「消えた!? 紫様、あの二人は何処に!?」
「一つ前の歴史……、枝分かれし剪定される歴史……、中心にいる彩……、須臾を超越した存在……」
「……紫様?」
輝夜と永琳が消えたことに驚いている藍と、ブツブツと呟きながら何か考え出した紫様を見遣り、私は一息吐く。
月の兎は真っ先に殺した。通信手段を断った上で少女を殺した。その仇討ちに現れた永琳と、それに付いてきた輝夜を消した。次がきっと最後だ。姉であるらしい少女を殺した仇討ちにやって来る、妹であろう少女。実を言えば、かなり厄介でもある。何故なら、来るか来ないかが不明であり、来るにしてもいつ来るか分からないから。来ないと高を括って放っておく? それでいいならそれでもいいけれど。はぁ。
「あれ?」
まだ終わってはいないものの、少しばかり余計なことを考えられる時間が出来たことで、意図して考えようとしていなかったことに気付いてしまう。
私はどうして死んでいないのだろう? おかしいな。贖罪にもならない自己完結のために、死ぬつもりでこうしていたはずなのに。生きていたから。死にたくないよ。まだ超えてねー壁があるから。次の襲撃者がやって来るかもしれねぇ。護りたい二人が後ろにいるもの。……あれ?
「彩」
「あん?」
そんな不可解なことに首を傾げていたところ、紫様に両肩を掴まれて無理矢理振り返らされて考えが一度ブツリと途切れてしまう。まぁ、いい。後にしよう。
私は紫様に振り向かされて顔を合わせることになる。興奮、畏怖、歓喜、期待、憂慮、様々な感情が入り混じった表情を向けられ、私は思わず辟易してしまった。
「貴女、まさか時を行き来出来るのかしら?」
違う。私が出来るのは時間遡行だけだ。
しかし、紫様の過大評価よりも重要なことがある。それは、紫様が私を利用しようとしていることだ。そりゃあ便利だろうなぁ。望む結果が出るまで何度もやり直せる。私もそう思う。……思ってた。
けれど、違うんだ。望めば望むほど、この力はあるべきではないと認識していく。最善を求めようとすればするほど、何処まで遡ればいいか分からなくなってくる。それに、結果がどれだけよくなろうと、その過程には苦難しかない。襲撃者を追い払おうと、再び現れる。守ろうとしたものは、何度も失う。癒した者を、もう一度怪我させてしまう。殺した敵は蘇る。そうして同じことを何度も何度も繰り返して、何に対しても事前に決めておいた行動をしていく。そんなものはつまらない作業でしかない。
そして、時間遡行をしたその瞬間、遡った分だけ世界に存在するあらゆる選択を切って捨てている。その時間に生きているあらゆる存在を世界ごと消し飛ばしている。そして、私の身勝手な理想のために選択を捻じ曲げ、本来進むはずだった道筋を世界ごと外れさせていく。あぁ、何と罪深いことか。
だからこそ、こんな力は存在してはいけない。私が望んだ力は、こんな力じゃあなかったのに。
「……彩?」
嫌なことを思い返してしまい、押し黙っていた私の名を呼ばれる。名前なんて意味がなかった。むしろ不便でしかなかった。自分で付ける気は一切なかった。そんな私に与えられた名前。
……あぁ、そっか。私はもう八雲彩なんだなぁ。
「決めた」
質問と答えが何一つ噛み合っていないせいで紫様に変なものを見るような目で見られてしまったが、そんなものはもうどうでもいい。
背後から雷でも落ちたような轟音がしてすぐに振り返ってみれば、あの少女が光と共に落ちてきたようだが、そんなものはもうどうでもいい。
「この世界はなかったことにしよう」
紫様のギョッとした表情も、首なし死体を見下ろした少女の殺意に満ちた表情も、そんなものはもうどうでもいい。
ほら、やっぱり、結局、私はいつだって間違える。
情表たち満に意殺の女少たしろ下見を体死しな首、も情表たしとッョギの様紫。たきてち落に共と光が女少のあ、ばれみてっ返り振にぐすてしが音轟なうよたち落もで雷らか後背。たっましてれら見で目なうよる見をのもな変に様紫。るれば呼を名の私「?彩……」「?らしかのる来出来き行を時かさま、女貴」。情表たっじ混り入が情感な々様、慮憂、待期、喜歓、怖畏、奮興「彩」。様紫たし出え考か何らがなき呟とツブツブ、と藍るいてい驚にとこたえ消が琳永と夜輝「?様紫……」「……在存たし越超を臾須、……彩るいに心中、……史歴るれさ定剪しれか分枝、……史歴の前つ一」「?!に処何は人二のあ、様紫 ?!たえ消」――