桂馬えもん 天理と神のみぞ知るセカイ   作:夢回廊

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第29話

「か、過去に行くって……どういうこと?」

 

「そのままの意味。『球』が点滅していなかったのは、()()()()()()()()()()()()()からなんだ」

 

「え……!?」

 

 『○×占い』が『正しい』と証明した、俺の仮説……それは『天理達に首輪が付けられる前に遡り、香織や正統悪魔社(ヴィンテージ)より先に対策を講じておく』という秘策だ。

 こう考えれば、球が点滅していない状況……すなわち、今の状況が()()()()()であることに納得がいく。今の俺達が時を遡れば、予め香織達の策略に対抗することが出来るからな。

 いや、()()()()()()()()()()()()()()からこそ、球が点滅していないのだろう。仮に俺達が過去に遡っていない状況なら、流石に球が点滅して歴史が捻じ曲がる危険を知らせてくれる……はずだと思う。

 

「それって……もしかして、私が考えていた秘策と同じ……」

 

「……そう。ただ、ドクロウの秘策と違うところは……俺達が肉体ごと過去に遡ること、か」

 

「……!」

 

 ドクロウは今の説明で察してくれたらしい。確かに、ドクロウが考えていた秘策と俺の仮説は似ている。というかほぼそのままだ。だからこそ、ドクロウはすぐに俺の仮説の意味を理解してくれたのだろう。

 

「あ、あの……桂馬君、ドーちゃん……えっと……」

 

「……天理。今から俺達は、少し出かけないといけない。事情は戻って来たら必ず説明するから……今はここで、待っててもらえないかな?」

 

「……!」

 

 時間を遡ると決めた以上、ここからは慎重な行動を取らないといけない。いくら○×占いが俺の秘策の成功を保証してくれたとはいえ、何かの間違いで歴史が変わるようなことがあってはならない。

 その為には、現状でヴィンテージの存在を正確に把握している……俺とドクロウが動くしかない。天理には、現在で待っていてもらった方が良いだろう。事情をまだ話せないのは申し訳ないが、こればかりは仕方ない。

 

「……うん、分かった。よく分からないけど……気をつけてね……?」

 

「……ありがとう、天理」

 

「お姉ちゃん……ありがとう」

 

(ただ、既に首輪が付いている天理をそのまま放置する訳にはいかない。駆け魂の大脱走はまだ起こっていない……とは思うけど、油断は禁物だ)

 

「……天理、これ」

 

 俺はポケットから『厄除けシール』を取り出し、天理に手渡す。これさえ貼っておけば、天理の安全は100%保証される。俺達が過去で行動している間も、少なくとも奴らに狙われる心配は無くなるだろう。

 身を守ることを考えれば『安全カバー』や『バリヤーポイント』等でも良いのだが、こちらは仮に天理が襲撃された場合、奴らが『天理が謎の力に守られている』という疑問を抱いてしまうかもしれない。

 しかしそれらの道具とは違い、厄除けシールは因果律を操作して、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。故に、身を守るだけの道具を使うより余程安全なのだ。だからこそ、天理にはこの厄除けシールを渡しておく。

 

「……シール? 『厄』という漢字に『×(バツ)』が書かれてるけど……」

 

「これは『厄除けシール』と言って、体に貼っておけば、あらゆる災難から逃れることが出来るんだ。俺達がここに戻って来るまで、そのシールを体のどこかに貼っておいてほしい」

 

「体のどこか……腕で大丈夫?」

 

「うん。普通はお腹に貼るんだけど、体に貼ってさえいればどこでも大丈夫」

 

「ありがとう。じゃあ……ここに貼っておくね? ん……」

 

「……あらゆる災難を逃れるって、体が凄く丈夫になったりするの?」

 

「いや、因果律を操って、シールを貼った人間が危険な目に遭わない状況を常に作り出してくれる。仮に自分から危険な場所に出向こうとしたら、腹痛を起こしてトイレに駆け込ませることで、シール使用者を危険から遠ざけようとするほどの性能だ」

 

「…………」

 

(効果も凄まじいけど、『因果律』という単語が当たり前のように出てくるって……一体、お兄ちゃんの道具の仕組みってどうなってるんだろう……?)

