色々あったものの、時間は進み現在は二時間目を終えての休み時間。
羽織主と織斑一夏はというと……
「ンンン我が救世主ゥ…」
「その謎のタメはなんなんだ…?」
羽織主がブレずに変なキャラを突き通していて、織斑一夏はそれに対して困惑していた。
しかし、そんな時間も長くは続かなかった。
というか続くな。
「ちょっとよろしくて?」
突然声を掛けてきたのは金髪少女。
明らかにお嬢様といった感じの雰囲気。
「んあ?」
「ンワァ?」
突然の声に対して織斑一夏、羽織主の順で腑抜けた声が出る。
なんだお前その声。
「まあ!なんですのそのお返事!わたくしに話し掛けられるだけでも光栄ですのに、その態度とその腑抜けた声!
これだから男性は…」
まだ織斑一夏はマシな方だと思うからとりあえず羽織主にツッコミをだな……
「あー…悪いな、俺君が誰だか知らないし…」
「なっ!?知らない!?入学首席にしてイギリスの代表候補生であるこのセシリア・オルコットを!?」
机を勢いよく叩き自身の名を高らかに告げるセシリア・オルコット。
絶対痛いでしょほらちょっと涙目だもん無理しないで。
「あ、一つ質問良いか?」
織斑一夏はセシリア・オルコットに向けて手を上げる。
というかなんだ羽織主その顔。
初変身もしてないのにトリニティになる時みたいな顔芸してんじゃないよ真面目に聞け。
「んぇ、あ、えぇ。庶民の質問に答えて差し上げるのもエリートの役目ですもの、なんなりと。」
ほらセシリア・オルコットも気になって腑抜けた声出しちゃったじゃんちょっと顔赤いし涙目だぞ謝れよはいなーかした、なーかした、せーんせいにーいってやろー。
(ちょっとうるさい)
はいすみません。
「…代表候補生って、何だ…?」
やけに神妙な顔で織斑一夏はそう言うと、聞き耳を立てていた女子全員がズッコケた。
もちろんそれはセシリア・オルコットも例外ではない。
羽織主は……うん。
代表候補生のことを全て知り尽くすってノートに書こうとするのやめようね馬鹿かー?
「えぇ…?」
当然いきなり入って何も知らない織斑一夏は至極当然の質問を投げ掛けたつもりであった。この状況に困惑せずにはいられない。
「良いかい我が救世主よ。
代表候補生とは平たく言えば言葉の通り、各国の代表となる候補の事だ。
つまりそれぞれ国の人間の中でもISを上手く動かせるエリートな人間の事を指すね。」
そのままの説明すぎるが織斑一夏は納得したようで軽く頷く。
その言葉を聞いたセシリア・オルコットは飛び出す。
「そう!エリートなのですわ!
本来ならわたくしのような選ばれた人間とはクラスを同じくすることだけでも幸運ですのよ?」
「そうか、それはラッキーだな。」
「こういう所で運は使いたくないものだね…」
誇らしげな表情で話すセシリア・オルコットに対し織斑一夏、羽織主の順で言葉を漏らす。
その言葉を聞いたセシリア・オルコットは顔をムッとして二人を見る。
「…バカにしていますの?
…はぁ…男でISを操縦できると聞いていたので期待していましたが、とんだ期待外れでしたわね…」
「いや、俺に何か期待されても困るし…」
「……」
言葉を漏らす織斑一夏の横で、羽織主は黙ってセシリア・オルコットを見る。
「…何か?」
「……いや、なんでもない。
ただ自分だけが入試の際に教官を倒したと勘違いしているのが可哀想だなと思っただけさ。」
「なっ…!
