせたくて成仏をせずにあのビルに残っているのではないのかと様々な噂をされているらしい。
…正直に言うと何処にでもある噂におひれはひれが付いて今に至った様な内容に興味が全く引かないが荻野は少し考えこむように無言になった
「それでどうするんだよ荻野、流石にこのまま放置する訳にはいかないし調査だって出来れば私はやりたくねーぞ…」
「何を言っているの智子、やりたくないからやらない何て社会人にそんな言葉が通用する訳ないじゃない、こっちだって給料はちゃんと出しているんだしちゃんとそれ相応の働きを見せて対価を払ってね(ズバ‼️)」
私の意見もバッサリと刀で切るように鮮やかにスルーしたまますごい笑顔で面倒ごとを押し付けてきたよこいつ…
「それに今回の件は貴方向きの仕事でしょ、貴方ならこの件に問題が起きても対処が出来るし何より今回の調査だけど私も少し調べたい事があるからお願いね」
「ちなみに拒否権はあるか…❓」
「来月の給料はどれだけ貰え…「わかりました‼️、社長の為に頑張らせていただきます‼️」それは素晴らしいわ‼️、それじゃあ調査を宜しくね♪」
……………………………………………………
「あっっっっつい、本当にあっっっつい…」
詳しい内容を聞き調査は後日ということになった私は部屋を出たが、まだ午前中なので太陽の光が全く弱まっておらず吸血鬼だったら数秒で朽ちるくらいの日差しに気分が重くなる。
せっかく涼しい部屋でくつろいでいたのに荻野に邪魔だから帰りなさいと言われそのまま部屋を追い出されまた着物の中が汗だくになりはじめ物凄く気持ち悪い。
どこかに涼もうにも人が多すぎてゆっくりリラックスが出来る場所がなくネットカフェに行こうにもお金が無いので行くことが出来ないしどこに行ってもカップル達やリア充達の空間を目撃するので無意識に殺意が湧いてしまい仕方がなく蒸し暑い我が家に帰る事になった。
それにしてもいくら私が対処出来る方法があるからと言って幽霊が出たと噂されている夕方に調査しろって鬼かあいつは…。
もしも私が襲われて食べられてしまったら(性的)どう責任を取ってもらおうか…
そんな事を考えながら1秒でも早く帰りこの暑さをしのぎたいの思いながら足を運んだ…
ようやく着いた頃には意識がふらふらになるくらいだったがなんとかドアを開ける。
ドアの向こうにはいつもどおり生活に必要な家具やキッチンがありそして太陽の熱によって部屋の中がサウナのように蒸し暑くなっている…
「つーか熱っっ‼️ 熱いってかたった数秒で気分が悪くなってきたし数時間でこれとか人が本当に住めなくなるぞこの家⁉︎」
急いで窓を開けて換気したが心地よい風が全然吹いておらずその代わり太陽の熱がソーラービームを食らったと思えるほどの強烈な光に目が痛いってか本気で痛い…⁉️
「熱っつ‼️ 、ちょったんまたんまめっちゃ熱てか痛い‼️」
急いでカーテンを閉めて太陽のひかりを遮るようにして蒸し暑い部屋に籠り冷蔵庫の中に入ってあったミネラルウォーターを飲んで喉の渇きを潤す。
「ングッ ウグッ、ぷぱー‼️ なんだよこの暑さは あれか⁉️ 太陽も夏休みが欲しくて熱くしているのか‼️だったら私があげるから休んで涼しくしろやこのやろー‼️」
暑さのせいでテンションがあがってしまい自分でも何を言っているのかわからなくなってきてしまった。
「…もういいや、なんかもう疲れてきたし昼寝でもしよう…」。
そう言いながらクーラーをつけて部屋を涼しくしてからベッドに転がり目を閉じて眠り始めた…
………………………………
…目を覚ました私に最初に目にしたのは机の上に置いてある鏡に写っている色がない真っ白な病室で白いベッドで横になっている自分だった。
あの文化祭以来先輩とは出会う機会が多くなり出会ったときなど大抵は他愛ない世間話などをして会話を楽しんでいた。
最初は迷惑をかけているのでと思い距離を置いていたが私が学校でひとりぼっちで過ごしている時はあの人が話しかけてくれた。
そのおかげで私は行きたくもなかった学校に行くのが楽しく感じ少しでもあの人と話をしたいと思い早めに学校に行く事もあった