 

 

 

 

 

 

 

「……天理には部屋で待ってもらうとして、過去に遡る為に必要な準備をしないと」

 

「準備?」

 

 一先ず天理には俺の部屋で待機していてもらい、俺とドクロウは廊下に出た。当たり前だが、何の対策も無しに過去に遡っても秘策は失敗するだけだ。ここからの準備が重要となる。

 俺はポケットから『宇宙完全大百科』を取り出し、すぐさま起動する。理由はもちろん、首輪を付けられた女の子の情報を得る為だ。過去に遡ってから探すより、事前に調べておいた方が迅速に動けるからな。

 

「……分厚い百科事典? あ、でも、中は機械……」

 

「これは『宇宙完全大百科』と言って、この世のあらゆる情報が詰め込まれた道具なんだ。今回はこれを使って、首輪を付けられた女の子達を調べる」

 

「…………」

 

(この世のあらゆる情報……えっと、アカシックレコードか何か……?)

 

 大百科に『今日、この地域でヴィンテージの首輪を付けられた女の子は?』と入力すると、瞬時に情報が画面に映し出される。それを確認しつつ、今回はプリントアウトする。すると大百科が6枚の紙を印刷した。

 名前はもちろん、顔写真もついている。これなら誰が狙われたかを正確に把握することが出来る。6枚……天理の情報も合わせて、6人の女の子が狙われたのか。案の定、天理以外は女神の宿主達と無関係な女の子達ばかりだ。

 しかし、6人か……恐らく偶然なのだろうが、女神の宿主達と同じ人数だな。てっきり、もう少し多いと思っていたが……原作では、もっと沢山の女の子達に首輪が付いていたし……

 

「……お姉ちゃん以外は、上級生から同級生までバラバラだね。どうやら、無作為に選ばれたみたい」

 

「うん。でも、6人で済んで良かった。数が多ければ多いほど、対処が大変になるからな……」

 

 印刷された紙を一通り眺めた後、俺はポケットから『アンキパン』を1枚だけ取り出す。え? こんな時にパンを食べている場合じゃないって? いや、俺だってふざけてこの道具を出した訳ではない。ちゃんとした理由がある。

 

「……あれ? それ、確かアンキパンだよね? どうして……」

 

「この紙を持って行って、一々確認しながら首輪付きの女の子を探すより……頭に叩き込んでおいた方が手っ取り早く探せるからな」

 

「……!」

 

 そう言いながら、俺は天理以外の女の子の顔写真5枚をアンキパンに押し付ける。するとパンに顔写真がしっかりと写ったので、後は食べるだけだ。

 ……人の顔が写ったパンを食べるのはあまり気が進まないが、今はそんなことを言っている場合じゃない。

 

「いただきます。はむっ、あむっ……」

 

(……意外と美味いな。そういえば声優交代後のアニメでも、ドラえもんが『味は悪くない』と言ってたっけ)

 

 食パン1枚を食べるだけなら、そう時間はかからない。いや、仮に何枚も食べることになったとしても『ウルトラストップウォッチ』のお陰で時間は止まっているが。とにかく、口に押し込むようにしながら急いでアンキパンを食べ切った。

 すると頭の中に、先程の5人の女の子の顔が鮮明に思い浮かぶ。流石はアンキパンだ。本当に、食べた瞬間に写した内容を丸暗記出来るんだな。これなら学校の生徒を一目見ただけで、写真の女の子かそうで無いかを瞬時に判断出来る。

 

「……どう?」

 

「完璧に覚えた。ドクロウは……さっき眺めただけで覚えてるか」

 

「うん。大丈夫」

 

「よし、後は『これ』を被るんだ」

 

「あ……『石ころぼうし』だね。でも、奴らは首輪にあれだけの隠蔽技術を施してる。もしかすると、姿を消すだけだと……ちょっとした音や気配で察知されたりしないかな?」

 

「え? あ、そうか……そういえば、まだちゃんと説明してなかったな」

 

 以前、ドクロウには石ころぼうしの効果を姿()()()()道具と説明していた。あの時は記憶を失っていたけど、今のドクロウなら……石ころぼうしの本当の効果を教えても、正確に理解出来るだろう。

 

「実はこの帽子、正確には姿()()()()道具じゃない。()()()()()()()()()()帽子なんだ」

 

「存在を消し去る……?」

 

