黒の境界   作:野原しんのすけ

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俯瞰風景4

あの日の病室のベッドで私はこの不可思議な能力を持つ目が視界に映る人や物が力など入れなくてもこの目に映る『線』をなぞれば簡単に壊すことが出来る事を理解した瞬間、私は無意識のうちに自らの目をその両手で潰した

 

それから先は私自身余りよく覚えてはいない…

あの後は私がした行動に驚いた先生達に私は無理やり押さえつけられすぐ目の治療の為に緊急手術になった その後は自分以外の家族が亡くなった事から精神的にショックを受けたが故にあのような行動をしてしまったのだと思われたらしく私はその後面会謝絶で病院に入院し続けた

 

何日かしたら精神がある程度回復した頃に面会が許可され従姉妹が見舞いに来た。涙を流しながら心配したと言いながら目を潰したので見えないが普段クールな従姉妹が泣きながら抱きしめてきた 私はそんな従姉妹の様子にどうすればいいか分からずおろおろしながらも抱きしめ返しながらごめんねと自分の馬鹿な行為で泣かせてしまった従姉妹の頭を撫でながら私は罪悪感で死んでしまいそうだった その後従姉妹の両親と執事さんが見舞いに来てくれた。従姉妹同様に安心したような溜息が聞こえたと思ったらすぐに全員から心配したと怒られてしまった。普段の私ならどうやって許してもらうかで慌てているが、家族を亡くした今の私にとってはこの人達が私を叱ってくれることが何故か嬉しく思えた。けれど今の私はそんな自分を心配してくれるこの人達をこの指一本で『壊す』事が出来る能力を持ってしまったなんて中学の時の私なら喜んでいただろうがいざ持ってみると本気でいらないと思い私はこっそりとため息を吐いた。

 

 

その後従姉妹達は帰り部屋には私一人だけになった。

誰も居ないので部屋の中は音が無く目が見えないので自分の視界は常に真っ暗だった。まるで自分一人だけ取り残された様な気分になったが今はこの『目』を今後どうすれば良いかで考える事に夢中になっていると病室のドアからノックが聞こえたと思った勢いよくガラリと開けられた。

 

「よかったわ…、事故で大怪我したって聞いたから心配したけれど、思っていたよりもぴんぴんしているから安心したわよ…」

 

病室に入ってきた女性はベッドにいる私を見て安心したように息を整えていた 聞き覚えのあるこの声と無駄に熱血で私を知っている女性なんて目が見えなくてもわかってしまった。

そこにいるのは私のクラスの担任が学校の中で一番嫌い関わりたくない人ランキングで堂々と上位に入っている女性『荻野橙子』だった…

 

……………………………………………

 

 

 

背景 真夏の終わりにまだ蝉が鳴き続ける今日この頃、夏の気温のせいでサウナのように蒸し暑くなった部屋に倒れる私の家に来たこの男は、高校時代ぼっちの私が自分の寿命を減らしても良いから死なないかと願ったリア充グループの一人であり今では顔なじみの清田幹也がコンビニ袋片手に笑顔でこちらに軽く手を振りながらそこに立っていた。

 

真夏の熱で汗だくになった私は涼しげにいる目の前の男を眺めながら私は今の自分に出来る最大限の笑顔をむけながらゆっくりとドアノブを握り流れるように扉を閉めかけたが寸前足をドアの隙間に滑らせ扉を閉ざさせまいと抵抗してくる。私はその足を潰す勢いで更に力を込めながらドアを閉めようとするが無効も必死な形相で無駄に頑張っている うざいなコイツ

 

「待て待て待て⁉︎何故に閉めるんだよ⁉︎こんな暑い中俺頑張ってきたんだよ、少しくらい構ってくれよ!」

 

「知るか、涼しい顔のてめーなんかを構っている余裕があるのなら自分を労わるわアホ、つーかなんでお前ここに居るんだよ、てかどうして私の住所知っているんだよ…」。

 

私の記憶が正しければコイツに自分の住所を教えていない筈だ。リア充とは知り合いでも住所がどこかを知れば勝手に遊びに来る生き物だ、しかも本人の都合も考えずにウェーイと意味不明な言葉を発しながら来るのでコイツが何処に住んでいるのかと聞かれた時は絶対に教えなかった。だからこそ何故か私の住所を知ってここにいることが本当にわからないので悩んでいると目の前のコイツはさらりと言った

 

「智子の住所知らなくてな、荻野に聞いたら教えてくれた♪」

 

「私のプライバシーガン無視⁉︎ていうか元教え子の情報簡単に提供するなよ元教師 ‼️ 」

 

元とはいえ教え子の個人情報をプライバシー&保護法関係なしに提供する教師兼社長のウィンクをする顔を思い浮かべながら次に会ったらナイフをその顔面に投げようと誓いながら私は目の前にいる人物に目を向けた

 