そんなある日、先輩が今度の休みに一緒に買い物に行かないかと誘ってくれた。私はそれが嬉しくで即答で返事をしたら先輩は笑顔が良かったと喜んでくれた、私は急いで帰り弟に着る服を選ぶのを手伝ってもらい次の日に待ち合わせの場所に向かった。その後無事に合流した後色々な場所に向かい買い物を楽しんだ。私は先輩を楽しませられるように徹夜で考えたお楽しみリストに行きたい場所やオススメの商品をまとめてエスコートをしたら喜んでくれたので今日は本当に楽しい一日になるはずだった…。
横断歩道の信号が青に変わり歩道は渡ると横から物凄いスピードで車が信号を無視してきた。私は咄嗟のことで動けずにいると横から突き飛ばされ転がった。急いで起き上がるとあの人が目の前で車に轢かれ凄い大きな音を立てながら吹き飛ばされた。私はその光景を目にしながら何が起こったのかわからずにいながらも急いで先輩の所に走ると先輩は体のあちこちから大量に出血をしており目も開いたまま全く動いていなかったので私は急いで救急車を呼んだ
何もできない私は自分が出来ること以外が出来ない自分に腹が立ちながら先輩が助かる事を神様に祈ることしか出来なかった
けれど先輩は病院に運ばれる前に私の目の前で死んでしまった
あの人が死んでから一週間くらいたった頃、私は本気で絶望して生きるのが辛くなるほど自分を憎んだ。なんで自分が生きているだ なんで自分の代わりにあの人が死んだんだと、私は自分に憎しみをぶつけ続けながらこんな事をしても意味が無い事を理解をしていながらも自分を許すことが出来なかった
そんな私を家族は心配をしてくれたがその慰めが家族にも迷惑を掛けていると思い切り替えようにもあの日、先輩が自分の代わりに車に轢かれた事を思い出してしまい食欲が出なくて痩せこけていく私を家族は悲しそうな目を私を心配をしていた
何日かたったある日弟が気分展開に旅行に行こうと提案をした。
お母さんやお父様もその提案に賛成し私もいい加減に切り替えなければならないと思いその提案に喜んでうなづいた。
けれど神様はそんな私の事が嫌いだったらしい…
旅行の帰りに車の中で楽しかった事を話していたら前方のトラックがスリップしてこちらに突っ込んできた。
こちらに突っ込んでくるトラックに動けずにいると隣にいた弟が私を抱きしめた瞬間凄い音を立てながら私の視界がテレビを切るように切れた…
そして気がついたら病室でひとりぼっちで寝ていた
それまでに起こった事を思い出し家族は無事なのだろうかと思い周りを見渡したが私以外誰もいなかった
嫌な予感をした私はナースを呼ぼうとナースコールに手を伸ばすと私の手には妙な『線』が私に大量についている事に気がついた
なんだこれと良く見たら部屋いっぱいに自分の手と同じ『線』が部屋中に付いていたので、なんだ? 私は傷だらけのボロ部屋に入院されていたのかとすぐそばの花瓶に飾っている花にも同じような『線』があったのでなぞった瞬間
目の前にあった花は命が消えたように枯れた
私がその光景を唖然と見ながら見ていると部屋の扉が開きナースの人がベッドから起き上がった私を見た瞬間急いで先生と叫びながら部屋を出て行った
私はその後さっきの光景に驚きながらもやってきた病院の先生に話を聞いて事情を知った
どうやら私〝だけ″が事故から助かったらしく酷い怪我で目を覚ましたのが奇跡だと言われた
先生達は私が助かったのを喜んでくれていたのだが私はもう何も考える事が出来なかった
自分の大切な人たちが死んだ事にもう心が辛かった そして未だに私の視界に映るの『線』は先生達にも付いている事に気がついた私はこの『線』は命を簡単に奪う事が出来るものだと気がついた。
その線を少しなぞれば目の前にいる人達の命は簡単に 奪う事が出来ると こんなにも世界が脆く弱いのだと理解した瞬間
気がつけば私は自らの手で自分の目を 潰した
……………………………
目を覚ますと時刻は6時になって外も夕方になっていた
私は寝すぎたと思いながら体を伸ばしほぐしながら今日のご飯は何にしようかと思い考えているとピンポーンとチャイムが鳴らされた
私はため息をこぼしながらその相手が誰なのか予想をしながドアを開けた
「やっほー♪智子 元気にしてた❓」
そこにいたのは高校時代の私が憎んでいたリア充グループの一人で今じゃ顔馴染みの清田幹也だった