わ、わたくしだけと聞きましたが…!?」
「女子での結果を聞かされただけだろう。
私も我が救世主も教官を倒している。
たかが教官を倒したくらいでそこまで威張る事では無いと私は思うよ?」
「あ、貴方…!」
羽織主とセシリア・オルコットによる口論。
羽織主の一方的な煽りがセシリア・オルコットにダメージを与える中、織斑一夏は「なんか喧嘩始まった…」くらいの考えで見ている。
止めて差し上げろ。
と、良いタイミングでチャイムが鳴りメンチを切っていた二人の視線が時計に移る。
「くっ…!話はまた後に!逃げない事ね!」
見事な捨て台詞を吐き、席に戻っていくセシリア・オルコット。
三下三下。
「すまない、見苦しいものを見せてしまったね。」
頭を軽く下げながら羽織主が織斑一夏に謝罪の言葉を述べる。
果たしてその見苦しいものとは何の事なんでしょうか。
「ん、良いって良いって。それより先生来るし、早く席に着いた方が良いぞ。」
織斑一夏はすぐさまフォローを入れる。
それを聞いた羽織主は嬉しそうに笑った。
「そう言ってくれると嬉しいよ。では、また後で。」
手を軽く振り席に着いた羽織主。
その光景を見ていた腐女子達は「尊い」と大いに盛り上がったという。
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「突然だが、授業の前に再来週行われるクラス対抗戦に出るクラス代表を決める。
自薦他薦は問わん、誰か言ってみろ。」
教壇の前に立った織斑千冬はクラスの全員にそう告げる。
その言葉に対しクラスの女子はどんどん声を挙げる。
「はい!織斑くんを推薦します!」
「んんぅ…ワイトもそう思います。」
誰だよワイト。
「お、俺ぇ!?」
何故か推薦されている事に驚き困惑する織斑一夏。
「我が救世主こそが代表に相応しいとワイト……私は思うよ。」
お前かよワイト。
よくあんな声出せたな。
「では候補者は織斑……他にはいるか?」
その言葉に先程羽織主に落ちた女子が声を挙げる。
「じゃあ、私は羽織主くんを推薦します!」
「さんせーい!」
まさか自分が推薦されるとはミリ単位でも想像していなかった羽織主は珍しく驚いた表情をして、困ったように笑う。
「…おや、私かい?
私としては是非とも我が救世主になって欲しい所なんだが…織斑先生、辞退というのは…」
「無い。」
即答である。
「……」
おいノート出そうとすんなやめろおま「納得がいきませんわ!」
「男がクラス代表なんて世間の恥ですわ!こんな極東の猿のような人物を珍しいからとクラス代表にしようなど…!大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、堪え難い苦痛で…!」
「ほう?」
織斑一夏が反論しようと席を立ちかけるが、それより早く羽織主が口を開く。
「…君は今、誰に対してその言葉を投げたんだい?
私に対してなら構わないが…」
羽織主はゆっくりと振り向き、セシリア・オルコットに目を向ける。
その表情は笑顔である。
「無論、そこの織斑一夏と貴方ですわ。」
「……ふぅ、分かった。
私はもうこれ以上何も言わないが、一つ提案を。
埒が明かない事だし、決闘でもどうかな?
君からしたら一番楽で分かりやすいだろう?」
「ええ、構いませんわよ?