「それでなんだよ、女の家に無理矢理上がり込もうとしている不審者さんはこんな私に何のご用ですかな❓、自慢じゃ無いがあいにくうちには宝物が無くてな冷蔵庫の中身も空っぽなのに買い物忘れて財布の中も氷河期が迎えているから唯一あるのはこの携帯だけだぞ」。

 

「本当に自慢じゃないなそれ…、ていうか何でどさくさに紛れて110番の番号入れているんだ‼️、確かに本人の許可なく住所を聞いて来たのは悪いけどお前に用事があるだけだから深い意味も無いし下心も無いよ!」。

 

「悪いと思うならもう二度とするなよ、いくら知り合いとはいえ行き過ぎた事をやれば容赦なく警察に通報するからな私は」。

 

例え知り合いでも勝手に人の情報勝手に調べられた挙句に都合を考えずに来られたらこっちが本当に困る

 

「はい、すみませんでした…」。

 

本当に反省した顔で頭を下げているで今回は許してやる事にした

まあそもそも教えた荻野にも責任があるし今度事務所に行ったらちゃんと怒ろう

 

「まあとりあえず上がれよ、ぬるいお茶しか出せないけど無いよりはましだからな」。

 

「ありがと 、お邪魔しまーす♪」。

 

そういいながらさっき反省してた顔から一瞬で元のお気楽な顔になったのでまあいいかと思いながら家に入れた

 

「あ!、そうそう、ここに来る途中にアイスとか買ってきたんだよ、良かったら食べてくれ」。

 

「サンキュー、けどとりあえずまだ食べないから冷蔵庫に入れといてくれ」

 

そう言うとアイスを冷蔵庫に入れている清田にお茶を出そうと準備をしていると私はそう言えば…と一番聞きたかった事を聞いた

「そういやお前は本当に何しに来たんだよ❓、なんか私に用事があって来たんだろ❓」。

 

私がそう言うと冷蔵庫に入れ終わった清田が此方に振り向いた。

 

「まあ最初は智子が働いている事務所に遊びに行ったら荻野にもう帰ったって聞いたからな、その時に住所を聞いてきたんだよ、用事ってのはお前が引き受けた仕事の事を聞いてな、少し話しておきたい事があったから来たんだ」。

 

そういいながら私が出したお茶を飲む清田に私は(押し付けられただけなんだけど…)と心の中で思いながら内容を聞く

 

「お前も知ってる通りあのビルは何ヶ月か前から幽霊少女の噂が流れていてな、今じゃあのビルは自殺した女の子達はその幽霊少女に殺されたので無いのかって噂をされているのくらいなんだよ」。

 

「それは私も聞いたよ、けど噂だろ?いくらあのビルが幽霊少女の噂が流れているからっていくらなんでも今回の事件に関係するとは思えないんだが…」。

 

私自身この目で見たわけじゃ無いし確証のない噂が流れているだけじゃあんまり信じる事が出来ない。噂とは人によっては流れていく内容が違うから流れていくうちに真実からかなりねじ曲がったくらい間違った内容になる事も良くある話だ、そのほとんどは自分の目で見ていないのにあくまで予想や想像した事をまるでそれが本当のように話す奴らが多いから確かめるまではそれが真実とは思わずあくまで可能性の一つとして考えるようにしている

 

「それなんだけどな、もしかしたらその噂は本当にそうかもしれないらしいんだよ」

 

「…は❓」

 

何を言っているんだコイツは…

 

「いやそんな馬鹿を見るような目で見ないでくれよ、ちゃんと証拠として調べてきたから」

 

そう言うとズボンのポケットからメモを取り出し説明をした

 

「まずなんだが自殺した女子生徒達の友達なんだがその子達にこっそり会って話を聞いて見たんだよ、そしたらその自殺したその子達の様子で何かしていなかったかと何か聞いてみたら共通点が見つかってな、なんでもその自殺したその子達は良く晴れた青空を見ている事が多かったらしいんだよ」

 

「空を見てた?」

 

「ああ、それ以外は何にもおかしいところは無かったから他にも色々調べてみたけれどそれ以外は見つからなくてな、視野を広げて調べて見たらな、あったんだよ、他にもその子達の共通点が…」

 

「なんだよ、その共通点って❓」

 

「その自殺した女の子達はな、子供の頃に全員一度会っているんだよ、他校とのオリエンテーニングでチームになってたらしくてな、しかもその子達は何日かスタンプラリーの時に行方不明になってだらしいんだよ、直ぐに見つかったらしいんだかな」。

 

なんでこの男は警察がわからなかった事をこんなにあっさり見つけているのか、そして何故こんな事を調べているのかは取り敢えずその質問は全部聞き終えてからにしようとスルーする事にした

 

「それがわかったことはいいけどさ、それと幽霊少女に何の関係があるんだよ」

「実はこの話には続きがあってな、その子達は戻ってこられたのに一人だけ戻って来れなかった子が居たんだよ、その子はあのマンションに住んでいた年寄り夫婦の孫娘だったらしいんだけどな、名前は確か…」

 

 

 

「 『田村ゆり』って名前だったよ」

 

 

 

 

 

 

 

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