 俺はドクロウに、石ころぼうしの効果を改めて説明する。この帽子、凄まじい性能だけど説明が少し難しいんだよな。『透明マント』だったら『姿を消す』と一言で説明出来るんだけど、『存在を消す』だからな……語弊が無いように伝えないと。

 

「……理屈は分かったよ。むしろ姿を消すより遥かに強力だね」

 

「あぁ。だからこそ、奴ら相手にバレないよう行動するにはうってつけの道具なんだ。それに同じ帽子を被っている人同士なら、お互いの存在をちゃんと認識出来るから混乱する心配も無い」

 

「…………」

 

(羽衣による透明化が霞んじゃう……防音はともかく、存在そのものを認識されなくするなんて……)

 

「それと、時間停止は解除しておく」

 

「……どうして?」

 

「万が一、既に過去に遡った俺達がまだやるべきことを終えていない状況だと、時間が止まっている状態なのは不味い。今のままだと、過去に遡った後の俺達の時間も止まったままだ。そんな状況で、俺達が時間停止を解除せずに過去に戻ってしまえば……」

 

「……! そう、だね……この世界の時間が、永遠に止まり続けることに……」 

 

「そういうこと。天理には厄除けシールを使ったから、時間を動かしても天理は安全だと断言しても良い。それに俺達は石ころぼうしを被っていれば、奴らの動きを探ったりひみつ道具を使ってもバレる心配は無い」

 

「……じゃあ、早く帽子を被らないと」

 

 俺とドクロウは石ころぼうしを被り、再びウルトラストップウォッチを使って時間停止を解除する。静かだった世界に音が戻って来る。恐らく天理も時間が動き出したことに気づいているだろうが、それも含めて後で説明しよう。

 いよいよ準備は整った。後は過去に遡るだけだ。その為の道具は色々あるが……冷静に考えてみれば、時間を移動する道具が()()()()()()()()時点で、いかにドラえもんの道具が反則なのかがよく分かるな。

 ……いや、話を脱線させている場合じゃない。俺はポケットから『小さな機械が付いたベルト』を2つ取り出し、片方をドクロウに手渡す。こんな小さな道具でも、時間を自由に移動することが出来る。だからこそ、使い方を間違えれば……それこそ悪人の手に渡れば、非常に危険な兵器とも言える。

 

「……ベルト?」

 

「これは『タイムベルト』と言って、腰に巻いてスイッチを押すだけで好きな時間に行くことが出来る。もちろん、下手に使うと歴史が捻じ曲がりかねないから、普段は使わないけど」

 

「……もう、突っ込む気力も無くなったよ」

 

(時間を戻すこの球でさえ、向こうの私がかなりの魔力を籠めて作ったのに……お兄ちゃんの道具だと、こんな玩具みたいなベルトで簡単に実現出来るなんて……)

 

 『ドラえもん』の『タイムマシン』と言えば、誰もがあの『空飛ぶ絨毯型』と呼ばれる乗り物を思い浮かべるだろう。しかし俺が出した『タイムベルト』は、そのタイムマシンを小型化したものだ。原作でも何度か登場している。

 このタイムベルトは、本来のタイムマシンとは違って()()()()()()()()()()()。つまり、現在立っている場所からは一切動かないまま、時間だけを飛び越える道具なのだ。小型版故に仕方ない欠点と言えるだろう。

 しかしその欠点さえ除けば、好きなタイミングで自在に時を超えることが出来るアイテムである。『ドラえもん』だと欠点ばかりが目立つ道具だが、他の作品だとこのベルトでも十二分に破格の性能だと断言しても良いと思う。

 何故なら()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。これさえあれば、他の作品の不幸な結末をあっさり救うことだって出来るかもしれない。ただ、それ故に使い方次第では大変なことになる道具でもある。

 

 『ドラえもん』の原作世界では、過去を変えれば未来が書き換わるだけで宇宙が爆発したりはしない。あるいは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という結末もある。どちらにしても、世界規模の大惨事になることは基本的に無い。

 もちろん、改変した歴史によっては人類史が丸ごと書き換わってしまうような危険性もあるが、いずれにしても『ドラえもん』の原作では歴史改変のせいで人類が滅亡したりするといったピンチに陥ったことはまず無い。派生作品はその限りでないが。

 

 しかしここは『神のみ』世界。『神のみ』の原作では、『ドラえもん』での後者の方法で過去を調整して現在までの歴史に繋がるようにしていたが、万が一、正史に無い行動を取ってしまったら……どうなってしまうかは誰にも分からない。

