「ふーん…」
「あれ❓、なんかテンション低くないか?」
「いやその「田村ゆり」って子かどんな子供だったのかは知らないけど普通に女の子が一人行方不明のままなんてテンションが上がるわけがないだろ」
何故か自分が求めていたリアクションじゃ無いと言ってるみたいに不満そうな顔をしているこいつに私は呆れながらもその話に違和感があり少し考えてみる
少女数人が行方不明になっているのにその中の一人は未だに生存しているかすら不明な状況、そんな事件が起こっていたのなら何故あの時秋巴さんは事務所で説明をしていないのかが疑問に思う、まだ数年かの付き合いだが少なくとも秋巴さんは性格的にそんな重要な事は隠さないタイプだ、真面目に話しをしている時にそんな重要な事を隠して話すなんて事は私が知っている限りはしない。それよりも気になるのは…
「あのさ…」
考えている私の思考を切るように話しかけてくる清田に意識を向けると少し言いづらい事を話すように顔をしかめていた
「俺が言うのも何だけどさ、今回のもしかしたら、物凄くやばい事なんじゃないかなと思うんだよ俺は、だから手を引いた方がいいんじゃないかなって思うんだよ」
清田はそう言いながらさっきの不満そうな顔をしていた張本人とは思えないほど真剣な顔でこちらを見てくる、確かに私自身こんなやばそうな事件はやりたくない、ていうか関わりたいとは一ミリも思えない、誰が好き好んでガチで殺人や自殺が起きた挙句幽霊が現れるマンションに調査しに行けと言われたら私は嫌だ、絶対に嫌だ、もしも本当に幽霊に遭遇したら私は自身の女子力全てを解放してしまう、それにr18 G指定な事が起きそうで本当に嫌なのだが…
「引くも何も私はそれが仕事だからな、やるしかないだろ…(涙)」
私は清田にかっこいい事を言いながらもし行かなかった事を荻野に聞かれたら明日のご飯が道端の雑草がご馳走になる事を考え心の中で泣きながら行く準備を始めるのであった…
……………………………………………
「うーわー…」
時刻は午前2時、誰も歩いていない道を歩きながら目的地にようやく到着した私は今から行かなければならないであろう目の前にあるいかにもやばそうな雰囲気のマンションを前に私は今すぐにでも回れ右をして帰りたい衝動を抑える、周りを見渡しても灯である街灯は、今も消えそうな弱々しい光を放ちながら周りを照らしているのでその光が逆に不気味さを増幅させるが、幸いにも今日は雲が一つも無い満月で辺りは月の光でよく見える。
けれど当たり前だがそれでも行きたいと思う気持ちは一ミリも起きない
「仕事の為とはいえこんな不気味過ぎる場所に幽霊が出やすい丑三つ時に一人で行けって鬼かあの女は…(涙)」
今頃事務所の布団でグースカ寝ている上司の事を思い恨みながらため息を吐き、着物の帯に入れていた物のクリップ部分を掴みゆっくりと引き抜く。月の光を受けて約20㎝の刀身が不気味に光るナイフを私は慣れた手つきで取り出しながら目の前のマンションに向け、ゆっくりと警戒しながら足を運び立ち入り禁止のテープを潜りながら中に入る。
中に入りもう一つ帯にしまっていた懐中電灯を使って辺りを見回すと最初に目にしたのは大量に貼られた侵入禁止のテープや散らかっている昔壊れたであろう椅子や机だった。
明らかに厳重に貼られてあったテープが気になりその先を照らすとどうやらこの先は床に大穴が開いているらしく先には進めないらしい、それ以外に通れそうなのはぼろぼろになっている階段のみで目的の部屋に行けるのはどうやらそこから登り続けなければならないらしく早く帰りたい一心で警戒しながら早足でその階段を登り目的の部屋がある階まで登り続けた
…………………………………
ようやくその部屋かある階まで登りきり辺りを見渡しながらゆっくりと深呼吸をし懐の中にしまっていた書類を取り出し再度目を通す、そこに書かれているのは荻野に渡されたこのマンションで起きた事件の事で今回はそのマンションの時間が起きた部屋を調べてこいという内容だった。
最初渡された時は見なかった事にしたかったが荻野のにっこりスマイル(脅迫)に仕方がなく受け取る事にした(泣)。
その時の事を思い出したせいで気分がとても滅入るが終わらなければ帰れないと思い喝を入れ改めて目的の部屋にゆっくりと足を運び続けた…。
よくやくその部屋に辿り着いた私はナイフを構え警戒しながらゆっくりと目の前のドアノブをひねり扉を開ける、そこにあるのはほこりまみれで散らかっている家具や服のみであった
「思ってた以上では無いけど散らかってるな…、けどそんなにこれといった物は無さそうだな」
持っていたナイフを懐にしまい中に入って散らかっているものをどかしながら懐中電灯を片手に部屋を調べて見るがどれもこれも古くなった物ばかりで事件に重要そうな物は中々見つからず
途方に暮れるばかりでどうしたもんかと頭をひねっていると等々何も見つからず部屋の調査は終わりを告げた
「マジで何も無く終わったな…、まあこれでやっと帰れるし結果オーライって事でいいだろ、けど報告どうしようかな…」
調査の結果が不十分で荻野になんて報告したらいいのか頭を悩ませながら入ってきた扉に近づきドアノブを掴む、その瞬間…
「……………」
「ん❓、なんか聞こえたような…」
