東方九心猫   作:藍薔薇

126 / 140
元、貴女の式神だがな

 ――「とこぬ死、き生てっ蹲い這に上地生一」。つ放い言は女少、とる切区度一でこそ「は罰のへ物き生の上地。……てしとるえ考てっ帰ち持に月は罰のへ前お。すでのな罪でけだれそ。ぬ死、るき生、む住に上地。んせまりあがずはいなが罪に物き生む住にここ」。りかばすろ下見を様紫は女少「かうろだいなえ願弁勘はのす帰に無で子扇のそかうど。いなは罪はに物き生のて全む住に上地。行所の怪妖一なか愚はて全……、がいなれ知もかいしまがこおものう言をとこなんこが側たれ敗」。たけ付に地を手両てっ追を膝が様紫。るいでん睨を様紫に気し訝は女少るす対、しかし「ねわいいがけ分き聞にやい」。るいてい呟と様紫に風たっいとずわ思は藍。るいてけ続い笑てっ言うそ「よのたっかなは目ち勝に達私で点時たレバが戦作囮。らかだんいなが目ち勝らたっ戦にもとまらか初最。わいなてんな気う戦 !参降、参降うも !っはっはーあ」。たけ抜が力とっふらか体身の様紫様の身体からふっと力が抜けた。

 

「あーはっはっ! もう降参、降参! 戦う気なんてないわ。最初から、ッ!?」

「紫様……、っ?」

 

 紫様の喉元に月の最終兵器である扇子が突き付けられているその横を、私は一気に駆け抜けていく。突然出現した私にバッと目を向けた紫様も少女も、呆然と呟きながら驚いている藍も無視だ。

 レイセンと呼ばれた月の兎。彼女が生きていると結果を月の都に通信し、場合によってはさらに面倒そうな少女が幻想郷に下りてくる。

 

「ラァッ!」

 

 ならば、先に殺しておけばいい。そうすれば、月の都に通信されることはない。

 右手の五指の爪を伸ばし、その首を左から右へ真一文字に引き裂いた。何が起きたかいまいち理解していない怯えたような表情の頭に、引き絞った右手を亜光速で貫く。瞬間、空気を爆破したような轟音と衝撃波がここら一帯を揺らし、その中心にあった頭は爆ぜてそこら中に飛び散った。もはや原型は留めておらず、炭と化したそれらからは焼け焦げた臭いが漂ってくる。

 

「さ、彩、なの……?」

「はい。……元、貴女の式神だがな」

 

 状況が理解出来ていない紫様の問いかけに、私は伸ばした爪を戻しつつ振り返りながら端的に答えておく。紫様の背後にいる藍の隣、私がいた足元に私に憑けられていた式神が落ちている。当然、そこに私はいない。具体的にどこまでかは分からないないけれど、同じものは二つとして存在出来ない。少なくとも、魂は。理由? 知らん。そういうものだから、そういうものなんだろう。

 しかし、付いてきた月の兎を殺されたこの状況で少女はどう出る? 紫様の喉元に当てた扇子をそのままに私を脅迫するか? それとも、その扇子を紫様から私に向ける? まぁ、そんなもの見れば分かってしまう。すぐに振り向くぞ。

 

「貴女、よくもレイセンを……っ!」

「お、使いますか? 使えんのか? そのご自慢の最終兵器をよぉ!」

 

 ほぉら、私にその扇子を開いて見せる。挑発するように、威圧するように、振るえば幻想郷が素粒子を化して無に帰すものがあると見せびらかす。

 その時点で、隙だらけだ。無防備の瞬間があったならば、私はその瞬間に不可避の攻撃が出来てしまう。

 

「私達に楯突いたことを後悔しなし悔後をとこたい突楯に達私」

 

 すからびせ見とるあがのもす帰に無てし化を子粒素が郷想幻ばえる振、にうよるす圧威、にうよるす発挑。るせ見てい開を子扇子を開かれる前にその手を掴み、その瞬間に手首に妖術を流し込んで扇子を綺麗に切除された手ごと真上に放り投げた。手首には丸く肉と皮で包むように処理され、出血は一切ない。痛みさえもない。何故なら、これは飽くまで治療なのだから。

 そして、少女は存在しない手を動かして既に放り投げられた扇子を開いたつもりで腕を振り上げてしまう。何て滑稽な。

 

「私達に楯突いたことを後悔しながら、罪を償いなさい……?」

 

 腕が振り下ろされる。当然、何も起こらない。

 私は嘲笑いながら少女のぶよぶよとした手首を突いてやる。そして気付く。気付いてしまう。自分の手がなくなっていることを、ようやく認識してしまう。ギョッと目を見開いたその瞬間、私は無防備な胸を右手で貫き、心臓を抜き取った。まだドクドク震えているが、それもじきに止まる。

 

「ぇ、ぁ、……がふ、っ?」

「さて、次だ」

 

 右手を引き抜き、少女に加重力の妖術を叩き込んで圧殺しながら、あの時永琳がやって来た竹林の方角を見遣る。……まだもう少しだけ時間があるかな。

 私は首無しの月の兎の身体の元に向かいつつ、永琳をどうするかを考える。どうすれば私にとって都合がよくなるだろうか、と。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。