 某7つの球を集めるバトル漫画のようにパラレルワールドに分岐したり、所謂『歴史の修正力』が働いて過去を変えることが出来なかったり、『ドラえもん』のように歴史が書き換えられるだけならまだ良い。

 

 最悪の場合、宇宙の摂理が因果関係の矛盾に耐えきれず……この世界が完全に消滅してしまう可能性も無いとは言い切れないのだ。

 だからこそ、時を超える道具は細心の注意を払って使用しなければならない。ただし俺が持っている球や『フリダシニモドル』等の道具であれば、()()()()()()()()()()()()()()()()()為、因果関係の矛盾が発生することは無い。

 

「戻る時間は……ランキング発表直前だから、大体2時間前くらいか」

 

「うん。ただ、時間が止まっていた間のことを考えると、体感では3時間くらい前に感じるけど」

 

「確かにな。よし、心の中で『2時間前』と考えながら、赤いボタンを押してみて」

 

「……こう? あっ……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 俺とドクロウがベルトのボタンを押した瞬間、周りの景色が一瞬にして……アニメの『ドラえもん』でよく見る時空間に変わった。青紫色の空間で、その中をカラフルな時計が蠢いていて、いかにも時の流れをアニメで表現したような光景だ。

 

「……ここ、どこ? 時計が沢山見えるけど……」

 

「時の流れの中。分かりづらいけど、俺達は今まさに時間を遡ってる最中なんだ。ほら、よく見ると時計の針の動きが反時計回りになってる」

 

「え? あ……本当だ。何だか、不思議な空間……」

 

(時間を遡るだけでも凄いことなのに、時の流れの視覚化までしてしまうなんて……本当に、どういう仕組み……?)

 

 ドクロウが感心していると、あっという間にベルトから通知音が聞こえてきた。恐らく目的地……いや、目的時間が近づいてきた証拠だろう。そういえば、タイムマシンで1億年以上遡るにしても、移動時間は体感でせいぜい10分くらいだもんな。2時間遡るだけなら、それこそ1分もしない内に着いてしまってもおかしくない。

 

「どうやら、もう2時間前に着くみたいだ」

 

「随分早いね」

 

「まぁ、数億年前に戻るにしても15分くらいで着くからな……おっ、赤いボタンが点滅してる。よし、時の流れを抜け出そう! ドクロウ、もう一度赤いボタンを押して」

 

「うん……え? 数億年前?」

 

(今、聞き間違いじゃなければ『数億年前』って……いや、突っ込んじゃダメ。真面目に考えれば考えるほど、頭が疲れるだけだから……)

 

 俺とドクロウがベルトのボタンを押すと、再び周囲の景色が一瞬にして切り替わり……俺達が先程まで立っていた、桂木家の廊下になった。しかし、時間移動前は夕暮れだったのが、窓を見ると……まだ太陽の位置が高く、綺麗な青空が広がっている。

 どうやら無事、2時間前の世界に着いたようだ。時の流れの中でタイムベルトが故障して、時間漂流者になるなんて冗談じゃないからな。いや、その気になれば他のひみつ道具を使って簡単に脱出することが出来るが。

 

「ここが2時間前の世界……あ、窓の外が夕暮れから青空に戻ってる」

 

「あぁ。俺達は無事、2時間前に戻ることが出来たんだ」

 

「…………」

 

(本当に、私達は過去の世界に……)

 

「……驚く気持ちは分かるけど、あまりのんびりしていられない。ベルトはポケットにしまっておくから、一先ず今は返して欲しい」

 

「あ……うん」

 

 ドクロウからタイムベルトを受け取り、自分が付けていたベルトと一緒にポケットにしまい込む。同時にウルトラストップウォッチを取り出し、俺とドクロウ以外の時間を止める。

 いくら石ころぼうしを被っているとはいえ、俺達がモタモタしていればヴィンテージ達がすかさず女の子達に首輪を付けてしまう。だからこそ、時間を止めておけばこちらが慎重に行動する余裕が生まれるという訳だ。

 

「……時間を止めるなら、石ころぼうしを被らなくても良かったんじゃない?」

 

「いや、絶対に被っておかないといけない。後で時間停止を一時的に解除するつもりなんだ」

 

「……!」

 

(時間停止を解除……だとしたら、私達は時間が動いている状況……つまり、奴らが活動している状況でも、確実にバレないよう行動する必要がある。それだけじゃない。過去の私達にも絶対に気づかれないようにしないといけない。

 今の私は、少なくとも2時間前の時点で()()()()()()()()()()()()()()()から……仮に過去の私と鉢合わせしてしまったら、どんなタイムパラドックスが起こるか分からない。だからお兄ちゃんは石ころぼうしを……でも、どうして時間停止を解除するんだろう……?)