どこからか人の声が聞こえたようが気がして耳を澄まして聞いてみるが何も聞こえない、気のせいかと思いドアノブに手を伸ばすと…
「あはははは♪」
聞こえた、今度ははっきりと自分以外の笑い声が耳元ではっきりと聞こえた、自分以外誰もいない部屋で聞こえた楽しげな笑い声に自分の中の警戒心が一瞬で最大になり振り向かず急いでこの部屋を出ようとドアノブを掴み回したが鍵をかけていないのにガチャガチャと音を立てながら開く気配が無い
「な、なんで、なんで開かないんだよ」
涙目になりながらも全く開かないドアを必死に開けようとパニックになっていると次の瞬間、
「ぐうぇ⁉️」
ドアノブを掴んでいた左腕が自分の意思とは無関係にものすごい力で自分の首を締めてきた、おもわす持っていた懐中電灯を落とし右手で外そうとしたが自分の力とは思えない力で締めてきて全く外れそうにない
呼吸困難になりながらも、床に倒れ、のたうち回りながら必死に外そうとしているとふと窓に人影が見えた、無意識にそちらに目を向けるとそこには10歳くらいの少女が宙に浮きながらこちらを笑いながら見ていた、月明かりで腰まで伸びた髪の毛は一本一本がまるで宝石のようにたなびかせながら白いワンピースのような服が風にゆらされている、顔立ちは病人のように真っ白であるが整っていて笑っているその姿は思わず見惚れてしまうほどの可憐ではあるが、今の状況ではそんな余裕も無くひたすら自分の首を絞める左手を外そうともがくばかりだった
少女はそんな苦しんでる自分を見て楽しげな様子で笑いながら見ている、私がだんだん自分の意識が無くなってきている事に気がついたのかより興味津々にこちらを見て、私が死ぬ所を今か今かと笑いながら待っていた。
呼吸困難でだんだん右手から力が抜けていっているのを感じもう抵抗をするのをやめようかと諦めかけ、無意識に少女の方に目を向けた
少女が此方を見ながら苦しんでいる私が苦しんでいる所を楽しげに笑っている様子が何処かで見たことがあると既視感を感じた、私は明確にその記憶を思い出す前に意識を無理やり戻すと無意識に帯にしまっていたナイフを取り出すと未だに首を絞め続ける自分の左腕にナイフを突き刺し、自分の左腕を切断した
「……⁉️」
さっきまで笑っていた少女は自分の行動に驚き笑うのをやめて此方を見てくる、私はそんな少女の様子を気にせず自分の首を締めていた左腕を無理やり剥がすと大きく深呼吸をして意識をはっきりさせながら少女を睨みつける
「…………」
そんな睨みつける私を怖かったのか少女は逃げるように姿を消す、私はそんな少女が消えた場所を見ながら、左腕があった場所から垂れている血で汚れた所を綺麗にし疲労で疲れた体を無理やり動かしながら自分が切断した左腕を持ってそのままゆっくりと扉を開けて部屋を後にした
……………………………
「なるほどね、それで私が作った義手が消えた理由がよくわかったわ、まさかそんな事があったなんてね」
昨日遭遇した幽霊少女の事を報告しようと事務所に行くと私の腕が消えている事に驚いた荻野に私は嫌々その事を説明をする、あの時私が切断した左腕は以前仕事で消えた左腕の代わりに、荻野が趣味で作った義手で(ご丁寧に血糊まで仕込まれているので義手から本物と同様に血が出るように仕込まれている)、あの時も咄嗟に切断はしたが義手なので痛みは無いが、自分でやったとはいえ、まさかまた腕が消えるなんてことがあるとは私自身予想もしていなかったので我ながら「不幸だー‼️」と大声で叫びたいくらいだ(やったらやったで近所の人から苦情が来るのでやらないが)
「取り敢えず私が調査した事はそれくらいだ、まさかマジで幽霊少女が現れるなんて思わなかったけどな、おかげで酷い目にあったわ」
「本当に大変だったわね、予想はしていたけど幽霊って本当にいるのね、びっくりしちゃった」
「その幽霊が出る場所を一人で調査しろって言ったのは何処の誰ですかな〜 」
本当に死ぬ思いをしていたのに人が大変な時にのんびり寝ていたであろう目の前のこいつに殺意を抱きながら睨みつけていると机から束になっている書類を渡してきた
「なにこれ?」
「あの事件の事について私自身気になってね、少し調べてみたのよ、昨日は徹夜で調べていたから少し眠いわ〜」
大きくあくびをする荻野に私は少し驚きながら質問をする
「まてまて、いくらなんでも昨日の今日で調べられるのか、どうやって調べたんだよ、一人じゃ流石に無理があるんじゃ…❓」
「そこはほら、ご都合「んなわけあるか」はいはい、本当は情報屋のみんなにフルで調べてもらって集まった情報を書類に纏めたのよ」
「確か金欠だったよなお前?」
「そこは人徳ってやつよ」
情報屋の皆さん、本当にお疲れ様です、そしてこの荻野(馬鹿)の、わがままに付き合ってもらいすみませんでした
見たことがない情報屋の人たちに心の中で労いの言葉を謝罪の言葉をかけていると書類をめくりながら荻野は聞いてくる
「ねえ智子、貴方が見たその少女って確かにそこにいたのよね?」
「うあ❓、ああ、はっきりと見たわけじゃないが確かにあの部屋の窓にいたぞ」
あの時は必死に腕を外す事に夢中ではあったが確かにあの部屋の窓から少女が此方を見ていた、その時の事を思い出していると荻野は真剣な顔で変な事を言った
「多分だけどその時のその少女ってそこにはいなかったと思うわよ」
はい?