最も、結果は既に見えていますけど。」
「我が救世主はそれでいいかな?」
「えっ?あ、あぁ……」
目の前で目から電撃を放つように睨み合う二人に追い付けず、よく考えないままに返事をしてしまう織斑一夏。
完全に振り回されている。
「決まりだな。それでは勝負は一週間後の月曜、第三アリーナで行う。織斑、オルコット、羽織主はそれぞれ用意をしておくように。」
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「あー疲れた…」
「初日から色々あってお疲れだろう、寮でゆっくり休むといい。」
カバンを持って寮まで歩く織斑一夏と羽織主。
先程織斑一夏が織斑千冬から受け取った参考書によって頭を悩ませていると、山田真耶より寮で暮らすようになる等の連絡を受け寮へと歩いている。
「とはいえ、俺は相部屋だからな…相手によってはゆっくり休めないかもな。」
「それこそ、あのセシリア・オルコットと相部屋だったらね。」
「はは…怖い事言うのやめろよ。
ウォズは一人部屋だろ?羨ましい…」
「まあ、人数的に仕方がなかった事だ。それに現時点では余っている部屋という事もあって少しだけ設備が不足しているそうだしね。」
「へぇ……」
談笑を続ける二人の後ろには大量の女子。
織斑一夏は最早突っ込まないと言わんばかりに目を逸らし、羽織主は目が合えば女子に手を振る。
対応の差。
「羽織主くんが手振ってくれてる…!これがファンサービス…!?」
「織斑くんと楽しそうに話しながら私達にも目を向けてくれるとか何あのイケメン…!」
「嫌いじゃないわ…!」
背後からボソボソと声が聞こえてくるが羽織主は気にしない。
織斑一夏は遠い目をする。
メンタルの差もあるようだ。
「と、着いたね。
私は奥の方の部屋だからここで失礼するよ、ではまた明日。」
「おう、また明日。」
織斑一夏と別れた後部屋の前に着くと、羽織主はドアに手を掛け口を開く。
「見ているのは気付いていますよ、更識楯無さん。」
「…あら、いつから気付いてたの?」
「あんなに視線を向けられていると嫌でも気付きますよ。
学園最強の人物が私に何の用です?」
「……貴方はニュースに出た訳じゃなく、入試の日に突然一人でやってきた。
政府に連れられた訳でもなく、いきなり一人で。
…それに貴方の経歴、見た感じはしっかりと作られてるようだけど……詳細を調べたら、おかしい点が多々あるの。
単刀直入に聞くけど……貴方、何者なの?」
「……それを貴方が知るのはまだ早い。
いつかその時が来ればお話しましょう、今回は引いてくれませんか?」
「それを信じるとでも?」
「ええ、嫌でも信じてもらいます。」
「……どうやって?」
「さあ、どうするんでしょうね?」
「もしかして、私を馬鹿にしてるのかしら?」
「まさか。
私が学園最強に喧嘩を売るなんて、余程の事が無い限り有り得ないですよ。」
「……」
「……」
「…まあいいわ、今回は見逃してあげる。
でも次に私が変に思ったら…分かるわね?」
その言葉を残し、更識楯無は去っていく。
去る際に羽織主を一睨みして。
「ええ、心得ておきますよ。」
そう呟きながら、羽織主は機械的なノートを取り出す。
それを開き、機械的なペンで文字を書く。
「〖更識楯無、羽織主 白への不信感を無くす。〗……と。」
機械的なノートが緑色に淡く発光すると、それを閉じて部屋に入っていった。
……ようやくちゃんとした使い方したな。
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「織斑。お前には専用機が用意されるそうだ。」
次の日、織斑千冬が放った一言によってクラスの女子が騒ぐ。
「専用機…!?この時期に!?」
「いいなぁ…私も早く専用機欲しいなぁ…」
「…そんなにすごいことなのか…?」
「説明しよう。ご存知の通り、ISには専用のコアが必要ではあるもののコアは篠ノ之博士にしか作れない上、現在世界には467個しかコアがない。
世界ではそれを分けて使っているので、その中の貴重な一つが我が救世主に与えられるという事だ。」
織斑一夏は声を漏らすと、移動してきた羽織主が解説を入れる。
「へぇ…そうなのか…だいたいわかった。」
↑分かってない
その中、女子の一人が織斑千冬に向けて手を挙げ口を開く。
「篠ノ之さんって、もしかして篠ノ之博士の関係者なんですか?」
「ああ、そうだ。篠ノ之はあいつの妹だ。」
質問に対して織斑千冬はあっさりと答える。
教師が個人情報を晒していいのか。
織斑千冬の返答によりクラスの女子が再度騒ぎ出すが、篠ノ之箒は声を荒らげる。
「あの人は関係ない!…私はあの人じゃない。教えられるようなことは何もない。」
静まる教室の中、織斑千冬が口を開く。
「…さて、授業を始める。山田先生、号令を。」
「は、はいっ!」
(……あれ、そう言えば…ウォズって、専用機あるのか…?)