 

 ドクロウの表情が何かを察したかのようになり、頷いてくれた。本当に、ドクロウが味方として付いていてくれるのはありがたい。一から説明せずとも、少し話すだけで俺が伝えたいことの全てを瞬時に理解してくれる。

 

「理由は後で話す。まずは学校に向かわないと……よいしょっと!」

 

「それ……『どこでもドア』だよね?」

 

「そう。時間が止まってる今なら、これで瞬間移動しても周りにバレないからな」

 

 

 

 

 

 

 

 俺はポケットからどこでもドアを取り出し、小学校に向かう。行き先は学校内ならどこでも良かったが、一先ず見晴らしが良い『屋上』と設定しておいた。ここからなら、首輪が付けられる女の子達をまとめて探すことが出来る。

 屋上からは、2時間前の俺達が校庭に集まっている様子が見える。それにしても、『分身ハンマー』で作った分身ならまだしも、正真正銘……過去の俺自身を眺めるのは、何だか不思議な感覚だな。尤も、時間が止まっているので、過去の俺達はまるで石像のように硬直して動かないが。

 

「……さっきの光景だ。ちょうど1年生のランキングが発表されるところだね」

 

(あ、私がいる。隣にはお兄ちゃんとお姉ちゃん、うららちゃんも……)

 

「みたいだな。よし、まずは首輪を付けられる女の子達を守らないと……」

 

「……ちょっと待って。さっきも言ったけど、付いている首輪を強引に外すのは……」

 

「大丈夫。俺が今からしようとしていることは、付けられた首輪を壊すことじゃない。()()()()()()()()んだ」

 

「替え玉……?」

 

「ドクロウ。念の為に確認しておくけど、()()()()()()()()のが不味いのであって、()()()()()()()()()()()()()()()()なら大丈夫だよな?」

 

「え? う、うん。壊しさえしなければ、多分大丈夫だと思うけど……」

 

 首輪を無理に外せば、ヴィンテージにバレてしまう。しかし予め替え玉を用意しておけば、首輪が巻き付いても強引に外す必要は無い。

 実際に原作でも、エルシィが作った羽衣人形を利用し、本人の首輪を壊した直後に、壊した首輪と同じ信号を発する首輪を人形に巻き付けて奴らの目を欺いていた。

 今回はエルシィがいない以上、替え玉となる羽衣人形はひみつ道具で代用するしかない。しかし、これから使う道具なら、()()()()()()()()()()のだ。

 故に、原作よりも奴らにバレる可能性が低いと言える。仮にバレてしまったら……その時は、球を見て判断しよう。点滅していたら時間を巻き戻すしか無い。

 

「分かった。なら『これ』と『これ』を使って、女の子達に首輪が巻き付けられるのを防ぐ。ただ、天理は()()()()()()()()()()()()()()()()以上、あえてそのままにしておかないといけないけど」

 

「……黄色い人形? 顔に小さいボタンが付いてるけど……それにカメラ?」

 

 俺はポケットから『パーマン』でも使われている『道具』を5個取り出す。これさえあれば、奴らにバレることなく、尚且つ女の子達を奴らの魔の手から守ることが出来る。

 ただし、替え玉を作ったところで本人達が同時に存在していると面倒なことになるので、その対策としての『道具』も同時に取り出した。

 

「これは『コピーロボット』と言って、顔に付いているボタンを押せば、押した人と同じ姿に変身するロボットなんだ。そしてこのカメラは『チッポケット二次元カメラ』と言って、カメラで写した物を何でも写真の中に閉じ込めて保管することが出来る」

 

「こ、コピー? それに写真に閉じ込める……? 一体、どういうこと……!?」

 

(この2つを使って、まずは女神の宿主達と無関係の女の子達を助けないと……!)

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