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そして、日は飛び月曜。
織斑一夏、羽織主、篠ノ之箒がアリーナのピットの中で待機していた。
〘羽織主、聞こえるか?〙
「ん、ああ、聞こえますよ。」
〘織斑の専用機が届くまで少し時間がかかるそうだ、先に出れるか?〙
「分かりました、ではすぐに。
……という事らしい、我が救世主は待機を。」
「ああ。頑張れよ、ウォズ。」
「…嬉しい言葉だ、ありがとう。
我が救世主の期待に応える為に必ず勝利を掴んでみせよう。」
そう言って羽織主は出口に向けて歩いていく。
「……?羽織主、ISはどうした?」
篠ノ之箒が質問を投げかけるが、羽織主はそのまま歩きながら答える。
「私のものは特別でね。折角だから派手に行こうと。」
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「…ようやくお出ましですか、生身で現れるなんて、もう降参ですの?」
「まさか。
これからお披露目と行くつもりだよ。」
そう言って羽織主は手を軽く前に伸ばして動かすと、緑色の謎のディスプレイのようなものが現れバックルのようなものが出現する。
羽織主はそれを手に取り、腰に当てるとバックルからベルトが飛び出て腰に巻き付く。
『ビヨンドライバー!』
「…ベルト?」
セシリア・オルコットの呟きを無視し、羽織主はストップウォッチのような物、ミライドウォッチと呼ばれるそれを伸ばした左手で持ち天面のボタンを押す。
『ウォズ!』
羽織主は左手のウォズミライドウォッチを両手を交差させながらドライバーにセットする。
『アクション!』
腕を開きながらウォズミライドウォッチのボタンを再度押しそのカバーを開く。
未来的な音楽がアリーナ中に響き渡る中、ゆっくりと上へと上げられる腕の動作はどこか神々しく、その羽織主の背後に巨大なスマートウォッチの画面のようなエフェクトが出現し、画面に様々な数字が表示される。
それと同時に羽織主の周りにはいくつもの線で繋がった光が浮かび上がり、羽織主を照らす。
「変身」
羽織主が右手を上げる。
その際、ビヨンドライバーのハンドルを前に向けることでミライドウォッチのデータがビヨンドライバーへと────
『投影!フューチャータイム!』
─────投影される。
背後のスマートウォッチ型の画面が巨大な「ライダー」の文字を表示し、その文字が画面から飛び出した瞬間。
『スゴイ!』
羽織主の周りに浮かぶ光は収束し、光の円になって羽織主を囲む。
『ジダイ!』
その光は次第に羽織主の姿を変えていく。
『ミライ!』
光の中の羽織主が銀色のスーツを纏うと、収束した光がアーマーへと変化する。
『仮面ライダーウォズ!ウォズ!!』
そのアーマーが同時に羽織主へと装着されると、飛び出した「ライダー」の文字が顔のスマートウォッチ型の部分へと収まっていく。
「…何ですの、あれは…!」
アリーナ中の人間が驚愕で染まる中、ただ1人。
それをまた別の感情で見ていた。
「…すげぇ…すげぇよ、ウォズ…!」
その少年───織斑一夏は、希望を見るような目で。
男のロマンを見つめる、少年の目で。
自身を救世主と呼ぶ少年に、心を躍らせていた。
『我が名は仮面ライダーウォズ。
未来の創造者である!』
仮面ライダーは、高らかに名乗りを上げた。
一ヶ月に一度しか投稿できない屑。
資料の為に買ったミライドライバー×3が何故かカートンの箱で届いて置き場所に困ってます。
というかなんで3つ買ったんだ。
ビヨンドライバー、シノビ、クイズ、キカイを買ったのにギンガミライドウォッチはまだ買ってないという。
ゼロワン始まったのに……。